2026年10月版・1-1

脳の構造と精神現象の生物学的基礎の一問一答

精神保健福祉士国家試験「精神医学と精神医療」から、脳の構造と精神現象の生物学的基礎に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問11-1

大脳辺縁系の一部で、恐怖や不安などの情動の反応に深くかかわる部位はどれか。

  • ①延髄
  • ②小脳
  • ③扁桃体
  • ④後頭葉
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正解 ③扁桃体
解説
扁桃体は側頭葉の内側にあるアーモンド形の神経核で、大脳辺縁系の一部です。危険を察知したときの恐怖や不安などの情動反応に中心的な役割を果たします。
PTSDや不安症では、扁桃体の過剰な反応が関係すると考えられています。

他の選択肢が誤りの理由
・小脳:運動の協調や体の平衡を保つはたらきを担います。
・延髄:呼吸や心拍など、生命維持に欠かせない機能の中枢です。
・後頭葉:視覚の情報を処理する部位です。

覚え方のポイント
扁桃体=情動(とくに恐怖)、海馬=記憶。どちらも大脳辺縁系で、隣り合っていることもセットで覚えます。
問21-1

Aさん(45歳)は、交通事故で前頭葉(前頭前野)を損傷し、高次脳機能障害と診断された。家族から、損傷した部位のはたらきについて尋ねられた。前頭葉(前頭前野)の主なはたらきとして、正しいものはどれか。

  • ①目から入った情報を処理し、形や色を見分ける機能
  • ②物事を計画し、判断し、行動を調整する実行機能
  • ③耳から入った音を処理し、言葉の意味を理解する機能
  • ④体の平衡を保ち、運動を滑らかに協調させる機能
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正解 ②物事を計画し、判断し、行動を調整する実行機能
解説
前頭葉、とくにその前方の前頭前野は、目標を立てて計画し、状況に応じて判断し、行動を開始・抑制・切り替えるといった「実行機能(遂行機能)」を担います。意欲や感情のコントロール、社会的な振る舞いにもかかわります。
前頭側頭型認知症や頭部外傷で前頭葉が障害されると、意欲の低下や脱抑制、計画的な行動の困難が目立ちます。

他の選択肢が誤りの理由
・形や色を見分ける:後頭葉(視覚野)のはたらきです。
・音と言葉の理解:側頭葉(聴覚野やウェルニッケ野)のはたらきです。
・平衡と運動の協調:小脳のはたらきです。

覚え方のポイント
前頭葉=脳の「司令塔」。計画・判断・意欲・抑制をまとめて担います。
問31-1

統合失調症の陽性症状に関係すると考えられ、多くの抗精神病薬がそのはたらきを抑える神経伝達物質はどれか。

  • ①アセチルコリン
  • ②ドパミン
  • ③ヒスタミン
  • ④オキシトシン
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正解 ②ドパミン
解説
統合失調症の「ドパミン仮説」では、脳の中脳辺縁系でドパミンのはたらきが過剰になることが、幻覚や妄想などの陽性症状に関係すると考えられています。
抗精神病薬の多くは、ドパミンD2受容体を遮断することで陽性症状を和らげます。その一方で、ほかの経路のドパミンも抑えるため、錐体外路症状や高プロラクチン血症などの副作用が起こります。

他の選択肢が誤りの理由
・アセチルコリン:記憶にかかわり、アルツハイマー型認知症の治療薬(ドネペジルなど)はそのはたらきを高めます。
・ヒスタミン:覚醒にかかわり、抗ヒスタミン作用は眠気の原因になります。
・オキシトシン:出産や授乳、愛着の形成にかかわるホルモンです。

覚え方のポイント
統合失調症=ドパミン過剰、パーキンソン病=ドパミン不足。抗精神病薬の副作用でパーキンソン症状が出るのはこのためです。
問41-1

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が主に作用する神経伝達物質として、正しいものはどれか。

  • ①セロトニン
  • ②グルタミン酸
  • ③ドパミン
  • ④アドレナリン
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正解 ①セロトニン
解説
SSRIは、神経終末からいったん放出されたセロトニンが再び取り込まれるのを選んで妨げ、神経のすき間(シナプス間隙)のセロトニンを増やす抗うつ薬です。
うつ病のほか、パニック症、社交不安症、強迫症などの治療にも使われます。

他の選択肢が誤りの理由
・グルタミン酸:主要な興奮性の神経伝達物質で、認知症の治療薬メマンチンはその受容体(NMDA受容体)にはたらきます。
・ドパミン:抗精神病薬が主に作用する物質です。
・アドレナリン:主に副腎髄質から出るホルモンです。抗うつ薬のSNRIはセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを妨げます。

覚え方のポイント
SSRIの「S」はセロトニン。SNRIは「セロトニン+ノルアドレナリン」です。
問51-1

言語の中枢のうち、障害されると言葉の理解が難しくなり、流暢に話すが内容の乏しい発話になる部位はどれか。

  • ①一次視覚野
  • ②ブローカ野
  • ③一次運動野
  • ④ウェルニッケ野
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正解 ④ウェルニッケ野
解説
ウェルニッケ野は左側頭葉にある感覚性言語中枢で、聞いた言葉の意味を理解するはたらきを担います。障害されると、話すことはできても言葉の理解が難しくなり、言い間違いが多く意味の通りにくい話になります(感覚性失語、ウェルニッケ失語)。

他の選択肢が誤りの理由
・ブローカ野:左前頭葉にある運動性言語中枢です。障害されると、言葉の理解は比較的保たれるものの、話すことがたどたどしくなります(運動性失語)。
・一次運動野:前頭葉の後方にあり、体の随意運動を指令します。
・一次視覚野:後頭葉にあり、視覚の情報を受け取ります。

