2026年版・2-14

実務:民事訴訟と支払督促の一問一答

貸金業務取扱主任者資格試験「貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること」から、実務:民事訴訟と支払督促に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験と同じく、4択で出題しています。

問12-14

少額訴訟(民事訴訟法第368条以下)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①簡易裁判所で、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて利用できる
  • ②地方裁判所で、訴訟の目的の価額が140万円以下の金銭の支払を求める訴えについて利用できる
  • ③少額訴訟では反訴を提起することができ、終局判決に対しては控訴をすることもできる
  • ④少額訴訟は、同一の簡易裁判所において回数の制限なく何度でも利用することができる
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正解 ①簡易裁判所で、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて利用できる
解説
民事訴訟法第368条第1項は、簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができると定めています。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数(10回)を超えて求めることはできません。

他の選択肢が不適切な理由
・地方裁判所で140万円以下:少額訴訟は簡易裁判所の手続で、上限は60万円です。140万円は簡易裁判所が第一審を扱う訴訟の目的の価額の上限です(裁判所法第33条)。
・反訴・控訴ができる:少額訴訟では反訴を提起できず(第369条)、終局判決に対しては控訴できません(第377条)。不服があるときは、判決をした裁判所に異議を申し立てます。
・回数の制限なし:同一の簡易裁判所で同一の年に10回までに制限されています。

覚え方のポイント
少額訴訟は「60万円以下・原則1回の期日で審理・反訴不可・控訴不可(異議のみ)・年10回まで」です。貸金業者など業者による多用を防ぐため回数制限があります。
問22-14

支払督促(民事訴訟法第382条・第383条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①申立ては、債権者の住所地を管轄する地方裁判所の裁判官に対してする
  • ②申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の書記官にする
  • ③支払督促は、金銭の請求に限らず、建物の明渡しを求める請求にも利用できる
  • ④支払督促は、債務者を審尋したうえで、裁判官が判決の形式で発する
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正解 ②申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の書記官にする
解説
民事訴訟法第383条第1項は、支払督促の申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してすると定めています。支払督促は、請求額にかかわらず簡易裁判所の裁判所書記官が扱います。

他の選択肢が不適切な理由
・債権者の住所地の地方裁判所の裁判官:申立先は債務者の住所地などを管轄する簡易裁判所の裁判所書記官です(事務所・営業所の業務に関する請求などは、その所在地の簡易裁判所にも申し立てられます(同条第2項))。
・建物の明渡しにも使える:第382条は、金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求に限っています。
・審尋して判決の形式で発する:第386条第1項は、支払督促は債務者を審尋しないで発すると定めています。

覚え方のポイント
支払督促は「書類審査だけで、簡易・迅速に債務名義を得られる手続」です。債務者が異議を申し立てれば、通常の訴訟に移行します(第395条)。
問32-14

支払督促に対する督促異議と仮執行宣言(民事訴訟法第391条〜第393条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①仮執行宣言の申立ては、申立てができる時から1年以内にすればそれで足りる
  • ②送達から1か月以内に督促異議がなければ、仮執行宣言が職権によって当然に付される
  • ③送達から2週間以内に督促異議がなければ、債権者の申立てで仮執行宣言が付される
  • ④仮執行宣言付支払督促の送達後は、督促異議を一切申し立てることができない
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正解 ③送達から2週間以内に督促異議がなければ、債権者の申立てで仮執行宣言が付される
解説
民事訴訟法第391条第1項は、債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促に仮執行の宣言をしなければならないと定めています。

他の選択肢が不適切な理由
・1か月以内・職権で当然に:期間は2週間で、仮執行宣言は債権者の申立てによって付されます。
・1年以内:第392条は、債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内にその申立てをしないときは、支払督促は効力を失うと定めています。
・一切申し立てられない:第393条は、仮執行宣言を付した支払督促の送達を受けた日から2週間の不変期間を経過するまでは、督促異議を申し立てることができるとしています。

覚え方のポイント
支払督促の数字は「異議は送達から2週間」「仮執行宣言の申立ては30日以内」「仮執行宣言後の異議も2週間」です。仮執行宣言が付された支払督促は債務名義となり、強制執行ができます。
なお、令和8年5月21日施行の改正(民事訴訟手続のIT化)により、支払督促は電子支払督促として作成・送達される方式に改められましたが、2週間・30日といった期間は変わっていません(本試験は令和8年4月1日時点の法令で出題されます)。
問42-14

仮執行宣言を付した支払督促の効力(民事訴訟法第396条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①仮執行宣言付支払督促は、債権者が改めて訴えを提起しなければ効力を生じない
  • ②督促異議がなくても、仮執行宣言付支払督促に確定判決と同一の効力はない
  • ③仮執行宣言付支払督促に基づいて、強制執行をすることは一切できない
  • ④督促異議がないときは、仮執行宣言付支払督促は確定判決と同一の効力を有する
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正解 ④督促異議がないときは、仮執行宣言付支払督促は確定判決と同一の効力を有する
解説
民事訴訟法第396条は、仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は確定判決と同一の効力を有すると定めています。異議があれば、支払督促の申立ての時に訴えの提起があったものとみなされ、通常の訴訟に移ります(第395条)。

