2026年版・6-10

建築基準法(面積・高さ・階数の算定)の一問一答

2級建築施工管理技士「法規」から、建築基準法(面積・高さ・階数の算定)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-10

建築基準法上、面積の算定方法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①建築面積は、外壁又はこれに代わる柱の外側の線で囲まれた部分の水平投影面積による。
  • ②敷地面積は、敷地の水平投影面積による。ただし、みなし道路の部分は算入しない。
  • ③床面積は、建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分による。
  • ④延べ面積は、建築物の各階の床面積の合計による。ただし容積率の算定では例外がある。
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正解 ①建築面積は、外壁又はこれに代わる柱の外側の線で囲まれた部分の水平投影面積による。
解説
建築基準法施行令第2条第1項第2号は、建築面積を、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によると定めている。基準となるのは外側の線ではなく中心線であり、この記述は誤りである。壁の中心線を基準にそろえることで、壁の厚さの違いによって同じ間取りの建築物の面積が変わってしまうことを防いでいる。床面積も同じ考え方で壁その他の区画の中心線を基準とするため、両者の考え方は一貫している。なお建築面積では、地階で地盤面上1メートル以下にある部分は算入しない。

他の選択肢が不適切な理由
「敷地面積は、敷地の水平投影面積による。ただし、みなし道路の部分は算入しない。」は正しい。同項第1号は敷地の水平投影面積によるとし、建築基準法第42条第2項などの規定によって道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は算入しないとしている。「床面積は、建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分による。」も同項第3号のとおりで正しい。「延べ面積は、建築物の各階の床面積の合計による。ただし容積率の算定では例外がある。」も同項第4号のとおりで正しく、容積率の算定に用いる延べ面積では自動車車庫等の部分などが一定の限度まで算入されない。

試験の罠
「中心線」か「外側の線」かを入れ替える出題が定番である。建築面積も床面積も基準は中心線であり、外側の線ではない。ただし敷地面積だけは壁とは無関係に、敷地そのものの水平投影面積である点が異なる。傾斜地でも面積は真上から見た投影で測る、という点も押さえておく。
問26-10

外壁の中心線で囲まれた平面が10メートル×8メートルの長方形である平家建ての建築物において、外壁の中心線から水平距離1.5メートル突き出したひさしが、長さ10メートルの辺の全長にわたって設けられている。この建築物の建築面積として、正しいものはどれか。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造には該当しないものとする。

  • ①80平方メートル
  • ②85平方メートル
  • ③90平方メートル
  • ④95平方メートル
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正解 ②85平方メートル
解説
建築基準法施行令第2条第1項第2号により、軒、ひさし、はね出し縁などが外壁の中心線から水平距離1メートル以上突き出している場合は、その端から水平距離1メートル後退した線で囲まれた部分の水平投影面積が建築面積となる。
1. 本体部分の面積を求める。外壁の中心線で囲まれた長方形は10メートル×8メートルであるから、10×8=80平方メートルである。
2. ひさしのうち建築面積に加わる幅を求める。ひさしは中心線から1.5メートル突き出しており1メートル以上であるから、端から1メートル後退した線が基準となる。1.5−1.0=0.5メートルが中心線の外側に加わる。
3. 加わる面積を求める。ひさしは長さ10メートルの辺の全長に設けられているので、10×0.5=5平方メートルである。
4. 合計する。80+5=85平方メートルとなる。

他の選択肢が不適切な理由
「80平方メートル」は、突出したひさしをすべて建築面積に算入しないとした誤りである。1メートル以上突き出した部分は超過分が算入される。「90平方メートル」は、後退させる距離を考えず、ひさしの幅を一律1メートルとして10×1=10平方メートルを加えた誤りである。「95平方メートル」は、ひさしの1.5メートル全部を算入して10×1.5=15平方メートルを加えた誤りで、1メートル後退の規定を適用していない。

