2026年版・5-3

身じたくの介護(整容・口腔ケア・衣服)の一問一答

介護福祉士国家試験「生活支援技術」から、身じたくの介護(整容・口腔ケア・衣服)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問15-3

片麻痺のある人の上着の着脱を介助するときの原則として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①脱ぐときは患側から、着るときは健側から行う。
  • ②脱ぐときは健側から、着るときは患側から行う。
  • ③脱ぐときも着るときも、健側から先に行う。
  • ④脱ぐときも着るときも、患側から先に行う。
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正解 ②脱ぐときは健側から、着るときは患側から行う。
解説
片麻痺のある人の衣服の着脱は「脱健着患(だっけんちゃっかん)」が原則です。脱ぐときは動かしやすい健側(麻痺のない側)から袖を抜くと、衣服にゆとりができ、動かしにくい患側(麻痺のある側)を無理なく抜けます。
着るときは先に患側の腕を通しておくと、衣服のゆとりが大きいうちに患側を通せ、最後に動かしやすい健側を通すことができます。患側の関節に無理な力がかからず、痛みや脱臼を防げます。

他の選択肢が不適切な理由
「脱ぐときは患側から、着るときは健側から行う。」は、脱健着患と正反対で、衣服にゆとりがない状態で患側を動かすことになり、関節に負担がかかるため誤りです。
「脱ぐときも着るときも、健側から先に行う。」は、着るときに健側を先に通すと、最後に残った患側の腕を窮屈な袖に通すことになり、患側を無理に曲げたり引っ張ったりするため誤りです。
「脱ぐときも着るときも、患側から先に行う。」は、脱ぐときに患側から抜こうとすると、衣服がきついまま患側を動かすことになるため誤りです。

試験の罠
「脱健着患」は、ズボンや靴下でも同じです。問題文が右片麻痺か左片麻痺かを確認し、「右腕から」「左腕から」と具体的な左右に置き換えて問われても答えられるようにしましょう。
問25-3

総義歯(総入れ歯)の取り扱いとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①洗浄剤につけておけば、ブラシで洗わなくてよい。
  • ②汚れを落とすため、熱湯につけて消毒する。
  • ③外した義歯は、水を入れた容器に保管する。
  • ④研磨剤入りの歯磨き粉で強くこすって洗う。
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正解 ③外した義歯は、水を入れた容器に保管する。
解説
義歯は乾燥すると変形したりひびが入ったりするため、外したときは水(または義歯洗浄剤を溶かした水)を入れた専用の容器に入れて保管します。ふたつきの容器にし、誤って捨てたり落として割ったりしないよう、置き場所を決めておくことも大切です。
義歯は毎食後に外して流水で洗い、夜間は外して歯ぐき(口の粘膜)を休ませるのが基本です。

他の選択肢が不適切な理由
「洗浄剤につけておけば、ブラシで洗わなくてよい。」は誤りです。義歯の表面や歯ぐきに当たる内側には、細菌のかたまり(プラーク)がこびりつくため、洗浄剤につけるだけでは汚れが落ちきりません。まず義歯用ブラシで汚れを落とし、そのうえで義歯洗浄剤を使います。
「汚れを落とすため、熱湯につけて消毒する。」は、義歯の材料である樹脂が熱で変形するおそれがあるため不適切です。義歯はぬるま湯か水で洗い、除菌には義歯洗浄剤を使います。
「研磨剤入りの歯磨き粉で強くこすって洗う。」は、研磨剤で義歯の表面に細かい傷がつき、そこに細菌がすみつきやすくなるため不適切です。義歯用ブラシを使い、流水下でやさしく洗います。

試験の罠
義歯の手入れは「義歯用ブラシで汚れを落としてから洗浄剤」「熱湯や研磨剤入りの歯磨き粉は使わない」、保管は「水の中」がセットです。乾燥させて保管する選択肢もよく出る誤りです。
問35-3

