2026年10月版・2-5

自殺対策と災害時の精神保健の一問一答

精神保健福祉士国家試験「現代の精神保健の課題と支援」から、自殺対策と災害時の精神保健に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問12-5

自殺対策基本法について、正しいものはどれか。

  • ①自殺対策の計画は国だけが定め、都道府県や市町村は計画を定める必要がないとされる
  • ②都道府県と市町村は、それぞれ地域の自殺対策についての計画を定めるものとされている
  • ③都道府県は計画を定めるものとされるが、市町村は計画を定めることができないとされる
  • ④自殺対策の計画は市町村だけが定め、都道府県は計画の策定にかかわらないとされている
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正解 ②都道府県と市町村は、それぞれ地域の自殺対策についての計画を定めるものとされている
解説
自殺対策基本法は2006年に制定され、2016年の改正で、都道府県は自殺総合対策大綱と地域の実情を勘案して都道府県自殺対策計画を、市町村は大綱・都道府県計画と地域の実情を勘案して市町村自殺対策計画を定めるものとされました(第13条)。
基本理念では、自殺対策は、生きることの包括的な支援として、自殺が個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく、その背景にさまざまな社会的な要因があることをふまえ、社会的な取組として実施されなければならないとしています(第2条)。

他の選択肢が誤りの理由
・国だけが定める:都道府県と市町村も計画を定めるものとされています(国は自殺総合対策大綱を定めます)。
・市町村は定めることができない:市町村も市町村自殺対策計画を定めるものとされています。
・市町村だけが定める:都道府県も都道府県自殺対策計画を定めるものとされています。

覚え方のポイント
自殺対策基本法=2006年制定、2016年改正で「都道府県・市町村の計画」。キーワードは「生きることの包括的な支援」。
問22-5

A市の自殺対策計画の見直しにかかわるB精神保健福祉士は、国の大綱の考え方を確認した。2022年に閣議決定された自殺総合対策大綱の基本認識として、正しいものはどれか。

  • ①自殺はその多くが追い込まれた末の死で、その多くが防ぐことのできる社会的な問題である
  • ②自殺はその多くが本人の自由な意思による選択であり、個人の問題として対応すべきである
  • ③自殺はその多くが精神疾患だけを原因とするため、医療の充実だけで防ぐことができる
  • ④自殺者数は減少傾向にあるため、自殺をめぐる非常事態はすでに脱した段階にあるとした
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正解 ①自殺はその多くが追い込まれた末の死で、その多くが防ぐことのできる社会的な問題である
解説
自殺総合対策大綱は、自殺対策基本法に基づく政府の指針で、おおむね5年を目途に見直されます。2022年(令和4年)10月に閣議決定された大綱は、「自殺は、その多くが追い込まれた末の死である」「年間自殺者数は減少傾向にあるが、非常事態はいまだ続いている」などを基本認識とし、「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」を目指しています。
子ども・若者や女性への対策の強化なども盛り込まれ、数値目標として、2026年までに自殺死亡率を2015年と比べて30%以上減少させることを掲げています。

他の選択肢が誤りの理由
・本人の自由な意思による選択:大綱は、自殺を追い込まれた末の死ととらえ、社会的な取組の対象としています。
・精神疾患だけが原因で医療だけで防げる:自殺の背景には健康問題のほか、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題などさまざまな要因が重なっており、生きることの包括的な支援が必要とされています。
・非常事態はすでに脱した:大綱は「非常事態はいまだ続いている」としています。

覚え方のポイント
大綱の合言葉=「追い込まれた末の死」「防ぐことができる」「誰も自殺に追い込まれることのない社会」。
問32-5

自殺の危険を示すサインに気付き、声をかけ、話を聴いて、必要な支援につなげ、見守る役割を担う人を何というか。

  • ①ジョブコーチ
  • ②ピアサポーター
  • ③ケアマネジャー
  • ④ゲートキーパー
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正解 ④ゲートキーパー
解説
ゲートキーパーは「命の門番」とも呼ばれ、悩んでいる人に気付き、声をかけ、話を聴いて、必要な支援につなげ、見守る人のことです。
専門職に限らず、家族、友人、職場の同僚、地域の住民など、誰でもゲートキーパーになることができ、自殺総合対策大綱でも養成が重点施策とされています。

