2026年版・2-7

債券の発行と募集の仕組みの一問一答

証券外務員一種「株式業務・債券業務」から、債券の発行と募集の仕組みに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-7

有価証券の募集および私募に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①募集とは、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘のことをいう。
  • ②募集とは、すでに発行された有価証券の売付けの申込みの勧誘のことをいう。
  • ③私募により発行する場合であっても、有価証券届出書の提出が必要である。
  • ④少人数私募は、勧誘の相手方が200名未満である場合をいうとされている。
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正解 ①募集とは、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘のことをいう。
解説
金融商品取引法は、新たに発行される有価証券について取得の申込みを勧誘する行為のうち、多数の者を相手方とするものを募集と定義しています。
これに対して、すでに発行された有価証券について売付けの申込みや買付けの申込みの勧誘を多数の者に行うことは売出しと呼ばれ、募集とは区別されます。新規発行か既発行かが両者を分ける基準です。
募集や売出しに当たる場合には、原則として有価証券届出書の提出が求められ、投資者に対して目論見書が交付されます。多数の者が関わるため、判断に必要な情報を制度として行き渡らせる必要があるからです。
これに対して私募は、勧誘の相手方が限られているため、届出は原則として不要です。

他の選択肢が誤りである理由
すでに発行された有価証券についての勧誘は売出しであり、募集ではありません。
私募については有価証券届出書の提出は原則として不要です。
少人数私募の人数の基準は50名未満であり、200名未満ではありません。

覚え方のポイント
新しく出すのが募集、すでにあるものを売り出すのが売出し、と発行の有無で区別します。
問22-7

私募に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①プロ私募は、勧誘の相手方が個人であることを要件とする私募である。
  • ②少人数私募では、勧誘の相手方の人数を過去6か月間の勧誘と通算しない。
  • ③少人数私募は、勧誘の相手方の人数が50名未満である場合の私募をいう。
  • ④プロ私募により取得した債券は、適格機関投資家以外へも転売できる。
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正解 ③少人数私募は、勧誘の相手方の人数が50名未満である場合の私募をいう。
解説
私募は、限られた範囲の者だけを相手に有価証券の取得を勧誘する方法で、大きく二つの類型があります。
少人数私募は、勧誘の相手方の人数が50名未満である場合の私募です。相手が少数にとどまるため、届出や目論見書といった重い開示の手続を課さなくても投資者の保護に欠けないと考えられています。
プロ私募は、適格機関投資家のみを相手方とする私募です。相手方が投資について十分な知識と経験を備えているため、同じく開示の手続が原則として不要とされます。
ただし、こうした債券が広く一般に転売されると私募とした前提が崩れるため、いずれの類型でも転売について制限が課されています。

他の選択肢が誤りである理由
プロ私募の相手方は適格機関投資家であり、個人であることを要件とするものではありません。
少人数私募に当たるかどうかを判定する人数は、同じ種類の新規発行有価証券について過去6か月以内に勧誘した相手方を通算して数えるため、通算しないという記述は誤りです。
プロ私募で取得した債券には、適格機関投資家以外の者へ譲渡しない旨の制限が付されるため、誰へでも転売できるわけではありません。

覚え方のポイント
人数で絞るのが少人数私募、相手の質で絞るのがプロ私募、と絞り方の違いで覚えます。
問32-7

有価証券の引受けに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①残額引受は、発行総額の全部を引受人がいったん取得する方式のことである。
  • ②買取引受は、売れ残りが生じた場合にその残額を取得する方式のことである。
  • ③買取引受では、売れ残りの危険を発行会社が引き続き負うこととされている。
  • ④残額引受は、募集の結果として売れ残った額を引受人が取得する方式である。
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正解 ④残額引受は、募集の結果として売れ残った額を引受人が取得する方式である。
解説
引受けには、買取引受と残額引受の二つの方式があります。
買取引受は、引受人が発行総額の全部または一部をいったん自ら取得したうえで、これを投資者に販売していく方式です。取得した時点で売れ残りの危険は引受人に移るため、発行会社は資金調達を確実に行えます。
残額引受は、まず募集を行い、その結果として売れ残りが生じた場合に、その残額を引受人が取得することを約束する方式です。引受人が危険を負うのは売れ残った部分に限られます。
いずれの方式でも、発行会社は資金を予定どおり調達できる点で共通しますが、引受人が抱える在庫の重さが異なります。