介護福祉職が利用者の爪切りを行うときの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①入浴後など、爪がやわらかくなっているときに切る。
  • ②爪の角は丸く深く切り落として、引っかかりを防ぐ。
  • ③爪の周囲が赤く腫れていても、清潔のため短く切る。
  • ④爪切りの刃を大きく入れて、一回で切り取っておく。
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正解 ①入浴後など、爪がやわらかくなっているときに切る。
解説
高齢者の爪は厚く硬くなりやすく、乾いたまま切ると割れたり欠けたりしやすくなります。入浴後や手浴・足浴の後は爪が水分を含んでやわらかくなっているため、少ない力で安全に切ることができます。
なお、介護職が爪切りを行えるのは、爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、糖尿病などの病気による専門的な管理が必要でない場合です。これは、医師法第17条等の解釈に関する厚生労働省の通知で医行為ではないと示された範囲です。

他の選択肢が不適切な理由
「爪の角は丸く深く切り落として、引っかかりを防ぐ。」は、深爪になり、とくに足の爪では巻き爪や陥入爪(爪が皮膚にくい込む状態)の原因になるため不適切です。まっすぐに切り、角は少しだけ整えます。
「爪の周囲が赤く腫れていても、清潔のため短く切る。」は、周囲に炎症がある場合は介護職が行える範囲を超えるため不適切です。医療職に報告し、判断を仰ぎます。
「爪切りの刃を大きく入れて、一回で切り取っておく。」は、硬い爪が割れたり、切りすぎて皮膚を傷つけたりするため不適切です。刃を少しずつ入れて、何回かに分けて切ります。

試験の罠
介護職が行える爪切りには「爪に異常がない」「周囲に化膿・炎症がない」「糖尿病等で専門的管理が不要」という条件があります。「異常があっても切る」選択肢は誤りです。
問45-3

Aさん(79歳、女性、要介護2)は脳梗塞の後遺症で左片麻痺がある。昼食後、洗面所で椅子に座り、右手で歯ブラシを持って自分で歯みがきをしている。介護福祉職がAさんの口腔ケアを支援するときの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①うがいのときは、顔を上に向けて口の中の水を流してもらう。
  • ②歯ブラシは力を入れて大きく動かし、短い時間で済ませる。
  • ③むせを防ぐため、口腔ケアはベッドで仰向けになって行う。
  • ④左の頬の内側に残りやすい食べかすを、確認して清掃する。
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正解 ④左の頬の内側に残りやすい食べかすを、確認して清掃する。
解説
片麻痺のある人は、麻痺側の頬や舌の動きが弱く、感覚も鈍くなっているため、麻痺側の頬の内側と歯ぐきの間に食べかすがたまりやすく、本人も気づきにくくなります。
Aさんは左片麻痺なので、自分で歯みがきをしてもらったうえで、介護福祉職が左側の頬の内側を確認し、残っている食べかすを清掃します。本人ができる部分は任せ、できない部分を補うことで、自立を支えながら口の中を清潔に保てます。

他の選択肢が不適切な理由
「うがいのときは、顔を上に向けて口の中の水を流してもらう。」は、上を向くと水がのどへ流れ込んで誤嚥しやすいため不適切です。うがいや水を吐き出すときは、やや前かがみで顎を引いた姿勢で行います。
「歯ブラシは力を入れて大きく動かし、短い時間で済ませる。」は、強い力で大きく動かすと歯ぐきを傷つけ、歯と歯ぐきの境目の汚れも落ちにくいため不適切です。軽い力で小刻みに動かします。
「むせを防ぐため、口腔ケアはベッドで仰向けになって行う。」は、仰向けは唾液や水がのどへ流れ込みやすく、かえって誤嚥の危険が高まる姿勢なので不適切です。座位がとれるAさんは座って行います。

試験の罠
片麻痺の口腔ケアでは「食べかすは麻痺側にたまる」が定番です。問題文の麻痺の左右を確認しましょう。姿勢は「座位・前かがみ・顎を引く」。上を向く、仰向けは誤嚥につながる誤答です。
問55-3

