2026年版・2-8

債券の売買と店頭取引・受渡しの一問一答

証券外務員一種「株式業務・債券業務」から、債券の売買と店頭取引・受渡しに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-8

公社債の売買に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①公社債の売買は、そのほとんどが取引所を通じて行われているのが現状である。
  • ②公社債の売買は、そのほとんどが店頭取引によって行われているのが現状だ。
  • ③国債は取引所に上場されていないため、取引所での売買は行われていない。
  • ④公社債の店頭取引では、価格を当事者が定めることは禁止されている。
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正解 ②公社債の売買は、そのほとんどが店頭取引によって行われているのが現状だ。
解説
公社債は銘柄数が非常に多く、同じ発行体でも償還期限や表面利率が異なれば別の銘柄になります。加えて一回あたりの売買金額が大きく、取引の中心は機関投資家です。
このような市場では、すべての注文を一か所に集めて値段を決める取引所の方式はなじみません。そのため公社債の売買は、金融商品取引業者と顧客、あるいは業者どうしが相対で条件を決める店頭取引がほとんどを占めています。
店頭取引では価格を当事者が交渉して決めますが、金融商品取引業者には合理的な方法で算出された公正な価格によって取引を行うことが求められており、まったく自由というわけではありません。
なお国債は取引所にも上場されており、取引所での売買も行われています。

他の選択肢が誤りである理由
取引所を通じて行われるのはごく一部であり、大部分は店頭取引です。
国債は取引所に上場されているため、上場されていないという記述は誤りです。
店頭取引では当事者が価格を定めるので、禁止されているという記述は誤りです。

覚え方のポイント
銘柄が多く大口中心だから相対取引が向く、という理由から結論を導けます。
問22-8

公社債店頭売買参考統計値に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①公社債店頭売買参考統計値は、取引所が決定して公表する売買価格である。
  • ②公社債店頭売買参考統計値は、その価格でしか売買できない拘束力を持つ。
  • ③公社債店頭売買参考統計値は、指定された銘柄について公表されるものだ。
  • ④公社債店頭売買参考統計値の対象となるのは、株式および転換社債である。
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正解 ③公社債店頭売買参考統計値は、指定された銘柄について公表されるものだ。
解説
店頭取引は相対で条件が決まるため、外部からは適正な水準がわかりにくいという問題があります。
そこで、指定された銘柄について、複数の報告会員から報告された気配をもとに集計した値が公表されています。これが公社債店頭売買参考統計値です。投資者は自分の取引条件が市場実勢から大きく外れていないかを確かめられ、業者にとっても価格を算定する際の目安になります。
あくまで参考のための統計値であり、その価格で売買しなければならないという拘束力はありません。実際の取引価格は当事者間の交渉で決まります。
対象となるのは公社債であり、株式は含まれません。

他の選択肢が誤りである理由
取引所が決定して公表する売買価格ではなく、報告された気配をもとに集計されるものです。
参考のための統計値であるため、その価格でしか売買できないという拘束力はありません。
対象は公社債であり、株式を対象とするという記述は誤りです。

覚え方のポイント
相対取引の見えにくさを補うための目安、という役割を押さえます。
問32-8

額面1,000万円、表面利率年1.5%の利付債券を売買する。直前の利払日の翌日から受渡日までの経過日数が73日であるとき、経過利子の額として、正しいものはどれか。なお、1年は365日として計算し、円未満は切り捨てる。

  • ①15,000円
  • ②30,416円
  • ③60,000円
  • ④30,000円
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正解 ④30,000円
解説
経過利子は、直前の利払日の翌日から受渡日までの期間に対応する利子を、買い手が売り手に支払うものです。
1 年間の利子額=額面1,000万円×1.5%=150,000円
2 経過利子=年間の利子額×経過日数÷365日
3 経過利子=150,000円×73日÷365日=150,000円×0.2=30,000円
4 したがって答えは30,000円です。
次の利払日には、買い手が半年分または一年分の利子をまとめて受け取ります。しかしその期間の一部はまだ売り手が保有していたので、その分を受渡しの際に精算しておく必要があるのです。計算には年間の利子額を用い、半年分の利子額を使わない点が重要です。

他の選択肢が誤りである理由
15,000円は年間の利子額ではなく半年分の利子額75,000円を用いて計算した場合の値です。
30,416円は分母を365日ではなく360日として計算した場合の値で、150,000円×73日÷360日=30,416円となります。
60,000円は経過日数を73日ではなく146日として計算した場合の値です。

覚え方のポイント
分子は年間の利子額、分母は365日、という形を固定して覚えます。
問42-8

額面500万円の利付債券を、単価101円50銭で買い付けた。経過利子が18,750円であるとき、受渡代金として、正しいものはどれか。なお、委託手数料は考慮しないものとする。

