2026年版・3-3

地業工事と杭工事の一問一答

2級建築施工管理技士「躯体施工」から、地業工事と杭工事に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-3

既製コンクリート杭のプレボーリング拡大根固め工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①アースオーガーは、掘削中も引上げ時も逆回転させながら操作する。
  • ②アースオーガーの掘削径は、杭径に100mm程度を加えたものとする。
  • ③根固め液は、杭の先端に所定の支持力を得るために注入する。
  • ④掘削は、支持層に達したことを電流計の値などで確認して終える。
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正解 ①アースオーガーは、掘削中も引上げ時も逆回転させながら操作する。
解説
アースオーガーは、掘削時も引上げ時も正回転させるのが原則です。オーガーヘッドとスクリューには掘削した土砂が付着していますが、正回転のままゆっくり引き上げれば、土砂はスクリューに保持されたまま地上へ運び上げられます。これに対して逆回転させると、スクリューに沿って土砂を保持する働きが失われ、付着していた土砂が孔内へ落下します。落下した土砂は根固め液に混ざり込み、杭先端の支持力を発揮するはずの根固め部の品質を大きく損ないます。杭が所定の支持力を得られなくなれば建物全体の沈下につながるため、回転方向は施工上の重要な管理項目とされています。

他の選択肢が不適切な理由
「アースオーガーの掘削径は、杭径に100mm程度を加えたものとする」は正しい記述で、杭を無理なく沈設し、杭周固定液を行き渡らせるための余裕です。「根固め液は、杭の先端に所定の支持力を得るために注入する」も正しく、セメントミルクを支持層内で撹拌して根固め球根を造成します。「掘削は、支持層に達したことを電流計の値などで確認して終える」も正しく、オーガーの駆動電流や積分電流値の変化と、排出される土砂の観察を併用して判断します。

試験の罠
アースオーガーは掘削時も引上げ時も正回転が原則。逆回転させると先端の土砂が孔内に落ち、孔壁も乱れる。掘削径は杭径+100mm程度、支持層の確認は積分電流値や排出土の目視で行う。
問23-3

場所打ちコンクリート杭のアースドリル工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①孔壁の保護は、安定液を用いて孔壁に不透水膜を形成して行う。
  • ②孔壁の保護は、ケーシングチューブを全長にわたり圧入して行う。
  • ③表層部の孔壁崩壊を防ぐため、表層ケーシングを建て込む。
  • ④掘削は、回転バケットを回転させて行い、土砂を地上へ排出する。
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正解 ②孔壁の保護は、ケーシングチューブを全長にわたり圧入して行う。
解説
アースドリル工法は、回転バケットで掘削しながら、ベントナイトやポリマーを主成分とする安定液を孔内に満たして孔壁を保護する工法です。安定液が孔壁面に不透水膜を形成し、その内側の液圧が土圧と地下水圧に対抗することで孔壁の崩壊を防ぎます。ケーシングチューブを用いるのは表層部のみで、崩れやすい表層の数メートルを保護するために表層ケーシングを建て込みます。掘削孔の全長にケーシングチューブを圧入するのはオールケーシング工法の特徴であり、工法の取り違えです。設備が比較的簡易で、機動性がよく、低騒音である点がアースドリル工法の利点です。

他の選択肢が不適切な理由
「孔壁の保護は、安定液を用いて孔壁に不透水膜を形成して行う」は正しい記述で、この工法の基本原理です。「表層部の孔壁崩壊を防ぐため、表層ケーシングを建て込む」も正しく、表層の埋土や緩い砂層の崩壊を防ぐために設けます。「掘削は、回転バケットを回転させて行い、土砂を地上へ排出する」も正しく、ドリリングバケットの中に土砂を取り込み、引き上げて排出する手順を繰り返します。

試験の罠
孔壁保護の方法で工法を区別する。「アースドリル=安定液(ベントナイト等)+表層ケーシング」「オールケーシング=ケーシングチューブを全長圧入」「リバース=孔内水位を地下水位より2m以上高く保つ静水圧」。この三つの対応は必ず得点したい。
問33-3

場所打ちコンクリート杭のリバースサーキュレーション工法に関する記述として、最も適当なものはどれか。

  • ①孔内水位は、地下水位より2m程度低く保つ必要がある。
  • ②掘削土は、ハンマーグラブによって地上へつかみ上げる。
  • ③孔内水位は、地下水位より2m以上高く保つ必要がある。
  • ④孔壁は、ケーシングチューブを全長にわたり圧入して保護する。
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正解 ③孔内水位は、地下水位より2m以上高く保つ必要がある。
解説
リバースサーキュレーション工法は、孔内に満たした水の圧力そのもので孔壁を保護する工法です。掘削で発生した土砂は、ドリルパイプの中を通して水とともに吸い上げ、地上で分離してから再び孔内へ水を戻す循環方式をとります。孔壁が崩れないのは、孔内水の水圧が周囲の地下水圧を上回っているためであり、この差圧を確保するために孔内水位を地下水位より2m以上高く保つことが管理上の要点となります。孔内水位が下がると差圧が失われ、孔壁の崩壊や、砂質地盤ではボイリングと同様の現象を招くため、給水設備の能力と水位の監視が欠かせません。

