2026年10月版・3-2

障害の概念(ICF)とリカバリーの一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神保健福祉の原理」から、障害の概念(ICF)とリカバリーに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問13-2

WHOが2001年に採択した国際生活機能分類(ICF)の構成要素として、正しいものはどれか。

  • ①疾病、機能障害、能力障害、社会的不利、家族因子
  • ②機能障害、能力障害、社会的不利、環境因子、個人因子
  • ③心身機能・身体構造、能力障害、社会的不利、医学因子
  • ④心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子
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正解 ④心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子
解説
ICF(国際生活機能分類)は、人の生活機能を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つのレベルでとらえ、これに影響する背景因子として「環境因子」と「個人因子」を位置づけています。健康状態(病気やけが)を含め、これらはすべて互いに影響し合う(相互作用)と考えます。
ICFでは、障害を、生活機能に問題が生じた状態(機能障害、活動制限、参加制約)として中立的な言葉で表します。

他の選択肢が誤りの理由
・機能障害・能力障害・社会的不利:1980年のICIDH(国際障害分類)の用語です。
・医学因子、家族因子:ICFの構成要素にはありません。

覚え方のポイント
ICF=「心身機能・身体構造/活動/参加」+「環境因子/個人因子」。ICIDH=「機能障害→能力障害→社会的不利」。
問23-2

1980年にWHOが示した国際障害分類(ICIDH)とICFの違いとして、正しいものはどれか。

  • ①ICIDHは環境因子を重視し、ICFは環境因子を構成要素から外している
  • ②ICIDHは各要素の相互作用でとらえ、ICFは障害を一方向の因果関係で示す
  • ③ICIDHは障害を一方向の因果関係で示し、ICFは各要素の相互作用でとらえる
  • ④ICIDHは生活機能の肯定的な側面を重視し、ICFは否定的な側面だけを扱っている
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正解 ③ICIDHは障害を一方向の因果関係で示し、ICFは各要素の相互作用でとらえる
解説
ICIDH(国際障害分類、1980年)は、疾病・変調から機能障害が生じ、そこから能力障害が、さらに社会的不利が生じるという、主に一方向の流れで障害を示しました。マイナス面だけを扱い、環境の影響が十分に位置づけられていないなどの批判がありました。
ICF(2001年)は、健康状態、生活機能(心身機能・身体構造、活動、参加)、背景因子(環境因子、個人因子)が互いに影響し合う相互作用のモデルとし、できることなどの肯定的な側面も含めて中立的にとらえます。

他の選択肢が誤りの理由
・ICIDHが相互作用、ICFが一方向:逆です。
・ICFは環境因子を外した:環境因子はICFで新たに明確に位置づけられました。
・ICFは否定的な側面だけ:ICFは肯定的な側面も含めて中立的に扱います。

覚え方のポイント
ICIDH=「一方向・マイナス面」、ICF=「相互作用・中立的(プラス面も)・環境因子」。
問33-2

B精神保健福祉士は、統合失調症のAさん(40歳)の生活を、ICFの考え方で整理することにした。ICFの考え方で、精神障害のある人の「参加」に当たるものとして適切なものはどれか。

  • ①服薬によって幻聴が軽くなり、夜に眠れるようになってきた
  • ②自分で食事を作り、洗濯をするなど身の回りのことが一人でできる
  • ③地域のサークル活動にメンバーとして加わり、役割を担っている
  • ④グループホームの職員が、毎日の服薬の確認を手伝っている
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正解 ③地域のサークル活動にメンバーとして加わり、役割を担っている
解説
ICFでは、「活動」を課題や行為の個人による遂行(身の回りのこと、家事など)、「参加」を生活・人生場面へのかかわり(仕事、地域活動、社会での役割など)と定義しています。
地域のサークル活動にメンバーとして加わり役割を担うことは、社会の場面へのかかわりであり「参加」に当たります。

他の選択肢が誤りの理由
・食事を作り洗濯をする:個人が行う課題や行為で、「活動」に当たります。
・幻聴が軽くなり眠れるようになった:精神機能の変化で、「心身機能」に当たります。
・職員が服薬の確認を手伝う:本人を取り巻く人的な支援で、「環境因子」に当たります。

