2026年版・2-10

転換社債型新株予約権付社債の一問一答

証券外務員一種「株式業務・債券業務」から、転換社債型新株予約権付社債に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-10

転換社債型新株予約権付社債の性質に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①社債の部分と新株予約権の部分とを分離して譲渡することはできない。
  • ②社債の部分と新株予約権の部分は、それぞれ別個に譲渡することができる。
  • ③新株予約権を行使した場合でも、社債はそのまま存続することとなる。
  • ④新株予約権を行使できるのは、償還日当日に限られることとされている。
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正解 ①社債の部分と新株予約権の部分とを分離して譲渡することはできない。
解説
転換社債型新株予約権付社債は、社債に新株予約権が付された有価証券で、両者が一体となって一つの商品を構成しています。そのため社債の部分と新株予約権の部分を切り離して別々に譲渡することはできません。
新株予約権を行使すると、社債の償還されるべき金額がそのまま株式の払込みに充てられ、社債は消滅して株式が交付されます。新たに現金を用意する必要がないため、この方式は代用払込と呼ばれます。
行使できる期間は発行時に定められ、その期間内であればいつでも行使できるのが通常です。
投資者は、株価が上がれば株式に換えて値上がり益を狙い、上がらなければ社債として保有し償還を待つという選択ができます。

他の選択肢が誤りである理由
両者は一体なので、別個に譲渡できるという記述は誤りです。
行使により社債は消滅するため、そのまま存続するという記述は誤りです。
行使できるのはあらかじめ定められた期間内であり、償還日当日に限られてはいません。

覚え方のポイント
社債が株式に姿を変える商品であり、社債と権利は最後まで一体、と押さえます。
問22-10

転換価額に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①転換価額は、その時々の株価に応じて日々自動的に改定されるものである。
  • ②転換価額は、株式1株を取得するために必要な金額として定められている。
  • ③転換価額は、額面100円につき交付される株式の数を示すものである。
  • ④転換価額は、転換社債の市場価格そのものを指す用語のことである。
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正解 ②転換価額は、株式1株を取得するために必要な金額として定められている。
解説
転換価額は、新株予約権を行使して株式1株を取得するために必要な金額のことで、発行時に定められます。
たとえば転換価額が1,250円であれば、額面100万円の転換社債を株式に換えると1,000,000円÷1,250円=800株が交付されます。転換価額が低いほど交付される株数は多くなり、投資者にとって有利になります。
転換価額は原則として発行時に固定され、株価の動きに応じて日々変わるものではありません。ただし株式分割などによって一株当たりの価値が変わる場合には、投資者の権利が実質的に損なわれないよう調整が行われます。
また下方修正条項が付されている場合には、定められた条件のもとで引き下げられることがあります。

他の選択肢が誤りである理由
転換価額は日々自動的に改定されるものではありません。
交付される株式の数は額面金額を転換価額で割って求めるもので、転換価額そのものが株数を示すわけではありません。
転換社債の市場価格は別の概念であり、転換価額とは異なります。

覚え方のポイント
転換価額は1株を得るための値段、株数は額面を転換価額で割って求める、と結び付けます。
問32-10

転換価額が800円である転換社債型新株予約権付社債について、株価が1,000円であるときのパリティ価格として、正しいものはどれか。

  • ①80円
  • ②100円
  • ③125円
  • ④200円
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正解 ③125円
解説
パリティ価格は、転換社債を株式に換えて直ちに売却したと仮定した場合の理論上の価値を、額面100円あたりで表したものです。
1 パリティ価格=株価÷転換価額×100
2 パリティ価格=1,000円÷800円×100=125円
3 したがって答えは125円です。
額面100円分の転換社債からは100円÷800円=0.125株が得られ、これを1,000円で売れば125円になります。この関係を確かめると、式の意味が納得できます。
株価が転換価額を上回るとパリティ価格は100円を超え、下回ると100円を割り込みます。

他の選択肢が誤りである理由
80円は転換価額を株価で割ってしまった場合の値で、800円÷1,000円×100=80円となり、割る向きが逆です。
100円はパリティ価格が常に額面と同じになると誤解した場合の値です。
200円は株価1,000円と転換価額800円の差額200円を、そのままパリティ価格としてしまった場合の値です。

覚え方のポイント
パリティ価格は株価を転換価額で割って100倍する、と式の形をそのまま覚えます。
問42-10

転換価額が1,000円である転換社債型新株予約権付社債の市場価格が126円であるとき、株価が1,200円であるとした場合の乖離率として、正しいものはどれか。

  • ①マイナス5.0%
  • ②4.76%
  • ③6.0%
  • ④5.0%
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正解 ④5.0%
解説
乖離率は、転換社債の市場価格がパリティ価格からどれだけ離れているかを示す指標です。
1 パリティ価格=株価÷転換価額×100=1,200円÷1,000円×100=120円
2 乖離率=(転換社債の市場価格-パリティ価格)÷パリティ価格×100
3 乖離率=(126円-120円)÷120円×100=6円÷120円×100=5.0%
4 したがって答えは5.0%です。
乖離率がプラスであれば、株式に換えて売るよりも高い値段が付いていることを意味し、転換社債としての価値が上乗せされている状態です。マイナスであれば、株式に換えたほうが有利な水準にあることを示します。

