2026年10月版・1-7

薬物療法と身体療法の一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神医学と精神医療」から、薬物療法と身体療法に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問11-7

うつ病と診断されたAさん(20歳)は、SSRIを飲み始めたところである。家族から、飲み始めの時期に気をつけることを尋ねられた。SSRIなどの抗うつ薬を飲み始めた時期に注意すべきこととして、正しいものはどれか。

  • ①効果がはっきり現れるまでには通常数時間で十分で、翌日には効果を判断できるとされる
  • ②不安や焦燥、衝動性が高まる賦活症候群が起こることがあり、とくに若い人で注意する
  • ③飲み始めの吐き気などの副作用は、量を増やすほど軽くなっていくとされている
  • ④賦活症候群は高齢者にだけみられるもので、若い人では特に注意は必要ないとされる
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正解 ②不安や焦燥、衝動性が高まる賦活症候群が起こることがあり、とくに若い人で注意する
解説
抗うつ薬は、効果が現れるまでに通常2〜4週間程度かかります。一方で、飲み始めや増量の時期に、不安、焦燥、不眠、イライラ、衝動性の高まりなどの「賦活症候群(アクチベーション症候群)」が起こることがあり、24歳以下の若い人では自殺に関する考えや行動が増えるおそれについて注意が促されています。
SSRIでは、飲み始めに吐き気などの消化器症状も出やすく、急にやめると、めまいや不安などの中断症候群が出ることがあります。

他の選択肢が誤りの理由
・数時間で十分:効果がはっきりするまでには、通常2週間から数週間かかります。
・量を増やすほど軽くなる:吐き気などの副作用は飲み始めや増量の時期に出やすく、量を増やすほど軽くなるわけではありません。
・高齢者にだけ:賦活症候群は、特に若い人で注意が必要とされています。

覚え方のポイント
抗うつ薬は「効くまで2〜4週間」「始めは賦活症候群に注意」「やめるときは少しずつ」。
問21-7

うつ病で通院中のAさん(55歳)は、三環系抗うつ薬を飲み始めてから、体の不調を訴えるようになった。三環系抗うつ薬に多い副作用として、正しいものはどれか。

  • ①口の渇き、便秘、尿が出にくいなどの抗コリン作用
  • ②高い熱と強い筋肉のこわばりが急に現れる悪性症候群
  • ③血液中の白血球が極端に減ってしまう無顆粒球症
  • ④飲酒をすると強い吐き気や動悸が起こるシアナミド様反応
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正解 ①口の渇き、便秘、尿が出にくいなどの抗コリン作用
解説
三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリンなど)は効果が強い一方で、アセチルコリンのはたらきを妨げる「抗コリン作用」が強く、口の渇き、便秘、尿が出にくい(尿閉)、目のかすみ、眠気などが起こりやすい薬です。
心臓への影響(不整脈)もあり、大量に服用すると危険なため、現在ではSSRIやSNRIなどが先に選ばれることが多くなっています。

他の選択肢が誤りの理由
・悪性症候群:主に抗精神病薬で起こる重い副作用です。
・無顆粒球症:とくにクロザピンで注意される副作用です。
・飲酒時の不快な反応:抗酒薬(シアナミド・ジスルフィラム)の作用です。

覚え方のポイント
抗コリン作用は「渇く・詰まる・出ない・かすむ」(口渇・便秘・尿閉・霧視)。
問31-7

不眠が続くAさん(78歳)は、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を処方された。家族から、注意すべきことを尋ねられた。ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬を使うときの注意として、正しいものはどれか。