覚え方のポイント
ブローカ=前頭葉=「話す」の障害、ウェルニッケ=側頭葉=「分かる」の障害。
問61-1

自律神経のはたらきや体温、食欲、睡眠、ホルモンの分泌などの調節の中枢となる部位はどれか。

  • ①小脳
  • ②海馬
  • ③視床下部
  • ④脳梁
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正解 ③視床下部
解説
視床下部は間脳の一部で、自律神経系と内分泌系(下垂体を通じたホルモンの分泌)の最高中枢です。体温、食欲、のどの渇き、睡眠と覚醒のリズムなど、体の内部環境を一定に保つ(ホメオスタシス)はたらきを担います。
強いストレスへの反応(視床下部−下垂体−副腎皮質系)の起点にもなります。

他の選択肢が誤りの理由
・海馬:新しい記憶の形成にかかわります。
・小脳:運動の協調と平衡にかかわります。
・脳梁:左右の大脳半球をつなぐ神経線維の束です。

覚え方のポイント
視床下部は「体の内側の調整役」。自律神経・ホルモン・体温・食欲・睡眠をまとめて覚えます。
問71-1

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬が、そのはたらきを強めることで効果を表す神経伝達物質はどれか。

  • ①セロトニン
  • ②ドパミン
  • ③GABA
  • ④ノルアドレナリン
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正解 ③GABA
解説
GABAは脳の主要な抑制性の神経伝達物質です。ベンゾジアゼピン系の薬は、GABAが結合する受容体(GABA-A受容体)のはたらきを強めることで、不安を和らげ、眠気をもたらし、筋肉の緊張を緩め、けいれんを抑えます。
長く使うと依存が生じやすく、急にやめると離脱症状が出ることがあるため、漫然とした長期使用を避けることが勧められています。

他の選択肢が誤りの理由
・ドパミン:抗精神病薬が主に抑える物質です。
・セロトニン、ノルアドレナリン:抗うつ薬(SSRI・SNRI)が主に増やす物質です。

覚え方のポイント
GABA=脳のブレーキ。ベンゾジアゼピンはそのブレーキを強める薬なので、眠気やふらつきに注意します。
問81-1

脳の検査のうち、脳の血流や代謝などのはたらきを画像で調べることを主な目的とするものはどれか。

  • ①CT
  • ②SPECT
  • ③MRI
  • ④単純X線撮影
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正解 ②SPECT
解説
脳の画像検査は、脳の形を調べる「形態画像」と、脳のはたらきを調べる「機能画像」に分けられます。
SPECT(単一光子放射断層撮影)やPET(陽電子放射断層撮影)は、放射性の薬剤を使って脳の血流や代謝を画像にする機能画像で、認知症の種類の見分けなどに使われます。

他の選択肢が誤りの理由
・CT:X線で脳の形(出血・梗塞・萎縮など)を見る形態画像です。
・MRI:磁気を使って脳の形を細かく見る形態画像です(特殊な撮り方で機能を調べる方法もありますが、基本は形態画像です)。
・単純X線撮影:骨などの形を見る検査で、脳のはたらきは分かりません。

覚え方のポイント
形を見る=CT・MRI、はたらきを見る=SPECT・PET、電気を見る=脳波。
問91-1

てんかんの診断で特に重要とされる検査として、正しいものはどれか。

  • ①脳波検査
  • ②筋電図検査
  • ③心電図検査
  • ④髄液検査
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正解 ①脳波検査
解説
てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮することで発作を繰り返す慢性の脳の病気です。
脳波検査では、頭皮に付けた電極で脳の電気的な活動を記録し、てんかんに特徴的な異常な波(棘波など)がないかを調べます。発作の型を見分け、薬を選ぶうえでも重要です。

他の選択肢が誤りの理由
・筋電図検査:筋肉や末梢神経の病気の診断に用いる検査です。
・心電図検査:心臓の電気的な活動を調べる検査で、意識を失った原因が心臓にないかを確かめるために行うことはありますが、てんかんの診断の中心ではありません。
・髄液検査:脳炎や髄膜炎など、感染や炎症を調べるときに行う検査です。

覚え方のポイント
てんかん=脳の「電気の嵐」なので、電気を調べる脳波検査が中心です。意識障害やせん妄の評価にも脳波は使われます。
問101-1

記憶の種類について、自転車の乗り方のように体で覚えていて、言葉で説明しなくても実行できる記憶を何というか。

  • ①短期記憶
  • ②エピソード記憶
  • ③意味記憶
  • ④手続き記憶
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正解 ④手続き記憶
解説
長期記憶は、言葉で表せる「陳述記憶」と、言葉で表しにくい「非陳述記憶」に分けられます。
手続き記憶は非陳述記憶の一つで、自転車の乗り方や楽器の弾き方のように、繰り返しの練習で身に付けた技能の記憶です。アルツハイマー型認知症では、エピソード記憶が障害されても手続き記憶は比較的保たれやすいとされています。

他の選択肢が誤りの理由
・エピソード記憶:「昨日の夕食に何を食べたか」のように、いつ・どこでといった個人の体験の記憶です。
・意味記憶:「日本の首都は東京」のような知識の記憶です。
・短期記憶:数十秒程度、少量の情報を一時的に保つ記憶です。

覚え方のポイント
陳述記憶=エピソード記憶(思い出)と意味記憶(知識)、非陳述記憶=手続き記憶(体で覚える)。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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