2026年版・9-3

介護過程とチームアプローチ・事例での展開の一問一答

介護福祉士国家試験「介護過程」から、介護過程とチームアプローチ・事例での展開に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問19-3

介護支援専門員が居宅サービス計画の原案を作成した後、利用者や家族、サービスを提供する事業所の担当者を集め、計画の内容を検討して共有するために開催する会議として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①地域ケア会議
  • ②運営推進会議
  • ③サービス担当者会議
  • ④デスカンファレンス
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正解 ③サービス担当者会議
解説
サービス担当者会議は、介護支援専門員が開催する会議で、居宅サービス計画の原案の内容について、利用者や家族、サービスを担当する事業所の担当者などが集まり、専門的な見地から意見を出し合って検討し、情報を共有するものです。
介護福祉職は、日々の介護を通して把握した利用者の生活の様子や変化を伝え、ケアプランに反映させる役割を担います。ここで共有された方針をもとに、各事業所が個別の計画(訪問介護計画など)を作成します。

他の選択肢が不適切な理由
「地域ケア会議」は、市町村や地域包括支援センターが開催し、個別の事例の検討を通して地域の課題を見つけ、地域づくりや資源の開発につなげる会議です。個々の居宅サービス計画の原案を検討する会議ではありません。
「運営推進会議」は、グループホームや小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスの事業所が、利用者や家族、地域住民、市町村職員などを交えて、事業所の運営状況を報告し意見を聞く会議です。
「デスカンファレンス」は、利用者が亡くなった後に、看取りのケアを振り返るために職員が行う話し合いです。

試験の罠
「サービス担当者会議=介護支援専門員が開催・ケアプランの検討」「地域ケア会議=地域包括支援センター等・地域課題」「運営推進会議=地域密着型サービスの運営」と、開催者と目的で区別しましょう。
問29-3

介護老人福祉施設における施設サービス計画と、介護福祉職が作成する介護計画との関係として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①介護計画は、施設サービス計画の方針に沿い介護の方法を示す。
  • ②施設サービス計画は、介護福祉職が一人で作成するものである。
  • ③介護計画は、施設サービス計画とは別に独自の目標だけを立てる。
  • ④施設サービス計画があれば、介護計画を作成する必要はない。
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正解 ①介護計画は、施設サービス計画の方針に沿い介護の方法を示す。
解説
施設サービス計画(施設のケアプラン)は、施設の計画担当介護支援専門員が、利用者の生活全体についての課題と目標、提供するサービスの内容を、多職種の意見を踏まえて作成するものです。
介護福祉職が作成する介護計画は、その施設サービス計画の方針や目標に沿いながら、日々の生活場面でどのように介護を行うのかを、より具体的に示す計画です。全体の方針(ケアプラン)と、それを具体化した個別の計画(介護計画)という関係にあります。

他の選択肢が不適切な理由
「施設サービス計画は、介護福祉職が一人で作成するものである。」は誤りです。施設サービス計画は計画担当介護支援専門員が作成し、担当者会議などを通して多職種の意見を反映させます。
「介護計画は、施設サービス計画とは別に独自の目標だけを立てる。」は、ケアプランの方針と無関係な目標を立てると、チームの方向性がばらばらになるため不適切です。
「施設サービス計画があれば、介護計画を作成する必要はない。」は、施設サービス計画だけでは日々の介護の具体的な方法までは示されないため誤りです。介護計画で具体化することで、根拠のある一貫した介護が可能になります。

試験の罠
ケアプラン(居宅・施設)は介護支援専門員が作成する全体の計画、介護計画や個別サービス計画はそれを具体化する計画です。「どちらか一方があれば足りる」「無関係」という選択肢は誤りです。
問39-3