  • ①長く使うと依存が生じることがあり、高齢者ではふらつきや転倒にも特に注意する
  • ②依存は生じにくいため、漫然と長期間にわたって使い続けても問題はないとされる
  • ③やめるときは離脱症状を防ぐため、少量でも当日に一度で中止することが勧められる
  • ④飲酒と一緒に使っても、眠気やふらつきなどの作用が強まることはないとされる
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正解 ①長く使うと依存が生じることがあり、高齢者ではふらつきや転倒にも特に注意する
解説
ベンゾジアゼピン系の薬は、不安や不眠に速く効く一方で、長く使うと身体依存が生じることがあり、急にやめると不安、不眠、ふるえ、ときにけいれんなどの離脱症状が出ることがあります。
高齢者では、眠気やふらつきによる転倒・骨折、認知機能の低下にも注意が必要です。漫然とした長期使用を避け、やめるときは少しずつ減らします。

他の選択肢が誤りの理由
・依存は生じにくい:長く使うと依存が生じることがあり、漫然とした長期の使用は避けるべきとされています。
・一度で中止:急にやめると不安の悪化や不眠などの離脱症状が出ることがあるため、少しずつ減らしていくことが勧められています。
・飲酒で作用が強まらない:アルコールと一緒に使うと、眠気やふらつき、呼吸の抑制などの作用が強まるおそれがあります。

覚え方のポイント
ベンゾジアゼピンは「依存」「離脱」「転倒」「アルコールとの併用は危険」。
問41-7

統合失調症のAさん(35歳)は、主治医から抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)を提案され、どのような薬かをB精神保健福祉士に尋ねた。抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)について、正しいものはどれか。

  • ①抗精神病薬の注射剤で、強い興奮をすぐに鎮めるために使い、効果は数時間で切れる
  • ②抗精神病薬の注射剤で、無顆粒球症に備え血液検査が義務付けられている
  • ③数週間から数か月に1回の注射で効果が続くため、錐体外路症状は起こらないとされる
  • ④数週間から数か月に1回の注射で効果が続き、毎日の服薬の負担を減らせる
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正解 ④数週間から数か月に1回の注射で効果が続き、毎日の服薬の負担を減らせる
解説
持効性注射剤(デポ剤、LAI:long-acting injectable)は、薬の成分がゆっくり体内に放出されるように工夫された抗精神病薬の注射で、製剤によって2週間、4週間、3か月などの間隔で投与します。
毎日の服薬の負担が減り、飲み忘れによる再発を防ぎやすくなる利点があります。使うかどうかは、本人に十分説明したうえで本人の選択を尊重して決めます。

他の選択肢が誤りの理由
・強い興奮をすぐに鎮め、数時間で切れる:興奮が強いときに使う即効性の注射(短時間作用型の筋肉注射)の説明です。持効性注射剤は、効果が数週間から数か月続くようにした製剤です。
・血液検査が義務付けられている:無顆粒球症に備えて定期的な血液検査の監視体制のもとで使うのは、内服薬のクロザピンです。
・錐体外路症状は起こらない:注射の場合も、錐体外路症状などの副作用は起こりうるため、確認が必要です。

覚え方のポイント
LAI=「長く効く注射」。服薬の負担を減らす選択肢の一つで、本人の選択が前提です。
問51-7

重いうつ病で入院中のAさん(60歳)の家族は、主治医から修正型電気けいれん療法をすすめられ、どのような治療なのかをB精神保健福祉士に尋ねた。現在主に行われている修正型電気けいれん療法について、正しいものはどれか。

  • ①統合失調症の軽い症状に限って使い、うつ病の治療に使われることはない
  • ②麻酔を使わずに行い、全身の強いけいれんを起こすことが効果に必要である
  • ③全身麻酔と筋弛緩薬を用いて、体のけいれんを起こさないようにして行う
  • ④1回の治療で効果が長く続くため、その後の薬物療法などは必要ない
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正解 ③全身麻酔と筋弛緩薬を用いて、体のけいれんを起こさないようにして行う
解説
電気けいれん療法は、頭部に短時間電気を流して脳にけいれん発作を起こし、症状を改善させる治療です。
現在主流の修正型電気けいれん療法(mECT)は、全身麻酔と筋弛緩薬を使って、体の筋肉のけいれんを起こさずに行うため、骨折などの危険が少なくなっています。重いうつ病(とくに自殺の危険が高い、食事がとれないなど急を要する場合)や、薬が効きにくい場合、緊張病の状態などに使われます。

