2026年版・1-1

介護の基本となる考え方と用語の一問一答

介護福祉士国家試験「最初に覚える土台知識」から、介護の基本となる考え方と用語に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問11-1

介護における「自立支援」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①本人の持つ力を生かし、できることは自分で行えるよう支える
  • ②安全を最優先して、時間のかかる動作は介護者が代わりに行う
  • ③家族の希望を優先し、本人の暮らし方を家族と職員で決める
  • ④介護を受けずに暮らせる状態になることだけを目標にする
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正解 ①本人の持つ力を生かし、できることは自分で行えるよう支える
解説
自立支援とは、利用者が持っている力(残っている能力や意欲)を生かし、自分でできることは自分で行い、自分らしい生活を続けられるように支えることです。介護保険法第1条も「その有する能力に応じ自立した日常生活」を営めるようにすることを目的に掲げています。
何でも代わりにしてしまうと、使わない機能が衰え、本人の意欲や自信も失われてしまうため、介護職は「見守る」「一部だけ手伝う」ことを大切にします。

他の選択肢が不適切な理由
「安全を最優先して、時間のかかる動作は介護者が代わりに行う」は、安全への配慮は必要ですが、時間がかかることを理由に代わりに行うと本人の力を奪ってしまうためです。危険な部分だけを支え、できる部分は本人に任せます。
「家族の希望を優先し、本人の暮らし方を家族と職員で決める」は、暮らし方を決める主体は本人であり、家族や職員が決めるものではないためです。家族の意向も聞きますが、本人の意思を中心に据えます。
「介護を受けずに暮らせる状態になることだけを目標にする」は、自立は介護が不要になることだけを意味しないためです。介護を受けながらでも、自分で選び、自分らしく暮らすことが自立です。

試験の罠
「自立=介護が要らない状態」「自立=何でも一人でさせる」という思い込みを突く出題が多くあります。自立支援は、できることを見極めて本人の力を生かし、できない部分を必要な分だけ支えることだと押さえましょう。
問21-1

「精神的自立」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①食事や排泄などの動作を人の手を借りずに行えること
  • ②働いて収入を得て、自分の生活費をまかなえること
  • ③自分の生き方や暮らし方を、自分で選んで決めること
  • ④地域の活動に参加し、周囲の人と役割を分かち合うこと
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正解 ③自分の生き方や暮らし方を、自分で選んで決めること
解説
自立にはいくつかの側面があり、介護の分野では身体的自立・精神的自立・経済的自立・社会的自立などに分けて考えます。精神的自立とは、自分の生き方や生活のしかたを自分の意思で選び、決めることをいいます(自己決定)。
からだが思うように動かず介助が必要な人でも、何を食べるか、いつ入浴するかを自分で決めていれば、精神的には自立しているといえます。介護職はこの自己決定を尊重することが求められます。

他の選択肢が不適切な理由
「食事や排泄などの動作を人の手を借りずに行えること」は、身体的自立の説明だからです。日常生活の動作を自分の力で行えることを指します。
「働いて収入を得て、自分の生活費をまかなえること」は、経済的自立の説明だからです。年金などの公的な給付を受けて生活を組み立てることも含めて考えます。
「地域の活動に参加し、周囲の人と役割を分かち合うこと」は、社会的自立の説明だからです。社会の一員として人と関わり、役割を持つことを指します。

試験の罠
4つの自立の区別は頻出です。精神的自立のキーワードは「自己決定」「自分で選ぶ」です。身体的に介助が必要でも精神的には自立している、という組合せが問われることを覚えておきましょう。
問31-1

施設で暮らす利用者の入浴の時間について、「利用者主体」の考え方に沿った対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①施設の日課表で決めた時間に全員そろって入ってもらう
  • ②本人の希望を聞き、できる範囲で入浴の時間を調整する
  • ③職員の人数が多い時間帯に合わせて入浴の時間を決める
  • ④面会時に家族が希望した時間に毎回合わせて入ってもらう
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正解 ②本人の希望を聞き、できる範囲で入浴の時間を調整する
解説
利用者主体とは、介護を受ける本人を生活の主人公として考え、本人の意向や生活習慣を中心に支援を組み立てることです。入浴の時間ひとつをとっても、夜に入る習慣の人もいれば朝の入浴を好む人もいます。
施設の人員や設備の制約はありますが、その中で本人の希望を聞き、できる範囲で調整する姿勢が利用者主体の考え方に沿った対応です。

