2026年版・1-4

構造力学(力のつり合いと反力)の一問一答

2級建築施工管理技士「建築学」から、構造力学(力のつり合いと反力)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-4

構造物の支点に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ピン支点では、鉛直・水平・回転の3種類の反力が生じる。
  • ②ローラー支点では、反力は移動できない方向に1つ生じる。
  • ③固定支点では、鉛直反力・水平反力・モーメント反力が生じる。
  • ④ピン支点は回転が自由なため、モーメント反力は生じない。
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正解 ①ピン支点では、鉛直・水平・回転の3種類の反力が生じる。
解説
支点の種類は、その位置でどの動きが拘束されているかによって決まり、拘束された動きの数だけ反力が生じます。ピン支点(回転端)は、鉛直方向と水平方向の移動は拘束しますが回転は自由に許すため、反力は鉛直反力と水平反力の2つだけで、モーメント反力は生じません。3つの反力が生じるのは、移動も回転もすべて拘束する固定支点です。反力の数は構造物が静定か不静定かを判別する際の出発点となるため、支点の種類と反力数の対応は確実に押さえておく必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「ローラー支点では、反力は移動できない方向に1つ生じる。」は正しく、支持面に垂直な方向のみが拘束されるため反力は1つです。「固定支点では、鉛直反力・水平反力・モーメント反力が生じる。」も正しく、3つの反力をもつため片持ち梁の支持に用いられます。「ピン支点は回転が自由なため、モーメント反力は生じない。」も正しく、これがローラー支点との違いを除いたピン支点の本質的な性質です。

試験の罠
支点の反力の数は「ローラー1・ピン2・固定3」と数字で覚えます。ピンは回転が自由なのでモーメント反力が生じず、鉛直と水平の2つだけです。反力の合計数が3であれば静定、3を超えれば不静定という判別の出発点にもなります。
問21-4

スパン6mの単純梁の中央に集中荷重12kNが作用するとき、片側の支点に生じる鉛直反力の大きさとして、正しいものはどれか。

  • ①4kN
  • ②6kN
  • ③24kN
  • ④12kN
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正解 ②6kN
解説
単純梁の中央に集中荷重が作用する場合、荷重の位置が両支点から等距離にあるため、左右の支点は荷重を均等に受け持ちます。鉛直方向のつり合い条件より、2つの支点反力の合計は荷重の大きさに等しく12kNとなり、これを左右で等しく分け合うので片側の反力は12÷2=6kNとなります。モーメントのつり合いで確認しても、左支点まわりで右支点反力をRとすると12kN×3m=R×6mよりR=6kNとなり、同じ結果が得られます。反力の合計が荷重の合計に一致することを検算に使うと誤りを防げます。

他の選択肢が不適切な理由
「4kN」は荷重を3で除した値であり、支点が2つである本問の条件に合いません。「12kN」は荷重の大きさそのもので、これは片側の支点で全荷重を支える片持ち梁の場合の値です。「24kN」は荷重を2倍した値で、反力の合計が荷重の合計を上回ることになり鉛直方向のつり合いが成立しません。反力の合計が荷重と等しくなるかを必ず確認します。

試験の罠
単純梁の中央に集中荷重が載る場合、左右対称なので反力は荷重の半分ずつです。P/2=12÷2=6kNとなります。中央でない位置に載る場合は、遠いほうの支点の反力が小さくなる点も併せて押さえます。
問31-4

力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①1点に作用する2力の合力は、平行四辺形の対角線で表される。
  • ②力の3要素は、大きさ・方向・作用点の3つをいう。
  • ③偶力は、大きさが等しく同じ向きの平行な2力の組をいう。
  • ④偶力のモーメントは、力の大きさと2力の距離の積で表される。
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正解 ③偶力は、大きさが等しく同じ向きの平行な2力の組をいう。
解説
偶力とは、大きさが等しく、向きが互いに反対で、作用線が平行な2つの力の組をいいます。向きが反対であるため合力はゼロとなり、物体を移動させる働きはもちませんが、回転させる働き(モーメント)だけが残るのが特徴です。同じ向きの2力であれば合力が生じてしまい、偶力にはなりません。偶力によるモーメントは、どの点を基準に計算しても同じ大きさになるという性質があり、これは通常のモーメントが基準点によって値が変わるのと大きく異なる点です。

