2026年10月版・7-7

法の基礎(憲法・民法・行政法)の一問一答

精神保健福祉士国家試験「共通:原理と政策・社会保障・権利擁護」から、法の基礎(憲法・民法・行政法)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問17-7

日本国憲法第25条の生存権をめぐる朝日訴訟の最高裁判所判決(1967年)の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①憲法第25条は個々の国民に具体的権利を直接与えたもので、保護基準は裁判所が直接定めるべきである
  • ②憲法第25条は個々の国民に具体的権利を与えたものではなく、保護基準は厚生大臣の裁量に委ねられる
  • ③憲法第25条の具体化は立法府の裁量に委ねられ、年金と手当の併給調整は直ちに違憲とはいえない
  • ④憲法第25条を根拠に、当時の保護基準は低すぎて違憲であるとし、国に基準の引上げを命じた
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正解 ②憲法第25条は個々の国民に具体的権利を与えたものではなく、保護基準は厚生大臣の裁量に委ねられる
解説
朝日訴訟は、結核で療養していた朝日茂さんが、生活保護の生活扶助の基準(日用品費月600円)が低すぎ、憲法第25条に違反すると訴えた裁判です。最高裁判所(1967年)は、本人の死亡により訴訟は終了したとしつつ、傍論で、憲法第25条は国の責務を宣言したもので、直接個々の国民に具体的権利を与えたものではなく、何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの判断は厚生大臣の裁量に委ねられているとの考え方を示しました。
この訴訟は「人間裁判」と呼ばれ、生活保護の基準の引上げなどに影響を与えました。

他の選択肢が誤りの理由
・具体的権利を直接与え裁判所が基準を定める:判決の考え方とは異なります。
・立法府の裁量・年金と手当の併給調整:1982年の堀木訴訟の最高裁判決の内容です。
・保護基準を違憲とし引上げを命じた:最高裁は、本人の死亡により訴訟は終了したとし、傍論で保護基準の設定は厚生大臣の裁量に委ねられるとの考え方を示しました(第一審では原告の主張が認められましたが、最高裁の判断ではありません)。

覚え方のポイント
朝日訴訟(1967)=「人間裁判」「厚生大臣の裁量」。堀木訴訟(1982)=「立法府の裁量」(年金と手当の併給調整)。
問27-7

民法における成年年齢について、2022年4月から適用されている年齢として正しいものはどれか。

  • ①18歳
  • ②20歳
  • ③16歳
  • ④22歳
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正解 ①18歳
解説
2018年の民法改正により、2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。18歳になると、親権者の同意なく、自分一人で契約などの法律行為ができるようになります(未成年者取消権の対象外になります)。
なお、飲酒や喫煙、公営競技(競馬など)の年齢制限は20歳のまま維持されています。

他の選択肢が誤りの理由
・20歳:2022年3月までの成年年齢です。
・16歳、22歳:成年年齢ではありません。

覚え方のポイント
成年年齢=18歳(2022年4月〜)。精神保健福祉法の「家族等」から除かれる「未成年者」も18歳未満です。
問37-7

民法第877条に定める、互いに扶養をする義務がある者(絶対的扶養義務者)として、正しいものはどれか。

  • ①直系血族と兄弟姉妹
  • ②三親等内の親族
  • ③直系血族と直系姻族
  • ④配偶者の兄弟姉妹
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正解 ①直系血族と兄弟姉妹
解説
民法第877条第1項は、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があると定めています(絶対的扶養義務者)。また、特別の事情があるときは、家庭裁判所は、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができます(同条第2項、相対的扶養義務者)。夫婦の間の扶助の義務は、民法第752条に定められています。
生活保護では、扶養義務者による扶養は保護に優先して行われるものとされています(生活保護法第4条第2項)。

他の選択肢が誤りの理由
・三親等内の親族:特別の事情があるときに家庭裁判所が扶養の義務を負わせることができる範囲です(第877条第2項)。
・直系血族と直系姻族:配偶者の父母などの直系姻族は、絶対的扶養義務者ではありません(三親等内の親族として、家庭裁判所の審判で義務を負うことがありえます)。
・配偶者の兄弟姉妹:絶対的扶養義務者ではありません(三親等内の姻族として、家庭裁判所の審判で義務を負うことがありえます)。

覚え方のポイント
絶対的扶養義務者=「直系血族と兄弟姉妹」(夫婦は第752条)。三親等内は家庭裁判所の審判で。
問47-7

Aさん(45歳)は、精神障害者保健福祉手帳の等級の決定に不服があり、審査請求をしたいとB精神保健福祉士に相談した。行政不服審査法に基づく審査請求について、正しいものはどれか。

