2026年版・5-6

排泄の介護の一問一答

介護福祉士国家試験「生活支援技術」から、排泄の介護に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問15-6

咳やくしゃみ、重い物を持ち上げたときなど、お腹に力が入った瞬間に尿が漏れる失禁として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①切迫性尿失禁
  • ②溢流性尿失禁
  • ③腹圧性尿失禁
  • ④機能性尿失禁
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正解 ③腹圧性尿失禁
解説
腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみ、笑う、重い物を持つなどでお腹に力(腹圧)がかかったときに尿が漏れるものです。尿道を締める骨盤底筋が弱くなることが主な原因で、出産を経験した女性や高齢の女性に多くみられます。
骨盤の底で膀胱や子宮を支える骨盤底筋を鍛える骨盤底筋訓練(肛門や膣を締めたりゆるめたりする体操)が、改善に有効とされています。

他の選択肢が不適切な理由
「切迫性尿失禁」は、急に強い尿意が起こり、トイレまで我慢できずに漏れてしまうものです。膀胱が勝手に縮む過活動膀胱や脳血管疾患などが原因になります。
「溢流性尿失禁」は、尿がうまく出せずに膀胱に尿がたまり続け、あふれるように少しずつ漏れ出るものです。男性の前立腺肥大症などが原因として多くみられます。
「機能性尿失禁」は、排尿の機能自体は正常でも、手足の障害で移動や衣服の着脱に時間がかかる、認知症でトイレの場所が分からないなどの理由で間に合わずに漏れるものです。

試験の罠
「お腹に力=腹圧性」「急な尿意=切迫性」「あふれる・前立腺肥大=溢流性」「動作や認知の問題=機能性」と、原因と対応をセットで覚えます。機能性尿失禁の対応はトイレ誘導や環境整備です。
問25-6

Aさん(84歳、女性、要介護2)はアルツハイマー型認知症があり、グループホームで暮らしている。歩行は自立しており、尿意もあるが、最近、トイレを探して廊下を歩き回っているうちに間に合わず失禁することが増えた。介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①失敗をなくすため、日中から紙おむつを使ってもらうようにする。
  • ②トイレの場所が分かるよう、ドアに目立つ目印や表示をつける。
  • ③尿道を締める力を高めるため、骨盤底筋訓練をしてもらう。
  • ④失禁を減らすため、日中の水分をできるだけ控えてもらう。
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正解 ②トイレの場所が分かるよう、ドアに目立つ目印や表示をつける。
解説
Aさんは尿意があり、歩いてトイレに行くこともできますが、認知症による場所の見当識障害(今いる場所や目的の場所が分からなくなること)のため、トイレにたどり着けずに漏れてしまっています。これは排尿の機能ではなく、環境の認識の問題による機能性尿失禁です。
トイレのドアに本人に分かりやすい目印や「便所」などの表示をつける、夜は照明をつけておくなど、環境を整えることで、Aさんが自分の力でトイレに行ける状態を保てます。

他の選択肢が不適切な理由
「失敗をなくすため、日中から紙おむつを使ってもらうようにする。」は、尿意があり歩けるAさんの力を活かさず、自尊心を傷つけ、トイレで排泄する力を失わせるおそれがあるため不適切です。
「尿道を締める力を高めるため、骨盤底筋訓練をしてもらう。」は、腹圧性尿失禁への対応です。Aさんの失禁の原因はトイレの場所が分からないことで、尿道を締める力の問題ではないため適切ではありません。
「失禁を減らすため、日中の水分をできるだけ控えてもらう。」は、脱水や便秘、尿路感染症の原因になり、認知症の症状を悪化させることもあるため不適切です。

試験の罠
失禁の問題では、まず「どの種類の失禁か」を事例から読み取ります。認知症でトイレが分からない、片麻痺で間に合わない、は機能性尿失禁で、答えは「環境整備・誘導」。水分制限とおむつは誤答の定番です。
問35-6