他の選択肢が誤りの理由
・統合失調症の軽い症状に限る:重いうつ病などで、命の危険がある場合や薬の効果が乏しい場合などに検討されます。
・麻酔を使わずにけいれんを起こす:現在主に行われる修正型では、麻酔と筋弛緩薬を使い、体のけいれんを起こしません。
・1回で効果が長く続く:通常は数回から十数回を一定の間隔で行い、その後も再発予防のための薬物療法などを続けます。

覚え方のポイント
修正型=「麻酔+筋弛緩薬」で体はけいれんさせない。重いうつ病や緊張病に有効です。
問61-7

アルツハイマー型認知症の治療に使われるドネペジルについて、正しいものはどれか。

  • ①脳にたまったアミロイドβを取り除く抗体薬で、点滴で投与する
  • ②アセチルコリンを分解する酵素のはたらきを妨げ、症状の進行を緩やかにする
  • ③グルタミン酸の受容体のはたらきを調整する薬で、メマンチンとも呼ばれる
  • ④ドパミンのはたらきを抑えることで、幻覚や妄想を消すことを主な目的とする
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正解 ②アセチルコリンを分解する酵素のはたらきを妨げ、症状の進行を緩やかにする
解説
ドネペジルはコリンエステラーゼ阻害薬で、記憶にかかわる神経伝達物質アセチルコリンを分解する酵素のはたらきを妨げ、脳内のアセチルコリンを増やすことで、認知症の症状の進行を緩やかにします(病気そのものを治す薬ではありません)。同じ仲間にガランタミン、リバスチグミン(貼り薬)があり、別の仕組みの薬にメマンチン(NMDA受容体拮抗薬)があります。
なお、アミロイドβを標的とする抗体薬(レカネマブなど)が軽度認知障害や軽度の認知症の段階を対象に使われるようになっていますが、これも完治させる薬ではありません。

他の選択肢が誤りの理由
・アミロイドβを取り除く抗体薬:レカネマブなどの抗アミロイドβ抗体薬の説明です。
・グルタミン酸の受容体を調整:メマンチンの説明で、ドネペジルとは別の薬です。
・ドパミンのはたらきを抑える:抗精神病薬の説明です。

覚え方のポイント
抗認知症薬は「進行を遅らせる薬」。ドネペジル・ガランタミン・リバスチグミン=コリンエステラーゼ阻害、メマンチン=NMDA受容体拮抗。
問71-7

第二世代(非定型)抗精神病薬のうち一部の薬で特に注意が必要とされる副作用として、正しいものはどれか。

  • ①血中濃度を定期的に測る必要がある中毒の副作用
  • ②体重の増加や血糖値の上昇などの代謝に関する副作用
  • ③飲酒すると強い吐き気が起こるシアナミド様の副作用
  • ④長く使うと耐性ができて量が増えていく依存の副作用
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正解 ②体重の増加や血糖値の上昇などの代謝に関する副作用
解説
第二世代(非定型)抗精神病薬は、第一世代に比べて錐体外路症状が少ないとされますが、オランザピンやクエチアピンなど一部の薬では、体重増加、血糖値の上昇、脂質の異常などの代謝に関する副作用に注意が必要です。
オランザピンとクエチアピンは、糖尿病又は糖尿病の既往がある人には使用してはならない(禁忌)とされています。定期的な体重・血糖の測定と、食事や運動への支援が大切です。

他の選択肢が誤りの理由
・血中濃度を測る必要がある中毒:炭酸リチウムで注意される点です。
・飲酒すると吐き気:抗酒薬(ジスルフィラム、シアナミド)の作用です。
・耐性と依存:ベンゾジアゼピン系の薬などで注意される点です。