介護福祉職が事例研究を行うときの倫理的配慮として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①職員間で行う研究なので、本人や家族の同意は必要ない。
  • ②分かりやすくするため、氏名や住所を記載して発表する。
  • ③研究が終わった後の資料は、各自が自宅に持ち帰り保管する。
  • ④目的を説明して同意を得て、個人が特定されないようにする。
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正解 ④目的を説明して同意を得て、個人が特定されないようにする。
解説
事例研究は、実際の介護の事例を振り返り、分析して、よりよい介護の方法を見いだすための取り組みです。利用者の個人的な情報を扱うため、研究の目的や方法、発表の場などを本人や家族に説明し、同意を得たうえで行います。
発表や資料では、氏名をAさんなどの記号に置き換え、年齢や地域なども必要な範囲にとどめるなど、個人が特定されないように配慮します。これは、秘密保持義務やプライバシーの保護の考え方に基づくものです。

他の選択肢が不適切な理由
「職員間で行う研究なので、本人や家族の同意は必要ない。」は、利用者の個人的な情報を本来の介護以外の目的で使うことになるため、本人や家族への説明と同意が必要であり誤りです。
「分かりやすくするため、氏名や住所を記載して発表する。」は、個人が特定されてプライバシーが侵害されるため不適切です。介護福祉士の秘密保持義務にも反するおそれがあります。
「研究が終わった後の資料は、各自が自宅に持ち帰り保管する。」は、個人情報を含む資料の紛失や漏えいの危険があるため不適切です。資料は定められた方法で管理し、不要になったら適切に廃棄します。

試験の罠
事例研究の倫理は「説明と同意」「匿名化(個人が特定されないように)」「資料の適切な管理」の3点です。職員間だから、研究のためだから、という理由で省略できるものはありません。
問49-3

利用者の支援について多職種で話し合うカンファレンスで、介護福祉職に求められる役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①医療の方針に関わる場では、意見は述べずに聞くことに徹する。
  • ②日々の生活場面で観察した利用者の様子や変化を具体的に話す。
  • ③他の職種の専門領域の内容についても、介護職の判断で決める。
  • ④自分が担当していない日の利用者の情報は、共有しなくてよい。
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正解 ②日々の生活場面で観察した利用者の様子や変化を具体的に話す。
解説
介護福祉職は、食事、排泄、入浴、睡眠など、利用者の生活に最も身近な場面で長い時間関わっています。そのため、表情や言葉、動作の変化、好みや習慣など、ほかの職種が把握しにくい生活の中の情報を多くもっています。
カンファレンスでは、これらの情報を具体的に伝えることで、医師や看護師、リハビリテーション職、介護支援専門員などが、利用者の全体像をとらえて適切な方針を立てることに貢献します。これが介護福祉職の専門性の一つです。

他の選択肢が不適切な理由
「医療の方針に関わる場では、意見は述べずに聞くことに徹する。」は、介護福祉職がもつ生活の情報を伝えなければ、利用者の生活の実態に合わない方針になるおそれがあるため不適切です。介護福祉職もチームの一員として意見を述べます。
「他の職種の専門領域の内容についても、介護職の判断で決める。」は、それぞれの職種の専門性を尊重して役割を分担するというチームアプローチの考え方に反するため不適切です。
「自分が担当していない日の利用者の情報は、共有しなくてよい。」は、記録などを通して担当外の日の情報も把握し、チームで共有しなければ一貫した支援ができないため不適切です。

試験の罠
多職種連携での介護福祉職の役割は「生活の場面の情報を具体的に伝えること」です。「黙って聞く」も「他職種の領域を決める」も誤りで、それぞれの専門性を尊重し合うことがチームアプローチの基本です。
問59-3

Aさん(81歳、女性、要介護2)は、アルツハイマー型認知症があり、1週間前にグループホームに入居した。毎日夕方4時ごろになると、「家に帰らなくちゃ」と言って玄関の方へ向かい、落ち着かなくなる。家族によると、Aさんは長年、夕方になると3人の子どもの夕食の支度をしてきたという。介護福祉職が行うアセスメントとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①帰宅の訴えは認知症の症状なので、その理由を考える必要はない。
  • ②施設での生活が不満であるためと判断し、家族に退居を勧める。
  • ③新しい環境に慣れれば、夕方の訴えも自然に治まると考える。
  • ④夕方に家族の夕食を作ってきた習慣と関係がある可能性を考える。
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正解 ④夕方に家族の夕食を作ってきた習慣と関係がある可能性を考える。
解説
認知症の人の行動には、その人なりの理由や思いがあると考えて理解しようとすることが、本人主体のケアの基本です。Aさんが夕方になると「家に帰らなくちゃ」と言うのは、長年続けてきた「夕方に子どもの夕食を支度する」という習慣や役割意識が関係している可能性があります。
このように生活歴と行動を関連づけてアセスメントすることで、例えば夕方に一緒に夕食の支度をしてもらうなど、Aさんの思いに沿った支援を計画することができます。

