日本国憲法第25条の生存権をめぐる朝日訴訟の最高裁判所判決(1967年)の考え方として、正しいものはどれか。
- ①憲法第25条は個々の国民に具体的権利を直接与えたもので、保護基準は裁判所が直接定めるべきである
- ②憲法第25条は個々の国民に具体的権利を与えたものではなく、保護基準は厚生大臣の裁量に委ねられる
- ③憲法第25条の具体化は立法府の裁量に委ねられ、年金と手当の併給調整は直ちに違憲とはいえない
- ④憲法第25条を根拠に、当時の保護基準は低すぎて違憲であるとし、国に基準の引上げを命じた
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朝日訴訟は、結核で療養していた朝日茂さんが、生活保護の生活扶助の基準(日用品費月600円)が低すぎ、憲法第25条に違反すると訴えた裁判です。最高裁判所(1967年)は、本人の死亡により訴訟は終了したとしつつ、傍論で、憲法第25条は国の責務を宣言したもので、直接個々の国民に具体的権利を与えたものではなく、何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの判断は厚生大臣の裁量に委ねられているとの考え方を示しました。
この訴訟は「人間裁判」と呼ばれ、生活保護の基準の引上げなどに影響を与えました。
他の選択肢が誤りの理由
・具体的権利を直接与え裁判所が基準を定める:判決の考え方とは異なります。
・立法府の裁量・年金と手当の併給調整:1982年の堀木訴訟の最高裁判決の内容です。
・保護基準を違憲とし引上げを命じた:最高裁は、本人の死亡により訴訟は終了したとし、傍論で保護基準の設定は厚生大臣の裁量に委ねられるとの考え方を示しました(第一審では原告の主張が認められましたが、最高裁の判断ではありません)。
覚え方のポイント
朝日訴訟(1967)=「人間裁判」「厚生大臣の裁量」。堀木訴訟(1982)=「立法府の裁量」(年金と手当の併給調整)。