便座に座って排便するときの姿勢として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①背もたれに寄りかかり、上半身を後ろへ反らしてもらう。
  • ②足を床から浮かせて、体の力を抜いて座ってもらう。
  • ③便座に浅く腰掛け、背すじをまっすぐ立ててもらう。
  • ④やや前かがみになり、足の裏を床につけて座ってもらう。
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正解 ④やや前かがみになり、足の裏を床につけて座ってもらう。
解説
座った姿勢でやや前かがみになると、直腸と肛門の角度がまっすぐに近づき、便が出やすくなります。また、足の裏を床につけると踏ん張りがきき、お腹に力(腹圧)をかけやすくなります。
座位は重力も利用できるため、寝た姿勢よりも自然な排便に適した姿勢です。足が床に届かない場合は、足台を置いて足の裏が安定するようにします。

他の選択肢が不適切な理由
「背もたれに寄りかかり、上半身を後ろへ反らしてもらう。」は、直腸と肛門の角度が急になって便が通りにくくなり、腹圧もかけにくいため不適切です。
「足を床から浮かせて、体の力を抜いて座ってもらう。」は、足で踏ん張れないためお腹に力が入らず、姿勢も不安定で転落の危険があるため不適切です。
「便座に浅く腰掛け、背すじをまっすぐ立ててもらう。」は、浅く腰掛けると便座から滑り落ちるおそれがあり、背すじを立てた姿勢では前かがみの姿勢より直腸と肛門の角度がまっすぐになりにくいため不適切です。

試験の罠
排便の姿勢は「座位・前かがみ・足の裏を床に」。寝たままの排便は腹圧がかけにくく、重力も使えないため、できる限りトイレやポータブルトイレで座って排泄できるよう支援することが基本です。
問45-6

Bさん(79歳、男性、要介護2)は脳梗塞の後遺症で右片麻痺がある。日中はトイレで排泄しているが、夜間はトイレまでの移動が不安なため、寝室にポータブルトイレを置くことにした。ポータブルトイレの置き方と使い方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①ベッドの左側に置き、座面の高さはベッドと同じにしておく。
  • ②ベッドの右側に置き、座面の高さはベッドと同じにしておく。
  • ③ベッドの左側に置き、座面の高さはベッドより高くしておく。
  • ④ベッドの左側に置き、転倒を防ぐためベッドから離しておく。
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正解 ①ベッドの左側に置き、座面の高さはベッドと同じにしておく。
解説
片麻痺のある人の移乗は、健側を軸にして行うため、ポータブルトイレは健側に置きます。右片麻痺のBさんの健側は左です。
座面の高さをベッドとそろえると、立ち上がって大きく体を持ち上げなくても横へ移るように移乗でき、座ったときに足の裏も床につきやすくなります。転倒しにくく安定した移乗につながり、夜間でも自分で排泄できる状態を保てます。

他の選択肢が不適切な理由
「ベッドの右側に置き、座面の高さはベッドと同じにしておく。」は、麻痺のある右側へ移乗することになり、力の入らない足で体を支えるため転倒の危険が高く不適切です。
「ベッドの左側に置き、座面の高さはベッドより高くしておく。」は、健側に置く点は正しいものの、座面が高いと移乗のときに体を持ち上げる必要があり、座ったときに足が床につかず、姿勢が不安定になって腹圧もかけにくいため不適切です。
「ベッドの左側に置き、転倒を防ぐためベッドから離しておく。」は、ベッドから離すと移乗の途中で歩いたり大きく向きを変えたりする必要があり、夜間はかえって転倒の危険が高まるため不適切です。ポータブルトイレはベッドに近づけて置き、ずれないように固定します。

試験の罠
ポータブルトイレは「健側に」「ベッドに近づけて」「ベッドと同じ高さに」「足の裏が床につくように」。車いすの置き方と同じく、健側と患側の取り違えが最もよく出る誤りです。
問55-6