覚え方のポイント
心身機能=体と心のはたらき、活動=一人でする行為、参加=社会での役割、環境因子=周りの人・物・制度。
問43-2

統合失調症のAさん(35歳)は、B精神保健福祉士に「病気が治らないなら、自分の人生はもう終わりだ」と話した。B精神保健福祉士は、リカバリーの考え方を伝えたいと考えた。アンソニー(Anthony, W.)が示したリカバリーの説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①病気による症状がすべて消失して、薬も支援も必要なくなった状態に到達すること
  • ②病気による制限があっても、希望を持ち、人生の新しい意味と目的を見いだしていく過程
  • ③専門職が定めた治療の目標をすべて達成して、病院での治療をすべて終えていくこと
  • ④病気による制限をなくすために、発病する前の生活にそのまま戻っていくことを目指すこと
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正解 ②病気による制限があっても、希望を持ち、人生の新しい意味と目的を見いだしていく過程
解説
アンソニーは、リカバリーを、個人の態度、価値観、感情、目標、技能、役割などが変化していく、きわめて個人的でユニークな過程であり、病気によってもたらされた制限があっても、満足感のある、希望に満ちた、人の役に立つ人生を生きる道であると説明しました。精神疾患の破局的な影響を乗り越えて、人生の新しい意味と目的を見いだしていくことを含みます。

他の選択肢が誤りの理由
・症状がすべて消え支援も不要に:症状の消失(臨床的リカバリー)だけをリカバリーとする考え方ではありません。
・専門職の目標の達成:リカバリーは本人が主体の過程です。
・発病前の生活にそのまま戻る:元に戻ることではなく、新しい意味と目的を見いだしていく過程です。

覚え方のポイント
アンソニーのリカバリー=「制限があっても」「希望」「新しい意味と目的」「個人的な過程」。
問53-2

リーミー(Leamy, M.)らが示したパーソナル・リカバリーの過程の枠組み「CHIME」に含まれる要素として、正しいものはどれか。

  • ①つながり、希望、アイデンティティ、人生の意味、エンパワメント
  • ②つながり、健康、アイデンティティ、医療の継続、エンパワメント
  • ③協働、希望、アイデンティティ、人生の意味、教育と研修
  • ④つながり、希望、アイデンティティ、責任、雇用の確保
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正解 ①つながり、希望、アイデンティティ、人生の意味、エンパワメント
解説
リーミーらは、パーソナル・リカバリーに関する多くの研究を整理し、リカバリーの過程を構成する要素として、Connectedness(つながり)、Hope and optimism about the future(希望と楽観)、Identity(アイデンティティ)、Meaning in life(人生の意味)、Empowerment(エンパワメント)の5つを示し、その頭文字からCHIMEと呼ばれています。

他の選択肢が誤りの理由
・健康と医療の継続を含むもの、協働と教育と研修を含むもの、責任と雇用の確保を含むもの:いずれもCHIMEの要素の組合せではありません。CHIMEは、Connectedness(つながり)、Hope(希望)、Identity(アイデンティティ)、Meaning(人生の意味)、Empowerment(エンパワメント)の頭文字です。

覚え方のポイント
CHIME=Connectedness・Hope・Identity・Meaning・Empowerment。
問63-2

精神障害のある当事者であるコープランド(Copeland, M.)らが作成した、自分の元気を保ち、調子が悪くなったときの対処をあらかじめ計画しておく方法はどれか。

  • ①ACT(包括型地域生活支援)
  • ②SST(社会生活技能訓練)
  • ③IPS(個別就労支援)
  • ④WRAP(元気回復行動プラン)
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正解 ④WRAP(元気回復行動プラン)
解説
WRAP(Wellness Recovery Action Plan:元気回復行動プラン)は、メアリー・エレン・コープランドらが、精神的な困難を経験した人たちの知恵をもとに作成した方法です。
自分が元気でいるための道具箱(元気に役立つこと)、日常生活管理プラン、引き金、注意サイン、調子が悪くなってきたとき、クライシスプラン、クライシスを脱したときのプランなどを、自分で作り、自分で使います。希望、自分が責任を持つこと、学ぶこと、自分のために権利擁護すること、サポートの5つの「リカバリーのキーコンセプト」を大切にしています。

他の選択肢が誤りの理由
・SST:リバーマンらによって体系化された、生活の技能を練習する方法です。
・IPS:一般就労を目指す個別の就労支援です。
・ACT:多職種チームによる訪問中心の支援です。

