2026年10月版・7-2

福祉政策の構成と福祉サービスの供給の一問一答

精神保健福祉士国家試験「共通:原理と政策・社会保障・権利擁護」から、福祉政策の構成と福祉サービスの供給に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問17-2

エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen, G.)が示した福祉レジーム(福祉国家の類型)として、正しいものはどれか。

  • ①救貧型レジーム、防貧型レジーム、福祉型レジーム
  • ②普遍主義、選別主義、市場主義の各レジーム
  • ③家族主義、地域主義、国家主義の各レジーム
  • ④自由主義、保守主義、社会民主主義の各レジーム
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正解 ④自由主義、保守主義、社会民主主義の各レジーム
解説
エスピン-アンデルセンは『福祉資本主義の三つの世界』(1990年)で、労働者が市場に依存せずに生活できる程度(脱商品化)などの指標から、福祉国家を3つのレジームに分類しました。
自由主義レジーム:市場の役割が大きく、選別的な給付が中心(アメリカ、イギリスなど)。
保守主義レジーム:職業別の社会保険が中心で、家族の役割が大きい(ドイツ、フランスなど)。
社会民主主義レジーム:普遍的で手厚い給付、脱商品化の程度が高い(スウェーデンなど北欧)。

他の選択肢が誤りの理由
・残りの3つ:いずれもエスピン-アンデルセンの類型の名称ではありません。

覚え方のポイント
エスピン-アンデルセン=「自由主義(米英)・保守主義(独仏)・社会民主主義(北欧)」、キーワードは「脱商品化」。
問27-2

ブラッドショー(Bradshaw, J.)のニードの類型のうち、専門家や行政が一定の基準に照らして必要と判断するニードはどれか。

  • ①表明されたニード
  • ②感得されたニード
  • ③規範的ニード
  • ④比較ニード
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正解 ③規範的ニード
解説
ブラッドショーは、ニード(必要)を次の4つに分類しました。
規範的ニード:専門家や行政が、一定の基準や規範に照らして必要と判断するもの。
感得されたニード(フェルト・ニード):本人が必要だと感じているもの。
表明されたニード:本人が必要を感じ、実際にサービスの利用を申し出るなどして表明したもの。
比較ニード:同じ特性を持つ他の人がサービスを受けているのに、その人が受けていないことから判断されるもの。

他の選択肢が誤りの理由
・感得されたニード:本人が感じているニードです。
・表明されたニード:本人が行動として表したニードです。
・比較ニード:他者との比較から判断されるニードです。

覚え方のポイント
規範的=専門家の判断、感得=本人の感覚、表明=本人の申出、比較=他の人との比較。
問37-2

2000年の社会福祉基礎構造改革の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①措置制度を基本として維持しながら、福祉サービスの提供主体を社会福祉法人に一本化した
  • ②利用者がサービスを選ぶ仕組みを導入するため、社会福祉事業法を廃止して介護保険法を制定した
  • ③措置制度から、利用者がサービスを選び、事業者と対等な関係で契約する仕組みへの転換を進めた
  • ④利用者と事業者の契約の仕組みを導入する一方、苦情解決や権利擁護の仕組みは設けなかった
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正解 ③措置制度から、利用者がサービスを選び、事業者と対等な関係で契約する仕組みへの転換を進めた
解説
社会福祉基礎構造改革は、社会福祉事業法の改正(社会福祉法への改称、2000年)などを通じて、行政がサービスの内容や事業者を決める措置制度から、利用者が自らサービスを選び、事業者と対等な関係で契約する利用契約制度への転換を進めました。
あわせて、利用者の権利を守るため、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)、苦情解決の仕組み(運営適正化委員会など)、情報提供や第三者評価なども整えられました。

他の選択肢が誤りの理由
・措置制度を維持し社会福祉法人に一本化:措置から契約への転換を進め、多様な主体の参入も促しました。
・社会福祉事業法を廃止して介護保険法:社会福祉事業法は社会福祉法に改正・改称されました(介護保険法は1997年に制定された別の法律です)。
・苦情解決や権利擁護を設けない:苦情解決の仕組みや地域福祉権利擁護事業(現在の日常生活自立支援事業)などが整備されました。