他の選択肢が不適切な理由
「孔内水位は、地下水位より2m程度低く保つ必要がある」は高低が逆であり、孔壁が崩壊する条件そのものです。「掘削土は、ハンマーグラブによって地上へつかみ上げる」はオールケーシング工法の掘削方法であり、リバース工法は水とともに吸い上げます。「孔壁は、ケーシングチューブを全長にわたり圧入して保護する」もオールケーシング工法の説明であり、リバース工法では表層部のスタンドパイプのみを用います。

試験の罠
リバース工法の数値は「地下水位より2m以上高く」。低く保つ、あるいは同じ高さでよいとする選択肢は誤り。掘削土をハンマーグラブでつかみ上げるのはオールケーシング工法で、リバースは泥水とともに吸い上げて排出する。
問43-3

場所打ちコンクリート杭のスライム処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①一次スライム処理は、掘削完了後、鉄筋かごの建込み前に行う。
  • ②スライムは、杭の先端支持力を低下させる原因となる沈殿物である。
  • ③二次スライム処理には、水中ポンプやエアリフトなどを用いる。
  • ④二次スライム処理は、コンクリート打込み完了後に行うものである。
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正解 ④二次スライム処理は、コンクリート打込み完了後に行うものである。
解説
スライムとは、掘削中に生じた土砂の細粒分などが孔底に沈殿したものです。これが残ったままコンクリートを打ち込むと、杭の先端と支持層との間に軟らかい層が挟まれることになり、先端支持力が著しく低下します。そのため処理は二段階で行い、掘削完了直後に一次スライム処理を、鉄筋かごとトレミー管の建込み後、コンクリート打込みの直前に二次スライム処理を行います。二段階とするのは、鉄筋かごの建込み中にも孔壁から土砂が落ちて再びスライムが堆積するためです。コンクリート打込み後では孔底に手が届かず、処理そのものが不可能です。

他の選択肢が不適切な理由
「一次スライム処理は、掘削完了後、鉄筋かごの建込み前に行う」は正しい手順です。「スライムは、杭の先端支持力を低下させる原因となる沈殿物である」も正しく、これがスライム処理を行う理由そのものです。「二次スライム処理には、水中ポンプやエアリフトなどを用いる」も正しく、孔底の沈殿物を吸い上げる方法として一般的に用いられます。あわせてサクションポンプなども使用されます。

試験の罠
一次スライム処理は掘削直後(鉄筋かご建込み前)、二次スライム処理はコンクリート打込み直前。『打込み後』という記述は必ず誤り。スライムが残ると杭先端が沈殿物の上に載る形になり、支持力が出ない。
問53-3

場所打ちコンクリート杭のコンクリート打込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①打込み中は、トレミー管を一度引き抜いてから再び挿入してよい。
  • ②打込みには、トレミー管を用い、管の先端をコンクリート中に挿入する。
  • ③杭頭部は、余盛りを行い、硬化後に所定の高さまで斫り取る。
  • ④トレミー管の先端は、常にコンクリート中に2m以上入れておく。
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正解 ①打込み中は、トレミー管を一度引き抜いてから再び挿入してよい。
解説
場所打ちコンクリート杭のコンクリートは、安定液や水で満たされた孔の中に打ち込まれます。トレミー管の先端をコンクリート中に深く挿入したままにするのは、新しく送り込むコンクリートを既に打ち込んだコンクリートの内部へ押し込み、孔内水と直接触れさせないためです。この状態を保つことで、水による材料分離やスライムの巻き込みを防ぎます。打込み中に一度でも管を引き抜いてコンクリート面より上に出すと、次に送るコンクリートが孔内水の中を落下して分離し、杭体の中に泥水や弱い層が閉じ込められる重大な欠陥となります。

他の選択肢が不適切な理由
「打込みには、トレミー管を用い、管の先端をコンクリート中に挿入する」は正しい記述で、水中コンクリートの基本的な打込み方法です。「杭頭部は、余盛りを行い、硬化後に所定の高さまで斫り取る」も正しく、上部には泥分の混じった品質の劣るコンクリートが集まるため、余盛り部分を後で除去します。「トレミー管の先端は、常にコンクリート中に2m以上入れておく」も正しく、標準的な管理値として定められています。