膀胱留置カテーテルを使用している利用者への介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①蓄尿バッグは、床に直接置いて倒れないように安定させる。
  • ②移動のときは、蓄尿バッグを膀胱より高く持ち上げて運ぶ。
  • ③蓄尿バッグは、いつも膀胱より低い位置になるように保つ。
  • ④尿が漏れたときは、介護職がカテーテルを抜いて入れ直す。
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正解 ③蓄尿バッグは、いつも膀胱より低い位置になるように保つ。
解説
膀胱留置カテーテルは、尿道から膀胱に管を入れたままにし、尿を体の外の蓄尿バッグに流し出すものです。蓄尿バッグを膀胱より高い位置にすると、バッグ内の尿が膀胱へ逆流し、尿路感染症の原因になります。
そのため、蓄尿バッグは常に膀胱より低い位置に保ちます。あわせて、管が折れたりねじれたりしていないか、尿の量・色・にごりに変化がないかを観察し、異常があれば医療職に報告します。

他の選択肢が不適切な理由
「蓄尿バッグは、床に直接置いて倒れないように安定させる。」は、床の細菌がバッグの排出口などに付着し、感染の原因になるため不適切です。バッグは床に直接つかないよう、ベッドの枠などにかけておきます。
「移動のときは、蓄尿バッグを膀胱より高く持ち上げて運ぶ。」は、尿が膀胱へ逆流して尿路感染症を起こすおそれがあるため不適切です。移動のときも膀胱より低い位置を保ちます。
「尿が漏れたときは、介護職がカテーテルを抜いて入れ直す。」は、カテーテルの挿入や交換は医行為であり、介護職は行えないため不適切です。漏れや管の抜けなどの異常は、すぐに医療職に報告します。

試験の罠
膀胱留置カテーテルは「バッグは膀胱より低く」「床に置かない」「管を折らない」「異常は医療職へ」。カテーテルの挿入・交換や管理の判断は介護職の業務外である点も問われます。
問65-6

排泄の介護に関連する行為のうち、原則として医行為ではないとされ、介護福祉職が行うことができるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①ストーマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること
  • ②肛門に指を入れて、直腸内の便をかき出すこと(摘便)
  • ③膀胱留置カテーテルを、新しいものに交換すること
  • ④仙骨部にできた褥瘡に軟膏を塗り、ガーゼを交換すること
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正解 ①ストーマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること
解説
厚生労働省は、医師法第17条等の解釈に関する通知で、原則として医行為ではない行為を示しています。その中に「ストーマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること」が含まれており、介護福祉職が行うことができます。なお、肌に接着したストーマ装具そのものの交換も、ストーマやその周りの皮膚の状態が安定しているなどの場合は、原則として医行為に当たらないとする通知(平成23年7月5日)が出ています。
パウチの排泄物を適切に処理することは、においやもれを防ぎ、利用者が安心して生活を送ることにつながります。処理の際には、排泄物の量や性状、ストーマ周囲の皮膚の状態を観察し、変化があれば医療職に報告します。

他の選択肢が不適切な理由
「肛門に指を入れて、直腸内の便をかき出すこと(摘便)」は、直腸の粘膜を傷つけたり、迷走神経が刺激されて血圧が下がったりする危険があり、医行為に当たるため介護職は行えません。
「膀胱留置カテーテルを、新しいものに交換すること」は、尿道や膀胱を傷つけたり感染を起こしたりする危険があり、医行為に当たるため介護職は行えません。
「仙骨部にできた褥瘡に軟膏を塗り、ガーゼを交換すること」は、褥瘡の処置は医行為に当たるため介護職は行えません。通知で医行為でないとされる軟膏の塗布は、褥瘡の処置を除く場合に限られます。

試験の罠
「パウチの排泄物を捨てる」「市販の浣腸器による浣腸(条件あり)」は医行為でない、「摘便」「カテーテルの交換」「褥瘡の処置」は医行為、と区別します。通知の「〜を除く」という但し書きがよく狙われます。
問75-6