  • ①原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に行う
  • ②原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して1年以内に行う
  • ③原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に行う
  • ④原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行う
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正解 ④原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行う
解説
行政不服審査法は、行政庁の処分などに不服がある人が、行政庁に対して不服を申し立てる手続を定めています。審査請求は、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、原則としてできない)に行います(第18条)。
生活保護の決定や、障害福祉サービスの支給決定などに不服がある場合も、この仕組みで審査請求ができます(生活保護では都道府県知事、障害福祉サービスでは都道府県知事に審査請求します)。

他の選択肢が誤りの理由
・知った日から60日以内:2014年の全部改正(2016年施行)より前の行政不服審査法の期間で、現在は3か月に延ばされています。
・知った日から1年以内:「知った日から3か月」が原則で、1年は処分があった日からの期限です。
・知った日から6か月以内:行政事件訴訟法の取消訴訟の出訴期間(処分があったことを知った日から6か月)と混同したものです。

覚え方のポイント
審査請求の期間=「知った日の翌日から3か月」「処分の日の翌日から1年」。
問57-7

統合失調症のAさん(30歳)が、症状の悪化した状態で他人の物を壊してしまい、家族が損害の賠償について相談に来た。民法の不法行為について、精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある人が他人に損害を与えた場合の扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①本人は原則として賠償責任を負わず、同居の家族は当然に監督義務者として責任を負う
  • ②本人は賠償責任を負うが、精神上の障害の程度を考慮して、賠償額が減額されることがある
  • ③本人は原則として賠償責任を負わず、法定の監督義務者等が責任を負うことがある
  • ④本人は原則として賠償責任を負わず、故意にその状態を招いたときも同じである
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正解 ③本人は原則として賠償責任を負わず、法定の監督義務者等が責任を負うことがある
解説
民法第713条は、精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わないとしています(故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときを除く)。
そのうえで第714条は、責任無能力者を監督する法定の義務を負う者(監督義務者)などが、その義務を怠らなかったことなどを証明しない限り、損害を賠償する責任を負うとしています。認知症の高齢者が起こした鉄道事故の裁判(2016年最高裁判決)では、同居の配偶者であることだけで監督義務者に当たるわけではないとされました。

他の選択肢が誤りの理由
・同居の家族は当然に監督義務者:家族であることや同居していることだけで、当然に監督義務者となるわけではありません(2016年の最高裁判決)。
・本人が責任を負い減額される:責任を弁識する能力を欠く状態にある間の行為については、本人は原則として賠償の責任を負いません。
・故意に招いたときも同じ:故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、本人が賠償の責任を負います(第713条ただし書)。

覚え方のポイント
第713条=責任無能力者は責任を負わない、第714条=監督義務者等の責任(義務を怠らなかったことの証明で免責)。
問67-7

日本国憲法第13条の内容として、正しいものはどれか。

  • ①すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有し、国はその向上に努めなければならない
  • ②すべて国民は個人として尊重され、生命、自由及び幸福追求の権利は最大の尊重を必要とする
  • ③すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分などにより差別されない
  • ④すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負い、賃金や就業時間などの基準は法律で定める
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正解 ②すべて国民は個人として尊重され、生命、自由及び幸福追求の権利は最大の尊重を必要とする
解説
日本国憲法第13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定めています。個人の尊厳と幸福追求権の規定で、プライバシー権や自己決定権の根拠ともされます。
2024年の旧優生保護法の最高裁判決でも、不妊手術の強制は第13条(意思に反して身体への侵襲を受けない自由)に反するとされました。

他の選択肢が誤りの理由
・健康で文化的な最低限度の生活:第25条(生存権)の内容です。
・法の下の平等:第14条の内容です。
・勤労の権利と義務:第27条の内容です。

覚え方のポイント
13条=個人の尊重・幸福追求、14条=平等、25条=生存権、27条=勤労。
問77-7

重度の認知症のAさん(80歳)が、訪問販売で高額の契約をしていたことが分かった。民法の意思能力について、正しいものはどれか。

  • ①意思表示をした時に意思能力を有しなかったときでも、その法律行為は有効とされる
  • ②意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効とされる
  • ③意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、家族の同意がなければ取り消される
  • ④意思能力の有無は年齢だけで決まり、成年者は常に意思能力があるとみなされる
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正解 ②意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効とされる
解説
民法第3条の2は、「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」と定めています(2017年の民法改正で明文化され、2020年4月から施行)。意思能力は、自分の行為の結果を判断できる能力で、具体的な行為ごとに判断されます。
これに対し、行為能力は、単独で有効な法律行為ができる能力で、未成年者や成年被後見人などの制限行為能力者の行為は、一定の場合に取り消すことができます。

