2026年版・4-20

事故事例と応急措置の一問一答

甲種危険物取扱者「危険物の性質・火災予防・消火」から、事故事例と応急措置に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-20

ボイルオーバーに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①タンク底部の水が高温の油に熱せられて沸騰し、油を噴出させる
  • ②燃えている油に注水したとき、水が沸騰して油が飛散してしまう
  • ③タンクの内圧が上がり、屋根が吹き飛んで火炎が広がっていく
  • ④油の表面に泡がたまり、燃焼が抑えられて鎮火していく
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正解 ①タンク底部の水が高温の油に熱せられて沸騰し、油を噴出させる
解説
重油などの引火点の高い油のタンク火災では、燃焼が続くうちに高温の層が下へ広がり、底にたまっていた水に達します。水は急激に沸騰して体積が約1,700倍に膨張し、上の油を一気に噴き上げます。これがボイルオーバーです。

ポイント
燃えている油に注水したとき、水が沸騰して油が飛び散る現象はスロップオーバーといい、別の現象です。

試験の罠
どちらも水の沸騰が原因ですが、水の位置(タンクの底か液の表面か)と起こる時期が違います。

他の選択肢が不適切な理由
「燃えている油に注水したとき水が沸騰して油が飛散する」とする記述は、液面に水をかけたときに起こる別の現象の説明であり、水の位置も起こる時期も異なります。「タンクの内圧が上がり屋根が吹き飛ぶ」とする記述は、水の急激な沸騰によって油が噴き上げられるという仕組みを説明していません。「油の表面に泡がたまり燃焼が抑えられて鎮火していく」とする記述は、泡による消火の説明であって、事故現象の説明になっていません。
問24-20

危険物が屋外へ流出したときの応急措置として、誤っているものはどれか。

  • ①土のうやオイルフェンスで囲い、流出の範囲を広げないようにする
  • ②下水道や排水溝へ速やかに流し込んで、拡散させて希釈していく
  • ③吸着材や乾燥砂を用いて、流出した危険物を回収するようにする
  • ④付近の火気を停止させ、周囲の人へ退避を呼びかけるようにする
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正解 ②下水道や排水溝へ速やかに流し込んで、拡散させて希釈していく
解説
流出した危険物を下水道や排水溝へ流すと、蒸気が広い範囲に広がって引火・爆発の危険が増し、水質汚濁の原因にもなります。危険物を水中に流出させることは法令でも禁じられています。

ポイント
まず流出源を止め、土のう・オイルフェンス・吸着材で囲い込んで回収します。同時に火気を排除し、風上へ避難させます。

試験の罠
ガソリンの蒸気は空気より重く、低い場所や側溝に沿って流れ、離れた場所の火源に達して引火することがあります。

他の選択肢が不適切な理由
「土のうやオイルフェンスで囲い流出の範囲を広げない」ことは正しい応急措置で、広がる前に囲い込むことが被害を最小にします。「吸着材や乾燥砂を用いて回収する」ことも正しく、燃えない材料で受け止めて安全に集められます。「付近の火気を停止させ周囲の人へ退避を呼びかける」ことも正しい措置で、空気より重い蒸気が低い場所を伝って広がることを考えれば、着火源の排除と避難が最優先になります。
問34-20

消火器の使用方法に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①できるだけ火元に近づき、炎の中心へ直接差し入れて用いるようにする
  • ②風下に立ち、炎の先端をねらって上から放射するようにする
  • ③風上に立ち、炎ではなく燃えているものの根元をねらって放射する
  • ④安全栓は放射の直前ではなく、保管している間に外しておく
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正解 ③風上に立ち、炎ではなく燃えているものの根元をねらって放射する
解説
消火剤は燃えているもの(可燃物)の表面に届かないと効果がありません。炎そのものではなく根元をねらい、手前から掃くように放射します。風上に立つのは、熱・煙・消火剤を浴びないためです。

ポイント
安全栓は放射の直前に抜きます。保管中に外しておくと、誤って放射されるおそれがあります。

試験の罠
油火災では、強い勢いの棒状放射を近くから当てると燃えている油が飛び散り、かえって火面が広がることがあります。

他の選択肢が不適切な理由
「火元に近づき炎の中心へ直接差し入れる」とする記述は誤りで、消火剤は燃えているものの表面に届かなければ効果がなく、近づきすぎれば自分が危険にさらされます。「風下に立ち炎の先端をねらって放射する」とする記述も誤りで、風下では熱と煙を浴びるうえ、炎の先端をねらっても可燃物の表面に消火剤が届きません。「安全栓を保管している間に外しておく」とする記述も誤りで、誤って放射されるおそれがあります。
問44-20