他の選択肢が誤りである理由
発行総額の全部をいったん取得するのは買取引受であり、残額引受ではありません。
売れ残りの残額を取得するのは残額引受であり、買取引受の説明としては誤りです。
買取引受では売れ残りの危険は引受人が負うため、発行会社が負うという記述は誤りです。

覚え方のポイント
買取引受は先に全部買う、残額引受は残った分だけ買う、と引き受ける順序で区別します。
問42-7

元引受契約および引受業務に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①元引受業務を行うには、第一種金融商品取引業の登録があれば足りている。
  • ②元引受契約は、発行会社と投資者との間で直接に締結される契約である。
  • ③引受人が引き受けた有価証券を投資者に販売することは禁止されている。
  • ④元引受業務を行うには、その旨の登録を受けたうえ自己資本規制も受ける。
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正解 ④元引受業務を行うには、その旨の登録を受けたうえ自己資本規制も受ける。
解説
元引受けは、発行会社などと直接に元引受契約を締結して有価証券を引き受ける業務です。
引受人は売れ残りの危険を自ら抱えることになるため、多額の在庫を保有できるだけの財務の健全性が求められます。そこで第一種金融商品取引業の登録に加え、元引受業務を行う旨の登録を受けなければならず、自己資本規制比率による規制にも服します。
これは投資者保護のためでもあります。引受人が資金繰りに窮すれば、発行そのものが滞り、市場に混乱が及ぶからです。
元引受契約は、発行会社または売出しに係る有価証券の所有者と引受人との間で締結されるもので、投資者との契約ではありません。

他の選択肢が誤りである理由
第一種金融商品取引業の登録だけでは足りず、元引受業務を行う旨の登録が別に必要です。
元引受契約の当事者は発行会社等と引受人であり、投資者は当事者になりません。
引き受けた有価証券を投資者に販売することは引受業務の本来の姿であり、禁止されていません。

覚え方のポイント
危険を抱える業務だから、登録も財務規制も重くなる、という理由から結び付けます。
問52-7

引受シンジケート団に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①シンジケート団は、複数の引受業者が共同して引受けを行う組織である。
  • ②シンジケート団を組成した場合、主幹事会社を置くことは禁止されている。
  • ③シンジケート団は、一社では引き受けきれない額を分担するものではない。
  • ④シンジケート団に参加できるのは、銀行および保険会社に限られている。
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正解 ①シンジケート団は、複数の引受業者が共同して引受けを行う組織である。
解説
発行額が大きい債券では、一社の引受業者だけで全額を引き受けると、売れ残りが生じたときの負担が過大になります。
そこで複数の引受業者が集まり、引受けを分担する組織を作ります。これがシンジケート団です。各社が引き受ける額を分け合うことで、一社あたりの負担が軽くなり、大型の発行も円滑に行えるようになります。
販売の面でも利点があります。参加各社がそれぞれの顧客に販売するため、投資者の裾野が広がり、より有利な条件で発行しやすくなります。
シンジケート団には中心となる主幹事会社が置かれ、発行条件の決定や需要の把握、事務の取りまとめなどを担います。

他の選択肢が誤りである理由
主幹事会社は実際に置かれるものであり、禁止されているという記述は誤りです。
一社では引き受けきれない額を分担することがシンジケート団の中心的な役割です。
参加するのは引受業務を行う金融商品取引業者であり、銀行および保険会社に限られてはいません。