覚え方のポイント
WRAP=「当事者が作った」「自分で作って自分で使う」元気と危機対応の計画。
問73-2

ラップ(Rapp, C.)らが示したストレングスモデルのケースマネジメントの原則として、正しいものはどれか。

  • ①支援の目標は専門職が設定し、本人にはその目標に従ってもらうようにする
  • ②本人の病理や問題点を明らかにし、それを治すことを支援の中心にする
  • ③支援の場は原則として事務所とし、本人に来所してもらって面接を行う
  • ④地域を資源のオアシスととらえ、本人の強みと地域の資源を結びつける
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正解 ④地域を資源のオアシスととらえ、本人の強みと地域の資源を結びつける
解説
ラップらのストレングスモデルは、次のような原則を示しています。
精神障害者はリカバリーし、生活を改善し高めることができる/焦点は欠陥ではなく個人の強みである/地域を資源のオアシスとしてとらえる/クライエントこそが支援の監督者である/ケースマネジャーとクライエントの関係が根本であり本質である/支援の主要な場所は地域である。

他の選択肢が誤りの理由
・病理や問題点を治すことが中心:焦点は欠陥ではなく強みです。
・事務所に来てもらう:支援の主要な場所は地域(本人の生活の場)です。
・目標は専門職が設定:クライエントこそが支援の監督者とされます。

覚え方のポイント
ストレングスモデル=「強み」「地域は資源のオアシス」「クライエントが監督者」「支援の場は地域」。
問83-2

逆境や困難な状況にあっても、それに適応し、回復していく力やその過程を表す用語はどれか。

  • ①ホスピタリズム
  • ②スティグマ
  • ③レジリエンス
  • ④バーンアウト
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正解 ③レジリエンス
解説
レジリエンスは、逆境や困難、強いストレスにさらされても、それに適応し、しなやかに回復していく力やその過程をいいます。
本人の内側の力だけでなく、家族や仲間、地域の支えなどの環境とのかかわりの中で育まれるとされ、ストレングス視点やリカバリーの考え方とも深く関係しています。

他の選択肢が誤りの理由
・スティグマ:偏見や差別、負の烙印のことです。
・ホスピタリズム(施設症):長期の入院や施設生活によって、意欲の低下、自発性の喪失などが生じる状態です。
・バーンアウト(燃え尽き症候群):献身的に働いた末に、心身のエネルギーを使い果たして意欲を失う状態です。

覚え方のポイント
レジリエンス=「しなやかに立ち直る力」。もとは物理学の「弾力性」を表す言葉です。
問93-2

精神障害の当事者として、自身の体験からリカバリーの考え方を広め、「リカバリーは過程であり、生き方であり、構えである」といった趣旨を述べたことで知られる人物はどれか。

  • ①ピネル(Pinel, P.)
  • ②ディーガン(Deegan, P.)
  • ③クレペリン(Kraepelin, E.)
  • ④ブロイラー(Bleuler, E.)
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正解 ②ディーガン(Deegan, P.)
解説
ディーガンは、10代で統合失調症と診断された経験を持つ心理学者で、自らの体験をもとに、リカバリーは一つの過程であり、生き方であり、構えであり、日々の挑戦への向き合い方であるといった趣旨を述べ、当事者の視点からリカバリーの考え方を広めました。

他の選択肢が誤りの理由
・ピネル:18世紀末のフランスで、精神病者を鎖から解放したとされる精神科医です。
・クレペリン:ドイツの精神科医で、早発性痴呆と躁うつ病を区別し、精神疾患の分類の基礎を築きました。
・ブロイラー:スイスの精神科医で、統合失調症(Schizophrenia)という名称を提唱しました。

覚え方のポイント
リカバリーの人物=アンソニー(専門職の立場から定義)、ディーガン(当事者の立場から発信)。
問103-2

ICFとリカバリーについて、正しいものの組合せはどれか。
a.ICFでは、環境因子と個人因子を背景因子と位置づけている。
b.ICIDHは、生活機能の肯定的な側面を重視して作られた分類である。
c.WRAPは、専門職が本人に代わって作成する再発予防の計画である。
d.ストレングスモデルでは、地域を資源のオアシスとしてとらえる。

  • ①a・d
  • ②b・c
  • ③a・b
  • ④c・d
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正解 ①a・d
解説
a:ICFは、健康状態と生活機能(心身機能・身体構造、活動、参加)に影響する背景因子として、環境因子と個人因子を位置づけています。
d:ラップらのストレングスモデルでは、地域を資源のオアシスととらえ、本人の強みと地域の資源を結びつけます。

他の記述が誤りの理由
b:ICIDHは、機能障害・能力障害・社会的不利というマイナス面を中心に扱う分類で、肯定的な側面を含めて中立的に扱うのはICFです。
c:WRAPは、本人が自分で作り、自分で使う計画です。

覚え方のポイント
ICF=背景因子(環境・個人)、ICIDH=マイナス面、WRAP=自分で作る、ストレングス=地域は資源のオアシス。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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