他の選択肢が不適切な理由
「帰宅の訴えは認知症の症状なので、その理由を考える必要はない。」は、行動の背景にある本人の思いや理由を理解しようとしない考え方で、本人主体のケアに反するため不適切です。
「施設での生活が不満であるためと判断し、家族に退居を勧める。」は、事例の情報から根拠なく原因を決めつけ、しかも入居して1週間で退居を勧めることになり、適切なアセスメントとはいえません。
「新しい環境に慣れれば、夕方の訴えも自然に治まると考える。」は、行動の背景にある生活歴や習慣を確かめないまま時間の経過に任せる考え方で、アセスメントとして不十分なため不適切です。事例には、Aさんの訴えと結びつく生活歴が示されています。

試験の罠
事例のアセスメント問題では、事例文に書かれた「生活歴」「習慣」「時間帯」などの情報を行動と結びつけて考える選択肢が正解になります。「症状だから」「慣れれば治まる」で片付ける選択肢は誤りです。
問69-3

Bさん(74歳、男性、要介護2)は、脳梗塞の後遺症で右片麻痺があり、介護老人保健施設に入所している。現在、朝の着替えは介護職が全介助で行っているが、左手を使って上着の片袖を通すことはできる。作業療法士との訓練にも意欲的に取り組んでおり、Bさんは「自分で着替えられるようになりたい」と話している。Bさんの短期目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①介護職が、Bさんの着替えを全介助で素早く済ませられる。
  • ②Bさんが、身だしなみに気を配って毎日を生活することができる。
  • ③Bさんが、前開きの上着を自分で着ることができるようになる。
  • ④Bさんが、自宅に戻って身の回りのことをすべて自分で行える。
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正解 ③Bさんが、前開きの上着を自分で着ることができるようになる。
解説
短期目標は、本人の希望と現在の状態を踏まえ、比較的短い期間で達成できる具体的なものにします。Bさんは左手で上着の片袖を通すことができ、訓練に意欲的で、「自分で着替えられるようになりたい」と望んでいます。
「前開きの上着を自分で着ることができるようになる」という目標は、Bさんを主語にしており、本人の希望に沿い、今できていることの延長として実現可能で、達成できたかどうかを評価できる表現です。実際の計画では、達成の期限も設定します。

他の選択肢が不適切な理由
「介護職が、Bさんの着替えを全介助で素早く済ませられる。」は、介護職が主語で、Bさんの目指す姿ではないうえ、自分で着替えたいという希望と自立支援の考え方に反するため不適切です。
「Bさんが、身だしなみに気を配って毎日を生活することができる。」は、抽象的で何ができれば達成したといえるのかが評価できないため、短期目標として不適切です。
「Bさんが、自宅に戻って身の回りのことをすべて自分で行える。」は、退所後の生活まで見据えた最終的な姿であり、長期目標に近い内容です。今の状態から短い期間で達成できるものではないため、短期目標として不適切です。

試験の罠
短期目標の選び方は「主語は利用者」「本人の希望に沿う」「今できることの延長で実現可能」「評価できる」です。事例文の「できていること」が、目標の水準を決める手がかりになります。
問79-3