他の選択肢が不適切な理由
「力の3要素は、大きさ・方向・作用点の3つをいう。」は正しく、この3つが決まらないと力の効果は定まりません。「1点に作用する2力の合力は、平行四辺形の対角線で表される。」も正しく、力の平行四辺形の法則と呼ばれます。「偶力のモーメントは、力の大きさと2力の距離の積で表される。」も正しく、2力の作用線間の垂直距離を乗じて求めます。

試験の罠
偶力は「大きさが等しく、向きが逆で、作用線が平行な2力」です。合力はゼロですが回転させる働きだけが残り、そのモーメントは力の大きさ×2力間の距離で、どの点で計算しても同じ値になります。「同じ向き」としたものは偶力ではありません。
問41-4

構造物の判別に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①単純梁は、つり合い条件式だけで反力を求められる静定構造である。
  • ②両端固定梁は、反力数が3を超えるため不静定構造である。
  • ③不静定次数が大きいほど、一部が損傷しても崩壊しにくい。
  • ④3ヒンジラーメンは、反力が4つあるため不静定構造である。
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正解 ④3ヒンジラーメンは、反力が4つあるため不静定構造である。
解説
3ヒンジラーメンは、両支点をピンとし、さらに部材の途中(一般には頂部)にヒンジを1つ設けた構造です。ピン支点2か所により反力は4つとなりますが、中間のヒンジではその点における曲げモーメントがゼロという条件が1つ追加されます。したがって、力のつり合い3式に条件式1つを加えた合計4式で4つの未知反力を求めることができ、静定構造となります。反力の数だけを見て不静定と判断すると誤りになるため、部材内のヒンジによる条件式を必ず数え合わせる必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「単純梁は、つり合い条件式だけで反力を求められる静定構造である。」は正しく、ピンとローラーで反力は3つ、つり合い式も3つで解けます。「両端固定梁は、反力数が3を超えるため不静定構造である。」も正しく、反力は6つあり3次の不静定となります。「不静定次数が大きいほど、一部が損傷しても崩壊しにくい。」も正しく、力の流れる経路が複数あるため冗長性が高くなります。

試験の罠
3ヒンジラーメンは反力が4つありますが、中間のヒンジでモーメントがゼロという条件が1つ加わるため、つり合い式3つと合わせて4つの式で解ける静定構造です。「反力の数だけで判別しない」ことが、この種の設問の要点です。
問51-4

スパンLの単純梁に等分布荷重wが作用するときの応力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①最大曲げモーメントの大きさは、wL²/4である。
  • ②曲げモーメントは、スパンの中央部で最大となる。
  • ③せん断力は、両端の支点の位置で最大となる。
  • ④支点の鉛直反力の大きさは、それぞれwL/2である。
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正解 ①最大曲げモーメントの大きさは、wL²/4である。
解説
単純梁に等分布荷重が作用する場合、支点反力はそれぞれwL/2となり、スパン中央における曲げモーメントは、左支点反力による効果からその位置までの分布荷重による効果を差し引いて求めます。計算すると(wL/2)×(L/2)−(wL/2)×(L/4)=wL²/8となり、これが最大曲げモーメントです。wL²/4は2倍の値であり誤りです。この式は梁せいや配筋を決める際の基本となるため、集中荷重の場合のPL/4とあわせて確実に区別して覚えておく必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「曲げモーメントは、スパンの中央部で最大となる。」は正しく、せん断力がゼロになる位置で曲げモーメントが最大となるためです。「せん断力は、両端の支点の位置で最大となる。」も正しく、せん断力図は支点でwL/2、中央でゼロとなる直線になります。「支点の鉛直反力の大きさは、それぞれwL/2である。」も正しく、全荷重wLを左右均等に分担するためです。