他の選択肢が不適切な理由
・確定判決と同一の効力はない:第396条により、異議がなければ確定判決と同一の効力を有します。
・強制執行は一切できない:仮執行の宣言を付した支払督促は債務名義であり(民事執行法第22条第4号)、これに基づいて強制執行ができます。
・改めて訴えが必要:訴えを提起しなくても効力を生じます。

覚え方のポイント
確定判決と同一の効力を有するので、その請求権の消滅時効期間は10年となります(民法第169条)。支払督促は、貸金業者が延滞債権を回収する際によく利用される手続です。
問52-14

訴訟の管轄に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求は、簡易裁判所が第一審の管轄を有する
  • ②訴訟の目的の価額が300万円を超えない請求は、簡易裁判所が第一審の管轄を有する
  • ③金銭の支払を求める訴えは、金額にかかわらずすべて地方裁判所が第一審となる
  • ④当事者は、第一審の管轄裁判所を合意によって定めることは一切できない
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正解 ①訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求は、簡易裁判所が第一審の管轄を有する
解説
裁判所法第33条第1項第1号は、簡易裁判所は、訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く)について第一審の裁判権を有すると定めています。140万円を超える請求は、地方裁判所が第一審となります(同法第24条第1号)。140万円を超える請求であっても、支払督促は簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てることができます(督促異議があれば、請求額に応じて地方裁判所の訴訟に移行します)。

他の選択肢が不適切な理由
・300万円:簡易裁判所の上限は140万円です。
・金額にかかわらず地方裁判所:140万円以下は簡易裁判所の管轄です。
・合意で定められない:民事訴訟法第11条は、当事者は第一審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができ、その合意は一定の法律関係に基づく訴えに関し書面(又は電磁的記録)でしなければならないとしています。

覚え方のポイント
金額の目安は「少額訴訟60万円以下」「簡易裁判所140万円以下」です。貸金業の契約書には、合意管轄の条項が置かれていることが一般的です。
問62-14

少額訴訟の判決に対する不服申立て(民事訴訟法第377条・第378条)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①少額訴訟の終局判決に対しては、地方裁判所に控訴することができる
  • ②少額訴訟の終局判決には控訴できず、同じ裁判所に異議を申し立てられる
  • ③少額訴訟の終局判決に対しては、高等裁判所に直接上告することができる
  • ④少額訴訟の終局判決には、いかなる不服申立てもすることができない
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正解 ②少額訴訟の終局判決には控訴できず、同じ裁判所に異議を申し立てられる
解説
民事訴訟法第377条は、少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができないと定め、第378条第1項は、少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は判決に代わる調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができるとしています。適法な異議があれば、訴訟は口頭弁論の終結前の程度に戻り、同じ簡易裁判所で通常の手続により審理・裁判されます(第379条第1項)。

他の選択肢が不適切な理由
・地方裁判所に控訴:控訴はできません。
・高等裁判所に上告:少額訴訟の終局判決に対して直接上告する手続はありません。
・一切の不服申立てができない:同じ簡易裁判所への異議申立てができます。

覚え方のポイント
少額訴訟は「一審限り・異議のみ」で迅速に解決する手続です。異議後の判決に対しても控訴はできません(第380条第1項)。
なお、令和8年5月21日施行の改正(民事訴訟手続のIT化)により、判決書は電子判決書となり、異議の期間は電子判決書等の送達を受けた日から数えることになりました(期間は2週間のままです)(本試験は令和8年4月1日時点の法令で出題されます)。
問72-14

民事訴訟における和解・調停に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①訴え提起前の和解(即決和解)は、地方裁判所にしか申し立てることができない
  • ②訴訟上の和解が成立しても、調書に記載されたものには何の効力も生じない
  • ③訴訟上の和解を調書に記載したときは、その記載は確定判決と同一の効力を有する
  • ④民事調停で成立した調停は、裁判上の和解と異なり、強制執行の根拠にはならない
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正解 ③訴訟上の和解を調書に記載したときは、その記載は確定判決と同一の効力を有する
解説
民事訴訟法第267条第1項は、和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは、その記載は確定判決と同一の効力を有すると定めています。和解調書は債務名義となり(民事執行法第22条第7号)、これに基づいて強制執行ができます。裁判所が関与して成立した合意なので、判決と同じ強さの効力が認められています。

他の選択肢が不適切な理由
・何の効力も生じない:確定判決と同一の効力を有します。
・地方裁判所にしか申し立てられない:訴え提起前の和解は、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に申し立てます(民事訴訟法第275条第1項)。
・調停は強制執行の根拠にならない:民事調停法第16条は、調停が成立し調書に記載したときは、その記載は裁判上の和解と同一の効力を有すると定めており、債務名義となります。