Cさん(88歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設で生活している。1日の水分摂取量が少なく、最近、便秘と皮膚の乾燥がみられる。水を勧めても「いらない」と言うが、緑茶と果物のゼリーは好んで口にする。「脱水を予防し、便秘を改善する」ことを目指した介護計画の支援内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①起床時や午前10時など時間を決め、好みの緑茶やゼリーを出す。
  • ②水分を多めにとってもらうよう、介護職が適宜声をかけていく。
  • ③1日に必要な水分の量について、本人に繰り返し説明していく。
  • ④本人が飲みたいと言ったときにだけ、水をコップで提供していく。
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正解 ①起床時や午前10時など時間を決め、好みの緑茶やゼリーを出す。
解説
介護計画の支援内容は、誰が担当しても同じように実施できるよう、いつ、何を、どのように行うのかを具体的に書きます。Cさんは水は好まないものの、緑茶と果物のゼリーは好んで口にするという強み(好み)があります。
起床時、午前10時、午後3時、就寝前など、時間を決めて好みの緑茶やゼリーを勧める支援は、具体的でチームで統一して実施でき、Cさんの好みを生かしているため、水分摂取量を増やすことにつながります。摂取量を記録すれば、評価も行えます。

他の選択肢が不適切な理由
「水分を多めにとってもらうよう、介護職が適宜声をかけていく。」は、「適宜」「多めに」があいまいで、担当者によって実施の内容がばらつき、評価もできないため不適切です。
「1日に必要な水分の量について、本人に繰り返し説明していく。」は、説明するだけでは実際の摂取量の増加につながりにくく、Cさんの好みを生かした具体的な方法になっていないため不適切です。
「本人が飲みたいと言ったときにだけ、水をコップで提供していく。」は、高齢者はのどの渇きを感じにくく、しかもCさんは水を好まないため、摂取量が増えず脱水を防げないので不適切です。

試験の罠
支援内容の問題では「具体的(時間・内容・方法)」かつ「本人の好みや強みを生かしている」選択肢が正解になります。「適宜」「必要に応じて」などあいまいな表現を含む選択肢に注意しましょう。
問89-3

Dさん(79歳、女性、要介護1)は、デイサービス(通所介護)を利用している。短期目標は「1か月後に、午前中の体操に週3回参加できる」である。1か月後の評価日に記録を確認すると、参加は週1〜2回で、参加した日は笑顔で体を動かしていた。参加しなかった日は、いずれも午前中に入浴の順番が重なっていたことが分かった。Dさんの評価として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①参加の回数が目標に届かなかったので、体操の支援は中止する。
  • ②目標は未達成だが、入浴との重なりが要因とみて時間を調整する。
  • ③参加した日に笑顔が見られたので、目標は達成できたと評価する。
  • ④欠席の理由ははっきりしないので、同じ計画をそのまま続ける。
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正解 ②目標は未達成だが、入浴との重なりが要因とみて時間を調整する。
解説
評価では、まず目標が達成されたかを事実に基づいて判断し、達成されなかった場合はその理由を分析します。Dさんの参加は週1〜2回で、目標の週3回には届いていないため、目標は未達成です。
一方で、参加した日は笑顔で取り組んでおり意欲はあること、参加しなかった日はいずれも入浴の順番が重なっていたことが記録から分かります。入浴の時間を調整するなど支援の方法を見直せば、目標の達成が期待できます。記録に基づいて理由を分析し、計画の修正につなげることが評価の役割です。

他の選択肢が不適切な理由
「参加の回数が目標に届かなかったので、体操の支援は中止する。」は、Dさんに参加の意欲があり、欠席の理由も分かっているのに、支援そのものをやめてしまうため不適切です。
「参加した日に笑顔が見られたので、目標は達成できたと評価する。」は、目標は「週3回参加」であり、回数が届いていない以上、達成とはいえないため不適切です。評価は目標に照らして行います。
「欠席の理由ははっきりしないので、同じ計画をそのまま続ける。」は、記録から入浴との重なりという理由が分かっており、事例の情報と矛盾するため不適切です。

試験の罠
評価の問題では「目標の文言どおりに達成・未達成を判断する」「未達成なら理由を記録から探す」「方法を見直す」の順に考えます。よい変化があっても、目標に届いていなければ未達成です。
問99-3