他の選択肢が誤りの理由
・ピアサポーター:同じような経験を持つ当事者として、仲間を支える人です。
・ケアマネジャー:介護保険でケアプランを作成する介護支援専門員です。
・ジョブコーチ:職場に出向いて、障害のある人の職場適応を支援する人です。

覚え方のポイント
ゲートキーパーの5つの役割=「気付き・声かけ・傾聴・つなぎ・見守り」。
問42-5

精神保健福祉センターのB精神保健福祉士は、「死にたい」と電話してきたAさん(25歳)の話を聴きながら、自殺の危険性を評価している。自殺の危険性を評価するときに、最も重要な危険因子の一つとされるものはどれか。

  • ①電話の中で、涙を流しながら気持ちを話している
  • ②学生時代に、部活動で厳しい指導を受けていた
  • ③過去に自殺を図ったことがある(自殺未遂歴)
  • ④最近、職場の異動で仕事の内容が新しくなった
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正解 ③過去に自殺を図ったことがある(自殺未遂歴)
解説
自殺の危険因子には、自殺未遂歴、精神疾患(とくにうつ病やアルコール依存症など)、身近な人の自殺、孤立、経済的困窮、喪失体験、身体の病気などがあります。中でも自殺未遂歴は最も重要な危険因子の一つとされ、自殺未遂者への継続的な支援が自殺総合対策大綱でも重視されています。

他の選択肢が誤りの理由
・涙を流しながら話している:つらさの表れとして受け止めますが、気持ちを言葉にできていること自体は危険因子とはされません。
・学生時代の厳しい指導:過去の一般的な経験で、最も重要な危険因子とはされていません。
・最近の異動:環境の変化はストレスになることがありますが、自殺未遂歴ほど重要な危険因子とはされていません。

覚え方のポイント
危険因子の筆頭=「自殺未遂歴」。救急医療から地域につなぐ未遂者支援が大切です。
問52-5

大きな地震で被災地の精神科医療が大きな影響を受け、県はDPATの派遣を要請した。DPAT(災害派遣精神医療チーム)について、正しいものはどれか。

  • ①被災地の保健所などで、保健医療行政の指揮や調整の業務を支援するチーム
  • ②被災地で身体の救急医療を担い、重傷者の治療や病院への搬送を支援するチーム
  • ③被災地の精神科医療機関や、被災者・支援者への精神保健活動を支援するチーム
  • ④被災地の避難所などで、高齢者や障害者などへの福祉的な支援を行うチーム
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正解 ③被災地の精神科医療機関や、被災者・支援者への精神保健活動を支援するチーム
解説
DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team:災害派遣精神医療チーム)は、大規模な災害などの後に被災地へ派遣され、被災地の精神科医療機関の支援、被災者や支援者への精神保健活動の支援などを行う、専門的な研修・訓練を受けたチームです。
精神科医、看護師、業務調整員(ロジスティクス)などで構成され、精神保健福祉士が加わることもあります。都道府県・指定都市が組織し、発災からおおむね48時間以内に活動を始める先遣隊も設けられています。

他の選択肢が誤りの理由
・身体の救急医療と搬送:DMAT(災害派遣医療チーム)の役割です。
・保健医療行政の指揮や調整の支援:DHEAT(災害時健康危機管理支援チーム)の役割です。
・避難所での福祉的な支援:DWAT(災害派遣福祉チーム)の役割です。

覚え方のポイント
災害時のチーム=DMAT(身体の医療)・DPAT(心の医療)・DHEAT(保健医療行政)・DWAT(福祉)。名前の1文字目の後ろの文字で見分けます。
問62-5

大きな地震のあと、B精神保健福祉士は避難所で被災者の支援にあたることになった。WHOなどが示す災害時の心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド:PFA)の基本的な考え方として、正しいものはどれか。

