2026年版・3-2

社会保障制度と介護保険制度の一問一答

介護福祉士国家試験「社会の理解」から、社会保障制度と介護保険制度に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問13-2

日本で国民皆保険・国民皆年金が実現した年として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①1947年
  • ②1961年
  • ③1973年
  • ④2000年
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正解 ②1961年
解説
1958年に国民健康保険法が全面改正され、1959年に国民年金法が制定されました。これにより、1961年(昭和36年)から、すべての国民が何らかの公的医療保険と公的年金に加入するしくみ(国民皆保険・国民皆年金)が実現しました。
それまでは自営業者や農業に従事する人など、医療保険や年金に加入していない人が多くいました。皆保険・皆年金は、日本の社会保障制度の骨格となっています。

他の選択肢が不適切な理由
「1947年」は、児童福祉法が制定された年であり、日本国憲法が施行された年でもあるためです。皆保険・皆年金の実現はその後のことです。
「1973年」は、老人医療費の無料化などが行われ「福祉元年」と呼ばれた年だからです。同じ年に第一次石油危機が起こり、その後、社会保障の見直しが進みました。
「2000年」は、介護保険法が施行された年だからです。社会保険として5番目の制度が加わりました。

試験の罠
社会保障の歴史は「1961年皆保険・皆年金」「1973年福祉元年」「1982年老人保健法」「2000年介護保険法施行」の流れで押さえましょう。
問23-2

老人福祉法に定められた老人福祉施設として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①養護老人ホーム
  • ②介護老人保健施設
  • ③介護医療院
  • ④有料老人ホーム
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正解 ①養護老人ホーム
解説
老人福祉法第5条の3は、老人福祉施設として、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センターの7種類を定めています。
養護老人ホームは、環境上の理由と経済的な理由によって、自宅で生活することが難しい65歳以上の人を、市町村の措置によって入所させる施設です(第20条の4)。

他の選択肢が不適切な理由
「介護老人保健施設」は、介護保険法に定められた介護保険施設であり、老人福祉法の老人福祉施設ではないためです。
「介護医療院」は、2018年に創設された、介護保険法に定められた介護保険施設であり、老人福祉法の老人福祉施設ではないためです。
「有料老人ホーム」は、老人福祉法第29条に届出などの規定がありますが、第5条の3に列挙された老人福祉施設には含まれないためです。入居者に食事の提供や介護などを行う施設で、民間事業者が多く運営しています。

試験の罠
特別養護老人ホームは老人福祉法の「老人福祉施設」で、介護保険法では「介護老人福祉施設」として指定を受けます。1つの施設が2つの法律で違う名前を持つ点がよく問われます。
問33-2

介護保険の財源構成に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①財源のすべてを、被保険者が納める保険料でまかなっている
  • ②公費が9割、保険料が1割という割合で財源が構成されている
  • ③第1号被保険者の保険料だけで、給付費の半分をまかなっている
  • ④利用者負担を除く給付費を、公費と保険料で半分ずつ負担する
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正解 ④利用者負担を除く給付費を、公費と保険料で半分ずつ負担する
解説
介護保険の給付費(利用者負担を除いた部分)は、公費(税金)で50%、被保険者の保険料で50%をまかなうしくみになっています。公費の内訳は、居宅給付費では国25%・都道府県12.5%・市町村12.5%、施設等給付費では国20%・都道府県17.5%・市町村12.5%です。国の負担には、市町村の財政力の差を調整するための調整交付金(全体で5%)が含まれます。
保険料の部分は、第1号被保険者と第2号被保険者の人数の比率に応じて、3年ごとに負担割合が定められます。税と保険料を組み合わせることで、制度を社会全体で支えています。

他の選択肢が不適切な理由
「財源のすべてを、被保険者が納める保険料でまかなっている」は、給付費の半分は国・都道府県・市町村の公費でまかなわれているためです。
「公費が9割、保険料が1割という割合で財源が構成されている」は、公費と保険料の割合は半分ずつだからです。「9割・1割」は、保険給付と利用者負担の割合(原則)と混同しやすい数字です。
「第1号被保険者の保険料だけで、給付費の半分をまかなっている」は、保険料の50%は、第1号被保険者と第2号被保険者の保険料を合わせたものだからです。

