2026年版・2-4

実務:金銭消費貸借契約と利息・法定利率の一問一答

貸金業務取扱主任者資格試験「貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること」から、実務:金銭消費貸借契約と利息・法定利率に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験と同じく、4択で出題しています。

問12-4

書面によらない金銭消費貸借契約(民法第587条)の成立に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①口頭で貸し借りの合意をした時点で成立し、貸主は金銭を引き渡す義務を負う
  • ②借主が貸主から金銭を受け取ることによって、はじめてその効力を生ずる
  • ③公正証書を作成しなければ、金銭消費貸借契約としての効力は生じない
  • ④合意の時点で成立し、借主は金銭を受け取るまでいつでも解除ができる
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正解 ②借主が貸主から金銭を受け取ることによって、はじめてその効力を生ずる
解説
民法第587条は、消費貸借は、借主が同じ種類・品質・数量の物で返すことを約束して「金銭その他の物を受け取ることによって」効力を生ずると定めています。このように、合意だけでなく物の受渡しがあって初めて成立する契約を「要物契約」といいます。書面によらない金銭消費貸借は、お金を実際に渡した時に成立する、ということです。

他の選択肢が不適切な理由
・口頭の合意の時点で成立する:合意だけで成立するのは、書面でする消費貸借(第587条の2)の場合です。書面によらないときは、金銭の受取りが必要です。
・公正証書が必要:消費貸借の成立に公正証書は求められていません。公正証書は、強制執行をしやすくするなどの目的で任意に作るものです。
・合意の時点で成立し受取りまで解除できる:これは書面でする消費貸借の借主の解除権(第587条の2第2項)の内容で、書面によらない消費貸借の説明ではありません。

覚え方のポイント
「口約束の借金は、お金を渡した時に成立」「書面の借金は、合意の時に成立」とセットで覚えましょう。書面かどうかで成立の時期が変わるのが、消費貸借の出題の定番です。
問22-4

書面でする消費貸借(民法第587条の2)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①内容を記録した電磁的記録によってした消費貸借は、書面でする消費貸借とはみなされない
  • ②貸主も借主も、金銭の受渡しの前であれば、損害を賠償することなく自由に解除ができる
  • ③借主が金銭を受け取る前に貸主が破産手続開始の決定を受けても、契約は効力を失わない
  • ④借主は、金銭を受け取るまでは契約を解除でき、貸主は損害を受けたとき賠償を請求できる
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正解 ④借主は、金銭を受け取るまでは契約を解除でき、貸主は損害を受けたとき賠償を請求できる
解説
民法第587条の2第2項は、書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで契約の解除をすることができ、この場合に貸主が解除によって損害を受けたときは、借主に賠償を請求できると定めています。合意だけで成立する契約なので、借りる必要がなくなった借主に「借りない自由」を残しつつ、貸主の損害は賠償で調整する仕組みです。

他の選択肢が不適切な理由
・貸主も借主も自由に解除できる:受取り前に解除できると定められているのは借主だけです。また、借主が解除した場合でも、貸主に損害があれば賠償の対象になります。
・貸主が破産しても効力を失わない:第587条の2第3項により、借主が金銭を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、契約は効力を失います。
・電磁的記録は書面とみなされない:第587条の2第4項により、電磁的記録によってされた消費貸借は、書面によってされたものとみなされます。

覚え方のポイント
書面でする消費貸借は「合意で成立」「受取り前なら借主は解除できる(損害は賠償)」「受取り前の破産で失効」「電磁的記録も書面扱い」の4点セットで押さえましょう。
問32-4

消費貸借の利息(民法第589条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①利息の特約がある場合、貸主は借主が金銭を受け取った日以後の利息を請求できる
  • ②利息の特約がある場合、貸主は契約を締結した日以後の利息を請求することができる
  • ③利息の特約がなくても、貸主は借主に対して法定利率による利息を請求できる
  • ④利息の特約は、書面でしなければ効力を生じず、口頭の特約では利息を請求できない
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正解 ①利息の特約がある場合、貸主は借主が金銭を受け取った日以後の利息を請求できる
解説
民法第589条第1項は、貸主は特約がなければ借主に利息を請求できないと定め、第2項は、特約があるときは、借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請求できると定めています。お金を実際に使える状態になった日から利息が付く、という考え方です。

他の選択肢が不適切な理由
・特約がなくても法定利率の利息を請求できる:民法上の消費貸借は、特約がなければ無利息が原則です。なお、商人間の金銭消費貸借では、商法第513条第1項により特約がなくても法定利息を請求できます。この違いは試験でよく問われます。
・契約を締結した日以後の利息:書面でする消費貸借は合意で成立しますが、利息が付くのは金銭を受け取った日以後です。契約日と受取日がずれる場合に注意が必要です。
・利息の特約は書面が必要:利息の特約について、書面でしなければならないという定めはありません。