試験の罠
「1メートル以上突き出したときに、その端から1メートル後退する」という二段構えを取り違えやすい。突出が1メートル未満なら、ひさし部分は建築面積に一切加わらない。1.5メートル突き出しても加わるのは0.5メートル分だけであり、突出寸法そのものを足すのではない。
問36-10

各階の床面積の合計が500平方メートルの事務所ビルがあり、そのうち自動車車庫の用途に供する部分が120平方メートルある。この建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積として、正しいものはどれか。ただし、同一敷地内に他の建築物はなく、他に延べ面積に算入しない部分もないものとする。

  • ①380平方メートル
  • ②450平方メートル
  • ③400平方メートル
  • ④500平方メートル
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正解 ③400平方メートル
解説
建築基準法施行令第2条第1項第4号ただし書及び同条第3項第1号により、自動車車庫等の用途に供する部分の床面積は、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計に5分の1を乗じて得た面積を限度として、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しない。
1. 不算入とできる限度を求める。各階の床面積の合計は500平方メートルであるから、500×1/5=100平方メートルが限度である。
2. 実際の車庫部分と比べる。車庫は120平方メートルあり限度の100平方メートルを超えるため、不算入とできるのは100平方メートルまでである。
3. 容積率の算定に用いる延べ面積を求める。500−100=400平方メートルとなる。
この5分の1という上限は、車庫を名目に容積率の制限を実質的に緩めることを防ぐために設けられている。

他の選択肢が不適切な理由
「380平方メートル」は、車庫120平方メートルの全部を不算入としたもので、5分の1の限度を超えて控除しており誤りである。「450平方メートル」は、控除できる割合を10分の1と誤って500×1/10=50平方メートルを控除したものである。「500平方メートル」は、車庫の緩和をまったく適用しなかったもので、令第2条第3項第1号の適用を欠いている。

試験の罠
限度の割合は用途ごとに異なる。自動車車庫等は5分の1、防災用の備蓄倉庫と蓄電池設置部分は50分の1、自家発電設備と貯水槽と宅配ボックスの設置部分は100分の1である。また、割合を乗じる相手は「車庫の面積」ではなく「各階の床面積の合計」である点を取り違えると、答えが大きくずれる。
問46-10

建築基準法上、建築物の高さの算定に関する記述として、正しいものはどれか。ただし、絶対高さの制限及び北側斜線制限の適用はないものとする。

  • ①棟飾や防火壁の屋上突出部については、いずれもその高さの2分の1を建築物の高さに算入する。
  • ②昇降機塔の屋上部分は、その水平投影面積の大小にかかわらず建築物の高さに算入しない。
  • ③軒の高さは、地盤面から建築物の屋根の最も高い部分までの垂直距離によって算定する。
  • ④屋上の階段室等が建築面積の8分の1以内なら、高さ12メートルまでは高さに算入しない。
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正解 ④屋上の階段室等が建築面積の8分の1以内なら、高さ12メートルまでは高さに算入しない。
解説
建築基準法施行令第2条第1項第6号ロは、階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは12メートルまでは当該建築物の高さに算入しないと定めている。塔屋は居室として使うものではなく、面積も限られているため、日照や通風への影響が小さいとみて緩和されている。したがって、面積の条件と高さの条件の両方を満たす範囲でのみ不算入となる。なお、絶対高さの制限や日影規制などの場合は、不算入の限度が12メートルではなく5メートルとなる。

他の選択肢が不適切な理由
「棟飾や防火壁の屋上突出部については、いずれもその高さの2分の1を建築物の高さに算入する。」は誤りである。同項第6号ハは、棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物は建築物の高さに算入しないとしており、2分の1を算入するという規定は存在しない。「昇降機塔の屋上部分は、その水平投影面積の大小にかかわらず建築物の高さに算入しない。」は、面積の条件を無視している点で誤りである。建築面積の8分の1を超えれば、その部分の高さは全体が高さに算入される。「軒の高さは、地盤面から建築物の屋根の最も高い部分までの垂直距離によって算定する。」も誤りで、同項第7号は小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さとしている。

