2026年10月版・2-1

精神保健の概念と予防(一次・二次・三次)の一問一答

精神保健福祉士国家試験「現代の精神保健の課題と支援」から、精神保健の概念と予防(一次・二次・三次)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問12-1

A市の保健センターのB精神保健福祉士は、カプランの予防の考え方に沿って、市の精神保健の取組を整理している。カプラン(Caplan, G.)の予防精神医学の考え方で、「二次予防」に当たる活動はどれか。

  • ①職場の長時間労働を改善し、心の不調がそもそも起こりにくい環境をつくる
  • ②地域住民に向けて講演会を開き、ストレスへの対処法や睡眠の大切さを伝える
  • ③退院した人の就労や生活を支え、再発の防止と社会参加を後押ししていく
  • ④健康診断やスクリーニングで、心の不調を早く見つけて早く治療につなげる
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正解 ④健康診断やスクリーニングで、心の不調を早く見つけて早く治療につなげる
解説
カプランは、地域精神保健の予防を3段階に整理しました。
一次予防は、病気の発生そのものを防ぐこと(健康教育、環境の改善など)、二次予防は、早期発見・早期治療によって病気の期間を短くし重症化を防ぐこと、三次予防は、病気による障害を軽くし、再発を防ぎ、社会復帰を支えること(リハビリテーションなど)です。

他の選択肢が誤りの理由
・講演会でストレス対処法を伝える:健康教育であり、一次予防です。
・退院した人の就労や生活を支える:再発防止と社会参加の支援であり、三次予防です。
・長時間労働を改善する:不調の発生を防ぐ環境の改善であり、一次予防です。

覚え方のポイント
一次=起こさない、二次=早く見つける、三次=再発を防ぎ暮らしを取り戻す。
問22-1

1946年に採択された世界保健機関(WHO)憲章の前文における「健康」の定義として、正しいものはどれか。

  • ①精神的に安定していれば、身体の病気の有無にかかわらず健康とされる状態
  • ②医師の診察を受けたうえで、身体に病気が何も見つからない状態のことをいうとされる
  • ③肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に病気でないことではない
  • ④働いて収入を得ることができ、家族を養うことのできる状態のことをいう
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正解 ③肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に病気でないことではない
解説
WHO憲章(1946年採択、1948年発効)の前文は、健康を「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定義しています。
健康を、病気がないことだけでなく、心と体と社会的な面を含めた良好な状態(ウェルビーイング)としてとらえた点が重要です。

他の選択肢が誤りの理由
・病気が見つからない状態:WHOの定義は「単に病気でないことではない」としています。
・精神的に安定していればよい:肉体・精神・社会の3つの側面を含みます。
・働いて収入を得られる状態:WHOの定義にはない内容です。

覚え方のポイント
WHOの健康=「肉体・精神・社会」の3つがそろって良好な状態。
問32-1

1986年にWHOの国際会議で採択され、ヘルスプロモーションを「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義したものはどれか。

  • ①アルマ・アタ宣言
  • ②オタワ憲章
  • ③ジュネーブ宣言
  • ④ヘルシンキ宣言
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正解 ②オタワ憲章
解説
オタワ憲章は、1986年にカナダのオタワで開かれた第1回ヘルスプロモーション国際会議で採択されました。ヘルスプロモーションを、人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセスと定義し、健康的な公共政策づくり、健康を支援する環境づくり、地域活動の強化、個人の技術の開発、ヘルスサービスの方向転換を活動の柱として示しました。

他の選択肢が誤りの理由
・アルマ・アタ宣言:1978年に採択された、プライマリ・ヘルス・ケアに関する宣言です。
・ジュネーブ宣言:世界医師会による医の倫理に関する宣言です。
・ヘルシンキ宣言:世界医師会による、人を対象とする医学研究の倫理原則です。

覚え方のポイント
1978年アルマ・アタ(プライマリ・ヘルス・ケア)→1986年オタワ(ヘルスプロモーション)。
問42-1

集団全体に働きかけて、集団全体のリスクを少しずつ下げることを目指す予防の考え方を何というか。

  • ①ポピュレーションアプローチ
  • ②ハイリスクアプローチ
  • ③ケースマネジメント
  • ④クライシスインターベンション
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正解 ①ポピュレーションアプローチ
解説
ポピュレーションアプローチは、リスクの高い人だけでなく集団全体に働きかけ、集団全体のリスクの分布を少しずつ良い方向へ動かそうとする考え方です(ローズ(Rose, G.)が提唱)。メンタルヘルスでは、住民全体への普及啓発や職場全体の環境改善などが当たります。
これに対しハイリスクアプローチは、リスクの高い人を見つけ出して個別に働きかける考え方です。両方を組み合わせることが大切とされます。