他の選択肢が誤りである理由
4.76%は分母をパリティ価格ではなく転換社債の市場価格126円として計算した場合の値です。
6.0%は差額の6円をそのまま百分率として示した値で、パリティ価格で割る手順が抜けています。
マイナス5.0%は分子の引く順序を逆にした場合の値です。

覚え方のポイント
乖離率の分母は必ずパリティ価格、と決めておけば分母の取り違えを防げます。
問52-10

額面100万円、転換価額1,250円の転換社債型新株予約権付社債について、新株予約権をすべて行使した場合に交付される株式数として、正しいものはどれか。

  • ①800株
  • ②80株
  • ③1,250株
  • ④8,000株
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正解 ①800株
解説
交付される株式数は、社債の額面金額を転換価額で割って求めます。
1 交付株式数=額面金額÷転換価額
2 交付株式数=1,000,000円÷1,250円=800株
3 したがって答えは800株です。
新株予約権を行使すると、社債の償還されるべき金額がそのまま株式の払込みに充てられます。額面100万円分の権利を1株1,250円で行使するのですから、得られる株数は800株になります。
転換価額が低いほど交付される株数は多くなり、株価が同じであれば投資者にとって有利になります。転換価額と株数が反比例の関係にある点を押さえておきます。

他の選択肢が誤りである理由
80株と8,000株は、いずれも額面金額の桁を誤って計算した場合の値です。
1,250株は転換価額の数値をそのまま株式数として答えた場合の値です。

覚え方のポイント
株数は額面を転換価額で割る、パリティは株価を転換価額で割る、と分母が共通している点で整理します。
問62-10

額面100万円、転換価額2,000円の転換社債型新株予約権付社債を、額面100円につき110円で購入した。株価が2,400円のときに新株予約権をすべて行使し、交付された株式を直ちに2,400円で売却した場合の損益として、正しいものはどれか。なお、税金および手数料は考慮しない。

  • ①100,000円の損失
  • ②100,000円の利益
  • ③200,000円の利益
  • ④1,200,000円の利益
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正解 ②100,000円の利益
解説
購入に要した金額と、株式を売却して得た金額を比べて損益を求めます。
1 購入代金=額面1,000,000円×110円÷100=1,100,000円
2 交付される株式数=1,000,000円÷2,000円=500株
3 売却代金=500株×2,400円=1,200,000円
4 損益=1,200,000円-1,100,000円=100,000円の利益
5 したがって答えは100,000円の利益です。
パリティ価格で確かめることもできます。パリティ価格=2,400円÷2,000円×100=120円であり、110円で購入したものが120円の価値になったのですから、額面100万円に対して10円分すなわち100,000円の利益となり、同じ結論になります。

他の選択肢が誤りである理由
200,000円の利益は、購入代金を実際の1,100,000円ではなく額面どおり1,000,000円として計算した場合の値です。
100,000円の損失は、売却代金と購入代金を逆に引いた場合の値です。
1,200,000円の利益は、購入代金を差し引かずに売却代金をそのまま損益とした場合の値です。

覚え方のポイント
パリティ価格と購入価格を額面100円あたりで比べると、暗算でも検算できます。
問72-10

転換価額の下方修正条項に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①下方修正条項は、株価が上昇した場合に転換価額を引き上げる特約である。
  • ②下方修正条項が付されると、投資者は株式へ転換できなくなってしまう。
  • ③下方修正条項は、株価が一定水準を下回った場合に転換価額を引き下げる。
  • ④下方修正条項によって転換価額が引き下げられると、交付株式数は減る。
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正解 ③下方修正条項は、株価が一定水準を下回った場合に転換価額を引き下げる。
解説
下方修正条項は、株価が定められた水準を下回った場合に、あらかじめ決められた条件に従って転換価額を引き下げる特約です。
株価が下がったまま転換価額が据え置かれると、株式に換えても損になるため転換が進まず、発行会社は償還のための資金を用意しなければならなくなります。転換価額を引き下げれば同じ額面からより多くの株式が得られるようになり、転換が進みやすくなります。
その一方で、発行される株式数が増えるため、既存の株主の持分割合は薄まります。投資者にとって有利な条項である反面、既存株主にとっては不利に働く面があるのです。

他の選択肢が誤りである理由
下方修正条項は株価が下がった場合に働くもので、上昇時に引き上げるという記述は誤りです。
この条項が付いても株式への転換はできるため、転換できなくなるという記述は誤りです。
交付される株式数は額面金額を転換価額で割って求めるため、転換価額が引き下げられれば株式数は増えます。減るという記述は誤りです。