覚え方のポイント
社会福祉基礎構造改革=「措置から契約へ」+「利用者の権利を守る仕組み(権利擁護・苦情解決・情報提供)」。
問47-2

福祉サービスの対象の決め方のうち、所得などの条件を問わず、必要とするすべての人を対象とする考え方を何というか。

  • ①選別主義
  • ②普遍主義
  • ③応能主義
  • ④補完主義
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正解 ②普遍主義
解説
普遍主義は、所得や資産などの条件を問わず、サービスを必要とするすべての人を対象とする考え方です。利用に伴うスティグマが生じにくいとされます。
選別主義は、資力調査(ミーンズテスト)などで対象を一定の条件の人に絞る考え方で、限られた財源を必要性の高い人に集中できる一方、スティグマが生じやすいとされます。

他の選択肢が誤りの理由
・選別主義:資力調査などで対象を絞る考え方です。
・応能主義:負担を支払い能力に応じて決める考え方で、対象の決め方とは別の軸です。
・補完主義:より身近な単位でできることはその単位で行い、できないことを上位の単位が補うという考え方(補完性の原理)です。

覚え方のポイント
普遍主義=「みんなに」、選別主義=「必要な人に絞って」(資力調査あり)。
問57-2

福祉サービスの供給主体を、公的部門、民間非営利部門、民間営利部門、インフォーマル部門など多元的にとらえる考え方を何というか。

  • ①福祉多元主義
  • ②福祉国家主義
  • ③新自由主義
  • ④家族主義
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正解 ①福祉多元主義
解説
福祉多元主義は、福祉サービスの供給を国や自治体だけが担うのではなく、公的部門(国・自治体)、民間非営利部門(社会福祉法人、NPOなど)、民間営利部門(企業)、インフォーマル部門(家族、近隣、ボランティアなど)が、それぞれの特性を生かして担うものとしてとらえる考え方です。イギリスのウルフェンデン報告(1978年)などで示されました。

他の選択肢が誤りの理由
・福祉国家主義:国家が中心となって福祉を保障する考え方です。
・新自由主義:市場の機能を重視し、政府の役割を小さくしようとする考え方です。
・家族主義:福祉の主な担い手を家族に求める考え方です。

覚え方のポイント
福祉多元主義=「公・民(非営利)・民(営利)・インフォーマル」の4つの担い手。
問67-2

ルグラン(Le Grand, J.)らが論じた「準市場(擬似市場)」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①公的な財源を用いず、事業者間の競争と利用者の選択によってサービスを提供する仕組み
  • ②公的な財源を用い、行政がサービスの内容と事業者を決めて利用者に提供する仕組み
  • ③公的な財源を用い、事業者間の競争を排除して、国が直営でサービスを提供する仕組み
  • ④公的な財源を用いつつ、事業者間の競争と利用者の選択を提供の場面に取り入れる仕組み
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正解 ④公的な財源を用いつつ、事業者間の競争と利用者の選択を提供の場面に取り入れる仕組み
解説
準市場(擬似市場)は、サービスの財源は税や社会保険などの公的な財源で賄いながら、サービスの提供には複数の事業者を参入させ、利用者の選択と事業者間の競争の仕組みを取り入れるものです。サービスの質の向上や効率化が期待される一方、情報の非対称性や、事業者による利用者の選別(いわゆるクリームスキミング)などへの対応が課題とされます。
日本の介護保険制度や障害福祉サービスの仕組みも、準市場の一例とされます。

他の選択肢が誤りの理由
・公的な財源を用いず:準市場では財源は公的に確保されます(公的な財源を用いないのは通常の市場です)。
・行政が内容と事業者を決める:措置制度の考え方で、利用者の選択がありません。
・競争を排除して国が直営:準市場は、提供の場面に競争と選択を取り入れる仕組みです。

覚え方のポイント
準市場=「お金は公、サービスは競争と選択」。介護保険がその代表例です。
問77-2

ギデンズ(Giddens, A.)が提唱した「第三の道」の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①旧来の福祉国家の考え方を維持し、給付の拡大によって人々の生活を保障することを目指す
  • ②新自由主義の考え方に立ち、福祉国家を縮小して市場の自由な競争に委ねることを目指す
  • ③旧来の福祉国家と新自由主義を超え、所得の再分配を最優先して現金給付の拡大を目指す
  • ④旧来の福祉国家と新自由主義を超え、人々の参加の力を高める積極的な福祉の実現を目指す
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正解 ④旧来の福祉国家と新自由主義を超え、人々の参加の力を高める積極的な福祉の実現を目指す
解説
ギデンズは、旧来の社会民主主義的な福祉国家(第一の道)と、新自由主義(第二の道)のどちらでもない「第三の道」を提唱しました。給付によって生活を保障するだけでなく、教育や職業訓練などを通じて、人々が社会や労働市場に参加できる力(人的資本)を高める「社会投資国家」「ポジティブ・ウェルフェア(積極的福祉)」を重視する考え方で、イギリスのブレア政権の政策に影響を与えました。