  • ①被災直後に体験を詳しく語ってもらい、感情を吐き出させることを基本とする
  • ②安全を確かめ、ニーズに耳を傾け、必要な支援や情報につなげることを基本とする
  • ③専門の医師だけが行い、心の不調を診断して治療につなげることを基本とする
  • ④被災者の話を聴くよりも、支援者が判断した助言を速やかに伝えることを基本とする
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正解 ②安全を確かめ、ニーズに耳を傾け、必要な支援や情報につなげることを基本とする
解説
サイコロジカル・ファーストエイド(PFA:心理的応急処置)は、深刻な危機的出来事に見舞われた人に対して、専門家でなくても行える、人道的で支持的な対応の方法です。
WHO版では、「見る(Look)」:安全や緊急のニーズを確かめる、「聞く(Listen)」:支援が必要な人に寄り添い、ニーズや気がかりを聴く、「つなぐ(Link)」:生活に必要な支援や情報、身近な人とつなぐ、という3つの活動原則を示しています。

他の選択肢が誤りの理由
・体験を詳しく語らせる:出来事を詳しく語らせる心理的デブリーフィングは推奨されていません。話したくない人に話を強いてはいけません。
・医師だけが行う:PFAは、専門家でなくても行える対応として示されています。
・聴くよりも助言:まず相手のニーズや気がかりに耳を傾けることが基本です。

覚え方のポイント
PFA=「見る・聞く・つなぐ」。心の治療ではなく、安心と支援へのつなぎです。
問72-5

災害後に被災者に現れる心理的な反応について、正しいものはどれか。

  • ①不眠や不安、イライラなどは、災害という異常な事態への正常な反応であることが多い
  • ②不眠や不安が1週間以上続く場合は、PTSDと診断して治療を始めることが原則である
  • ③子どもは言葉で表現しにくいため、心理的な影響は大人より小さいことが多いとされる
  • ④心理的な反応は災害の直後に出るもので、時間がたってから出ることはまれである
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正解 ①不眠や不安、イライラなどは、災害という異常な事態への正常な反応であることが多い
解説
災害の後には、不眠、不安、恐怖、イライラ、気分の落ち込み、集中力の低下などの反応が多くの人に現れます。これらは多くの場合、「異常な事態に対する正常な反応」であり、安全や生活が回復するにつれて時間とともに和らいでいきます。
一方で、反応が長く続く、生活に大きな支障がある場合は、PTSDやうつ病などの可能性も考え、専門的な支援につなぎます。生活再建の遅れなどにより、数か月から数年たってから不調が現れることもあります。

他の選択肢が誤りの理由
・1週間以上でPTSD:PTSDは症状が1か月を超えて続く場合に診断され、多くの反応は時間とともに和らぎます。
・子どもの影響は小さい:子どもは言葉で表しにくい分、行動や体の症状(赤ちゃん返り、腹痛など)として現れることがあり、影響が小さいわけではありません。
・時間がたってから出ることはまれ:数か月後や記念日の時期などに反応が現れることもあります(記念日反応)。

覚え方のポイント
災害後の反応=「正常な反応」として受け止めつつ、「長引く・重い」ときは専門の支援へ。
問82-5

大規模災害などの支援にあたる救援者や支援者に生じることがある「惨事ストレス」への対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①活動を終えた直後に全員を集め、現場で見た体験と感情を一人ずつ詳しく語らせる
  • ②支援者の不調は個人の問題なので、組織としての対策は求めず各自の判断に任せる
  • ③使命感の強い支援者ほど疲れにくいため、経験豊富な人を交代なしで現場に残す
  • ④支援者の休息や交代の体制を確保し、ストレスに気付いて対処できるようにする
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正解 ④支援者の休息や交代の体制を確保し、ストレスに気付いて対処できるようにする
解説
惨事ストレスは、消防職員、警察官、医療・福祉の専門職などの救援者・支援者が、悲惨な現場に接することや過酷な活動の中で受けるストレスで、不眠、イライラ、無力感、燃え尽きなどにつながることがあります。
対策として、勤務時間の管理と休息・交代の体制の確保、支援者同士の支え合い、自分のストレスへの気付きとセルフケア、必要に応じた専門的な相談の利用などが大切です。