Eさん(83歳、男性、要介護1)は、一人暮らしで、訪問介護(生活援助)を週2回利用している。担当の訪問介護員(ホームヘルパー)は、ここ2週間で、Eさんが同じ話を何度も繰り返す、冷蔵庫に同じ食品が大量に入っている、といった変化に気づいた。訪問介護員の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①サービス提供責任者に報告して、介護支援専門員と共有してもらう。
  • ②訪問介護員の判断で、訪問の回数を増やして様子をみることにする。
  • ③認知症だと判断して、家族に専門の病院を受診するよう指示する。
  • ④次のサービス担当者会議まで、誰にも伝えずに様子をみておく。
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正解 ①サービス提供責任者に報告して、介護支援専門員と共有してもらう。
解説
訪問介護員は、利用者の生活の変化に最も気づきやすい立場にあります。Eさんに見られる変化は、認知機能の低下などを示している可能性があり、ケアプランの見直しが必要になるかもしれない重要な情報です。
訪問介護員は、気づいた事実を記録し、サービス提供責任者に報告します。サービス提供責任者は、その情報を介護支援専門員と共有し、必要に応じて受診の勧めやサービスの調整などをチームで検討します。報告の流れに沿って情報を共有することが、チームアプローチの基本です。

他の選択肢が不適切な理由
「訪問介護員の判断で、訪問の回数を増やして様子をみることにする。」は、サービスの内容や回数はケアプランと訪問介護計画に基づいて決まるものであり、訪問介護員の判断だけで変えることはできないため不適切です。
「認知症だと判断して、家族に専門の病院を受診するよう指示する。」は、病気を判断するのは医師であり、介護職が診断するような判断をして家族に指示するのは不適切です。
「次のサービス担当者会議まで、誰にも伝えずに様子をみておく。」は、変化への対応が遅れ、生活上の危険(食品の腐敗、火の不始末など)につながるおそれがあるため不適切です。

試験の罠
在宅の事例では「訪問介護員→サービス提供責任者→介護支援専門員」という報告の流れが問われます。訪問介護員が一人で判断して変える、診断する、黙っている、はどれも誤りです。
問109-3

Fさん(85歳、女性、要介護3)は、介護老人保健施設に入所している。この1か月で、夕方にトイレへ歩いて行く途中で2回転倒した。カンファレンスで理学療法士から「夕方は疲れて足が上がりにくくなっている。歩行器を使い、介助者は左後方で見守るとよい」との評価が示された。Fさんは「トイレには自分で歩いて行きたい」と話している。介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①転倒を防ぐため、夕方は車いすに座ったまま過ごしてもらう。
  • ②転倒は本人の不注意によるものとして、注意を繰り返し伝える。
  • ③理学療法士の評価を、夕方の介助方法として計画に反映する。
  • ④他職種の意見は参考にとどめ、介護職だけで方法を決めていく。
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正解 ③理学療法士の評価を、夕方の介助方法として計画に反映する。
解説
チームアプローチでは、それぞれの専門職の評価や意見を持ち寄り、利用者の支援に生かします。理学療法士は、歩行などの基本的な動作の専門職です。夕方は疲れて足が上がりにくくなるという評価と、歩行器の使用や介助者の位置についての助言は、Fさんが安全に歩くための重要な根拠になります。
これを介護計画の支援内容として具体的に反映すれば、どの介護職が担当しても同じ方法で安全に支援でき、「自分で歩いて行きたい」というFさんの希望の実現にもつながります。

他の選択肢が不適切な理由
「転倒を防ぐため、夕方は車いすに座ったまま過ごしてもらう。」は、歩きたいというFさんの希望に反し、歩く機会を奪って筋力をさらに低下させるおそれがあるため不適切です。立ち上がれないようにする対応は、身体拘束に当たるおそれもあります。
「転倒は本人の不注意によるものとして、注意を繰り返し伝える。」は、疲れによる足の上がりにくさという専門職の評価を無視し、原因を本人に押しつけるもので不適切です。
「他職種の意見は参考にとどめ、介護職だけで方法を決めていく。」は、専門職の知見を生かすというチームアプローチの考え方に反し、根拠のある介護にならないため不適切です。

試験の罠
多職種連携の事例では「専門職の評価を介護計画に具体的に反映する」選択肢が正解の軸です。「安全のために動かさない」は、自立支援と本人の意向に反する誤りの定番です。

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