2026年10月版・4-1

専門:ソーシャルワークの価値と援助関係の一問一答

精神保健福祉士国家試験「ソーシャルワークの理論と方法(専門)」から、専門:ソーシャルワークの価値と援助関係に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全810問) ソーシャルワークの理論と方法(専門)の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問14-1

2014年に国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)が採択した「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」で、ソーシャルワークの中核をなす原理として挙げられているものはどれか。

  • ①社会正義、人権、自己責任、多様性尊重
  • ②社会正義、人権、集団的責任、自己決定
  • ③社会正義、効率性、集団的責任、多様性尊重
  • ④社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重
答えと解説を見る
正解 ④社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重
解説
2014年のグローバル定義は、ソーシャルワークを、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問であるとし、「社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす」と述べています。
また、ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学、および地域・民族固有の知を基盤として、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかけるとしています。

他の選択肢が誤りの理由
・自己責任、自己決定、効率性を含むもの:いずれもグローバル定義で中核をなす原理として挙げられたものではありません。グローバル定義は、社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重の諸原理をソーシャルワークの中核としています。

覚え方のポイント
グローバル定義の4原理=「社会正義・人権・集団的責任・多様性尊重」。地域・民族固有の知が加わったことも特徴です。
問24-1

援助関係において、クライエントが過去の重要な人物(親など)に抱いていた感情を、援助者に向けるようになることを何というか。

  • ①同一化
  • ②逆転移
  • ③転移
  • ④昇華
答えと解説を見る
正解 ③転移
解説
転移は、精神分析に由来する概念で、クライエントが、過去の重要な人物(親、きょうだいなど)に向けていた感情や態度を、援助者に向けるようになることです。援助者に強い好意や反発が向けられることがあります。
援助者がクライエントに対して、自分の過去の人間関係に由来する感情を向けることを「逆転移」といいます。援助者は自己覚知によってこれらに気付き、援助関係を適切に保つことが求められます。

他の選択肢が誤りの理由
・逆転移:援助者の側からクライエントに向かう感情です。
・同一化:憧れの人などと自分を重ね合わせる防衛機制です。
・昇華:受け入れがたい欲求を社会的に価値のある形に置き換える防衛機制です。

覚え方のポイント
転移=クライエント→援助者、逆転移=援助者→クライエント。
問34-1

ジャーメイン(Germain, C.)とギッターマン(Gitterman, A.)が体系化した生活モデル(ライフモデル)の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①人の内面の病理に注目し、その病理を治すことを援助の目標とする
  • ②人と環境との交互作用に注目し、両者の適合を高めることを目指す
  • ③環境だけに注目し、本人へのかかわりは援助の対象から外している
  • ④援助者の診断に基づいて、本人の行動を修正することを目標とする
答えと解説を見る
正解 ②人と環境との交互作用に注目し、両者の適合を高めることを目指す
解説
生活モデル(ライフモデル)は、生態学の考え方を取り入れ、人と環境は互いに影響し合う(交互作用)ものととらえます。生活上の問題は、人と環境との交互作用の中で、両者の適合がうまくいかないときに生じると考え、人の対処能力を高めることと、環境の応答性を高めることの両面から、適合を高めることを目指します。

他の選択肢が誤りの理由
・内面の病理を治す:医学モデル(治療モデル)に近い考え方です。
・環境だけに注目:人と環境の両方に働きかけるのが生活モデルです。
・援助者の診断に基づいて行動を修正:援助者主導の考え方で、生活モデルの特徴ではありません。

覚え方のポイント
生活モデル=「人と環境の交互作用」「適合」「生態学」。医学モデルからの転換として位置づけられます。
問44-1

B精神保健福祉士は、子どもを亡くした悲しみを語るAさん(45歳)の話を聴いている。援助関係における「共感」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①クライエントの感じている世界を、あたかも自分のことのように理解しようとする
  • ②クライエントの感情に巻き込まれ、援助者自身も同じように強い悲しみや怒りを抱く
  • ③クライエントの気持ちを推し量り、かわいそうだという気持ちを相手に伝える
  • ④クライエントの考えに対して、すべて賛成していることを明確に伝え続ける
答えと解説を見る
正解 ①クライエントの感じている世界を、あたかも自分のことのように理解しようとする
解説
共感(共感的理解)は、クライエントの内的な世界(感じていること、考えていること)を、「あたかも自分自身のものであるかのように」理解しようとし、しかも「あたかも」という性質を失わないことです(ロジャーズ)。
理解したことをクライエントに伝え返すことで、クライエントは「分かってもらえた」と感じ、援助関係が深まります。

