建築士法上、これを新築する場合に一級建築士でなければ設計又は工事監理をしてはならない建築物として、正しいものはどれか。ただし、いずれも高さは16メートル以下とする。
- ①延べ面積600平方メートルの病院で、鉄骨造2階建てのもの
- ②延べ面積400平方メートルの事務所で、木造2階建てのもの
- ③延べ面積250平方メートルの共同住宅で、鉄骨造2階建てのもの
- ④延べ面積900平方メートルの倉庫で、木造2階建てのもの
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建築士法第3条第1項第1号は、学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場(オーディトリアムを有しないものを除く)又は百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積が500平方メートルを超えるものについて、一級建築士でなければ設計又は工事監理をしてはならないと定めている。病院で延べ面積600平方メートルはこの要件に当てはまるため、一級建築士でなければならない。これらの用途は不特定多数の人が集まり、避難や構造の安全性の確保が特に難しいため、規模が大きくなった段階で最も上位の資格者に限定する趣旨である。なお同項第3号により、鉄骨造で延べ面積300平方メートルを超えるものも一級建築士の独占業務であり、この建築物は用途と構造の両面から一級建築士が必要となる。
他の選択肢が不適切な理由
「延べ面積400平方メートルの事務所で、木造2階建てのもの」は、木造について一級建築士が必要となるのは高さ16メートルを超えるか地階を除く階数が4以上の場合(第3条第1項第2号)であり、いずれにも当たらない。延べ面積300平方メートルを超えるため、第3条の2第1項第2号により二級建築士でも設計できる。「延べ面積250平方メートルの共同住宅で、鉄骨造2階建てのもの」は、鉄骨造で一級建築士が必要となる基準が延べ面積300平方メートル超であり、250平方メートルはこれを下回る。「延べ面積900平方メートルの倉庫で、木造2階建てのもの」は、延べ面積が1000平方メートルを超えかつ階数が2以上という第3条第1項第4号の要件に届かない。
試験の罠
用途による基準(500平方メートル超)と、構造による基準(鉄筋コンクリート造・鉄骨造などは300平方メートル超)と、規模による基準(1000平方メートル超かつ階数2以上)は別々の条件で、どれか一つに当たれば一級建築士が必要になる。また、令和7年4月施行の改正により、木造・鉄骨造等の高さ要件は「高さ13メートル又は軒の高さ9メートルを超えるもの」から「高さ16メートルを超えるもの又は地階を除く階数が4以上であるもの」へ改められている。古い数値のまま覚えていると誤答するので注意する。