試験の罠
単純梁の最大曲げモーメントは、等分布荷重ではwL²/8、中央集中荷重ではPL/4です。分母の8と4を取り違えると必ず外します。片持ち梁では等分布荷重wL²/2、先端集中荷重PLとなり、こちらは分母がありません。
問61-4

長さ3mの片持ち梁の先端に集中荷重8kNが作用するとき、固定端に生じる曲げモーメントの大きさとして、正しいものはどれか。

  • ①12kN・m
  • ②24kN・m
  • ③36kN・m
  • ④8kN・m
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正解 ②24kN・m
解説
片持ち梁の固定端に生じる曲げモーメントは、その断面より先端側に作用しているすべての荷重による、固定端まわりのモーメントの合計として求められます。本問では先端に8kNの集中荷重が1つ作用しており、固定端から荷重の作用点までの距離は3mですから、固定端の曲げモーメントは8kN×3m=24kN・mとなります。片持ち梁では固定端が最も曲げモーメントの大きい断面になるため、この位置の断面算定と、支持部の接合の設計が構造上の要となります。

他の選択肢が不適切な理由
「12kN・m」は荷重に距離ではなくその半分を乗じた値で、単純梁中央の曲げモーメントの式と混同した場合に生じる誤りです。「8kN・m」は荷重の数値をそのまま用いたもので、距離を乗じていないためモーメントの単位を満たしません。「36kN・m」は距離の3mを2乗して用いた値であり、等分布荷重の式wL²/2と取り違えた場合に生じる誤りです。

試験の罠
片持ち梁の固定端モーメントは「荷重×腕の長さ」で、8×3=24kN・mです。単純梁の公式PL/4を当てはめて8×3÷4=6kN・mとしてしまう誤りが典型的で、支持条件を必ず確認してから式を選びます。
問71-4

トラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①各節点はピン接合とし、部材には軸方向力のみが生じると仮定する。
  • ②荷重は原則として節点に作用するものとして解析を行う。
  • ③節点法では、切断した断面のつり合いから部材応力を求める。
  • ④軸方向力が生じない部材を、ゼロメンバーと呼ぶことがある。
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正解 ③節点法では、切断した断面のつり合いから部材応力を求める。
解説
トラスの解法には節点法と切断法(断面法)の2つがあります。節点法は、1つの節点を取り出して、そこに集まる部材力と外力について鉛直方向と水平方向のつり合いを立て、部材の軸方向力を順に求めていく方法です。これに対して、トラスを任意の断面で切断し、その切断面より片側全体のつり合いから特定の部材力を直接求めるのが切断法です。したがって「切断した断面のつり合いから求める」という説明は切断法のものであり、節点法の説明としては誤っています。

他の選択肢が不適切な理由
「各節点はピン接合とし、部材には軸方向力のみが生じると仮定する。」は正しく、これがトラスの基本的な仮定です。「荷重は原則として節点に作用するものとして解析を行う。」も正しく、部材の中間に荷重が載ると曲げが生じてしまうためです。「軸方向力が生じない部材を、ゼロメンバーと呼ぶことがある。」も正しく、節点のつり合いから力が生じないと判断できる部材を指します。

試験の罠
節点法は節点まわりの力のつり合いから解く方法、切断法(断面法)は部材を切断した断面のつり合いから解く方法です。名称と内容が入れ替えられた選択肢が定番なので、「節点は点、切断は面」と対で覚えます。
問81-4

スパン8mの単純梁の左支点から2mの位置に集中荷重20kNが作用するとき、右支点に生じる鉛直反力の大きさとして、正しいものはどれか。

  • ①20kN
  • ②15kN
  • ③10kN
  • ④5kN
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正解 ④5kN
解説
左支点まわりのモーメントのつり合いを考えます。右支点の鉛直反力をRとすると、荷重によるモーメントは20kN×2m=40kN・m、右支点反力によるモーメントはR×8mですから、40=R×8よりR=5kNとなります。集中荷重が支点から近い位置にあるときは、遠い側の支点が受け持つ反力は小さくなるという関係が成り立ちます。検算として鉛直方向のつり合いをみると、左支点反力は20−5=15kNとなり、左右の反力の合計が荷重20kNに一致することが確認できます。