覚え方のポイント
「民法は無利息が原則、商人間は特約なしでも法定利息」「利息は受け取った日から」の2点を押さえましょう。
問42-4

民法の法定利率(民法第404条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①法定利率は年5パーセントに固定されており、経済情勢によって変動することはない
  • ②法定利率は年3パーセントを出発点とし、1年ごとに見直されて変動する仕組みである
  • ③別段の意思表示がないときは、利息が生じた最初の時点の法定利率がその利率となる
  • ④利息を生ずべき債権の利率は、その都度の弁済時点における法定利率により計算する
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正解 ③別段の意思表示がないときは、利息が生じた最初の時点の法定利率がその利率となる
解説
民法第404条第1項は、利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は「その利息が生じた最初の時点における法定利率」によると定めています。途中で法定利率が変動しても、その債権に適用される利率は最初の時点のもので固定されます。

他の選択肢が不適切な理由
・年5パーセントに固定:年5パーセントは令和2年4月1日の改正民法施行前の法定利率です。現在は第404条第2項で年3パーセントとされ、変動する仕組みになっています。
・1年ごとに見直す:第404条第3項により、法定利率は法務省令で定めるところにより「3年を一期」として、一期ごとに変動します。
・弁済時点の法定利率:弁済のたびに利率が変わるのではなく、利息が生じた最初の時点の法定利率で固定されます。

覚え方のポイント
法定利率は「年3%から出発・3年ごとに見直し・最初の時点の利率で固定」の3点で覚えましょう。遅延損害金の利率も、第419条第1項により「遅滞の責任を負った最初の時点」の法定利率が基準です。
問52-4

消費貸借の返還の時期(民法第591条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①借主が期限の前に返還したことで貸主に損害が生じても、借主は賠償責任を負わない
  • ②返還の時期を定めなかったときは、貸主はいつでも直ちに全額の返還を求めることができる
  • ③返還の時期を定めたときは、借主はその時期より前に借りた金銭を返すことができない
  • ④返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告ができる
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正解 ④返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告ができる
解説
民法第591条第1項は、当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は相当の期間を定めて返還の催告をすることができると定めています。借主が返す準備をする時間を確保するため、「今すぐ返せ」ではなく、相当の期間を置いた催告が必要とされています。

他の選択肢が不適切な理由
・いつでも直ちに返還を求められる:期限の定めがない一般の債務と異なり、消費貸借では相当の期間を定めた催告が必要です。
・期限前に返すことができない:第591条第2項により、借主は返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができます。
・期限前返還で損害が出ても賠償不要:第591条第3項により、返還の時期を定めた場合に、借主が期限前に返還したことで貸主が損害を受けたときは、貸主はその賠償を請求できます。

覚え方のポイント
「借主はいつでも返せる(ただし期限前返還で損害が出れば賠償)」「期限の定めがなければ、貸主は相当期間を定めて催告」と、借主側・貸主側に分けて覚えましょう。
問62-4

準消費貸借(民法第588条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①準消費貸借が成立するためには、貸主から借主へ金銭を改めて引き渡さなければならない
  • ②売買代金の債務を消費貸借の目的とする合意をすれば、消費貸借が成立したとみなされる
  • ③準消費貸借は、既存の債務が金銭の支払を目的とするものである場合にしか成立しない
  • ④準消費貸借は、当事者が書面で合意をしなければ、成立しないと民法に定められている
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正解 ②売買代金の債務を消費貸借の目的とする合意をすれば、消費貸借が成立したとみなされる
解説
民法第588条は、金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合に、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借はこれによって成立したものとみなすと定めています。たとえば売買の未払代金を「借金」に切り替え、分割返済や利息の約束を付け直すときに使われます。

他の選択肢が不適切な理由
・金銭を改めて引き渡す必要がある:準消費貸借は、既にある債務を消費貸借に切り替える合意だけで成立します。新たな金銭の授受は不要です。
・既存の債務は金銭債務に限られる:条文は「金銭その他の物」を給付する義務としており、金銭以外の物の給付義務でも成立し得ます。
・書面での合意が必要:準消費貸借について、書面を成立の要件とする定めはありません。

覚え方のポイント
準消費貸借は「既にある借り(未払代金など)を、合意だけで借金に切り替える」制度です。「お金の受渡しは不要」がポイントです。
問72-4

利息の元本への組入れ(民法第405条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①利息の支払が6か月分以上延滞すれば、債権者は催告をしなくても元本に組み入れられる
  • ②利息の支払が1年分以上延滞すれば、その利息は法律上、当然に元本に組み入れられる
  • ③利息の支払が1年分以上延滞し、催告しても支払われないときは、元本に組み入れられる
  • ④利息を元本に組み入れることは、当事者の合意があっても民法上一切認められない
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正解 ③利息の支払が1年分以上延滞し、催告しても支払われないときは、元本に組み入れられる
解説
民法第405条は、利息の支払が1年分以上延滞した場合において、債権者が催告をしても債務者がその利息を支払わないときは、債権者はこれを元本に組み入れることができると定めています。元本に組み入れると、その部分にも利息が付く(重利)ことになるため、要件が厳しく定められています。