覚え方のポイント
転換価額が下がると株数が増える、株数が増えると既存株主の持分が薄まる、という連鎖で理解します。
問82-10

新株予約権の行使に伴う払込みに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①行使する際には、転換価額に相当する現金を別途払い込む必要がある。
  • ②行使した場合、社債は消滅せず、株式とあわせて保有することとなる。
  • ③行使にあたっては、発行会社の取締役会の承認を得る必要があるとされる。
  • ④行使する際には、社債の償還されるべき金額が払込みに充てられている。
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正解 ④行使する際には、社債の償還されるべき金額が払込みに充てられている。
解説
転換社債型新株予約権付社債では、新株予約権を行使する際に、社債の償還されるべき金額がそのまま株式の払込みに充てられます。これを代用払込といいます。
投資者は新たに現金を用意する必要がなく、保有していた社債がそのまま株式に姿を変えることになります。社債は払込みに充てられることで消滅し、代わりに株式が交付されます。
この仕組みがあるおかげで、投資者は資金を追加せずに株価上昇の利益を取りに行くことができ、発行会社にとっては社債という負債が自己資本に振り替わるという効果が生じます。
行使は投資者の判断で行えるもので、発行会社の承認を要するものではありません。

他の選択肢が誤りである理由
代用払込により現金の払込みは不要なので、別途払い込む必要があるという記述は誤りです。
社債は払込みに充てられて消滅するため、株式とあわせて保有するという記述は誤りです。
行使に発行会社の取締役会の承認は必要ありません。

覚え方のポイント
社債が消えて株式が生まれる、追加の現金は要らない、という流れで押さえます。
問92-10

転換社債型新株予約権付社債の価格の動きに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①株価が下落を続けても、転換社債の価格は額面を下回ることはない。
  • ②株価が上昇すると、転換社債の価格も株価に連動して上昇していく。
  • ③株価が上昇しても、転換社債の価格は普通社債と同様に変動しない。
  • ④転換社債の価格は、発行会社の信用状態からは影響を受けていない。
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正解 ②株価が上昇すると、転換社債の価格も株価に連動して上昇していく。
解説
転換社債型新株予約権付社債は、社債としての性格と株式としての性格をあわせ持ちます。
株価が転換価額を上回って上昇していく局面では、株式に換えたときの価値であるパリティ価格が高まるため、転換社債の価格も株価に連動して上昇していきます。この局面では株式に近い値動きを示します。
反対に株価が低迷する局面では、株式に換える意味が乏しくなる一方、社債として利子を受け取り償還を待つことができます。そのため社債としての価値が価格を下支えし、株式ほどには下がりにくくなります。
ただし下支えするのはあくまで社債としての価値なので、発行会社の信用状態が悪化すればその水準自体が下がります。

他の選択肢が誤りである理由
信用状態の悪化や金利上昇により額面を下回ることはあるため、下回らないという記述は誤りです。
株価上昇時には価格が上昇するので、変動しないという記述は誤りです。
社債である以上、発行会社の信用状態の影響を受けます。

覚え方のポイント
上がるときは株式に似て、下がるときは社債が支える、という非対称な値動きが特徴です。
問102-10

転換社債型新株予約権付社債の発行条件に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①表面利率は、同じ発行会社の普通社債より高く設定されるのが通常である。
  • ②発行に際して定める転換価額は、発行時の株価を必ず下回る水準とされる。
  • ③表面利率は、同じ発行会社の普通社債より低く設定されるのが通常である。
  • ④転換社債は、取引所に上場することが法令上禁止されているものである。
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正解 ③表面利率は、同じ発行会社の普通社債より低く設定されるのが通常である。
解説
転換社債型新株予約権付社債には、株価が上昇した場合に株式へ換えて値上がり益を得られるという価値が付いています。
投資者はこの権利に魅力を感じるため、利子が低くても購入します。その結果、表面利率は同じ発行会社が発行する普通社債よりも低く設定されるのが通常です。発行会社から見れば、利払いの負担を抑えて資金を調達できることになります。
さらに転換が進めば社債は消滅して株式に置き換わるため、負債が減って自己資本が厚くなるという効果も生じます。償還のための資金を用意しなくてよくなる点も発行会社にとっての利点です。
もっとも、株価が低迷して転換が進まなければ、償還に備えた資金が必要になります。

他の選択肢が誤りである理由
表面利率は普通社債より低くなるのが通常であり、高く設定されるという記述は逆です。
転換価額は発行時の株価に一定の上乗せをした水準に定められるのが通常であり、必ず株価を下回るという記述は誤りです。
転換社債は取引所に上場されるものもあり、上場が禁止されているという記述は誤りです。

覚え方のポイント
権利が付いている分だけ利子は安い、という交換関係で理解します。

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