2026年版・4-1

人間関係の形成とコミュニケーションの基礎の一問一答

介護福祉士国家試験「人間関係とコミュニケーション・コミュニケーション技術」から、人間関係の形成とコミュニケーションの基礎に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問14-1

介護福祉職における自己覚知の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①利用者の生活歴や性格を、詳しく調べて理解すること
  • ②自分の価値観や感情の傾向を知り、援助に生かすこと
  • ③利用者の気持ちを、自分のことのように感じ取ること
  • ④自分の考えを、相手に分かりやすく論理的に伝えること
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正解 ②自分の価値観や感情の傾向を知り、援助に生かすこと
解説
自己覚知とは、援助する人が自分自身の価値観、感情の動き、ものの見方の癖などを理解することです。人は誰でも、自分の経験や価値観をもとに相手を判断してしまいがちです。
たとえば「自分が苦手なタイプの利用者には冷たくしてしまう」といった傾向に気づいていれば、それが援助に影響しないように意識できます。自己覚知は、利用者をありのまま受け止め、偏りのない援助を行うための土台となります。

他の選択肢が不適切な理由
「利用者の生活歴や性格を、詳しく調べて理解すること」は、利用者を理解すること(他者理解)の説明であり、援助者が自分自身を理解する自己覚知とは異なるためです。
「利用者の気持ちを、自分のことのように感じ取ること」は、共感の説明だからです。共感では、相手の気持ちを相手の立場に立って理解しようとします。
「自分の考えを、相手に分かりやすく論理的に伝えること」は、自己表現や説明の技術に関することであり、自分自身を知る自己覚知とは異なるためです。

試験の罠
「自己覚知=自分を知る」「他者理解=相手を知る」「共感=相手の気持ちを相手の立場で理解する」と区別しましょう。自己覚知は、ジョハリの窓などを使って深めることができます。
問24-1

非言語的コミュニケーションに当たるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①手紙に書いた文章で、自分の思いを伝えること
  • ②電子メールの文面で、必要な用件を伝えること
  • ③相手の目を見て、うなずきながら話を聴くこと
  • ④分かりやすい言葉を選んで、ゆっくり話すこと
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正解 ③相手の目を見て、うなずきながら話を聴くこと
解説
コミュニケーションは、言葉を使う言語的コミュニケーションと、言葉以外の手段を使う非言語的コミュニケーションに分けられます。非言語的コミュニケーションには、表情、視線、うなずき、身振り、姿勢、相手との距離、身体への接触(タッチング)などがあります。
相手の目を見て、うなずきながら話を聴くことは、「あなたの話をしっかり聴いています」という気持ちを言葉を使わずに伝える非言語的コミュニケーションです。言葉と同じくらい、あるいはそれ以上に、相手に多くのことを伝えます。

他の選択肢が不適切な理由
「手紙に書いた文章で、自分の思いを伝えること」は、文字(言葉)を使って伝えるため、言語的コミュニケーションに当たるからです。
「電子メールの文面で、必要な用件を伝えること」は、文字(言葉)を使って伝えるため、言語的コミュニケーションに当たるからです。
「分かりやすい言葉を選んで、ゆっくり話すこと」は、言葉を使って伝える言語的コミュニケーションだからです。話す速さのような声の特徴は準言語と呼ばれますが、言葉を選んで話すこと自体は言語的コミュニケーションです。

試験の罠
文字や手話も「言葉」なので言語的コミュニケーションに分類されます。「話し言葉かどうか」ではなく「言葉(記号としての言語)を使うかどうか」で区別する点に注意しましょう。
問34-1

ジョハリの窓で、「自分は気づいていないが、他人は知っている自分」の領域として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①盲点の窓
  • ②開放の窓
  • ③秘密の窓
  • ④未知の窓
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正解 ①盲点の窓
解説
ジョハリの窓は、ルフトとインガムが考案したもので、自分について「自分が知っているか」「他人が知っているか」の2つの軸で、心の中を4つの領域に分けて考えます。
盲点の窓(気づかない窓)は、自分では気づいていないが、他人は知っている領域です。たとえば、自分では気づかない口癖や表情の癖などがこれに当たります。他人からの指摘(フィードバック)を受けることで、この領域を小さくし、自己覚知を深めることができます。