他の選択肢が不適切な理由
「15kN」は左支点に生じる反力の値であり、荷重に近い側の支点の反力です。左右を取り違えた場合に選んでしまう値です。「10kN」は荷重が中央に作用した場合の反力であり、本問のように荷重位置が偏っている条件には当てはまりません。「20kN」は荷重の大きさそのもので、反力の合計が荷重を超えてしまうため鉛直方向のつり合いが成立しません。

試験の罠
反力は「荷重から遠いほうの支点が小さい」と覚えると検算になります。左端から2mの位置に20kNなら、右支点は20×2/8=5kN、左支点は20×6/8=15kNです。左右の合計が荷重20kNになることを必ず確かめます。
問91-4

力のつり合いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①モーメントの和がゼロとなる点があれば、力もつり合う。
  • ②平面上の物体では、3つのつり合い条件式が成立する。
  • ③合力のモーメントは、各分力のモーメントの和に等しい。
  • ④力の作用線上であれば、作用点を移動しても効果は同じ。
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正解 ①モーメントの和がゼロとなる点があれば、力もつり合う。
解説
平面上の物体が静止してつり合うためには、水平方向の力の和がゼロ、鉛直方向の力の和がゼロ、そして任意の点まわりのモーメントの和がゼロという3つの条件がすべて成立する必要があります。モーメントの和がゼロであるという条件だけでは、その点まわりに回転しないことが分かるだけであり、物体全体が並進移動しない保証にはなりません。たとえば、ある点から左右に等しい距離を隔てて、大きさの等しい2つの力が同じ向きに作用していれば、その点まわりのモーメントは互いに打ち消し合って和はゼロになりますが、力の和は残るため物体は移動します。

他の選択肢が不適切な理由
「平面上の物体では、3つのつり合い条件式が成立する。」は正しく、静定構造の解析はこの3式を基本とします。「合力のモーメントは、各分力のモーメントの和に等しい。」も正しく、バリニオンの定理と呼ばれます。「力の作用線上であれば、作用点を移動しても効果は同じ。」も正しく、剛体では力の伝達性が成り立つため作用線上での移動が許されます。

試験の罠
平面のつり合い条件はΣX=0、ΣY=0、ΣM=0の3つで、モーメントだけがゼロでも力がつり合っているとは限りません。逆に、力がつり合っていてもある点のモーメントがゼロとは限らない点も併せて押さえます。
問101-4

水平力を受ける骨組に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①柱の水平力の分担は、原則として柱の水平剛性に応じて配分する。
  • ②ラーメン構造の柱には、軸方向力とせん断力だけが生じる。
  • ③層間変位を層の高さで除した値を、層間変形角という。
  • ④剛性率は、各層の剛性のばらつきの程度を表す指標である。
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正解 ②ラーメン構造の柱には、軸方向力とせん断力だけが生じる。
解説
ラーメン構造は柱と梁を剛接合した骨組であり、接合部で部材相互が回転を拘束し合います。このため水平力を受けると、柱にはせん断力と軸方向力に加えて曲げモーメントが必ず生じます。むしろ水平力に対して抵抗する主たる仕組みが、柱と梁の曲げによる抵抗です。曲げモーメントが生じないのは、節点がピン接合で軸方向力のみを伝えるトラス構造の場合です。ラーメンの柱を設計する際は、軸方向力と曲げモーメントを同時に受ける部材として断面を検討する必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「柱の水平力の分担は、原則として柱の水平剛性に応じて配分する。」は正しく、同じ層で水平変位がそろうため剛性の大きい柱ほど多くの力を受け持ちます。「層間変位を層の高さで除した値を、層間変形角という。」も正しく、変形の程度を表す代表的な指標です。「剛性率は、各層の剛性のばらつきの程度を表す指標である。」も正しく、特定の層に変形が集中していないかを確認するために用いられます。

試験の罠
ラーメン構造は節点が剛接合であるため、柱には軸方向力・せん断力に加えて曲げモーメントも生じます。軸方向力しか生じないと仮定するのはトラスであり、両者を混同させる選択肢が繰り返し出題されます。

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