試験の罠
「公費50%・保険料50%」が基本です。市町村の負担は居宅・施設とも12.5%で共通、国と都道府県の割合が居宅と施設で違う点も狙われます。
問43-2

第1号被保険者の介護保険料の納め方に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①医療保険の保険料と一緒に、加入する医療保険者が徴収する
  • ②すべての人が、市町村の窓口に出向いて直接納めることになる
  • ③年金が年18万円以上の人は、原則として年金から天引きされる
  • ④勤務先の事業主が、給与から差し引かずに全額を負担して納める
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正解 ③年金が年18万円以上の人は、原則として年金から天引きされる
解説
第1号被保険者(65歳以上)の保険料は、市町村が徴収します。受け取っている老齢・障害・遺族年金の額が年18万円以上の人は、原則として年金から差し引かれる方法(特別徴収)で納めます。年金額が年18万円未満の人などは、納付書や口座振替で市町村に納めます(普通徴収)。
保険料の額は、市町村ごとに条例で定められ、所得に応じた段階が設けられています。

他の選択肢が不適切な理由
「医療保険の保険料と一緒に、加入する医療保険者が徴収する」は、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)の保険料の納め方だからです。
「すべての人が、市町村の窓口に出向いて直接納めることになる」は、年金が年18万円以上の人は年金からの天引きが原則であり、すべての人が窓口で納めるわけではないためです。
「勤務先の事業主が、給与から差し引かずに全額を負担して納める」は、第1号被保険者の保険料は本人が納めるもので、事業主が全額を負担するしくみではないためです。第2号被保険者の健康保険では事業主も保険料の一部を負担します。

試験の罠
第1号被保険者は「市町村が徴収(年18万円以上は年金天引き=特別徴収)」、第2号被保険者は「医療保険者が医療保険料と一緒に徴収」と整理しましょう。
問53-2

介護保険法に定められた保険給付の種類の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①生活扶助・介護扶助・医療扶助
  • ②介護給付・訓練等給付・自立支援医療
  • ③療養の給付・高額療養費・出産育児一時金
  • ④介護給付・予防給付・市町村特別給付
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正解 ④介護給付・予防給付・市町村特別給付
解説
介護保険法第18条は、保険給付として、要介護状態に関する介護給付、要支援状態に関する予防給付、そして市町村が条例で独自に定める市町村特別給付の3つを定めています。
市町村特別給付は、要介護状態等の軽減や悪化の防止に役立つもので、たとえば配食サービスや移送サービスなど、法律で定められた給付に上乗せ・横出しする形で市町村が独自に行うもので、財源は第1号被保険者の保険料です。

他の選択肢が不適切な理由
「介護給付・訓練等給付・自立支援医療」は、訓練等給付と自立支援医療は障害者総合支援法の自立支援給付の種類だからです。
「療養の給付・高額療養費・出産育児一時金」は、健康保険法など医療保険の保険給付の種類だからです。
「生活扶助・介護扶助・医療扶助」は、生活保護法に定められた扶助の種類だからです。生活保護の扶助は全部で8種類あり、介護扶助は介護保険の給付に相当する介護を生活保護の中で行うものです。

試験の罠
介護保険の保険給付は「介護給付(要介護1〜5)」「予防給付(要支援1・2)」「市町村特別給付」の3つです。地域支援事業は保険給付とは別の「事業」である点も区別しましょう。
問63-2

介護保険の地域支援事業のうち、包括的支援事業に含まれるものとして、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①訪問介護
  • ②在宅医療・介護連携推進事業
  • ③介護予防・生活支援サービス事業
  • ④福祉用具貸与
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正解 ②在宅医療・介護連携推進事業
解説
地域支援事業は、介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業の3つで構成されます(介護保険法第115条の45)。包括的支援事業には、第1号介護予防支援事業(介護予防ケアマネジメント)、総合相談支援業務、権利擁護業務、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務のほか、在宅医療・介護連携推進事業、生活支援体制整備事業、認知症総合支援事業が含まれます。
在宅医療・介護連携推進事業は、医療と介護の両方を必要とする高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、医療機関と介護事業者などの連携を推進するものです。