他の選択肢が不適切な理由
「開放の窓」は、自分も知っていて、他人も知っている領域だからです。この領域が広いほど、互いに理解し合った円滑な人間関係を築きやすいとされます。
「秘密の窓」は、自分は知っているが、他人には知られていない領域だからです(隠された窓とも呼ばれます)。自分のことを相手に話す自己開示によって小さくなります。
「未知の窓」は、自分も他人も知らない領域だからです。新しい経験などを通じて気づくことがある領域です。

試験の罠
「盲点=他人は知っている・自分は知らない」「秘密=自分は知っている・他人は知らない」の取り違えが定番のひっかけです。開放の窓を広げる方法は「自己開示」と「フィードバックを受けること」です。
問44-1

バイステック(Biestek, F.)の7原則のうち、「非審判的態度」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①利用者を、一人ひとり異なる個人として捉えて関わる
  • ②利用者が感情を自由に表現できるよう、意図して働きかける
  • ③援助者自身の感情を自覚し、コントロールして関わる
  • ④利用者の言動を、援助者の価値観で一方的に裁かない
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正解 ④利用者の言動を、援助者の価値観で一方的に裁かない
解説
バイステックの7原則は、援助関係を築くための基本的な原則です。個別化、意図的な感情の表出、統制された情緒的関与、受容、非審判的態度、利用者の自己決定、秘密保持の7つからなります。
非審判的態度とは、利用者の言動や考え方を、援助者の価値観や倫理観で一方的に「良い・悪い」と裁いたり、責めたりしないことです。援助者に裁かれないと感じることで、利用者は安心して自分の気持ちや問題を話せるようになります。

他の選択肢が不適切な理由
「利用者を、一人ひとり異なる個人として捉えて関わる」は、個別化の原則の説明だからです。同じような問題でも、一人ひとり異なる人として捉えて対応します。
「利用者が感情を自由に表現できるよう、意図して働きかける」は、意図的な感情の表出の原則の説明だからです。否定的な感情も含めて表現できるよう働きかけます。
「援助者自身の感情を自覚し、コントロールして関わる」は、統制された情緒的関与の原則の説明だからです。利用者の感情に巻き込まれず、適切に反応することを指します。

試験の罠
7原則の名前と内容の組合せが問われます。「非審判的態度=裁かない」「受容=ありのまま受け止める」は似ていますが、受容は受け止めること、非審判的態度は評価・判断しないことに重点がある点で区別しましょう。
問54-1

準言語(パラ言語)に当たるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①相手との間に取る物理的な距離
  • ②話の中で使われる言葉の意味や内容
  • ③身振りや手振り、顔の表情の変化
  • ④声の大きさや話す速さ、声の調子
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正解 ④声の大きさや話す速さ、声の調子
解説
準言語(パラ言語)とは、話し言葉にともなう、声の大きさ、高さ、話す速さ、声の調子(抑揚)、間の取り方などのことです。同じ「大丈夫ですよ」という言葉でも、優しくゆっくり言うか、早口で強く言うかで、相手の受け取り方は大きく変わります。
高齢者と話すときは、聞き取りやすい高さや速さ、落ち着いた声の調子を意識することが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
「話の中で使われる言葉の意味や内容」は、言葉そのものが伝える内容であり、言語的コミュニケーションに当たるためです。
「身振りや手振り、顔の表情の変化」は、声を使わずに体の動きで伝えるもので、非言語的コミュニケーションのうち動作や表情に関するものに当たるためです。
「相手との間に取る物理的な距離」は、パーソナルスペース(空間の使い方)に関するものであり、非言語的コミュニケーションの一部ですが、声にともなう準言語ではないためです。

試験の罠
準言語は「声」に関する要素(大きさ・高さ・速さ・抑揚・間)と覚えましょう。準言語を非言語的コミュニケーションに含めて分類する考え方もありますが、言葉の内容そのものとは区別されます。
問64-1