他の選択肢が誤りの理由
・意思能力がなくても有効:意思能力がない状態での法律行為は無効です。
・家族の同意がなければ取り消される:意思能力の欠如は「無効」の問題で、家族の同意の有無で効力が決まるものではありません(取り消すことができるのは、制限行為能力者の行為などです)。
・年齢だけで決まる:意思能力は、行為の時点の判断能力によって個別に判断されます。

覚え方のポイント
意思能力なし=「無効」(第3条の2)、制限行為能力者=「取り消すことができる」。
問87-7

行政手続法に定める「申請に対する処分」について、行政庁に求められていることとして正しいものはどれか。

  • ①審査基準を定めて公にしておき、申請を拒否するときは理由を示すこと
  • ②審査基準を公にしておき、申請を拒否するときも理由は示さなくてよいこと
  • ③標準処理期間を定めることを義務とし、審査基準は定めるよう努めること
  • ④形式上の不備がある申請は、受付自体を拒んで申請者に返戻すること
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正解 ①審査基準を定めて公にしておき、申請を拒否するときは理由を示すこと
解説
行政手続法は、申請に対する処分について、行政庁が、審査基準を定め、原則として公にしておくこと(第5条)、申請が事務所に到達してから処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(標準処理期間)を定めるよう努めること(第6条)、申請が到達したときは遅滞なく審査を開始すること(第7条)、申請を拒否する処分をするときは、原則として申請者にその理由を示すこと(第8条)などを定めています。
行政運営の公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益を守るための法律です。

他の選択肢が誤りの理由
・拒否するときも理由は示さなくてよい:申請を拒否する処分をするときは、原則として理由を示さなければなりません(第8条)。
・標準処理期間が義務で審査基準が努力義務:逆です。審査基準を定めることは義務(第5条)、標準処理期間を定めることは努力義務(第6条)です。
・不備があれば受付を拒んで返戻:申請が到達したときは遅滞なく審査を開始し、形式上の要件に適合しない申請は、補正を求めるか、申請を拒否する処分をしなければなりません(第7条)。

覚え方のポイント
申請に対する処分=「審査基準の公表」「標準処理期間」「遅滞なく審査」「拒否には理由の提示」。
問97-7

1982年の堀木訴訟の最高裁判所判決で示された考え方として、正しいものはどれか。

  • ①憲法第25条を根拠に、障害福祉年金と児童扶養手当は全額を併給しなければならないとした
  • ②憲法第25条の具体化に立法府の裁量はないとし、年金と手当の併給調整の規定は違憲とした
  • ③憲法第25条は個々の国民に具体的権利を与えたもので、保護基準は裁判所が定めるべきだとした
  • ④憲法第25条の具体化は立法府の広い裁量に委ねられるとし、年金と手当の併給調整を合憲とした
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正解 ④憲法第25条の具体化は立法府の広い裁量に委ねられるとし、年金と手当の併給調整を合憲とした
解説
堀木訴訟は、視力障害のある母親の堀木文子さんが、障害福祉年金を受けていることを理由に児童扶養手当の支給を拒まれたことは憲法第25条などに違反すると訴えた裁判です。最高裁判所(1982年)は、憲法第25条の規定の趣旨を具体化するための立法措置の選択決定は、立法府の広い裁量に委ねられており、著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合を除き、裁判所が審査判断するのに適しないとして、併給調整の規定を合憲としました。

他の選択肢が誤りの理由
・併給調整の規定は違憲:最高裁は、立法府の広い裁量を認めて合憲としました。
・具体的権利で裁判所が基準を定める:朝日訴訟などで争われた考え方とも異なり、判決の内容ではありません。
・全額を併給しなければならない:判決は併給調整の規定を合憲としました(なお、その後の法改正で併給調整の扱いは見直されています)。

覚え方のポイント
朝日訴訟=「行政(厚生大臣)の裁量」、堀木訴訟=「立法府の裁量」。
問107-7

法の基礎について、正しいものの組合せはどれか。
a.民法の成年年齢は、2022年4月から18歳である。
b.意思能力を有しない状態でした法律行為は、無効とされる。
c.行政不服審査法の審査請求は、処分を知った日の翌日から1年以内が原則である。
d.民法第877条の絶対的扶養義務者には、三親等内のすべての親族が含まれる。

  • ①a・c
  • ②c・d
  • ③a・b
  • ④b・d
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正解 ③a・b
解説
a:民法の成年年齢は、2022年4月1日から18歳に引き下げられました。
b:意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効とされます(民法第3条の2)。

他の記述が誤りの理由
c:審査請求は、原則として処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行います。
d:絶対的扶養義務者は直系血族と兄弟姉妹で、三親等内の親族は、特別の事情があるときに家庭裁判所が扶養の義務を負わせることができる範囲です。

覚え方のポイント
成年18歳、審査請求3か月、意思能力なし=無効、扶養義務=直系血族と兄弟姉妹。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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