  • ①5,093,750円
  • ②5,018,750円
  • ③5,056,250円
  • ④5,075,000円
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正解 ①5,093,750円
解説
債券の受渡代金は、約定代金に経過利子を加減して求めます。買い付ける場合は、買い手が経過利子を売り手に支払うため加算します。
1 約定代金=額面金額×単価÷100=5,000,000円×101.50÷100=5,075,000円
2 受渡代金=約定代金+経過利子=5,075,000円+18,750円=5,093,750円
3 したがって答えは5,093,750円です。
債券の単価は額面100円あたりいくらかで表示されるため、額面金額に単価を掛けたうえで100で割ります。ここを取り違えると桁が大きく狂います。売り付ける場合は、売り手が経過利子を受け取る側になるので約定代金に経過利子を加えて受け取ります。

他の選択肢が誤りである理由
5,075,000円は経過利子を加えていない約定代金そのものです。
5,056,250円は経過利子を加えるべきところを差し引いてしまった場合の値です。
5,018,750円は単価を考慮せず、額面金額に経過利子を加えただけの値です。

覚え方のポイント
単価は額面100円あたりの値段、必ず100で割る、という一手間を忘れないことが要点です。
問52-8

債券の現先取引に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①現先取引は、売り手が買い戻す形に限られ、買い手が売り戻す形は認められない。
  • ②現先取引は、一定期間後に反対売買を行うことをあらかじめ約した取引である。
  • ③現先取引は、受渡日を1か月以上先に指定して行う売買取引のことをいう。
  • ④現先取引の対象となるのは、上場株式および転換社債に限られている。
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正解 ②現先取引は、一定期間後に反対売買を行うことをあらかじめ約した取引である。
解説
現先取引は、債券を売買すると同時に、一定期間後にあらかじめ決めた価格で買い戻すこと、または売り戻すことを約束する取引です。
売る側から見れば、債券を担保として差し出して一時的に資金を調達する取引に相当し、買う側から見れば、債券を受け取ったうえで短期の資金を運用する取引になります。実質的には短期の資金の貸し借りに近い機能を持ち、企業や金融機関の資金繰りの手段として広く用いられています。
売買の当事者となる顧客の範囲や対象銘柄については、取引の性格に照らして一定の要件が定められています。

他の選択肢が誤りである理由
現先取引には、売り手があとで買い戻す売現先と、買い手があとで売り戻す買現先の両方があるため、買い戻す形に限られるという記述は誤りです。
受渡日を1か月以上先に指定して行う取引は着地取引であり、現先取引ではありません。
現先取引の対象は債券などであり、上場株式および転換社債に限られるという記述は誤りです。

覚え方のポイント
現先は買戻しや売戻しを最初から約束する取引で、実質は短期の資金取引、と押さえます。
問62-8

債券の着地取引に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①着地取引は、約定と同時に受渡しを行う当日決済の取引のことをいう。
  • ②着地取引は、取引所の立会取引としてのみ行うことが認められている。
  • ③着地取引は、受渡日を1か月以上先に指定して行う売買の取引である。
  • ④着地取引は、反対売買をあらかじめ約束して行う取引のことをいう。
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正解 ③着地取引は、受渡日を1か月以上先に指定して行う売買の取引である。
解説
着地取引は、約定の時点から1か月以上先の日を受渡日として指定して行う債券の売買です。
将来の資金の出入りが見込まれている場合に、その時期に合わせてあらかじめ売買の条件を固めておくことができます。金利がその後どう動いても約定した条件で受け渡されるため、将来の運用利回りや調達コストをあらかじめ確定させることができます。
受渡しまでの期間が長いため、その間に相手方が履行できなくなる危険が高まります。そのため取引を行える顧客の範囲や、実際の資金の裏付けがあることなどについて要件が設けられています。
着地取引は店頭取引として行われます。

他の選択肢が誤りである理由
約定と同時に受渡しを行うのは当日決済取引であり、着地取引とは正反対です。
着地取引は店頭で行われるものであり、取引所の立会取引としてのみ認められるという記述は誤りです。
反対売買をあらかじめ約束するのは現先取引であり、着地取引ではありません。

覚え方のポイント
着地は受渡しが遠い先の一回きりの売買、現先は行って戻る往復の取引、と対比します。
問72-8

債券貸借取引に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①債券貸借取引では、貸し手は貸し出した債券の所有権を保持し続けている。
  • ②債券貸借取引は、債券を担保に金銭を貸し借りする取引に限られている。
  • ③債券貸借取引において、担保を差し入れる取扱いは認められていない。
  • ④債券貸借取引は、債券を貸し借りし、後日同種同量の債券を返す取引だ。
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正解 ④債券貸借取引は、債券を貸し借りし、後日同種同量の債券を返す取引だ。
解説
債券貸借取引は、債券そのものを貸し借りし、期日に同じ種類で同じ数量の債券を返還する取引です。返すのは借りたその債券である必要はなく、同種同量のもので足ります。
借り手は、決済に必要な債券が手元にないときにこれを調達したり、価格の下落を見込んだ取引に用いたりします。貸し手は、保有し続けている債券を貸し出して貸借料を得られます。
貸し手には、借り手が返還できなくなる危険があります。そこで実務では、現金や他の債券を担保として差し入れる形が広く用いられています。
債券が貸し手から借り手へ引き渡される取引なので、その間の所有権は借り手に移ります。