高齢者の便秘を予防・改善するための支援として、最も適切なものを1つ選びなさい(マッサージの向きは、あお向けに寝た利用者の腹部を正面から見たときの向きとする)。

  • ①腹部を、へそを中心にして反時計回りにマッサージする。
  • ②便をやわらかくするため、水分をとる量を控えてもらう。
  • ③胃腸を休ませるため、朝食はとらずに昼からにしてもらう。
  • ④腹部を、のの字を描くように時計回りにマッサージする。
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正解 ④腹部を、のの字を描くように時計回りにマッサージする。
解説
大腸は、お腹の右下から上へ、次に右から左へ、そして左下へと走っており、利用者の体を正面から見ると時計回りになっています。腹部を「の」の字を描くように時計回りにマッサージすると、大腸の流れに沿って便を送り出す動き(ぜん動運動)が促され、排便を助けます。
便秘の予防には、このほか十分な水分と食物繊維の摂取、適度な運動、朝食をとって便意を逃さずトイレに行く習慣づくりが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
「腹部を、へそを中心にして反時計回りにマッサージする。」は、大腸の中を便が進む向き(利用者の腹部を正面から見て時計回り)と逆になり、便を送り出す助けにならないため不適切です。
「便をやわらかくするため、水分をとる量を控えてもらう。」は誤りです。水分が不足すると便は硬くなり、便秘が悪化します。便をやわらかくするには、十分な水分をとってもらいます。
「胃腸を休ませるため、朝食はとらずに昼からにしてもらう。」は、朝食をとって胃に食べ物が入ると大腸が動き出す反射(胃・結腸反射)が起こり、便意が生じやすくなるため、朝食を抜くのは不適切です。

試験の罠
便秘の支援は「時計回りのマッサージ」「水分と食物繊維」「朝食と朝のトイレ習慣(胃・結腸反射)」「適度な運動」が定番です。マッサージの「時計回り」は利用者の腹部を正面から見たときの向きです。向きと水分を「控える」という逆の選択肢に注意しましょう。
問85-6

Cさん(86歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設で生活している。昨日から水のような便が1日に数回出ており、食欲も落ちている。発熱や嘔吐はなく、医師の診察を受けて経過をみることになった。介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①下痢を止めるため、介護職の判断で下痢止めを飲ませる。
  • ②脱水を防ぐため、少しずつこまめに水分をとってもらう。
  • ③排泄の後は、肛門の周囲を強くこすってよく拭き取る。
  • ④体力をつけるため、揚げ物など脂の多い料理を勧める。
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正解 ②脱水を防ぐため、少しずつこまめに水分をとってもらう。
解説
下痢が続くと、便と一緒に体の水分や電解質(ナトリウムやカリウムなど)が失われ、脱水になりやすくなります。高齢者はもともと体内の水分が少なく、渇きを感じにくいため、とくに注意が必要です。
一度にたくさん飲むと腸を刺激することがあるため、少しずつこまめに水分をとってもらいます。あわせて、便の回数・量・性状、尿量や皮膚の乾燥、全身状態を観察して記録し、医療職と共有します。

他の選択肢が不適切な理由
「下痢を止めるため、介護職の判断で下痢止めを飲ませる。」は、薬の使用を判断するのは医師であり、介護職の判断で服用させてはならないため不適切です。また、感染による下痢では、下痢止めで病原体の排出を妨げることもあります。
「排泄の後は、肛門の周囲を強くこすってよく拭き取る。」は、下痢の便は刺激が強く、繰り返し強くこすると肛門周囲の皮膚がただれやすいため不適切です。やさしく押さえるように拭くか、ぬるま湯で洗い流します。
「体力をつけるため、揚げ物など脂の多い料理を勧める。」は、脂の多い食事は消化に負担がかかり、下痢を悪化させるおそれがあるため不適切です。おかゆやうどんなど、消化のよいものを勧めます。

試験の罠
下痢の対応は「脱水予防(こまめな水分補給)」「皮膚の保護」「消化のよい食事」「観察と報告」。薬の使用を介護職が判断する選択肢は、どの場面でも誤りです。
問95-6