ホール(Hall, E.)が示した対人距離の分類で、親しい友人や知人と個人的な会話をするときの距離(個体距離)の目安として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①0〜45cm程度
  • ②45〜120cm程度
  • ③120〜360cm程度
  • ④360cm以上
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正解 ②45〜120cm程度
解説
アメリカの文化人類学者ホールは、人と人との距離を4つに分類しました。密接距離(0〜45cm程度)、個体距離(45〜120cm程度)、社会距離(120〜360cm程度)、公衆距離(360cm以上)です。
個体距離は、親しい友人や知人と個人的な会話をするときの距離で、手を伸ばせば相手に触れられる程度の距離です。人は自分の周りに、他人に入ってほしくない空間(パーソナルスペース)を持っており、介護職はその広さに配慮して関わる必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「0〜45cm程度」は、密接距離の目安だからです。家族や恋人など、ごく親しい人との間で許される距離で、それ以外の人が入ると不快に感じやすくなります。
「120〜360cm程度」は、社会距離の目安だからです。仕事の打ち合わせなど、改まった場面でとられる距離です。
「360cm以上」は、公衆距離の目安だからです。講演など、一人が多くの人に向けて話す場面でとられる距離で、個人的な会話には遠すぎる距離です。

試験の罠
「密接(〜45cm)・個体(45〜120cm)・社会(120〜360cm)・公衆(360cm〜)」を順に覚えましょう。介護では身体介助で密接距離に入るため、声をかけて了解を得てから触れることが大切です。
問74-1

介護福祉職が利用者を「受容」するときの態度として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①利用者の言動をすべて正しいと認めて、そのまま同意する
  • ②利用者の要求には、どのようなものでもすべて応えていく
  • ③利用者の考えを否定して、正しい考え方を指導していく
  • ④利用者のありのままの姿を、一人の人として受け止める
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正解 ④利用者のありのままの姿を、一人の人として受け止める
解説
受容とは、利用者の長所や短所、好ましい態度や好ましくない態度、肯定的な感情や否定的な感情も含めて、その人のありのままの姿を、かけがえのない一人の人として受け止めることです。
受け止めてもらえたと感じることで、利用者は安心し、援助者を信頼して自分の気持ちを表すことができるようになります。受容は、信頼関係(ラポール)を築くための基本的な態度です。

他の選択肢が不適切な理由
「利用者の言動をすべて正しいと認めて、そのまま同意する」は、受容は利用者の考えや行動を「正しい」と評価して同意することではないためです。たとえば他者を傷つける行動を認めるのではなく、その背景にある気持ちを受け止めます。
「利用者の要求には、どのようなものでもすべて応えていく」は、受け止めることと要求をすべてかなえることは別であり、実現が難しい要求には、気持ちを受け止めたうえで話し合うことが必要だからです。
「利用者の考えを否定して、正しい考え方を指導していく」は、援助者の価値観で利用者の考えを裁くことになり、受容や非審判的態度とは反対の態度だからです。

試験の罠
「受容=同意・許容・言いなり」ではありません。「気持ちや存在は受け止めるが、行動をすべて認めるわけではない」という区別が問われます。
問84-1

介護福祉職が利用者に対して用いる開かれた質問(オープン・クエスチョン)として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①昨夜は、ぐっすりと眠ることができましたか
  • ②お昼ご飯は、魚と肉のどちらにしますか
  • ③暮らしで困っていることを教えてください
  • ④お風呂は、今日の午後に入ることにしますか
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正解 ③暮らしで困っていることを教えてください
解説
開かれた質問(オープン・クエスチョン)とは、「はい・いいえ」や短い言葉で答えるのではなく、相手が自由に考えや気持ちを話せるような質問です。「どんなことですか」「教えてください」といった形をとります。
利用者の思いや考えを幅広く知りたいときに有効で、利用者が自分の言葉で語ることで、本人も自分の気持ちに気づくことがあります。一方で、考えて答える負担もあるため、相手の状態に応じて使い分けます。

他の選択肢が不適切な理由
「昨夜は、ぐっすりと眠ることができましたか」は、「はい」「いいえ」で答えられる閉じられた質問(クローズド・クエスチョン)だからです。
「お昼ご飯は、魚と肉のどちらにしますか」は、決められた選択肢の中から選んで答える閉じられた質問だからです。
「お風呂は、今日の午後に入ることにしますか」は、「はい」「いいえ」で答えられる閉じられた質問だからです。