覚え方のポイント
分担して危険を薄め、販売網を広げる、という二つの利点で理解します。
問62-7

国債の入札に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①価格競争入札では、応札者が希望する価格と金額を示して入札を行っている。
  • ②非価格競争入札では、応札者が独自に価格を提示して入札を行うことになる。
  • ③国債の発行は、すべて金融機関との相対交渉によって条件が決められている。
  • ④国債の入札に参加できるのは、個人投資家に限られることとされている。
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正解 ①価格競争入札では、応札者が希望する価格と金額を示して入札を行っている。
解説
利付国債の多くは、公募入札という競争的な方法で発行されます。
価格競争入札では、応札者が自ら希望する価格と金額を示して入札し、発行者にとって有利な価格を提示した順に落札が決まります。多数の参加者が競い合うことで、その時点の市場実勢を反映した条件が形成されます。
これとあわせて非価格競争入札という仕組みも用意されています。こちらは応札者が価格を提示せず、価格競争入札の結果として決まった価格を用いて一定の範囲まで落札できるものです。価格を読み違える危険を負わずに一定額を確保できます。
入札に参加するのは、国債市場特別参加者をはじめとする金融機関などです。

他の選択肢が誤りである理由
非価格競争入札は価格を提示しない仕組みなので、独自に価格を提示するという記述は誤りです。
国債の発行は公募入札が中心であり、すべてが相対交渉で決まるわけではありません。
入札の参加者は所定の要件を満たす金融機関などであり、個人投資家に限られてはいません。

覚え方のポイント
価格を出すのが価格競争入札、結果の価格に乗るのが非価格競争入札、と対比します。
問72-7

募集または売出しの取扱いに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①募集の取扱いを行う者は、必ず売れ残りの全額を取得する義務を負っている。
  • ②売出しの取扱いは、すでに発行された有価証券について行われるものである。
  • ③募集の取扱いは、有価証券の発行者自身のほかは行うことができない業務だ。
  • ④募集の取扱いを行う場合には、投資者に目論見書を交付する必要はない。
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正解 ②売出しの取扱いは、すでに発行された有価証券について行われるものである。
解説
募集の取扱いは、発行者に代わって、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘を行う業務です。
これに対して売出しの取扱いは、すでに発行されている有価証券について、その所有者に代わって売付けの申込みの勧誘を行う業務です。対象が新規発行か既発行かによって呼び分けられます。
いずれも取扱いにとどまるため、引受けと違って売れ残りの危険を自ら引き受けるものではありません。ここが引受業務との決定的な違いです。
もっとも、多数の投資者に勧誘する点は同じなので、原則として目論見書を交付し、投資判断に必要な情報を提供しなければなりません。

他の選択肢が誤りである理由
売れ残りの全額を取得する義務を負うのは引受けであり、募集の取扱いではありません。
募集の取扱いは金融商品取引業者が発行者に代わって行うものであり、発行者自身しか行えないという記述は誤りです。
募集の取扱いを行う場合にも原則として目論見書の交付が必要です。

覚え方のポイント
取扱いは勧誘を代行するだけで危険は負わない、引受けは危険ごと引き取る、と区別します。
問82-7

社債管理者に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①会社が社債を発行する場合は、常に社債管理者を定めなければならない。
  • ②社債管理者になることができるのは、証券会社に限られている。
  • ③社債管理者は、社債権者のために弁済の受領や債権の保全などを行う。
  • ④社債管理者は、社債発行会社の同意があれば単独で辞任することができる。
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正解 ③社債管理者は、社債権者のために弁済の受領や債権の保全などを行う。
解説
社債権者は多数かつ分散しているため、一人ひとりが発行会社に対して権利を主張するのは容易ではありません。
そこで会社法は、会社が社債を発行する場合には原則として社債管理者を定め、社債権者のために弁済の受領、債権の保全その他の管理を行わせることとしています。専門的な立場の者がまとめて対応することで、社債権者の利益が守られます。
ただし、各社債の金額が1億円以上である場合など、社債権者が自ら十分に対応できると考えられる場合には、社債管理者を置かなくてよいとされています。
社債管理者は公平かつ誠実に、また善良な管理者の注意をもって職務を行う義務を負います。