覚え方のポイント
第一世代=錐体外路症状、第二世代=代謝の副作用(太る・血糖が上がる)。
問81-7

注意欠如多動症(ADHD)の治療に使われる薬として、正しいものはどれか。

  • ①メチルフェニデート徐放錠
  • ②炭酸リチウム
  • ③ハロペリドール
  • ④ジスルフィラム
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正解 ①メチルフェニデート徐放錠
解説
ADHDの治療薬には、中枢神経刺激薬のメチルフェニデート徐放錠やリスデキサンフェタミン(小児)、非刺激薬のアトモキセチンやグアンファシンなどがあります。
メチルフェニデート徐放錠は、依存や乱用を防ぐため、登録された医師・薬局だけが処方・調剤できる流通管理の仕組みのもとで使われています。薬は、環境の調整や心理社会的な支援と組み合わせて使うことが基本です。

他の選択肢が誤りの理由
・炭酸リチウム:双極性障害の気分安定薬です。
・ハロペリドール:統合失調症などに使う第一世代の抗精神病薬です。
・ジスルフィラム:アルコール依存症の抗酒薬です。

覚え方のポイント
ADHDの薬:刺激薬(メチルフェニデート・リスデキサンフェタミン)と非刺激薬(アトモキセチン・グアンファシン)。
問91-7

気分安定薬のバルプロ酸について、特に注意すべき点として正しいものはどれか。

  • ①腎臓から排出されるため、脱水によって血中濃度が急に上がる中毒が特に問題となる
  • ②飲み始めの時期に、抗コリン作用による口の渇きや便秘が最も問題となる
  • ③長期間使うと遅発性ジスキネジアが起こりやすく、特に注意が必要となる
  • ④妊娠中に服用すると胎児に影響するおそれがあるため、妊娠の可能性に配慮する
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正解 ④妊娠中に服用すると胎児に影響するおそれがあるため、妊娠の可能性に配慮する
解説
バルプロ酸は、てんかんの治療薬で、双極性障害の躁状態の治療などにも気分安定薬として使われます。
妊娠中の服用で胎児の奇形などのリスクが高まることが知られているため、妊娠の可能性がある人に使う場合は、利点と危険を十分に説明し、妊娠の希望や避妊について話し合うことが求められます。肝機能障害や高アンモニア血症などの副作用もあり、血中濃度や血液検査を確認しながら使います。

他の選択肢が誤りの理由
・脱水で血中濃度が上がる中毒:炭酸リチウムで特に注意される点です(バルプロ酸では肝機能障害や高アンモニア血症などにも注意します)。
・抗コリン作用:三環系抗うつ薬などで注意される副作用です。
・遅発性ジスキネジア:抗精神病薬の長期使用で注意される副作用です。

覚え方のポイント
気分安定薬:リチウム(血中濃度)、バルプロ酸(妊娠への影響・肝機能)、カルバマゼピン(皮膚の副作用)、ラモトリギン(重い皮疹)。
問101-7

向精神薬とその主な用途の組合せとして、正しいものの組合せはどれか。
a.クロザピン ― 治療抵抗性統合失調症
b.ドネペジル ― 双極性障害の躁状態
c.アトモキセチン ― 統合失調症の陽性症状
d.アカンプロサート ― アルコール依存症の断酒の維持

  • ①a・b
  • ②b・c
  • ③a・d
  • ④c・d
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正解 ③a・d
解説
a:クロザピンは、ほかの抗精神病薬で十分な効果が得られない治療抵抗性統合失調症に使われます(血液検査などの監視体制のもとで使用)。
d:アカンプロサートは、飲酒したいという欲求を抑え、断酒を続けることを助ける薬です。

他の記述が誤りの理由
b:ドネペジルはアルツハイマー型認知症などに使う抗認知症薬です。双極性障害の躁状態には炭酸リチウムなどの気分安定薬や一部の抗精神病薬が使われます。
c:アトモキセチンは注意欠如多動症(ADHD)の治療に使う非刺激薬です。

覚え方のポイント
薬の名前と「何の病気の薬か」をセットで覚えるのが近道です。クロザピン=治療抵抗性、アカンプロサート=断酒補助。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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