硝酸などの強い酸が皮膚に付着したときの応急措置として、最も適切なものはどれか。

  • ①油を塗って空気を遮断し、そのまま様子を見るようにする
  • ②中和するため、強いアルカリの水溶液をすぐに塗布する
  • ③乾いた布でふき取るだけにとどめ、水は用いないようにする
  • ④直ちに多量の流水で長時間洗い流し、医師の診察を受ける
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正解 ④直ちに多量の流水で長時間洗い流し、医師の診察を受ける
解説
まず多量の流水で長時間洗い流し、酸の濃度を下げて組織の損傷を止めます。そのうえで速やかに医師の診察を受けます。

ポイント
強いアルカリで中和しようとすると、中和熱によってかえって損傷が深くなります。使うのは水だけです。

試験の罠
衣服に付着した場合は、洗い流しながら脱がせます。乾いた布でふき取るだけでは酸が皮膚に残ります。

他の選択肢が不適切な理由
「油を塗って空気を遮断する」とする記述は誤りで、油の膜が酸を皮膚に閉じ込め、洗い流すことも難しくして損傷を深めます。「強いアルカリの水溶液を塗布する」とする記述も危険で、中和のときに出る熱がさらに組織を傷めるため、使うのは水だけです。「乾いた布でふき取るだけにとどめ水は用いない」とする記述も誤りで、ふき取るだけでは皮膚に酸が残り続け、時間とともに損傷が進みます。
問54-20

給油中に静電気が原因で出火した事例から得られる教訓として、最も適切なものはどれか。

  • ①給油の前に金属部分に触れて、体にたまった電荷を逃がしておく
  • ②給油中は車外に出ないようにして、車内に座ったまま待つようにする
  • ③給油の速度をできるだけ速めて、作業の時間を短くしていく
  • ④給油の前に、化学繊維の衣類へ着替えるようにしておく
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正解 ①給油の前に金属部分に触れて、体にたまった電荷を逃がしておく
解説
人体にたまった静電気は、給油口に近づけた手やノズルから放電し、ガソリンの蒸気に着火することがあります。給油の前に金属部分に触れて除電することが基本です。

ポイント
顧客に自ら給油させる給油取扱所では、静電気除去シートに触れてから給油を始めます。給油の途中で車内の座席に戻ると、再び帯電することがあります。

試験の罠
化学繊維は帯電しやすい素材です。帯電防止性のある衣類を選びます。

他の選択肢が不適切な理由
「給油中は車内に座ったまま待つ」とする記述は誤りで、座席との摩擦で体が再び帯電し、降りてノズルに触れた瞬間に放電するおそれがあります。「給油の速度をできるだけ速める」とする記述も誤りで、流れが速いほど静電気の発生量が増えます。「化学繊維の衣類へ着替える」とする記述も逆で、化学繊維は摩擦で帯電しやすい素材であり、選ぶべきなのは帯電を防ぐ性質を持つ衣類です。
問64-20

危険物を貯蔵していたタンクの内部で作業する場合の注意点として、正しいものはどれか。

  • ①内部が空であることを確認しさえすれば、そのまま作業を始めてよい
  • ②換気して蒸気を排出し、酸素濃度と可燃性蒸気の濃度を測定する
  • ③蒸気が残っていても、送風だけ行えば火気を使用してよい
  • ④酸素が不足していれば、可燃性蒸気による危険はなくなる
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正解 ②換気して蒸気を排出し、酸素濃度と可燃性蒸気の濃度を測定する
解説
空になったタンクの内部には可燃性蒸気が残っていることが多く、燃焼範囲に入っていれば小さな火花でも爆発します。作業の前に十分に換気し、可燃性蒸気の濃度と酸素濃度を測定して安全を確かめます。

ポイント
酸素が不足していると酸素欠乏症の危険があります。監視人を外に配置し、命綱と呼吸用保護具を用意します。

試験の罠
蒸気の濃度が燃焼範囲の上限を超えていても、換気の途中で範囲の中に入ります。「濃すぎるから安全」という判断は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
「内部が空であることを確認しさえすればよい」とする記述は誤りで、内壁に残ったわずかな危険物からも蒸気が出続け、燃える濃さになっていることがあります。「送風だけ行えば火気を使用してよい」とする記述も誤りで、濃度を実際に測って確かめない限り安全とは言えません。「酸素が不足していれば可燃性蒸気による危険はなくなる」とする記述も誤りで、酸素の不足は人が窒息するという別の重大な危険を生みます。
問74-20

危険物の混触による事故を防ぐ方法として、正しいものはどれか。

  • ①同じ類の危険物であれば、性質を確認せずにまとめてよい
  • ②酸化性のものと還元性のものを、あらかじめ混ぜて安定させる
  • ③酸化性のものと還元性のものは、離して別々に貯蔵しておく
  • ④容器が密栓されていれば、どの組合せでも並べて置いてよい
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正解 ③酸化性のものと還元性のものは、離して別々に貯蔵しておく
解説
酸化剤である第1類・第6類と、還元剤として働く第2類などが混ざると、わずかな衝撃や摩擦で発火・爆発することがあります。場所を分けて貯蔵し、同じ作業台では扱いません。