試験の罠
トレミー管の先端は常にコンクリート中へ2m以上挿入したまま、引き抜かずに打ち上げる。一度でも先端が抜けると泥水を巻き込み、杭体に土砂が混入する。余盛りは打込み後に斫り取るため、はじめから見込んでおく。
問63-3

既製コンクリート杭の打込み工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①打込み順序は、群杭では中央部から外側へ向かって進める。
  • ②杭心のずれは、150mm以下かつ杭径の4分の1以下とする。
  • ③杭の建込み精度は、傾斜が1/100以内となるよう管理する。
  • ④隣接する杭の打込みにより、既に打った杭が浮き上がることがある。
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正解 ②杭心のずれは、150mm以下かつ杭径の4分の1以下とする。
解説
既製コンクリート杭の打込みでは、施工誤差の管理値として杭心のずれと傾斜が定められています。杭心のずれの許容値は100mm以下、かつ杭の直径の4分の1以下とされており、150mmまで許されるわけではありません。杭心がずれると、上部の基礎梁やフーチングに設計で想定していない偏心曲げが生じ、杭頭や基礎の応力状態が変わってしまうため、許容値を超えた場合は増し杭や基礎の補強といった対策の検討が必要になります。したがって「杭心のずれは、150mm以下かつ杭径の4分の1以下とする。」という記述は不適当です。

他の選択肢が不適切な理由
「打込み順序は、群杭では中央部から外側へ向かって進める。」は正しく、外側から打つと中央部の地盤が締まって打込みが困難になります。「杭の建込み精度は、傾斜が1/100以内となるよう管理する。」も正しく、傾斜の管理値です。「隣接する杭の打込みにより、既に打った杭が浮き上がることがある。」も正しく、浮き上がりが疑われる場合は再打撃で確認します。

試験の罠
数値は「杭心のずれは100mm以下かつ杭径の4分の1以下、傾斜は1/100以内」で覚えます。100mmを150mmに緩める出題に注意します。
問73-3

砂利地業及び捨てコンクリート地業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①捨てコンクリートは、墨出しや型枠の建込みの基準として用いる。
  • ②砂利地業の厚さは、一般に60mm程度を標準として計画する。
  • ③砂利地業には、粒径のそろった単粒度の砂利が最も適している。
  • ④締固めによる沈下を見込み、あらかじめ余分に敷き均しておく。
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正解 ③砂利地業には、粒径のそろった単粒度の砂利が最も適している。
解説
砂利地業に適するのは、大小さまざまな粒径が適度に混じり合った切込砂利や切込砕石です。粒径に幅があると、大きな粒子どうしの隙間に小さな粒子が入り込んで空隙が詰まり、締め固めたときに粒子どうしがかみ合って安定した層になります。これに対して粒径のそろった単粒度の砂利は、粒子間に大きな空隙が残ったままとなり、締め固めても密度が上がらず、上部からの荷重で後日沈下する原因となります。砂利地業の目的は、根切り底の局部的な不陸をならし、基礎からの荷重を地盤へ均等に伝えることにあるため、締固めのしやすさが材料選定の要点です。

他の選択肢が不適切な理由
「捨てコンクリートは、墨出しや型枠の建込みの基準として用いる」は正しい記述で、厚さ50mm程度を標準とし、構造上の耐力は期待しません。「砂利地業の厚さは、一般に60mm程度を標準として計画する」も正しい記述です。「締固めによる沈下を見込み、あらかじめ余分に敷き均しておく」も正しく、締固め後に所定の厚さが確保されるよう余盛りしておきます。

試験の罠
地業に用いる砂利は、粒径のそろった単粒度のものより、大小の粒が混ざった切込砂利や砂混じり砂利のほうが噛み合ってよく締まる。厚さは特記がなければ60mm程度、締固めによる沈下を見込んで余分に敷く。
問83-3

場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①主筋と帯筋の交点は、原則として鉄線で堅固に結束する。
  • ②帯筋の継手は、片面10dのフレア溶接とすることができる。
  • ③鉄筋かごの外側には、孔壁との間隔を保つスペーサーを取り付ける。
  • ④鉄筋かごの主筋の継手は、原則としてガス圧接継手とする。
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正解 ④鉄筋かごの主筋の継手は、原則としてガス圧接継手とする。
解説
場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごは、孔の中へ吊り込む際に大きな曲げやねじれを受けるため、継手には施工の確実さが求められます。主筋の継手は原則として重ね継手とし、鉄線で堅固に結束して所定の重ね長さを確保します。孔の上で多数の主筋を接合するガス圧接は、原則的な方法ではありません。したがって「鉄筋かごの主筋の継手は、原則としてガス圧接継手とする。」という記述は不適当です。なお溶接は鉄筋を局部的に加熱して断面を傷めるおそれがあるため、主筋には原則として用いません。