試験の罠
塔屋の緩和は「面積が8分の1以内」かつ「高さ12メートルまで」の二つの条件で成り立つ。片方だけを問う選択肢が誤りとして並ぶ。また、階数の算定にも8分の1という数字が出てくるが、階数の方は「8分の1以下」で高さの条件は付かない、という違いも押さえておく。
問56-10

建築基準法上の「地盤面」に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいう。
  • ②建築物が周囲の地面と接する位置のうち、最も低い位置の水平面をいう。
  • ③建築物が周囲の地面と接する位置のうち、最も高い位置の水平面をいう。
  • ④敷地が接する前面道路の路面の中心の高さにおける水平面をいう。
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正解 ①建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいう。
解説
建築基準法施行令第2条第2項は、同条第1項第2号、第6号又は第7号の「地盤面」とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいうと定めている。建築物の周囲の地面は必ずしも水平ではないため、どこか一点を基準にすると、同じ建築物でも測る場所によって高さが変わってしまう。そこで接する位置の平均をとることで、基準を一つに定めている。さらに同項は、接する位置の高低差が3メートルを超える場合においては、その高低差3メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面をいうとしており、傾斜地では地盤面が複数生じることになる。

他の選択肢が不適切な理由
「建築物が周囲の地面と接する位置のうち、最も低い位置の水平面をいう。」は誤りである。最低の位置を基準にすると建築物の高さが実際より大きく算定されることになり、条文は平均の高さによるとしている。「建築物が周囲の地面と接する位置のうち、最も高い位置の水平面をいう。」も同様に誤りで、最高の位置を基準にする規定は置かれていない。「敷地が接する前面道路の路面の中心の高さにおける水平面をいう。」は、道路斜線制限に関する高さの算定に用いる基準(同条第1項第6号イ)と混同したもので、地盤面の定義ではない。

試験の罠
高さの基準は場面によって変わる。原則は地盤面からの高さだが、道路斜線制限では前面道路の路面の中心からの高さになる。あわせて、高低差が3メートルを超えるときは3メートル以内ごとに地盤面を分けるという数値も頻出である。「平均」と「3メートルごと」の二つをセットで覚えるとよい。
問66-10

地上5階建ての建築物の屋上に、水平投影面積が建築面積の10分の1である昇降機塔が設けられ、地階には水平投影面積が建築面積の6分の1である機械室が設けられている。この建築物の階数として、正しいものはどれか。

  • ①4
  • ②5
  • ③6
  • ④7
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正解 ③6
解説
建築基準法施行令第2条第1項第8号は、昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の8分の1以下のものは、当該建築物の階数に算入しないと定めている。
1. 屋上の昇降機塔を判定する。水平投影面積は建築面積の10分の1であり、8分の1以下であるから階数に算入しない。
2. 地階の機械室を判定する。水平投影面積は建築面積の6分の1であり、8分の1を超えるため階数に算入する。
3. 合計する。地上5階に地階の1階を加え、階数は6となる。
比べるときは分数の大きさに注意する。10分の1は8分の1より小さく、6分の1は8分の1より大きい。

他の選択肢が不適切な理由
「4」は、地上階の数え方を誤ったもので、地上5階という条件と合わない。「5」は、地階の機械室も8分の1以下とみて階数に算入しなかった誤りである。6分の1は8分の1を超えるため算入しなければならない。「7」は、屋上の昇降機塔まで階数に算入した誤りで、10分の1は8分の1以下であるから算入しない。

試験の罠
屋上部分と地階部分は、それぞれ別々に8分の1と比べる。合算して判定するのではない。また、高さの算定における塔屋の緩和は「8分の1以内かつ12メートルまで」であるのに対し、階数の算定は「8分の1以下」だけで高さの条件がない。分数の大小は、分母が大きいほど値は小さいという関係を落ち着いて確認すること。
問76-10