他の選択肢が誤りである理由
貸借取引では債券が引き渡されるため、貸し手が所有権を保持し続けるという記述は誤りです。
債券貸借取引は債券そのものの貸借であり、金銭の貸し借りに限られるものではありません。
担保を差し入れる取扱いは実際に行われており、認められていないという記述は誤りです。

覚え方のポイント
現先は売買の形、貸借は貸し借りの形、と法的な組立ての違いで区別します。
問82-8

債券の振替決済に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①国債については、日本銀行が振替機関として振替制度を運営している。
  • ②社債については、日本銀行が振替機関として振替制度を運営している。
  • ③振替制度のもとでも、投資者は債券の券面の交付を請求することができる。
  • ④国債の振替決済制度は、法人のみが利用できる制度とされている。
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正解 ①国債については、日本銀行が振替機関として振替制度を運営している。
解説
債券も株式と同じく電子化され、振替制度のもとで管理されています。誰がどの銘柄をいくら保有しているかは振替口座簿の記載または記録によって定まります。
国債については日本銀行が振替機関となり、振替決済制度を運営しています。国債は発行額が大きく、金融調節や決済の基盤としての役割も担うため、中央銀行がこの機能を担っています。
社債や地方債などについては、証券保管振替機構が振替機関となっています。
いずれの制度でも券面は発行されず、投資者が券面の交付を請求することはできません。振替による処理は、紛失や偽造の危険をなくし、受渡しを迅速かつ確実にします。

他の選択肢が誤りである理由
社債等の振替機関は証券保管振替機構であり、日本銀行ではありません。
振替制度のもとでは券面が発行されないため、交付を請求することはできません。
国債の振替決済制度は個人も利用でき、法人のみという記述は誤りです。

覚え方のポイント
国債は日本銀行、社債等は証券保管振替機構、と振替機関の担当を対で覚えます。
問92-8

債券の受渡しに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①公社債の店頭取引の受渡日は、法令により一律に定められることとされる。
  • ②国債の売買の決済は、約定日の翌営業日に行うのが原則とされている。
  • ③経過利子は、債券の売り手が買い手に対して支払うこととされている。
  • ④経過利子は、利子の支払われない割引債の売買においても授受される。
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正解 ②国債の売買の決済は、約定日の翌営業日に行うのが原則とされている。
解説
国債の売買の決済は、約定日の翌営業日に行うことが原則とされています。これは決済期間を短くして、相手方が決済できなくなる危険にさらされる時間を減らすためです。決済までの期間が短いほど、その間に市場が大きく動いて損失が広がる恐れも小さくなります。
公社債の店頭取引の受渡日は、当事者間の合意によって定められるのが基本であり、法令で一律に決まっているわけではありません。
経過利子は、直前の利払日の翌日から受渡日までの日数に対応する利子を、買い手が売り手に支払うものです。次の利払日にはその期間の分も含めて買い手が受け取るため、あらかじめ精算しておく必要があるからです。

他の選択肢が誤りである理由
店頭取引の受渡日は当事者間で定めるため、法令により一律に定められるという記述は誤りです。
経過利子を支払うのは買い手であり、売り手が支払うという記述は逆です。
割引債には利子の支払がなく経過利子という考え方が生じないため、割引債でも授受されるという記述は誤りです。

覚え方のポイント
国債の決済は翌営業日、経過利子は買い手が払う、と方向まで含めて覚えます。
問102-8

公社債の店頭取引における価格の取扱いに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①顧客との取引価格は、金融商品取引業者が自由に定めてよいものである。
  • ②顧客との取引価格は、必ず公社債店頭売買参考統計値と一致させる。
  • ③金融商品取引業者は、合理的な方法で算出した公正な価格で取引を行う。
  • ④顧客に不利な価格で取引した場合でも、社内での検証を行う必要はない。
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正解 ③金融商品取引業者は、合理的な方法で算出した公正な価格で取引を行う。
解説
公社債の店頭取引は相対で条件が決まるため、業者と顧客の間には情報や交渉力の差が生じやすくなります。
そこで金融商品取引業者は、顧客との取引にあたり、合理的な方法によって算出された公正な価格をもって取引を行うこととされています。市場の実勢から不当にかけ離れた価格で顧客と取引することは認められません。
公正な価格を算出する際の目安の一つが公社債店頭売買参考統計値です。ただしこれは参考のための値であり、必ずこれと一致させなければならないというものではありません。銘柄の特性や取引の規模などを踏まえて合理的に算出することが求められます。
取引の適切さを確保するため、社内で価格の妥当性を検証する体制の整備も必要とされています。

他の選択肢が誤りである理由
公正な価格による取引が求められるため、自由に定めてよいという記述は誤りです。
参考統計値は目安であり、必ず一致させることまでは求められていません。
価格の妥当性を検証する体制が求められており、検証が不要という記述は誤りです。

覚え方のポイント
相対だからこそ公正な価格の縛りがかかる、という理由から結論を導けます。

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