他の選択肢が誤りである理由
各社債の金額が1億円以上である場合などには不要とされるため、常に定めなければならないという記述は誤りです。
社債管理者となれるのは銀行や信託会社などであり、証券会社に限られるわけではありません。
社債管理者が辞任するには社債発行会社と社債権者集会の同意が必要で、やむを得ない事由があるときに裁判所の許可を得る方法もありますが、発行会社の同意だけで単独に辞任することはできません。

覚え方のポイント
原則は設置、大口の社債なら不要、なり手は銀行や信託会社、の三点で押さえます。
問92-7

社債権者集会に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①社債権者集会は、社債権者の全員が出席しなければ開催することができない。
  • ②社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ効力を生じない。
  • ③社債権者集会の決議は、決議に反対した社債権者には効力が及ばない。
  • ④社債権者集会は、株主総会と同時に開催しなければならないものである。
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正解 ②社債権者集会の決議は、裁判所の認可を受けなければ効力を生じない。
解説
社債権者集会は、社債権者の利害に関する事項について意思決定を行うための会議体です。支払の猶予や条件の変更など、社債権者全体に関わる重要な事項が議題となります。
ここで行われた決議は、原則として裁判所の認可を受けなければ効力を生じません。決議は多数決で行われ、反対した社債権者や欠席した社債権者にも効力が及びます。少数者の利益が不当に損なわれる恐れがあるため、裁判所が内容を確認するという歯止めが設けられているのです。
認可を受けた決議は、その種類の社債を持つすべての社債権者を拘束します。

他の選択肢が誤りである理由
社債権者集会は全員の出席を要件とするものではなく、定められた要件を満たせば開催できます。
決議は反対した社債権者にも効力が及ぶため、効力が及ばないという記述は誤りです。
株主総会と同時に開催しなければならないという定めはありません。

覚え方のポイント
多数決で少数を拘束するからこそ裁判所の認可が必要、という因果で理解します。
問102-7

債券の発行条件に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①額面100円に対し発行価格が100円を超える場合をアンダーパー発行という。
  • ②発行価格が額面100円と同額である場合をオーバーパー発行という。
  • ③表面利率は、額面金額に対して一年間に支払われる利子の割合をいう。
  • ④表面利率が同じであれば、発行価格が異なっても応募者利回りは等しい。
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正解 ③表面利率は、額面金額に対して一年間に支払われる利子の割合をいう。
解説
表面利率は、額面金額に対して一年間に支払われる利子の割合を示すもので、クーポンレートとも呼ばれます。額面100円について年に1円50銭の利子が支払われるなら、表面利率は1.5%です。
発行価格は、額面100円に対していくらで発行するかを示します。額面と同額であればパー発行、額面を上回ればオーバーパー発行、下回ればアンダーパー発行と呼びます。
投資者が実際に得る収益率は、受け取る利子だけでなく、購入価格と償還金額との差額も含めて計算されます。そのため表面利率が同じでも、発行価格が低ければ償還差益が大きくなり、利回りは高くなります。
表面利率と利回りは別のものである、という区別が債券の基本です。

他の選択肢が誤りである理由
発行価格が額面を上回る場合はオーバーパー発行であり、アンダーパー発行ではありません。
発行価格が額面と同額である場合はパー発行です。
発行価格が異なれば償還差損益が変わるため、応募者利回りは等しくなりません。

覚え方のポイント
表面利率は利子の大きさ、利回りは投資全体の収益率、と役割を分けて覚えます。

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