覚え方のポイント
裁判所が関与する合意(訴訟上の和解・即決和解・調停)は、いずれも確定判決と同一の効力を持ち、強制執行ができます。私的な合意書や、公正証書でない和解契約書とは効力が異なります。
なお、令和8年5月21日施行の改正(民事訴訟手続のIT化)により、和解等は裁判所書記官が電子調書を作成してファイルに記録する方式となり、その記録が確定判決と同一の効力を有するものとされています(本試験は令和8年4月1日時点の法令で出題されます)。
問82-14

手形訴訟(民事訴訟法第350条以下)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

  • ①手形訴訟の判決に対しては、判決をした裁判所への異議を申し立てられない
  • ②手形訴訟は、証人尋問を含むあらゆる証拠調べを制限なく行うことができる手続
  • ③手形訴訟は、手形の返還を求める請求についてだけ利用できる手続である
  • ④手形による金銭の支払請求を、書証などに限った証拠調べで迅速に審理する手続
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正解 ④手形による金銭の支払請求を、書証などに限った証拠調べで迅速に審理する手続
解説
民事訴訟法第350条第1項は、手形による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについて、手形訴訟による審理及び裁判を求めることができると定めています。手形訴訟では、証拠調べは原則として書証に限られ(第352条第1項)、迅速な判決を得ることができます。

他の選択肢が不適切な理由
・あらゆる証拠調べを制限なく:証拠調べは書証などに限定されます(文書の成立の真否や手形の提示に関する事実については当事者尋問ができます(同条第3項))。
・手形の返還請求だけ:手形による金銭の支払の請求のための手続です。
・異議を申し立てられない:手形訴訟の終局判決に対しては、判決をした裁判所に異議を申し立てることができます(第357条)。控訴はできません(第356条)。

覚え方のポイント
手形訴訟は「手形金の支払請求・書証中心・異議あり(控訴なし)」です。小切手についても同様の小切手訴訟の手続があります(第367条)。
なお、令和8年5月21日施行の改正(民事訴訟手続のIT化)により、手形訴訟の証拠調べは、書証及び電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べに限られるものとされています(本試験は令和8年4月1日時点の法令で出題されます)。
問92-14

支払督促と時効の関係に関する次のa〜dの記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
a 支払督促が仮執行宣言の申立てがされないまま失効した場合でも、時効は申立ての時から当然に更新される
b 支払督促の申立ては、裁判上の請求と同様に、時効の完成猶予の事由となる
c 支払督促の申立ては、時効の完成猶予や更新の事由には当たらない
d 支払督促が確定判決と同一の効力を有するに至ったときは、その権利の時効期間は10年となる

  • ①a、b
  • ②a、c
  • ③b、d
  • ④c、d
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正解 ③b、d
解説
適切なのはbとdです。支払督促は、訴えと同じく裁判所を通じた権利の行使なので、時効の完成猶予・更新の事由とされています(民法第147条第1項第2号)。

各記述の正誤
・a(不適切):仮執行宣言の申立てがされないまま支払督促が失効した場合(民事訴訟法第392条)のように、権利が確定することなく手続が終了したときは、時効は更新されず、終了の時から6か月を経過するまでの間、完成が猶予されるにとどまります(民法第147条第1項括弧書き)。
・b(適切):同項第2号のとおりです。
・c(不適切):支払督促は、明文で完成猶予・更新の事由とされています。
・d(適切):民法第169条第1項のとおりです。仮執行宣言付支払督促に督促異議がなければ確定判決と同一の効力を有し(民事訴訟法第396条)、時効はその事由が終了した時から新たに進行を始めます(民法第147条第2項)。

覚え方のポイント
確定判決や、確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利は、もとの時効期間が短くても10年になります。貸金業者が支払督促で債務名義を得ると、その後の時効管理の期間も変わる点を押さえましょう。
問102-14

民事訴訟の手続に関する次のa〜dの記述のうち、適切なものの個数はどれか。
a 少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない
b 支払督促は、日本において公示送達によらないで送達できる場合に限り発することができる
c 仮執行宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促はその督促異議の限度で効力を失う
d 少額訴訟では、反訴を提起することができる

  • ①1個
  • ②2個
  • ③3個
  • ④4個
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正解 ③3個
解説
適切なものはa、b、cの3個です。いずれも簡易裁判所で利用される手続で、貸金業者の債権回収の場面でよく使われます。少額訴訟は債務者側から反訴を起こされないため、争点の少ない事件の迅速な解決に向いています。

各記述の正誤
・a(適切):民事訴訟法第368条第2項のとおりです。
・b(適切):第382条ただし書のとおりです。支払督促は債務者の異議の機会を保障するため、公示送達による送達はできません。
・c(適切):第390条のとおりです。督促異議があると、通常の訴訟に移行します(第395条)。
・d(不適切):第369条は、少額訴訟においては反訴を提起することができないと定めています。

覚え方のポイント
少額訴訟と支払督促は、いずれも簡易裁判所で利用される簡易・迅速な手続です。「少額訴訟=60万円以下の金銭・審理1回・反訴不可」「支払督促=金額無制限・書類審査・公示送達不可」と対比して覚えましょう。

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