Aさん(84歳、女性、要介護5)は、脳梗塞の後遺症で嚥下障害があり、介護老人福祉施設で胃ろうから栄養剤の注入を受けている。この施設は登録喀痰吸引等事業者であり、医師の指示書に基づき、必要な研修を修了した介護福祉士が経管栄養を担当している。ある日、注入の途中でAさんが急に嘔吐した。介護福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ①栄養が不足しないよう、注入の速度を上げて最後まで入れる。
- ②嘔吐物を片付けてから、同じ速度で注入をそのまま続けていく。
- ③胃ろうのチューブを抜いて、胃の内容物を外へ出しておく。
- ④ただちに注入を止め、顔を横に向けてから看護職に連絡する。
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経管栄養の注入中に嘔吐がみられた場合は、ただちに注入を中止します。嘔吐物が気管に入ると誤嚥性肺炎や窒息を起こすおそれがあるため、顔を横に向けるなどして嘔吐物が口の外へ流れ出るようにし、誤嚥を防ぎます。
そのうえで、速やかに看護職に連絡し、指示を受けます。医療的ケアを行う介護福祉士は、異常を見つけたときに自分で判断して処置を続けるのではなく、医療職と連携して安全を確保することが求められます。嘔吐の状況や注入量、時間などは記録し、報告します。
他の選択肢が不適切な理由
「栄養が不足しないよう、注入の速度を上げて最後まで入れる。」は、嘔吐している状態で注入を続けると、さらに嘔吐を誘発して誤嚥の危険を高めるため不適切です。注入の速度が速すぎることも嘔吐の原因になります。
「嘔吐物を片付けてから、同じ速度で注入をそのまま続けていく。」は、嘔吐の原因が分からないまま注入を再開することになり、再び嘔吐して誤嚥する危険があるため不適切です。再開するかどうかは医療職が判断します。
「胃ろうのチューブを抜いて、胃の内容物を外へ出しておく。」は、胃ろうのチューブの抜去や入れ替えは介護職が行える範囲を超える行為であり、ろう孔(胃ろうの穴)の損傷にもつながるため不適切です。
試験の罠
経管栄養中の異常(嘔吐・むせ・腹部の張り・顔色の変化)には「まず注入を止める→誤嚥を防ぐ姿勢→看護職へ連絡」の順で対応します。介護職が自分の判断で処置を続ける選択肢は誤りです。