他の選択肢が誤りの理由
・感情に巻き込まれる:自分と相手の区別を失った状態で、共感とは区別されます(統制された情緒的関与が必要です)。
・かわいそうだと伝える:「同情」であり、相手を一段下に見る響きを持つことがあります。
・すべて賛成と伝える:共感は理解であって、同意や賛成とは違います。

覚え方のポイント
共感=「あたかも〜のように理解する」。同情(かわいそう)・同意(賛成)・巻き込まれと区別します。
問54-1

精神科病院のB精神保健福祉士は、ピアサポーターのCさんと一緒に、長期入院者の退院支援に取り組むことになった。精神保健福祉士とピアサポーターの協働について、最も適切なものはどれか。

  • ①ピアサポーターの経験に基づく知識を尊重し、それぞれの強みを生かして役割を分担する
  • ②ピアサポーターは専門職の補助者として、精神保健福祉士の指示どおりに活動してもらう
  • ③ピアサポーターの負担に配慮し、退院支援の場では体験談を話すことだけを担ってもらう
  • ④ピアサポーターが専門職と同じ役割を担えるよう、援助技術の研修を同じ内容で受けてもらう
答えと解説を見る
正解 ①ピアサポーターの経験に基づく知識を尊重し、それぞれの強みを生かして役割を分担する
解説
ピアサポーターは、精神障害の経験を持つ当事者として、その体験に基づく知識(経験的知識)を生かし、同じような立場の人を支える役割を担います。退院支援などで、ピアサポーターの体験談や同行が、本人の希望や安心につながることが知られています。
精神保健福祉士は、ピアサポーターを専門職の下請けとしてではなく、対等なパートナーとして尊重し、それぞれの強みを生かして協働することが求められます。障害福祉サービスの報酬でも、ピアサポートの専門性を評価する加算が設けられています。

他の選択肢が誤りの理由
・指示どおりに活動:ピアサポーターの独自の専門性を生かせません。
・体験談を話すことだけを担う:体験談は大切な力ですが、役割をそれだけに限らず、同行や相談など、経験的知識を生かせる役割を一緒に考えます。
・専門職と同じ役割を担えるよう同じ研修を受ける:専門職と同じになることを求めると、当事者としての経験的知識という独自の強みが生かせません。

覚え方のポイント
ピアサポーター=「経験的知識」を持つ対等なパートナー。
問64-1

インテーク面接の初期に、クライエントとの間に信頼に基づく心の通い合った関係を築くことを表す用語はどれか。

  • ①リファーラル
  • ②アドボカシー
  • ③スクリーニング
  • ④ラポール
答えと解説を見る
正解 ④ラポール
解説
ラポールは、援助者とクライエントの間に築かれる、信頼に基づく温かく心の通い合った関係です。援助の過程を進めていくうえでの土台となり、とくにインテークの段階でラポールを築くことが重視されます。

他の選択肢が誤りの理由
・アドボカシー:権利擁護、代弁のことです。
・スクリーニング:相談の内容が、その機関で対応できるものかを見極めることです。
・リファーラル:ほかの適切な機関を紹介し、つなぐこと(送致)です。

覚え方のポイント
ラポール=フランス語で「つながり・調和」。援助関係の出発点です。
問74-1

クライエントが自分の考えや行動の矛盾に気付けるよう、援助者がそれを率直に指摘する面接の技法を何というか。

  • ①要約
  • ②明確化
  • ③直面化
  • ④繰り返し
答えと解説を見る
正解 ③直面化
解説
直面化は、クライエントの話の中の矛盾(言っていることとやっていることの違い、言葉と表情の不一致など)を、援助者が率直に指摘し、クライエントが自分自身と向き合うことを促す技法です。
信頼関係が十分でないうちに行うと、クライエントを傷つけたり、防衛的にさせたりするおそれがあるため、ラポールが築かれていることが前提とされます。

他の選択肢が誤りの理由
・明確化:クライエントがうまく言葉にできていないことを、援助者が言葉にして確かめることです。
・要約:話の要点をまとめて伝え返すことです。
・繰り返し:クライエントの言葉をそのまま、又は短く繰り返して伝えることです。

