ベッド上で仰向けに寝ている利用者を、介護福祉職が一人でベッドの頭の方へ移動させる(上方移動)ときのボディメカニクスの活用として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ①利用者の体から離れて立ち、腕の力を中心にして引き上げる。
- ②両足をそろえて立ち、腰をひねりながら利用者を引き寄せる。
- ③利用者に膝を立てて腕を組んでもらい、体を小さくまとめる。
- ④利用者の手足を伸ばしてもらい、体とシーツの接地面を広げる。
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ボディメカニクスとは、骨・関節・筋肉の動きの力学的な関係を活用して、少ない力で安全に介助する技術です。ベッド上で利用者を移動させるときは、利用者に膝を立てて腕を胸の上で組んでもらい、体を小さくまとめます。
体を小さくまとめると、ベッドと接する面積が小さくなって摩擦が減り、体の重さも一つにまとまるため、小さな力で動かせます。膝を立てておくと、利用者自身が足でベッドを押して動きを助けることもでき、残っている力を活かした介助になります。
他の選択肢が不適切な理由
「利用者の体から離れて立ち、腕の力を中心にして引き上げる。」は誤りです。介助者と利用者の重心が近いほど少ない力で動かせるため、利用者に体を近づけ、腕だけでなく脚や体幹などの大きな筋肉を使って動かします。
「両足をそろえて立ち、腰をひねりながら利用者を引き寄せる。」は、足をそろえると体を支える面(支持基底面)が狭くなって不安定になり、腰をひねる動作は腰痛の大きな原因になるため不適切です。足を前後左右に開き、動かす方向につま先を向けます。
「利用者の手足を伸ばしてもらい、体とシーツの接地面を広げる。」は、ベッドとの接地面が広がって摩擦が大きくなり、動かすのに大きな力が必要になるため不適切です。皮膚がこすれて傷つく原因にもなります。
試験の罠
ボディメカニクスの主な原則には「支持基底面は広く」「重心は低く」「利用者に近づく」「利用者を小さくまとめる」「摩擦を小さく」「腰をひねらない」などがあります。一つだけ逆にした選択肢が出るので、どの語が逆になっているかを確かめましょう。