試験の罠
閉じられた質問は、事実の確認や、言葉で表現することが難しい人(運動性失語症の人など)とのやりとりに向いています。開かれた質問と閉じられた質問を、相手や場面に応じて使い分けることが問われます。
問94-1

Jさん(83歳、女性、要介護3)は、1週間前に介護老人福祉施設に入所した。居室で「家に帰りたい。ここには知っている人が誰もいない」と涙ぐんでいる。介護福祉職の共感的な応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①「知っている人がいないので、心細いのですね」
  • ②「私も最初は同じでしたから、よく分かります」
  • ③「皆さんとお茶を飲めば、すぐ仲良くなれますよ」
  • ④「家に帰りたい理由を、詳しく教えてください」
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正解 ①「知っている人がいないので、心細いのですね」
解説
共感とは、相手の気持ちを、相手の立場に立って、その人が感じているように理解しようとすることです。そして理解した気持ちを言葉にして相手に返すことで、「分かってもらえた」という安心感が生まれます。
Jさんは、慣れない環境で知っている人がいない寂しさや不安を感じています。その気持ちを「心細いのですね」と言葉にして返す応答は、Jさんの気持ちに寄り添う共感的な応答です。

他の選択肢が不適切な理由
「「私も最初は同じでしたから、よく分かります」」は、介護福祉職自身の体験に置き換えており、Jさんの気持ちそのものを理解しようとする応答になっていないためです。相手の経験と自分の経験は同じではありません。
「「皆さんとお茶を飲めば、すぐ仲良くなれますよ」」は、励ましや提案によって話題を先に進めてしまい、今のJさんの寂しさや不安を受け止めていないためです。
「「家に帰りたい理由を、詳しく教えてください」」は、理由を問い詰めるように聞こえ、涙ぐんでいるJさんの気持ちにまず寄り添う応答になっていないためです。

試験の罠
共感的な応答は「相手の気持ちを言葉にして返す」形です。励まし・自分の体験談・理由の追及・話題の転換は、善意であっても共感的な応答には当たらないと覚えましょう。
問104-1

Kさん(80歳、女性)は、介護福祉職との会話で「息子は仕事が忙しいから来ないのよ。別に寂しくなんかないわ。…でも、この前の誕生日くらいは来てほしかったわね」と話した。介護福祉職が「明確化」の技法を用いた応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①「息子さんは、お仕事がとてもお忙しいのですね」
  • ②「本当は、会えなくて寂しいお気持ちもあるのですね」
  • ③「息子さんが最後に来られたのは、いつでしたか」
  • ④「お仕事が忙しくて、誕生日にも来られなかったのですね」
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正解 ②「本当は、会えなくて寂しいお気持ちもあるのですね」
解説
明確化とは、相手がうまく言葉にできていない気持ちや考えを、援助者が言葉にして示し、確かめる技法です。Kさんは「寂しくなんかない」と言いながらも、「誕生日くらいは来てほしかった」と話しており、言葉の奥に寂しさがうかがえます。
「本当は寂しいお気持ちもあるのですね」と言葉にすることで、Kさん自身が自分の気持ちに気づき、より深く話せるきっかけになります。ただし、決めつけにならないよう、確かめる姿勢で伝えることが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
「「息子さんは、お仕事がとてもお忙しいのですね」」は、相手の言葉をそのまま返す「繰り返し」の技法であり、言葉の奥にある気持ちを言葉にする明確化ではないためです。
「「息子さんが最後に来られたのは、いつでしたか」」は、事実を確かめる閉じられた質問であり、Kさんの気持ちを明らかにする応答ではないためです。
「「お仕事が忙しくて、誕生日にも来られなかったのですね」」は、Kさんが話した出来事の要点をまとめて返す「要約」の技法であり、言葉の奥にある寂しさを言葉にして確かめる明確化ではないためです。

試験の罠
「繰り返し=相手の言葉をそのまま返す」「要約=話の要点をまとめて返す」「明確化=言葉にできていない気持ちを言葉にする」「言い換え=別の言葉で表現し直す」と区別しましょう。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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