他の選択肢が誤りの理由
・ハイリスクアプローチ:リスクの高い人に絞って働きかけます。
・ケースマネジメント:個人のニーズと社会資源を結びつける支援の方法です。
・クライシスインターベンション(危機介入):危機状態にある個人に短期集中的に働きかける方法です。

覚え方のポイント
ポピュレーション=みんなに少しずつ、ハイリスク=危ない人に集中して。
問52-1

セリエ(Selye, H.)が示した汎適応症候群(全身適応症候群)の段階の順序として、正しいものはどれか。

  • ①警告反応期→抵抗期→疲憊期
  • ②抵抗期→警告反応期→疲憊期
  • ③疲憊期→抵抗期→警告反応期
  • ④警告反応期→疲憊期→抵抗期
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正解 ①警告反応期→抵抗期→疲憊期
解説
セリエは、生体がストレッサー(ストレスの原因)にさらされたときの反応を「汎適応症候群」とし、次の3段階に整理しました。
警告反応期:ストレッサーに急にさらされ、一時的に抵抗力が下がった後、防衛の反応が始まる時期。
抵抗期:ストレッサーに抵抗し、適応している時期。
疲憊期:ストレッサーが長く続き、抵抗力が尽きて、心身に不調が現れる時期。

他の選択肢が誤りの理由
・残りの3つ:いずれも順序が誤っています。最後に来るのは、抵抗の力が尽きる疲憊期です。

覚え方のポイント
「警告→抵抗→疲れ果てる(疲憊)」。長く続くストレスが心身をむしばむ流れです。
問62-1

ラザルス(Lazarus, R.)のストレス理論について、正しいものはどれか。

  • ①人生の出来事に点数を付けた社会的再適応評価尺度を作成し、合計点と病気の関係を調べた
  • ②ストレッサーに対して生体に共通して起こる反応を、警告反応期・抵抗期・疲憊期に分けた
  • ③ストレスへの反応を無意識の防衛機制として説明し、意識的な対処は重視しなかった
  • ④出来事をどう受け止めるかの認知的評価と、それへの対処であるコーピングを重視した
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正解 ④出来事をどう受け止めるかの認知的評価と、それへの対処であるコーピングを重視した
解説
ラザルスとフォルクマン(Folkman, S.)は、同じ出来事でも、それを脅威と受け止めるかどうか(一次評価)、自分に対処できるかどうか(二次評価)という「認知的評価」によって、ストレスの大きさが変わると考えました。
また、ストレスへの対処(コーピング)を、問題そのものの解決を目指す「問題焦点型」と、つらい気持ちを和らげることを目指す「情動焦点型」に分けました。

他の選択肢が誤りの理由
・出来事に点数を付けた尺度:ホームズとレイの社会的再適応評価尺度の説明です。
・警告反応期・抵抗期・疲憊期:セリエの汎適応症候群の説明です。
・無意識の防衛機制:ラザルスは、意識的な対処(問題焦点型・情動焦点型のコーピング)を重視しました。

覚え方のポイント
ラザルス=「認知的評価」と「コーピング(問題焦点型・情動焦点型)」。
問72-1

ソーシャルサポートのうち、悩みを聴いてもらう、励ましてもらうなど、気持ちを支えてもらうものを何というか。

  • ①情報的サポート
  • ②道具的サポート
  • ③情緒的サポート
  • ④評価的サポート
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正解 ③情緒的サポート
解説
ハウス(House, J.)は、ソーシャルサポートを次の4つに分けました。
情緒的サポート:共感、愛情、信頼、話を聴くなど、気持ちを支えるもの。
道具的サポート:お金や物を貸す、家事を手伝うなど、具体的な手助け。
情報的サポート:問題の解決に役立つ情報や助言を与えること。
評価的サポート:その人の考えや行動を適切に評価し、フィードバックすること。

他の選択肢が誤りの理由
・道具的サポート:具体的な物や行動による手助けです。
・情報的サポート:情報や助言の提供です。
・評価的サポート:肯定的な評価やフィードバックです。