他の選択肢が不適切な理由
「施設の日課表で決めた時間に全員そろって入ってもらう」は、施設側の都合で一律に決めており、一人ひとりの生活習慣や希望が考慮されていないためです。
「職員の人数が多い時間帯に合わせて入浴の時間を決める」は、安全な人員配置を考えることは大切ですが、職員の都合を出発点にしており、本人の意向を確かめていないためです。
「面会時に家族が希望した時間に毎回合わせて入ってもらう」は、家族の意向は参考になりますが、本人の意思を確かめずに家族の希望に合わせると、本人が主体ではなくなるためです。

試験の罠
「施設の都合」「職員の都合」「家族の希望」を優先する選択肢は、一見現実的でも利用者主体からは外れます。まず本人の意向を確認し、そのうえで調整する選択肢を選びましょう。
問41-1

QOL(Quality of Life)の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①心身の機能がどこまで回復したかだけで評価するもの
  • ②介護する側が決めた一律の基準で高さを判定するもの
  • ③ADLが自立していれば、必ず高いとみなしてよいもの
  • ④本人の満足感や生きがいも含めて生活の質を捉えるもの
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正解 ④本人の満足感や生きがいも含めて生活の質を捉えるもの
解説
QOLは「生活の質」「人生の質」と訳されます。からだの機能や生活動作ができるかどうかだけでなく、本人がその生活にどれだけ満足しているか、生きがいや楽しみを持てているかといった主観的な側面も含めて捉える考え方です。
同じ状態でも感じ方は人によって違うため、QOLを考えるときは本人の価値観や思いを聞き取ることが欠かせません。

他の選択肢が不適切な理由
「心身の機能がどこまで回復したかだけで評価するもの」は、機能の回復はQOLの一部にすぎず、満足感や生きがいなどの主観的な側面が抜け落ちているためです。
「介護する側が決めた一律の基準で高さを判定するもの」は、QOLは本人の価値観によって左右されるもので、周りが一律の基準で決めるものではないためです。
「ADLが自立していれば、必ず高いとみなしてよいもの」は、ADL(日常生活動作)が自立していても、孤独や役割のなさからQOLが低いこともあるためです。反対に、介助を受けていても充実した生活を送っている人もいます。

試験の罠
ADL(食事・排泄・移動などの日常生活動作)とQOL(生活の質)を混同させる問題がよく出ます。ADLが向上してもQOLが上がるとは限らないこと、QOLには主観的な満足感が含まれることを押さえましょう。
問51-1

ノーマライゼーションの考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①障害のある人が障害のない人と同じ能力を身につけていく
  • ②障害のある人を専門の施設に集め、手厚く保護していく
  • ③障害をなくすための治療や訓練を何よりも優先して考える
  • ④障害があっても地域で普通の暮らしを送れる社会をめざす
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正解 ④障害があっても地域で普通の暮らしを送れる社会をめざす
解説
ノーマライゼーションは、障害のある人も障害のない人と同じように、地域の中でごく普通の生活を送れるようにしようという考え方です。デンマークのバンク-ミケルセンが提唱し、知的障害者の大規模施設での処遇を見直す運動から広がりました。
変わるべきは障害のある人ではなく、住まい・仕事・余暇などの生活条件や社会のしくみの側である、という点がこの考え方の中心です。

他の選択肢が不適切な理由
「障害のある人を専門の施設に集め、手厚く保護していく」は、ノーマライゼーションが批判の対象とした、地域から切り離された大規模施設での処遇の考え方だからです。
「障害をなくすための治療や訓練を何よりも優先して考える」は、治療や訓練も大切ですが、障害があることを前提に普通の生活条件を整えることがノーマライゼーションの目的だからです。
「障害のある人が障害のない人と同じ能力を身につけていく」は、本人を「普通」に近づけることを求める考え方で、社会の側の条件を整えるというノーマライゼーションの趣旨とは異なるためです。