陸屋根の建築物で、地盤面から屋根面までの高さが14メートルのものがある。その屋上に、水平投影面積が建築面積の10分の1で高さが4メートルの階段室が設けられている場合、この建築物の高さとして、正しいものはどれか。ただし、道路斜線制限、北側斜線制限及び絶対高さの制限の適用はないものとする。

  • ①12メートル
  • ②14メートル
  • ③16メートル
  • ④18メートル
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正解 ②14メートル
解説
建築基準法施行令第2条第1項第6号ロにより、階段室その他これに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内である場合、その部分の高さは12メートルまでは建築物の高さに算入しない。
1. 面積の条件を確かめる。階段室の水平投影面積は建築面積の10分の1であり、8分の1以下であるから緩和の対象となる。
2. 高さの条件を確かめる。階段室の高さは4メートルで、不算入の限度である12メートルの範囲に収まる。したがって階段室の高さは全部が不算入となる。
3. 建築物の高さを求める。屋根面までの14メートルがそのまま建築物の高さとなる。
もし階段室の高さが12メートルを超えていれば、超えた分だけが高さに加算される点にも注意する。

他の選択肢が不適切な理由
「12メートル」は、不算入の限度である12メートルをそのまま建築物の高さと取り違えたものである。12メートルは階段室について不算入とできる上限であり、建築物本体の高さとは関係がない。「16メートル」は、階段室の高さ4メートルのうち2メートルだけを加算したもので、そのような按分の規定は存在しない。「18メートル」は、階段室の高さ4メートルを全部加算したもので、面積が8分の1以下である場合の緩和を適用していない。

試験の罠
同じ条件でも、絶対高さの制限や日影規制に関する高さを算定する場合には、不算入の限度が12メートルではなく5メートルになる。さらに、避雷設備の要否を判断する高さ(建築基準法第33条)や北側斜線制限に関する高さでは、この緩和自体が適用されず塔屋の高さも算入される。設問のただし書がどの制限を除いているかを必ず確認すること。
問86-10

建築基準法上、容積率の算定の基礎となる延べ面積の取扱いに関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①エレベーターの昇降路の部分の床面積は、容積率の算定の延べ面積に算入しない。
  • ②共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しない。
  • ③自動車車庫の部分の床面積は、各階の床面積の合計の5分の1を限度として算入しない。
  • ④住宅の用途に供する地階の部分の床面積は、その2分の1を限度として算入しない。
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正解 ④住宅の用途に供する地階の部分の床面積は、その2分の1を限度として算入しない。
解説
建築基準法第52条第3項は、容積率の算定の基礎となる延べ面積について、建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1メートル以下にあるものの、住宅または老人ホーム等の用途に供する部分の床面積を算入しないと定めています。ただし、その面積が当該建築物の住宅および老人ホーム等の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を超える場合には、その3分の1が限度となります。2分の1ではありません。この緩和は、地下室を備えた住宅の供給を促す目的で設けられたもので、地階の要件として、天井が地盤面から高さ1メートル以下にあることも必要です。

他の選択肢が不適切な理由
「エレベーターの昇降路の部分の床面積は、容積率の算定の延べ面積に算入しない。」は正しい。建築基準法第52条第6項が、限度を設けずに不算入としている。「共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しない。」も同項のとおりで正しく、共用部分を惜しんで狭い廊下や階段が作られることを防ぐ趣旨である。「自動車車庫の部分の床面積は、各階の床面積の合計の5分の1を限度として算入しない。」も正しく、建築基準法施行令第2条第3項第1号のとおりである。

試験の罠
容積率の緩和は限度の分数を取り違えやすい部分です。住宅等の地階は3分の1、自動車車庫等は各階の床面積の合計の5分の1が限度です。これに対し、エレベーターの昇降路と共同住宅等の共用の廊下・階段の部分は、限度がなく全部を算入しません。
問96-10