覚え方のポイント
直面化=「矛盾に向き合ってもらう」。信頼関係ができてから使う、上級の技法です。
問84-1

就労を希望するAさん(30歳、統合失調症)とB精神保健福祉士は、これからの支援について話し合うことになった。精神保健福祉士の援助における「クライエントとの協働」の考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①クライエントの負担を考え、援助者が専門的な知識から最善の目標と方法を示して進める
  • ②クライエントを、自らの生活の専門家として尊重し、目標や方法を一緒に決めていく
  • ③クライエントの希望を聴き取ったうえで、目標や方法は援助者が専門的に判断して決める
  • ④クライエントの希望をすべて受け入れ、目標や方法の決定は本人だけに任せていく
答えと解説を見る
正解 ②クライエントを、自らの生活の専門家として尊重し、目標や方法を一緒に決めていく
解説
協働(コラボレーション、パートナーシップ)は、援助者とクライエントが対等な立場で、それぞれの知識や経験を持ち寄り、目標や方法を一緒に決めていくことです。クライエントは、自分の生活や体験について最もよく知っている「自らの生活の専門家」として尊重されます。

他の選択肢が誤りの理由
・援助者が最善の目標と方法を示して進める:負担への配慮のつもりでも、本人を受け身の立場に置くことになります。
・希望を聴いたうえで援助者が決める:希望を聴いていても決定は援助者が担っており、一緒に決めることになっていません。
・決定を本人だけに任せる:協働は放任ではありません。援助者も知識や情報を持ち寄り、一緒に考えます。

覚え方のポイント
協働=「対等」「一緒に決める」「本人は生活の専門家」。
問94-1

B精神保健福祉士は、面接の約束を何度も破るAさん(40歳)に対して、いら立ちを感じている自分に気付いた。援助関係において、援助者がクライエントに対して抱く否定的な感情に気付いたときの対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①その感情を正直にクライエントに伝え、関係を改めるよう本人に求めていく
  • ②その感情がどこから来ているかを振り返り、スーパービジョンなどで検討する
  • ③その感情を持つことは専門職として失格なので、すぐに担当を外れることにする
  • ④その感情は援助に影響しないので、特に意識せずにそのまま援助を続けていく
答えと解説を見る
正解 ②その感情がどこから来ているかを振り返り、スーパービジョンなどで検討する
解説
援助者も人間であり、クライエントに対して否定的な感情を抱くことはあります。大切なのは、その感情に気付き、それが自分の過去の経験や価値観(逆転移)から来ているのか、援助関係の中で起きていることの表れなのかを振り返ることです(自己覚知)。
スーパービジョンや事例検討で検討することで、感情に振り回されずに援助を続けることができます(統制された情緒的関与)。

他の選択肢が誤りの理由
・クライエントに伝えて改めるよう求める:援助者の感情の処理をクライエントに負わせることになります。
・すぐに担当を外れる:感情を持つこと自体は自然なことで、まず振り返りと検討が必要です。
・意識せずに続ける:無自覚な感情は、援助の判断や態度に影響するおそれがあります。

覚え方のポイント
援助者の感情=「気付く」→「振り返る(自己覚知)」→「スーパービジョンで検討」。
問104-1

精神保健福祉の分野のソーシャルワークの価値と援助関係について、正しいものの組合せはどれか。
a.生活モデルは、人と環境との交互作用に注目する。
b.逆転移は、クライエントが援助者に向ける感情のことである。
c.共感は、クライエントの考えにすべて賛成することである。
d.グローバル定義は、多様性尊重を中核の原理の一つとしている。

  • ①a・d
  • ②b・c
  • ③a・b
  • ④c・d
答えと解説を見る
正解 ①a・d
解説
a:生活モデルは、人と環境は互いに影響し合うものととらえ、その交互作用と適合に注目します。
d:2014年のグローバル定義は、社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重を中核の原理としています。

他の記述が誤りの理由
b:クライエントが援助者に向ける感情は「転移」です。逆転移は、援助者がクライエントに向ける感情です。
c:共感は、クライエントの内的な世界を理解しようとすることで、賛成や同意とは異なります。

覚え方のポイント
転移と逆転移の向き、共感と同意の違いは、ひっかけの定番です。

精神保健福祉士の対策問題(全810問)に戻る

非公式の資格試験対策サイトです。厚生労働省・公益財団法人社会福祉振興・試験センターとは一切関係がなく、これらの機関の公認・認定を受けた教材ではありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】