試験の罠
ノーマライゼーションは「障害のある人を普通にする」ことではなく「普通の生活条件を実現する」ことです。提唱者バンク-ミケルセン(デンマーク)と、それを8つの原理に整理したニィリエ(スウェーデン)の名前もあわせて覚えましょう。
問61-1

ICF(国際生活機能分類)で「生活機能」を構成する3つの要素の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①健康状態、環境因子、個人因子
  • ②心身機能・身体構造、活動、参加
  • ③機能障害、能力障害、社会的不利
  • ④活動、参加、環境因子
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正解 ②心身機能・身体構造、活動、参加
解説
ICFは2001年にWHO(世界保健機関)が採択した、人が生きることの全体像を捉えるための分類です。生活機能は「心身機能・身体構造」(からだや心のはたらき)、「活動」(歩く・食べるなど生活上の行為)、「参加」(家庭や社会での役割)の3つで構成されます。
これに影響を与えるものとして「健康状態」と、「背景因子」(環境因子と個人因子)があり、すべてが互いに影響し合う関係で描かれます。

他の選択肢が不適切な理由
「健康状態、環境因子、個人因子」は、生活機能に影響を与える側の要素です。健康状態は病気やけが、環境因子と個人因子は背景因子と呼ばれ、生活機能そのものではありません。
「機能障害、能力障害、社会的不利」は、ICFの前身であるICIDH(国際障害分類、1980年)の3つの階層です。障害というマイナス面から分類していた点がICFとの違いです。
「活動、参加、環境因子」は、活動と参加は生活機能に含まれますが、環境因子は背景因子であり、心身機能・身体構造が抜けているためです。

試験の罠
ICF(生活機能というプラス面も含めた中立的な分類)とICIDH(障害のマイナス面の分類)の違いは頻出です。「背景因子=環境因子+個人因子」の組合せもセットで覚えましょう。
問71-1

ICF(国際生活機能分類)の「環境因子」に分類されるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①本人の年齢や性別、これまでの生活歴
  • ②杖を使って自宅の中を歩くこと
  • ③家族の支援や住まいの段差の有無
  • ④地域の趣味の会に出かけて楽しむこと
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正解 ③家族の支援や住まいの段差の有無
解説
ICFの環境因子とは、その人を取り巻く物的・人的・社会的な環境のことです。住まいの構造(段差や手すりの有無)、福祉用具、家族や友人の支え、周囲の人の態度、利用できるサービスや制度などが含まれます。
環境因子は、生活機能を促進する方向にも阻害する方向にも働きます。段差をなくす、手すりをつけるといった環境の調整によって、本人の活動や参加が広がることがあります。

他の選択肢が不適切な理由
「本人の年齢や性別、これまでの生活歴」は、個人因子に分類されるためです。個人因子はその人固有の特徴で、ほかにも価値観やライフスタイルなどが含まれます。
「杖を使って自宅の中を歩くこと」は、生活上の行為であり「活動」に分類されるためです。杖という福祉用具そのものは環境因子ですが、歩く行為は活動です。
「地域の趣味の会に出かけて楽しむこと」は、社会や地域の場面に関わることであり「参加」に分類されるためです。

試験の罠
「個人因子(年齢・性別・生活歴・価値観)」と「環境因子(住まい・福祉用具・家族・制度・周囲の態度)」の取り違えが定番のひっかけです。人に関することでも、本人以外の人の支えや態度は環境因子になります。
問81-1

右片麻痺のある利用者が食事をするときの、残存能力を活用した支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①毎回の食事を、介護職員がすべて口まで運んで介助する
  • ②麻痺のある右手の訓練になるよう、右手だけで食べてもらう
  • ③早く食べ終えられるよう、形の残らない食事に切り替える
  • ④持ちやすい自助具を用意し、左手で食べられるよう工夫する
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正解 ④持ちやすい自助具を用意し、左手で食べられるよう工夫する
解説
残存能力とは、病気や障害があっても残っている能力のことです。右片麻痺の人は、麻痺のない左側の手足(健側)を使える場合が多くあります。
持ちやすい柄の太いスプーンや、すくいやすい形の食器などの自助具(自分で行うことを助ける道具)を用意すれば、左手で自分で食べられるようになることがあります。自分で食べることは、機能の維持だけでなく、意欲や食事の楽しみにもつながります。

