外壁の改修に先立って行う劣化調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- ①打診調査は、壁面をたたいた音の違いにより浮きを判定する。
- ②ひび割れの幅は、クラックスケールを当てて測定を行う。
- ③赤外線装置法は、壁面の表面温度の差から浮きを推定する。
- ④赤外線装置法は、天候や日射の影響を受けずに調査ができる。
答えと解説を見る
赤外線装置法は、外壁が日射で暖められたときに、浮いている部分では背面の空気層が断熱材のように働いて健全部より温度が高くなる性質を利用し、その温度差を赤外線カメラで画像としてとらえて浮きを推定する調査方法です。温度差が生じることが前提であるため、曇天や降雨、風の強い日、日射の当たらない時間帯や北面などでは十分な温度差が得られず、判定の精度が大きく落ちます。したがって、天候や日射の影響を受けずに調査できるという記述は誤りで、調査日時と対象面の方位を選ぶ必要があります。足場を組まずに広い範囲を短時間で調べられる点が利点です。
他の選択肢が不適切な理由
「打診調査は、壁面をたたいた音の違いにより浮きを判定する。」は、打診棒やテストハンマーで壁面を打ち、健全部の澄んだ音と浮き部の濁った音の違いで判定する基本的な方法であり、適当です。「ひび割れの幅は、クラックスケールを当てて測定を行う。」は、幅の目盛りが刻まれた透明なスケールを当てて読み取る方法で、適当です。「赤外線装置法は、壁面の表面温度の差から浮きを推定する。」は、この方法の原理そのものを述べており、適当です。
試験の罠
「打診は確実だが足場が要る、赤外線は足場が要らないが天候に左右される」という長所短所の対比が問われます。赤外線装置法はあくまで推定であり、判定が難しい部分は打診で確認する併用が前提である点も押さえましょう。