他の選択肢が不適切な理由
・6か月分・催告不要:延滞は「1年分以上」が必要で、さらに催告をしても支払わないことが要件です。
・当然に組み入れられる:組入れは債権者の意思表示によって行うもので、延滞しただけで自動的に組み入れられるわけではありません。
・合意があっても一切認められない:第405条は法律上の組入れの要件を定めたもので、当事者の合意による組入れを一律に禁じる規定ではありません。なお、1年分に満たない利息を元本に組み入れる契約は、出資法第5条の4第3項により、上限金利の計算では当初の元本を超える部分を利息とみなして判断します。

覚え方のポイント
法定の重利は「1年分以上の延滞」+「催告しても払わない」の2つがそろったときだけ、と覚えましょう。
問82-4

約定利率の定めのない金銭債務について、債務者が履行を遅滞した場合の損害賠償(遅延損害金)の額を計算する利率(民法第419条第1項)として、適切なものはどれか。

  • ①遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率
  • ②金銭債務が発生した時点の法定利率
  • ③債務者が実際に弁済をした時点の法定利率
  • ④債権者が履行を請求した時点の法定利率
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正解 ①遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率
解説
民法第419条第1項は、金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は「債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率」によって定めると規定しています。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは約定利率によります。法定利率は3年ごとに変動し得るため、どの時点の利率を使うかを明確にしています。

他の選択肢が不適切な理由
・債務が発生した時点:基準は債務の発生時ではなく、遅滞の責任を負った最初の時点です。
・実際に弁済をした時点:弁済時の利率を使うと、遅滞している間に利率が変わった場合に計算が不安定になるため、採用されていません。
・履行を請求した時点:期限の定めのない債務では請求を受けた時から遅滞となりますが(第412条第3項)、条文上の基準はあくまで「遅滞の責任を負った最初の時点」です。

覚え方のポイント
利息は「利息が生じた最初の時点」(第404条第1項)、遅延損害金は「遅滞の責任を負った最初の時点」(第419条第1項)の法定利率。どちらも「最初の時点で固定」と覚えましょう。
問92-4

消費貸借に関する次のa〜dの記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
a 借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができる
b 利息付きの消費貸借で、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないときは、借主はその物の価額を返還することができる
c 借主が、借りた物と種類、品質及び数量の同じ物を返還できなくなったときは、借主は返還の義務を免れる
d 書面でする消費貸借の借主は、金銭を受け取った後であっても、損害を賠償することなく自由に契約を解除することができる

  • ①a、b
  • ②a、c
  • ③b、d
  • ④c、d
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正解 ①a、b
解説
消費貸借の返還に関する民法第590条〜第592条と、書面でする消費貸借の解除(第587条の2)の理解を問う問題です。適切なものはaとbです。

各記述の正誤
・a(適切):民法第591条第2項のとおりです。返還の時期を定めていても、借主は期限前に返還できます(貸主に損害が出れば同条第3項により賠償が必要です)。
・b(適切):民法第590条第2項は、利息の特約の有無にかかわらず、引き渡された物が契約の内容に適合しないときは、借主はその物の価額を返還できると定めています。
・c(不適切):民法第592条により、同じ物を返還できなくなったときは、その時における物の価額を償還しなければなりません。義務を免れるわけではありません。
・d(不適切):借主が解除できるのは、金銭を受け取るまでです(第587条の2第2項)。受け取った後は、返還の問題になります。

覚え方のポイント
消費貸借の借主は「いつでも返せる」「同じ物が返せなければ価額で返す」「受取り前なら解除できる」。返還の義務そのものが消えることはない、と押さえましょう。
問102-4

利息と法定利率に関する次のa〜dの記述のうち、適切なものの個数はどれか。
a 法定利率は年3パーセントとされ、法務省令で定めるところにより、3年を一期として一期ごとに変動する
b 法定利率が変動する場合、直近変動期の基準割合と当期の基準割合との差に1パーセント未満の端数があるときは、その端数は切り捨てられる
c 商人間において金銭の消費貸借をしたときは、貸主は、利息の特約がなくても法定利息を請求することができる
d 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、弁済の都度、その時点の法定利率による

  • ①1個
  • ②2個
  • ③3個
  • ④4個
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正解 ③3個
解説
民法の法定利率(第404条)と、商人間の金銭消費貸借の利息(商法第513条)を確認する問題です。適切なものはa・b・cの3個です。

各記述の正誤
・a(適切):民法第404条第2項・第3項のとおりです。
・b(適切):民法第404条第4項は、基準割合の差に1パーセント未満の端数があるときは切り捨てると定めています。そのため、基準割合が少し動いただけでは法定利率は変わりません。
・c(適切):商法第513条第1項のとおりです。民法の消費貸借は特約がなければ無利息ですが、商人間では特約がなくても法定利息を請求できます。
・d(不適切):民法第404条第1項により、利率は「その利息が生じた最初の時点における法定利率」で決まり、弁済の都度変わるものではありません。

覚え方のポイント
法定利率は「年3%・3年ごと・1%未満は切り捨て・最初の時点で固定」。商人間の貸し借りは特約なしでも利息が付く、と民法との違いをセットで覚えましょう。

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