Bさん(85歳、男性、要介護5)は、嚥下障害のため口から食事をとっておらず、胃ろうから栄養をとっている。意識ははっきりしているが、口を大きく開けることは難しい。介護福祉職がBさんの口腔ケアを行うときの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①スポンジブラシは水を十分に含ませ、絞らずにそのまま使う。
  • ②口から食べていないので、口腔ケアは週1回程度で足りる。
  • ③口の中の汚れは、手前から奥に向かってぬぐい取っていく。
  • ④口から食べなくても口の中は汚れるため、毎日清潔にする。
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正解 ④口から食べなくても口の中は汚れるため、毎日清潔にする。
解説
口から食べていない人は、かむことや飲み込むことによる刺激がないため唾液の量が減り、唾液が口の中を洗い流す働き(自浄作用)が弱くなります。その結果、口の中が乾燥して細菌が増えやすく、たんや汚れがこびりつきやすくなります。
増えた細菌を含む唾液を誤嚥すると誤嚥性肺炎の原因になるため、経管栄養の人ほど口腔ケアが重要です。口腔ケアは口の中への刺激となり、口腔機能の維持にも役立ちます。

他の選択肢が不適切な理由
「口から食べていないので、口腔ケアは週1回程度で足りる。」は、食べていなくても口の中は汚れ、細菌が増えるため誤りです。毎日の口腔ケアが必要です。
「口の中の汚れは、手前から奥に向かってぬぐい取っていく。」は、汚れをのどの奥へ押し込むことになり、誤嚥の原因になるため不適切です。口の中の汚れは、奥から手前に向かってかき出すようにぬぐいます。
「スポンジブラシは水を十分に含ませ、絞らずにそのまま使う。」は、スポンジからしみ出た水がのどへ流れ込み、誤嚥の危険があるため不適切です。スポンジブラシは水を含ませた後、しっかり絞ってから使います。

試験の罠
「経管栄養だから口腔ケアは不要(少なくてよい)」はよく出る誤りです。口腔ケアは「奥から手前へ」「スポンジはよく絞る」「顔を横に向けるか顎を引いて誤嚥を防ぐ」がポイントです。
問65-3

介護福祉職が利用者のひげそりを介助するときの方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①T字かみそりは、ひげの流れに逆らって強くそり上げる。
  • ②電気かみそりは皮膚を軽く伸ばし、ひげの流れと逆に当てる。
  • ③電気かみそりも、ひげの流れに沿って一方向にだけ当てる。
  • ④出血しやすい人には、電気かみそりよりT字かみそりを使う。
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正解 ②電気かみそりは皮膚を軽く伸ばし、ひげの流れと逆に当てる。
解説
電気かみそりは、網状の外刃から入ったひげを内側の刃で切るしくみです。皮膚を軽く伸ばしてひげを立たせ、ひげの流れと逆の方向に当てると、ひげが外刃の穴に入りやすく、少ない回数でそり残しなくそれるとされています(細かな使い方は製品の取扱説明書に従います)。
高齢者の皮膚は薄く傷つきやすいため、刃は軽く当て、そった後は乳液やクリームで皮膚を保護します。

他の選択肢が不適切な理由
「T字かみそりは、ひげの流れに逆らって強くそり上げる。」は、刃が直接皮膚に当たるT字かみそりを流れに逆らって強く動かすと、皮膚を削って傷つけやすいため不適切です。T字かみそりは、蒸しタオルなどでひげをやわらかくしてから、皮膚を軽く伸ばし、ひげの流れに沿って軽くそります。
「電気かみそりも、ひげの流れに沿って一方向にだけ当てる。」は誤りです。ひげの流れに沿ってそるのは、刃が直接皮膚に触れるT字かみそりで皮膚を傷つけないための方法です。電気かみそりは流れに沿って当てるだけではひげが外刃に入りにくく、そり残しが多くなります。
「出血しやすい人には、電気かみそりよりT字かみそりを使う。」は誤りです。T字かみそりは刃が直接皮膚に触れて切り傷ができやすいため、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人など出血しやすい人には、皮膚を切りにくい電気かみそりが適しています。

試験の罠
「電気かみそりは流れに逆らって、T字かみそりは流れに沿って」と対にして覚えます。どちらも「皮膚を軽く伸ばす」点は共通です。出血しやすい人には電気かみそり、という選び方もあわせて押さえましょう。
問75-3