他の選択肢が不適切な理由
「訪問介護」は、介護給付の居宅サービスの1つであり、地域支援事業ではないためです。
「介護予防・生活支援サービス事業」は、地域支援事業のうち介護予防・日常生活支援総合事業に含まれるもので、包括的支援事業ではないためです。要支援者などへの訪問型・通所型サービスなどがあります。
「福祉用具貸与」は、介護給付・予防給付の居宅サービスの1つであり、地域支援事業ではないためです。

試験の罠
地域支援事業の3本柱「総合事業」「包括的支援事業」「任意事業」の区別が問われます。包括的支援事業は主に地域包括支援センターなどが担い、医療・介護連携、生活支援体制整備、認知症総合支援が含まれる点を押さえましょう。
問73-2

介護支援専門員に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①国家資格であり、厚生労働大臣の免許を受けて業務を行っている
  • ②一度登録を受ければ、その後の更新の手続きは必要とされない
  • ③介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新には研修受講が必要
  • ④業務独占のため、居宅サービス計画は本人や家族では作れない
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正解 ③介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新には研修受講が必要
解説
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険法に定められた職で、一定の実務経験を持つ人が都道府県知事の行う試験に合格し、研修を修了して、都道府県知事の登録を受けます。業務を行うには介護支援専門員証の交付を受ける必要があります。
介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新するには都道府県知事が行う更新研修を受けなければなりません(第69条の7、第69条の8)。制度の変化に対応した知識を学び続けるためのしくみです。

他の選択肢が不適切な理由
「国家資格であり、厚生労働大臣の免許を受けて業務を行っている」は、介護支援専門員は都道府県知事の登録を受けるもので、厚生労働大臣の免許による国家資格ではないためです。
「一度登録を受ければ、その後の更新の手続きは必要とされない」は、介護支援専門員証には5年の有効期間があり、更新研修を受けて更新する必要があるためです。
「業務独占のため、居宅サービス計画は本人や家族では作れない」は、居宅サービス計画は利用者本人や家族が自ら作成して市町村に届け出ることもでき(いわゆるセルフケアプラン)、介護支援専門員の業務独占ではないためです。

試験の罠
介護福祉士(国家資格・国の介護福祉士登録簿への登録・更新制度なし)と、介護支援専門員(都道府県知事の登録・介護支援専門員証は5年更新)の違いがよく問われます。
問83-2

介護保険施設に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①介護老人福祉施設の新規入所は、原則として要介護1以上の人が対象
  • ②介護老人保健施設は、長期療養と日常生活の世話を一体で行う生活施設
  • ③介護医療院は、在宅復帰をめざすリハビリテーションを中心とする施設
  • ④介護老人福祉施設の新規入所は、原則として要介護3以上の人が対象
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正解 ④介護老人福祉施設の新規入所は、原則として要介護3以上の人が対象
解説
2015年4月から、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)への新規入所は、原則として要介護3以上の人に限られています。在宅での生活が難しい中重度の要介護者を支える施設として重点化されたためです。
ただし、要介護1・2の人でも、認知症や知的障害・精神障害などで日常生活に支障をきたす症状が頻繁に見られる場合や、家族による虐待が深刻な場合など、やむを得ない事情があるときは特例的に入所が認められることがあります。

他の選択肢が不適切な理由
「介護老人福祉施設の新規入所は、原則として要介護1以上の人が対象」は、2015年4月からは原則として要介護3以上に限られているためです。要介護1・2の人は特例入所の場合に限られます。
「介護老人保健施設は、長期療養と日常生活の世話を一体で行う生活施設」は、介護医療院の説明だからです。介護老人保健施設は、心身の機能の維持回復を図り、在宅での生活に戻ることを支援する施設です。
「介護医療院は、在宅復帰をめざすリハビリテーションを中心とする施設」は、介護老人保健施設の説明だからです。介護医療院は、長期にわたり療養が必要な人に医療と日常生活上の世話を一体的に提供する施設です。