Dさん(82歳、男性、要介護3)は、入院中に紙おむつを使うようになり、介護老人保健施設に入所した後もおむつを使用している。尿意はあり、「トイレに行きたい」と言うことがある。つかまり立ちは可能である。Dさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①失禁がある間は、おむつの使用を続けることを優先する。
  • ②尿意の訴えがあっても、交換時刻までおむつで待ってもらう。
  • ③排泄の時間帯を記録して把握し、トイレへ誘導していく。
  • ④失禁を減らすため、日中に飲む水分の量を制限していく。
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正解 ③排泄の時間帯を記録して把握し、トイレへ誘導していく。
解説
尿意があり、つかまり立ちができるDさんは、トイレで排泄できる可能性があります。排泄の時刻や量、失禁の有無を記録すると、その人の排泄のパターン(排尿しやすい時間帯)が分かります。その時間に合わせてトイレへ誘導すれば、トイレで排泄できる機会が増え、おむつを外していける可能性があります。
トイレで排泄できることは、本人の自尊心や生活意欲を取り戻すことにもつながり、自立支援と尊厳の保持の考え方に合致します。

他の選択肢が不適切な理由
「失禁がある間は、おむつの使用を続けることを優先する。」は、尿意がありトイレで排泄できる力が残っているDさんの力を活かさず、おむつへの依存を強めるため不適切です。
「尿意の訴えがあっても、交換時刻までおむつで待ってもらう。」は、本人の尿意と訴えを無視することになり、尊厳を傷つけるうえ、尿意そのものを失わせるおそれがあるため不適切です。
「失禁を減らすため、日中に飲む水分の量を制限していく。」は、脱水や便秘、尿路感染症の原因になるため不適切です。水分は十分にとってもらいます。

試験の罠
おむつは「一度使ったら外せない」ものではありません。尿意がある、座位や立位がとれる、という情報は「おむつ外し」を検討する手がかりです。排泄記録(排泄チェック表)で個人のパターンをつかむことが正解の定番です。
問105-6

トイレでの排泄を介助するときの、利用者のプライバシーと羞恥心への配慮として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①転倒を防ぐため、排泄中はドアを開けたまま正面で見守る。
  • ②排泄中は外で待ち、終わったら知らせる合図を決めておく。
  • ③便座に座ったら、膝の上にタオルなどは掛けずに待つ。
  • ④誘導の声かけは、周りにも伝わるよう明るく大きく行う。
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正解 ②排泄中は外で待ち、終わったら知らせる合図を決めておく。
解説
排泄は最もプライバシーに関わる行為の一つで、人に見られたり聞かれたりすることに強い羞恥心を伴います。安全が確保できる場合は、介護職はトイレの外で待ち、終わったら知らせてもらう合図(ナースコールや声かけなど)を決めておきます。
こうすることで、利用者は落ち着いて排泄でき、自尊心も守られます。安全面の不安がある場合も、カーテンを使う、立ち位置を工夫するなど、見られていると感じさせない配慮をします。

他の選択肢が不適切な理由
「転倒を防ぐため、排泄中はドアを開けたまま正面で見守る。」は、利用者の羞恥心を無視しており、落ち着いて排泄できなくなるため不適切です。見守りが必要でも、ドアやカーテンを閉め、見られていると感じさせない工夫をします。
「便座に座ったら、膝の上にタオルなどは掛けずに待つ。」は、下半身が露出したままになり、羞恥心への配慮に欠けるため不適切です。便座に座ったら膝にバスタオルなどを掛け、肌の露出をできるだけ少なくします。
「誘導の声かけは、周りにも伝わるよう明るく大きく行う。」は、トイレに行くことを周りの人に知られて恥ずかしい思いをさせるため不適切です。トイレへの誘導は、本人にだけ聞こえる声でさりげなく行います。

試験の罠
排泄の介護では「安全」と「プライバシー」の両立が問われます。「安全のため」に羞恥心を無視する選択肢は誤りです。露出は最小限に(膝にタオルを掛ける)、トイレへの誘導は本人にだけ聞こえる声でさりげなく、失敗は責めない、が基本です。

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