他の選択肢が誤りの理由
・体験と感情を一人ずつ詳しく語らせる:出来事を詳しく語らせる心理的デブリーフィングは、かえって回復を妨げるおそれがあり推奨されていません。話したい人が話せる場を用意することと、全員に語らせることは違います。
・個人の問題として各自に任せる:救援者や支援者にも強いストレスが生じることがあり、組織として対策をとることが必要です。
・経験豊富な人を交代なしで残す:経験や使命感があっても疲労は蓄積します。休息や交代の体制を確保します。

覚え方のポイント
「支援者の支援」も精神保健の大切な課題。休息・交代・支え合い・セルフケアがキーワードです。
問92-5

自殺未遂をして救急搬送されたAさん(30代、女性)の入院中に、病院のB精神保健福祉士が面接した。Aさんは「もう大丈夫です。迷惑をかけてすみません」と話している。B精神保健福祉士の対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①再び自殺を図らないよう、家族に退院後の行動を常に見守るよう依頼して面接を終える
  • ②Aさんが「もう大丈夫」と話しているので、本人の言葉を尊重して支援はこれで終結とする
  • ③Aさんの負担にならないよう自殺未遂には触れず、退院後の生活の予定についてだけ確認する
  • ④Aさんの気持ちを受け止めながら背景にある困りごとを聴き、退院後の相談先を一緒に考える
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正解 ④Aさんの気持ちを受け止めながら背景にある困りごとを聴き、退院後の相談先を一緒に考える
解説
自殺未遂は、その後の自殺の最も重要な危険因子の一つです。本人が「もう大丈夫」と話していても、自殺を図るに至った背景(借金、人間関係、病気、孤立など)が解決していないことが多くあります。
B精神保健福祉士は、Aさんの気持ちを否定せずに受け止め、背景にある困りごとを丁寧に聴き、退院後も相談できる機関や必要な支援(医療、生活、経済面など)に継続してつながるよう、一緒に考えることが大切です。

他の選択肢が誤りの理由
・本人の言葉を尊重して終結:背景の問題が残っている可能性が高く、継続的な支援が必要です。
・自殺未遂には触れない:自殺について率直に尋ねることは危険を高めず、支援の糸口になります。
・家族に常に見守るよう依頼して終える:家族の協力は大切ですが、本人の話を聴かずに家族に監視を任せるだけでは、背景の問題は解決しません。

覚え方のポイント
自殺未遂者支援=「責めない」「背景を聴く」「退院後も途切れずにつなぐ」。
問102-5

自殺対策と災害時の精神保健について、正しいものの組合せはどれか。
a.ゲートキーパーは、精神科医などの専門職に限られる。
b.自殺未遂歴は、自殺の重要な危険因子の一つとされる。
c.WHO版のPFAは、「見る・聞く・つなぐ」を活動の原則としている。
d.災害後の不眠や不安は、すべて治療が必要な病気とみなされる。

  • ①a・d
  • ②a・b
  • ③b・c
  • ④c・d
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正解 ③b・c
解説
b:自殺未遂歴は、自殺の最も重要な危険因子の一つとされています。
c:WHO版のサイコロジカル・ファーストエイドは、「見る(Look)」「聞く(Listen)」「つなぐ(Link)」を活動の原則としています。

他の記述が誤りの理由
a:ゲートキーパーは専門職に限らず、家族、友人、同僚、地域の住民など誰でもなることができます。
d:災害後の不眠や不安の多くは、異常な事態に対する正常な反応で、時間とともに和らぎます。長く続く場合や生活への支障が大きい場合に専門的な支援につなぎます。

覚え方のポイント
ゲートキーパーは「誰でも」、PFAは「見る・聞く・つなぐ」、災害後の反応は「まずは正常な反応」。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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