試験の罠
「特養=生活の場・原則要介護3以上」「老健=在宅復帰をめざす中間施設」「介護医療院=長期療養と生活の場」の組合せを入れ替えた選択肢に注意しましょう。介護療養型医療施設は2024年3月末で廃止されています。
問93-2

国民年金に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①保険料は、本人が所得に応じて自由に金額を決めて納めていく
  • ②日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は、原則として加入する
  • ③老齢基礎年金は、原則として70歳から受給が始まるしくみである
  • ④障害基礎年金は、老齢基礎年金の受給年齢になるまで受け取れない
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正解 ②日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は、原則として加入する
解説
国民年金は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満のすべての人が加入する公的年金制度です(国民年金法第7条)。自営業者などの第1号被保険者、会社員や公務員などの第2号被保険者、第2号被保険者に扶養される配偶者の第3号被保険者に分かれます。
国民年金からは、老齢・障害・死亡に対して、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金が支給されます。すべての人に共通する基礎年金として、年金制度の土台となっています。

他の選択肢が不適切な理由
「保険料は、本人が所得に応じて自由に金額を決めて納めていく」は、第1号被保険者の国民年金保険料は法律で定められた定額であり、本人が自由に決めるものではないためです。所得が少ない場合には、申請による免除や納付猶予の制度があります。
「老齢基礎年金は、原則として70歳から受給が始まるしくみである」は、老齢基礎年金の受給開始は原則として65歳からだからです。本人の希望で繰上げ受給や繰下げ受給を選ぶこともできます。
「障害基礎年金は、老齢基礎年金の受給年齢になるまで受け取れない」は、障害基礎年金は、一定の障害の状態になったときに年齢にかかわらず支給されるもので、老後を待つ必要はないためです。

試験の罠
国民年金は「20歳以上60歳未満」、老齢基礎年金の受給は「原則65歳から」です。介護保険の「40歳」「65歳」と混同しないように整理しましょう。
問103-2

Gさん(58歳、男性)は会社員で、健康保険に加入している。脳梗塞で入院し、右片麻痺の後遺症が残った。退院後は自宅で生活するため、介護サービスを利用したいと考えている。Gさんに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①脳血管疾患は特定疾病で、要介護認定を受ければ介護保険を使える
  • ②65歳未満のため、介護保険のサービスを利用することはできない
  • ③医師の診断書があれば、要介護認定を受けずに介護保険を利用できる
  • ④第2号被保険者の利用者負担は、所得にかかわらず一律に3割である
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正解 ①脳血管疾患は特定疾病で、要介護認定を受ければ介護保険を使える
解説
Gさんは40歳以上65歳未満で健康保険に加入しているため、介護保険の第2号被保険者です。第2号被保険者は、要介護状態の原因が特定疾病である場合に介護保険の給付を受けられます。脳血管疾患(脳梗塞など)は16種類の特定疾病の1つです。
したがって、Gさんは市町村に申請して要介護認定を受ければ、介護保険のサービスを利用できます。利用者負担は、第2号被保険者の場合は原則として1割です。

他の選択肢が不適切な理由
「65歳未満のため、介護保険のサービスを利用することはできない」は、第2号被保険者も特定疾病が原因で要介護状態になった場合は、介護保険のサービスを利用できるためです。
「医師の診断書があれば、要介護認定を受けずに介護保険を利用できる」は、介護保険の給付を受けるには、年齢にかかわらず市町村の要介護認定を受ける必要があるためです。医師の関わりは主治医意見書の作成という形で行われます。
「第2号被保険者の利用者負担は、所得にかかわらず一律に3割である」は、第2号被保険者の利用者負担は原則1割だからです。所得に応じて2割・3割となるしくみは、第1号被保険者に適用されるものです。

試験の罠
第2号被保険者の事例では「原因が特定疾病かどうか」がまず問われます。交通事故などのけがは特定疾病ではない点、2割・3割負担は第1号被保険者だけの話である点もよく狙われます。

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