建築基準法上、建築面積の算定に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①地階のうち地盤面上1メートル以下にある部分は、建築面積に算入しない。
  • ②地階の部分は、その地盤面からの深さにかかわらず建築面積に算入する。
  • ③外壁の中心線から水平距離1メートル未満突き出したひさしも、全部を算入する。
  • ④軒の出が3メートルの場合、その端から2メートル後退した線まで算入する。
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正解 ①地階のうち地盤面上1メートル以下にある部分は、建築面積に算入しない。
解説
建築基準法施行令第2条第1項第2号は、建築面積を算定する対象となる建築物から「地階で地盤面上1メートル以下にある部分」を除くと括弧書きで定めている。地面からほとんど頭を出していない地階は、敷地の空地を狭めることも日照や通風を妨げることもないため、建蔽率の基礎となる建築面積に含めない扱いとしている。逆にいえば、地階であっても地盤面上1メートルを超えて突き出している部分は建築面積に算入される。ここでいう地盤面は、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面である。

他の選択肢が不適切な理由
「地階の部分は、その地盤面からの深さにかかわらず建築面積に算入する。」は、地盤面上1メートル以下の部分を除くという括弧書きを無視している点で誤りである。「外壁の中心線から水平距離1メートル未満突き出したひさしも、全部を算入する。」も誤りで、後退線の規定が働くのは中心線から水平距離1メートル以上突き出した場合であり、1メートル未満のひさしは建築面積に加わらない。「軒の出が3メートルの場合、その端から2メートル後退した線まで算入する。」は後退距離が誤りで、条文が定める後退距離は1メートルである。この場合は端から1メートル後退した線までが建築面積となる。

試験の罠
「1メートル」という数字が二か所に出てくるので混同しやすい。一つは地階の扱いで「地盤面上1メートル以下なら不算入」、もう一つは軒やひさしの扱いで「中心線から1メートル以上突き出したら端から1メートル後退」である。前者は上下方向の高さ、後者は水平方向の距離であることを意識すると区別できる。
問106-10

建築基準法上、建築物の高さ及び階数の算定に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①軒の高さは、地盤面から小屋組等を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。
  • ②建築物の部分によって階数が異なる場合、階数はそれらの階数の平均によって定める。
  • ③地盤面の高低差が3メートルを超えるときは、高低差3メートル以内ごとに定める。
  • ④道路斜線制限に関する高さは、前面道路の路面の中心からの高さによって算定する。
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正解 ②建築物の部分によって階数が異なる場合、階数はそれらの階数の平均によって定める。
解説
建築基準法施行令第2条第1項第8号は、建築物の一部が吹抜きとなっている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によって階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによると定めている。平均ではなく最大である。階数は、避難や防火に関する規制のうち何が適用されるかを決める基礎となるため、最も条件の厳しい部分に合わせて規制を及ぼす必要がある。平均で判断すると、実際には階数の多い部分があるのに緩い規制しか及ばないという不都合が生じてしまう。

他の選択肢が不適切な理由
「軒の高さは、地盤面から小屋組等を支持する壁、敷桁又は柱の上端までの高さによる。」は正しく、同項第7号のとおりである。屋根の頂部までではない点が要点である。「地盤面の高低差が3メートルを超えるときは、高低差3メートル以内ごとに定める。」も正しく、同条第2項が高低差3メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面を地盤面とすると定めている。「道路斜線制限に関する高さは、前面道路の路面の中心からの高さによって算定する。」も正しく、同条第1項第6号イが建築基準法第56条第1項第1号の規定による高さの算定について定めている。

試験の罠
「平均」と「最大」を入れ替える出題が典型である。地盤面は接する位置の「平均」の高さ、階数は部分ごとの階数のうち「最大」のものと、同じ条文の中で使い分けられている。あわせて、軒の高さは屋根の最頂部ではなく横架材を支持する壁や柱の上端まで、という点も繰り返し問われる。

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