利用者の目・耳・鼻の清潔を保つための介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①耳あかは、耳かきを奥まで入れてしっかり取り除く。
  • ②鼻の中の汚れは、綿棒を奥まで入れてかき出しておく。
  • ③目やには目頭から目尻へ拭き、拭くたびに面を変える。
  • ④目やには目尻から目頭へ拭き、同じ面で両目を拭く。
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正解 ③目やには目頭から目尻へ拭き、拭くたびに面を変える。
解説
目の周りを拭くときは、ぬらしたガーゼや清潔なタオルを使い、目頭から目尻に向かって拭きます。涙は目尻側から目頭側の涙点へ流れて鼻へ抜けるため、目頭から目尻へ拭くと汚れを涙の通り道に押し込まずにすみます。
また、1回拭いたら面を変え、左右の目で同じ面を使わないことで、片方の目の細菌がもう片方にうつる感染を防ぎます。

他の選択肢が不適切な理由
「耳あかは、耳かきを奥まで入れてしっかり取り除く。」は、耳の奥の皮膚や鼓膜を傷つけ、耳あかをかえって奥へ押し込むおそれがあるため不適切です。介護職が行うのは耳の入口付近の耳あかの除去で、耳あかが詰まって固まった状態(耳垢塞栓)の除去は医療職が行います。
「鼻の中の汚れは、綿棒を奥まで入れてかき出しておく。」は、鼻の粘膜を傷つけて出血させるおそれがあるため不適切です。綿棒は鼻の入口付近にとどめます。
「目やには目尻から目頭へ拭き、同じ面で両目を拭く。」は、汚れを目頭側へ集めてしまい、同じ面で両目を拭くことで感染を広げるおそれがあるため不適切です。

試験の罠
目は「目頭から目尻へ、1回ごとに面を変える」。耳と鼻は「入口付近まで」。耳垢塞栓の除去は医行為に当たる点も、医行為でない行為の範囲とあわせて問われます。
問85-3

Cさん(72歳、男性、要介護2)は脳出血の後遺症で右片麻痺がある。いすに座って、前開きではないかぶり式の長袖シャツを着る。介護福祉職がCさんの着衣を介助するときの手順として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①左腕を袖に通し、次に頭を通してから右腕を通す。
  • ②頭を先に通し、次に左腕、最後に右腕を袖に通す。
  • ③左腕を袖に通し、次に右腕を通してから頭を通す。
  • ④右腕を袖に通し、次に頭を通してから左腕を通す。
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正解 ④右腕を袖に通し、次に頭を通してから左腕を通す。
解説
かぶり式のシャツを着るときも「着患(着るときは患側から)」が原則です。右片麻痺のCさんの患側は右なので、まず右腕を袖に通し、ひじの上まで袖を引き上げます。次に頭を通し、最後に動かしやすい左腕(健側)を通します。
患側の腕を最初に通すと、衣服のゆとりが最も大きい状態で患側を通せるため、麻痺のある腕や肩を無理に動かさずにすみます。Cさんが自分で左腕を通せる場合は、その部分は本人に行ってもらいます。

他の選択肢が不適切な理由
「左腕を袖に通し、次に頭を通してから右腕を通す。」は、健側から着ているため、最後に麻痺のある右腕を窮屈な袖に通すことになり、肩の痛みや脱臼の危険があるので誤りです。
「頭を先に通し、次に左腕、最後に右腕を袖に通す。」は、頭を先に通すとシャツが体に引っかかってゆとりがなくなり、しかも患側が最後になるため、右腕を無理に曲げることになり誤りです。
「左腕を袖に通し、次に右腕を通してから頭を通す。」は、最初に健側の左腕を通しているため、次に通す麻痺のある右腕の袖にゆとりがなくなり、右腕を無理に曲げたり引いたりすることになるため誤りです。