他の選択肢が不適切な理由
「毎回の食事を、介護職員がすべて口まで運んで介助する」は、左手を使って自分で食べられる力を生かしておらず、機能の低下や意欲の低下を招くおそれがあるためです。
「麻痺のある右手の訓練になるよう、右手だけで食べてもらう」は、麻痺側だけで食べることを求めると、うまく食べられず食事が苦痛になり、こぼしやむせにもつながるためです。訓練はリハビリ職の評価に基づいて計画的に行います。
「早く食べ終えられるよう、形の残らない食事に切り替える」は、食事の形態は噛む力や飲み込む力に応じて決めるもので、時間短縮を理由に変えるものではないためです。

試験の罠
「残存能力の活用」は「健側を使う」「自助具で補う」と結びつけて覚えましょう。麻痺側を無理に使わせる選択肢は、訓練らしく見えても誤りになることが多い点に注意しましょう。
問91-1

エンパワメントの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①専門職が判断し、本人に代わって物事を決めていくこと
  • ②本人が本来持つ力に気づき、発揮できるよう支えること
  • ③本人の弱い部分を見つけ出し、重点的に補っていくこと
  • ④権利を侵害された人に代わって、その意見を述べること
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正解 ②本人が本来持つ力に気づき、発揮できるよう支えること
解説
エンパワメントとは、人が本来持っている力(能力・意欲・強み)に本人自身が気づき、自分の生活を自分でコントロールできるように、その力を引き出し高めていく支援のことです。
病気や障害、長い施設生活などによって「自分には何もできない」と感じている人が、小さな成功体験を重ねて自信を取り戻していく過程を支えることが、介護におけるエンパワメントの実践です。

他の選択肢が不適切な理由
「専門職が判断し、本人に代わって物事を決めていくこと」は、本人の力を引き出すのではなく、専門職が主導する考え方で、エンパワメントとは逆の方向だからです。
「本人の弱い部分を見つけ出し、重点的に補っていくこと」は、できないことに注目する考え方だからです。エンパワメントは本人の強み(ストレングス)に注目して力を引き出します。
「権利を侵害された人に代わって、その意見を述べること」は、アドボカシー(権利擁護・代弁)の説明だからです。自分で意思を表しにくい人の権利を守る活動を指します。

試験の罠
エンパワメント(本人の力を引き出す)、ストレングス(本人の強み)、アドボカシー(代弁・権利擁護)は並べて出題されやすい用語です。「力を引き出す=エンパワメント」「代わりに主張する=アドボカシー」と区別しましょう。
問101-1

介護における「尊厳の保持」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①一人ひとりをかけがえのない個人として大切にすること
  • ②高齢の利用者を年長者として一律に敬って接すること
  • ③介護を受ける人を保護し、危険から遠ざけておくこと
  • ④できないことを周囲に知られないよう代わりに行うこと
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正解 ①一人ひとりをかけがえのない個人として大切にすること
解説
尊厳の保持とは、介護が必要になっても、その人がかけがえのない一人の人間として尊重され、その人らしく生きられるようにすることです。日本国憲法第13条の「個人として尊重される」という考え方が土台にあり、介護保険法第1条や社会福祉士及び介護福祉士法第44条の2(誠実義務)にも「尊厳を保持」する旨が書かれています。
本人の生活歴や価値観を理解し、意思を尊重した関わりが基本になります。

他の選択肢が不適切な理由
「高齢の利用者を年長者として一律に敬って接すること」は、敬う気持ちは大切ですが、一律の接し方では一人ひとりの個性や思いが見えなくなるためです。尊厳は「その人らしさ」を大切にすることです。
「介護を受ける人を保護し、危険から遠ざけておくこと」は、安全への配慮は必要ですが、保護を優先しすぎると本人の選択や行動の自由を奪い、尊厳を損なうおそれがあるためです。
「できないことを周囲に知られないよう代わりに行うこと」は、本人の気持ちへの配慮のようでいて、本人の意思を確かめずに代わりに行えば、できる力や自己決定の機会を奪うためです。

試験の罠
「保護」「管理」「一律の対応」は、善意に見えても尊厳の保持とは別物として問われます。尊厳の保持は「個人として尊重する」「その人らしさ」「自己決定の尊重」と結びつけて覚えましょう。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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