他の選択肢が不適切な理由
「主筋と帯筋の交点は、原則として鉄線で堅固に結束する。」は正しく、溶接による断面欠損を避けるためです。「帯筋の継手は、片面10dのフレア溶接とすることができる。」も正しく、帯筋の継手として認められた方法です。「鉄筋かごの外側には、孔壁との間隔を保つスペーサーを取り付ける。」も正しく、所定のかぶり厚さを確保するためのものです。

試験の罠
場所打ち杭の鉄筋かごは「主筋の継手は重ね継手、交点は鉄線結束、帯筋の継手は片面10dのフレア溶接」と整理します。主筋に溶接や圧接を使わせる出題が定番です。
問93-3

杭の支持力及び載荷試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①負の摩擦力は、杭の周囲の地盤が隆起することによって生じる力である。
  • ②支持杭は、杭の先端を硬い支持層に到達させて荷重を支持する杭である。
  • ③摩擦杭は、主として杭周面の摩擦力によって荷重を支持する杭である。
  • ④急速載荷試験は、静的載荷試験より短時間で支持力特性を把握できる。
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正解 ①負の摩擦力は、杭の周囲の地盤が隆起することによって生じる力である。
解説
負の摩擦力(ネガティブフリクション)は、杭の周囲の地盤が圧密によって沈下し、その沈下量が杭の沈下量を上回るときに生じます。通常であれば杭は周面摩擦によって地盤に支えられていますが、地盤のほうが先に沈むと摩擦の向きが逆転し、地盤が杭を下向きに引きずり下ろす力として作用します。この力は杭にとっては新たな荷重となるため、支持力を減じるだけでなく、杭体に大きな軸力を生じさせて破壊に至らせることもあります。埋立地や軟弱層の上に盛土を行った敷地で問題となり、対策として杭の表面に摩擦を減らす処理を施す方法などがとられます。

他の選択肢が不適切な理由
「摩擦杭は、主として杭周面の摩擦力によって荷重を支持する杭である」は正しい記述で、硬い支持層が深すぎる場合に採用されます。「支持杭は、杭の先端を硬い支持層に到達させて荷重を支持する杭である」も正しく、先端支持力を主体とする杭です。「急速載荷試験は、静的載荷試験より短時間で支持力特性を把握できる」も正しく、載荷装置が簡易で工期への影響が小さい利点があります。

試験の罠
負の摩擦力(ネガティブフリクション)は、周囲の地盤が「沈下」して杭を下向きに引きずる力。埋立地や盛土をした地盤で圧密沈下が進むと生じる。『隆起』『押し上げる』という記述は逆なので誤り。
問103-3

既製コンクリート杭の継手及び杭頭処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①杭の継手部の溶接は、原則としてアーク溶接によって全周を接合する。
  • ②杭頭の切断は、杭体をハンマーで強く打撃して割り取るのがよい。
  • ③杭頭を切断した後は、杭体の鉄筋を基礎へ定着させる処理を行う。
  • ④降雨時や強風時には、適切な防護措置を講じずに現場溶接を行わない。
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正解 ②杭頭の切断は、杭体をハンマーで強く打撃して割り取るのがよい。
解説
既製コンクリート杭の杭頭処理は、切断位置に沿って周囲から丁寧に斫り、残す部分の杭体に損傷を与えないように行うのが原則です。杭本体をハンマーで強く打撃して割り取ると、切断面より下の杭体にひび割れが入り、鉄筋とコンクリートの付着が失われたり、遠心力成形の中空部から水が浸入して鉄筋の腐食を招いたりします。特にプレストレストコンクリート杭では、内部のPC鋼材の緊張が乱れると杭体の性能そのものが損なわれます。切断には専用のカッターや静的破砕を用い、打撃による衝撃を最小限に抑えることが求められます。

他の選択肢が不適切な理由
「杭の継手部の溶接は、原則としてアーク溶接によって全周を接合する」は正しい記述で、上下の杭の端板どうしを全周にわたり溶接します。「降雨時や強風時には、適切な防護措置を講じずに現場溶接を行わない」も正しく、溶接部への水分の混入や風によるシールド効果の低下は、溶接欠陥の原因となります。「杭頭を切断した後は、杭体の鉄筋を基礎へ定着させる処理を行う」も正しく、杭と基礎を一体化させる重要な工程です。

試験の罠
杭頭処理は杭体を傷めない静的な方法で行う。ハンマーで叩き割ると杭体にひび割れが入り、支持力や耐久性を損なう。継手は原則アーク溶接による全周溶接で、降雨・強風時は防護措置なしに行わない。

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