覚え方のポイント
「気持ち=情緒的」「手助け=道具的」「知恵=情報的」「ほめる・認める=評価的」。
問82-1

A市の保健センターのB精神保健福祉士は、住民向けに「心のサポーター」の養成研修を開くことになった。厚生労働省が進めている「心のサポーター」の養成について、正しいものはどれか。

  • ①精神保健福祉士などの専門職を対象に、訪問による支援の技術を身に付けてもらう研修である
  • ②メンタルヘルスの正しい知識を学び、身近な人を支える住民を地域に増やしていく取組である
  • ③都道府県知事が認定する資格で、修了すると精神保健福祉相談員の業務を行うことができる
  • ④自殺の危険が高い人を見つけて、精神科に強制的に受診させる役割を担う人を養成する
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正解 ②メンタルヘルスの正しい知識を学び、身近な人を支える住民を地域に増やしていく取組である
解説
「心のサポーター」は、メンタルヘルスや精神疾患への正しい知識と理解を持ち、地域や職場で、心の不調を抱える家族や同僚などに対して傾聴を中心とした支援を行う人のことです。
厚生労働省は、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の一環として、短時間の研修による養成を全国で進めています。ゲートキーパーの考え方とも重なる、一次予防・二次予防のための取組です。

他の選択肢が誤りの理由
・専門職を対象:住民などを対象に、短時間の研修で養成する取組です。
・知事の認定資格:資格ではなく、精神保健福祉相談員の業務を行えるものでもありません。
・強制的に受診させる:身近な人の不調に気付き、話を聴き、相談先につなぐ役割が期待されており、強制的に受診させるものではありません。

覚え方のポイント
心のサポーター=「身近な人の心を支える住民」。正しい知識の普及と早めの気付きのための取組です。
問92-1

B精神保健福祉士は、地域の住民向けに、精神障害に対する偏見についての研修を行うことになった。精神障害に対する偏見や差別(スティグマ)について、正しいものはどれか。

  • ①スティグマは、正しい知識を伝える講義だけで十分に解消できるとされている
  • ②社会の偏見を本人が自分にあてはめてしまう「セルフスティグマ」も問題となる
  • ③スティグマは医療の専門職の間ではみられず、一般の住民に限った問題である
  • ④スティグマは本人の受け止め方の問題であり、社会の側の取組は必要ないとされる
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正解 ②社会の偏見を本人が自分にあてはめてしまう「セルフスティグマ」も問題となる
解説
スティグマは、精神障害に対する否定的なイメージや偏見、それに基づく差別をいいます。社会にある偏見を本人が取り込み、「自分は価値がない」と思い込んでしまう「セルフスティグマ」は、受診や相談をためらわせ、回復の妨げになります。
偏見を減らす方法として、正しい知識の普及に加え、当事者と直接交流する「接触」の機会が効果的とされています。

他の選択肢が誤りの理由
・講義だけで十分:知識の普及だけでなく、当事者との直接の交流が偏見を減らすうえで効果的とされています。
・専門職の間ではみられない:医療や福祉の専門職の中にもスティグマがあることが指摘されています。
・社会の側の取組は不要:スティグマは社会の側の問題であり、普及啓発などの取組が必要です。

覚え方のポイント
スティグマ対策の3つ:教育(正しい知識)・接触(当事者との交流)・抗議(差別への異議申立て)。
問102-1

精神保健の予防の段階について、正しいものの組合せはどれか。
a.就労への復帰の支援は、二次予防に当たる。
b.職場の健康診断で不調を早く見つけることは、一次予防に当たる。
c.住民へのメンタルヘルスの普及啓発は、一次予防に当たる。
d.退院後の再発防止のための支援は、三次予防に当たる。

  • ①c・d
  • ②a・b
  • ③b・d
  • ④a・c
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正解 ①c・d
解説
d:再発防止や社会復帰の支援は、障害を軽くし再発を防ぐ三次予防に当たります。
c:普及啓発や健康教育は、病気の発生そのものを防ぐ一次予防に当たります。

他の記述が誤りの理由
b:健康診断やスクリーニングで早く見つけることは、早期発見・早期治療の二次予防です。
a:就労への復帰の支援は、社会復帰を支える三次予防です。

覚え方のポイント
一次=普及啓発・環境改善、二次=早期発見、三次=リハビリテーション・再発防止・社会復帰。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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