他の選択肢が誤りの理由
・旧来の福祉国家を維持:第三の道は、旧来の社会民主主義(第一の道)を超えることを目指しました。
・新自由主義に立つ:第三の道は、新自由主義(第二の道)も超えることを目指しました。
・再分配を最優先して現金給付を拡大:現金給付よりも、教育や職業訓練などで人々の能力に投資する「社会投資国家」を重視しました。

覚え方のポイント
ギデンズの第三の道=「福祉国家でも新自由主義でもない」「社会投資」「積極的福祉」。
問87-2

社会福祉法に定める社会福祉法人について、正しいものはどれか。

  • ①所轄庁への届出によって設立でき、認可を受けずに社会福祉事業を行うことができる法人
  • ②社会福祉事業を行う非営利の法人であるが、剰余金を役員や評議員に配当できる
  • ③社会福祉事業を行うことを目的に、社会福祉法の定めるところにより設立される法人
  • ④社会福祉事業を行う法人で、公益事業や収益事業を行うことは認められていない
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正解 ③社会福祉事業を行うことを目的に、社会福祉法の定めるところにより設立される法人
解説
社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的として、社会福祉法の定めるところにより設立される法人です(社会福祉法第22条)。所轄庁の認可を受けて設立され、第一種社会福祉事業(特別養護老人ホームなどの入所施設の経営など)の主な担い手となっています。
2016年の社会福祉法改正では、経営組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の向上、地域における公益的な取組を実施する責務などが定められました。

他の選択肢が誤りの理由
・届出によって設立:社会福祉法人は、所轄庁の認可を受けて設立されます(社会福祉法第31条)。
・剰余金を配当できる:社会福祉法人は非営利の法人で、剰余金の配当は認められていません。
・公益事業や収益事業は行えない:社会福祉事業に支障がない限り、公益事業や、その収益を社会福祉事業などに充てるための収益事業を行うことができます(第26条)。

覚え方のポイント
社会福祉法人=「社会福祉事業が目的」「所轄庁の認可」「非営利」「地域における公益的な取組の責務」。
問97-2

福祉サービスの利用者が、サービスの選択に必要な情報を十分に持たず、事業者との間に情報の差があることを表す用語はどれか。

  • ①規模の経済
  • ②情報の非対称性
  • ③外部不経済
  • ④機会費用
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正解 ②情報の非対称性
解説
情報の非対称性は、取引をする当事者の間で、持っている情報の量や質に差がある状態をいいます。福祉サービスでは、利用者がサービスの質や内容を事前に十分に知ることが難しく、事業者の方が多くの情報を持っていることが多いため、利用者が適切に選択できないおそれがあります。
そのため、事業者による情報の公表、第三者評価、契約時の説明、苦情解決の仕組み、権利擁護の制度などが整えられています。

他の選択肢が誤りの理由
・規模の経済:生産の規模が大きくなるほど、単位当たりの費用が下がることです。
・外部不経済:ある経済活動が、取引に参加していない第三者に不利益を与えることです(公害など)。
・機会費用:ある選択をしたことで、選ばなかった選択肢から得られたはずの利益のことです。

覚え方のポイント
情報の非対称性への対策=「情報の公表」「第三者評価」「説明と同意」「苦情解決」「権利擁護」。
問107-2

福祉政策の考え方について、正しいものの組合せはどれか。
a.選別主義は、資力調査を行わずにすべての人を対象とする考え方である。
b.エスピン-アンデルセンは、北欧を社会民主主義レジームに分類した。
c.社会福祉基礎構造改革は、措置から契約への転換を進めた。
d.ブラッドショーの比較ニードは、本人が感じているニードである。

  • ①b・c
  • ②a・d
  • ③a・b
  • ④c・d
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正解 ①b・c
解説
b:エスピン-アンデルセンは、普遍的で手厚い給付を特徴とする北欧諸国を社会民主主義レジームに分類しました。
c:社会福祉基礎構造改革(2000年)は、措置制度から利用契約制度への転換を進めました。

他の記述が誤りの理由
a:資力調査を行わずにすべての人を対象とするのは普遍主義です。選別主義は、資力調査などで対象を絞ります。
d:本人が感じているニードは感得されたニード(フェルト・ニード)です。比較ニードは、同じ特性を持つ他の人との比較から判断されるニードです。

覚え方のポイント
レジームの3分類、普遍と選別、措置から契約、ニードの4類型をセットで押さえます。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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