試験の罠
かぶり式は「患側の腕→頭→健側の腕」、脱ぐときは「健側の腕→頭→患側の腕」です。頭を先に通す手順を混ぜた選択肢に注意しましょう。
問95-3

Dさん(83歳、女性、要介護2)は、アルツハイマー型認知症があり、グループホームで暮らしている。最近、朝の着替えのときにタンスの前で立ち止まり、何を着ればよいか分からずに困っている様子がみられる。介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①着る服を2〜3組に絞って示し、その中から選んでもらう。
  • ②選ぶのに時間がかかるため、介護職が毎日決めて着せていく。
  • ③タンスの中の服をすべて出して並べ、自由に選んでもらう。
  • ④着る順番とは関係なく、その日に着る衣服をまとめて手渡す。
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正解 ①着る服を2〜3組に絞って示し、その中から選んでもらう。
解説
認知症の人は、実行機能障害(物事を段取りよく進めることの難しさ)により、たくさんの選択肢から選んだり、手順を組み立てたりすることが難しくなります。選択肢を2〜3組に絞って示すと、迷わずに選びやすくなります。
それでも「自分で選んだ」という経験は大切で、本人の好みや自己決定を尊重することは尊厳の保持につながります。できないことだけを手伝い、できることは本人に行ってもらうことが基本です。

他の選択肢が不適切な理由
「選ぶのに時間がかかるため、介護職が毎日決めて着せていく。」は、本人の自己決定の機会と残っている力を奪うことになり、自立支援と尊厳の保持の考え方に反するため不適切です。
「タンスの中の服をすべて出して並べ、自由に選んでもらう。」は、選択肢が多すぎてかえって混乱を強めるため不適切です。自由に選ぶ機会を尊重する意図はあっても、Dさんの状態に合っていません。
「着る順番とは関係なく、その日に着る衣服をまとめて手渡す。」は、どれから着るか判断できず、下着を上に重ねるなどの混乱を招くため不適切です。着る順に重ねて置く、一枚ずつ渡すなどの工夫をします。

試験の罠
認知症の人の身じたくは「選択肢を絞る」「着る順に並べる」「本人が選ぶ」が正解の定番です。「介護職が全部決める」と「すべてを自由に」はどちらも極端で誤りになりやすいと覚えましょう。
問105-3

Eさん(68歳、女性、要支援2)は関節リウマチがあり、両肩と手指の関節に痛みと動かしにくさがある。朝は手のこわばりが強い。自宅で身じたくを自分で続けたいと希望している。Eさんへの助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①関節を動かす練習のため、痛みがあっても腕を高く上げてもらう。
  • ②こわばりの強い朝の時間帯に、身じたくを急いで済ませてもらう。
  • ③柄の長いくしを使い、腕を高く上げずに自分で髪を整えてもらう。
  • ④ボタンが小さく、体にぴったりと合う服を選んで着てもらう。
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正解 ③柄の長いくしを使い、腕を高く上げずに自分で髪を整えてもらう。
解説
関節リウマチは、関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、変形が進む病気です。関節に負担をかけずに日常生活を続けるため、自助具(障害のある人が自分で動作を行えるよう工夫された道具)の活用が勧められます。
柄の長いくし(長柄ブラシ)を使えば、痛む肩を高く上げなくても自分で髪を整えられます。本人の「自分で続けたい」という希望にも沿い、自立した生活の維持につながります。

他の選択肢が不適切な理由
「関節を動かす練習のため、痛みがあっても腕を高く上げてもらう。」は、痛みのある関節に無理な負担をかけ、炎症や変形を悪化させるおそれがあるため不適切です。運動は痛みのない範囲で行います。
「こわばりの強い朝の時間帯に、身じたくを急いで済ませてもらう。」は、関節リウマチでは朝のこわばりが強く動かしにくいため不適切です。時間にゆとりをもち、こわばりがやわらいでから行えるよう工夫します。
「ボタンが小さく、体にぴったりと合う服を選んで着てもらう。」は、手指の動きが悪い人には小さなボタンの操作が難しく、体に密着した服は着脱時に関節に負担をかけるため不適切です。大きなボタンや面ファスナー、ゆとりのある前開きの服が適しています。

試験の罠
関節リウマチは「関節に負担をかけない」「朝のこわばり」「自助具の活用」がキーワードです。長柄ブラシ、ボタンエイド、リーチャーなどの自助具の名前と用途もあわせて覚えましょう。

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