ポイント
混触の危険は同じ類の中にもあります。第1類のアルカリ金属の過酸化物は水と反応するなど、品名ごとの性質を確認します。

試験の罠
運搬時の混載禁止は「類」の組合せで定められていますが、貯蔵における混触の危険は品名ごとに判断します。

他の選択肢が不適切な理由
「同じ類であれば性質を確認せずにまとめてよい」とする記述は誤りで、同じ類の中にも水と反応するものと注水できるものが混在しており、品名ごとの確認が欠かせません。「あらかじめ混ぜて安定させる」とする記述は正反対で、混ぜること自体が発火・爆発の引き金になります。「容器が密栓されていればどの組合せでも並べて置いてよい」とする記述も誤りで、容器の破損や漏えいが起きれば、その場で混触の危険が生じます。
問84-20

危険物施設で火災が発生したときの初期対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①消防隊の到着を待って、その間は何も行わないようにしておく
  • ②初期消火をひとりで最後まで行って、火が消えてから通報する
  • ③まず事故の記録を作成し、原因が判明してから通報するようにする
  • ④通報・避難の呼びかけと初期消火を、人を分担して同時に進める
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正解 ④通報・避難の呼びかけと初期消火を、人を分担して同時に進める
解説
火災の初期は、通報・避難・初期消火の三つを同時に進めることが被害を最小にします。ひとりで抱え込まず、役割を分担します。

ポイント
危険物施設の所有者等には、事故が発生したときに直ちに消防機関へ通報し、応急の措置を講ずる義務があります。

試験の罠
初期消火は、自分の安全が確保できる範囲までです。炎が天井に達したら消火をやめ、避難を優先します。

他の選択肢が不適切な理由
「消防隊の到着を待って何も行わない」とする記述は誤りで、初期の数分の対応が被害の大きさを決めます。「初期消火をひとりで最後まで行って火が消えてから通報する」とする記述も誤りで、通報が遅れれば延焼したときの対応も遅れ、施設の所有者等に課された直ちに通報する義務にも反します。「まず事故の記録を作成し原因が判明してから通報する」とする記述も誤りで、記録や原因の分析は事後に行うべきことです。
問94-20

危険物の流出事故が発生した後の措置として、正しいものはどれか。

  • ①直ちに消防機関へ通報し、応急の措置を講じなければならない
  • ②応急の措置をすべて終えたあとに、まとめて報告すれば足りる
  • ③被害が生じていなければ、通報も応急措置も必要とされない
  • ④通報の義務があるのは、危険物保安監督者だけに限られる
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正解 ①直ちに消防機関へ通報し、応急の措置を講じなければならない
解説
危険物の流出その他の事故が発生したときは、製造所等の所有者・管理者・占有者は直ちに、流出の拡散防止や除去など災害の発生を防止するための応急の措置を講じなければなりません。あわせて消防機関へ通報します。

ポイント
事故を発見した者にも、直ちに消防機関へ通報する義務があります。

試験の罠
被害の有無にかかわらず、事故が起きた時点で義務が生じます。「被害がないから通報不要」という判断は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
「応急の措置をすべて終えたあとにまとめて報告すれば足りる」とする記述は誤りで、通報と応急措置はどちらかを先に済ませるものではなく、同時に進めることが求められます。「被害が生じていなければ通報も応急措置も必要ない」とする記述も誤りで、事故が起きた時点で義務が生じます。「通報の義務があるのは危険物保安監督者だけ」とする記述も誤りで、事故を発見した者にも直ちに通報することが求められます。
問104-20

危険物施設における事故の再発防止の考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①作業者個人の不注意として扱い、本人への注意で終わらせる
  • ②原因を分析して手順や設備を見直し、保安教育に反映させる
  • ③同じ作業そのものを中止し、以後はいっさい行わないようにする
  • ④記録を残さずに、以後の作業で気をつけるようにしておく
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正解 ②原因を分析して手順や設備を見直し、保安教育に反映させる
解説
事故の多くは、作業手順・設備・教育のいずれかに原因があります。個人の不注意として片づけると、同じ事故が繰り返されます。原因を分析して手順書や設備を改め、保安教育に反映させることが再発防止につながります。

ポイント
予防規程には保安教育に関する事項を定め、計画的に実施することが求められます。

試験の罠
記録を残すことは、原因の分析にも、法令に基づく報告にも欠かせません。

他の選択肢が不適切な理由
「作業者個人の不注意として扱い本人への注意で終わらせる」とする記述は誤りで、手順や設備に潜む原因が残ったままとなり、担当者が替われば同じ事故が繰り返されます。「同じ作業そのものを中止し以後はいっさい行わない」とする記述も現実的でなく、安全に行う方法を整えることが本来の対策です。「記録を残さずに以後の作業で気をつける」とする記述も誤りで、記録がなければ原因の分析も教育への反映もできません。

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