2026年版・2-1

株式の性質と株式市場の仕組みの一問一答

証券外務員一種「株式業務・債券業務」から、株式の性質と株式市場の仕組みに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-1

株主が有する権利のうち、自益権に分類されるものとして正しいものはどれか。

  • ①会社から剰余金の配当を受ける権利
  • ②株主総会で議決権を行使する権利
  • ③取締役の違法行為を差し止める権利
  • ④株主総会の招集を請求できる権利
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正解 ①会社から剰余金の配当を受ける権利
解説
株主の権利は、株主自身が会社から経済的な利益を受ける自益権と、会社の経営に参加する共益権に分けられます。
剰余金の配当を受ける権利は、出資に対する見返りを株主個人が直接受け取るものなので自益権の代表例です。残余財産の分配を受ける権利も同じ自益権に含まれます。
これに対し共益権は、株主全体の利益のために会社の運営を監督したり意思決定に加わったりする権利で、行使の効果が会社全体に及ぶ点が異なります。

他の選択肢が誤りである理由
株主総会で議決権を行使する権利は、会社の意思決定に参加するものなので共益権です。
取締役の違法行為を差し止める権利は、会社の損害を防ぐための監督権であり共益権に当たります。
株主総会の招集を請求できる権利も、会社の運営に働きかける権利なので共益権に分類されます。

覚え方のポイント
お金がもらえる権利は自益権、会社に口を出す権利は共益権、と対比して覚えると迷いません。
共益権はさらに、1株でも行使できる単独株主権と、一定の持株数や保有期間が必要な少数株主権に分かれます。
問22-1

株式会社の株主が負う責任に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①株主は出資額のほかに、会社の債務につき自己の財産で弁済する責任を負う。
  • ②株主は引き受けた株式の価額を限度に責任を負い、債権者への弁済義務はない。
  • ③株主は会社が債務超過に陥った場合に限り、債権者に対し追加出資の義務を負う。
  • ④株主は保有株式数にかかわらず、会社の債務全額について連帯して責任を負う。
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正解 ②株主は引き受けた株式の価額を限度に責任を負い、債権者への弁済義務はない。
解説
株式会社の株主は、引き受けた株式の払込金額を限度としてのみ責任を負います。これを株主有限責任の原則といいます。
会社が倒産して債務が残っても、株主は出資したお金が返ってこないという損失を負うだけで、会社の債権者から直接に支払を求められることはありません。
この仕組みがあるおかげで、投資者は自分の負担する損失の上限をあらかじめ計算でき、多数の人から少しずつ資金を集めることが可能になっています。株式会社が大規模な事業を営めるのは、この原則が土台になっているためです。

他の選択肢が誤りである理由
出資額のほかに自己の財産で弁済するのは無限責任であり、合名会社の社員などの責任形態です。
債務超過に陥っても、株主に追加出資の義務が生じることはありません。
会社の債務全額について連帯責任を負うという記述も、有限責任の原則に真っ向から反します。

覚え方のポイント
株主の最大損失は投資した金額まで、と押さえておけば足ります。
会社債権者に対して直接責任を負わないという点が、無限責任社員との決定的な違いです。
問32-1

株式の発行市場と流通市場に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①流通市場は、企業が新たに株式を発行して投資者から資金を集める市場である。
  • ②発行市場では、既に発行された株式が投資者どうしの間で売買されている。
  • ③発行市場は資金調達の場であり、流通市場は既発行株式の換金の場である。
  • ④流通市場で成立した売買代金は、その銘柄を発行した企業に払い込まれる。
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正解 ③発行市場は資金調達の場であり、流通市場は既発行株式の換金の場である。
解説
証券市場は、発行市場と流通市場という二つの機能に整理されます。
発行市場は、企業が新たに株式を発行し、投資者から払込金を受け取って資金を調達する場です。ここで動いたお金は発行会社の資本として企業に入ります。
流通市場は、すでに発行されている株式を投資者どうしが売買する場です。ここでの代金は売り手の投資者に渡り、発行会社には入りません。
両者は独立しているように見えて密接に結び付いています。流通市場でいつでも換金できるという安心感があるからこそ、投資者は発行市場での新規の払込みに応じるのです。また流通市場で形成される価格は、次の発行の条件を決める基準にもなります。

他の選択肢が誤りである理由
新規に発行して資金を集めるのは発行市場の機能であり、流通市場ではありません。
既発行株式が投資者どうしで売買されるのは流通市場です。
流通市場の売買代金は売り手に支払われるもので、発行会社には払い込まれません。

覚え方のポイント
お金が会社に入るのが発行市場、投資者の間だけで動くのが流通市場、と区別します。
問42-1

種類株式に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①優先株式は普通株式より配当が優先される一方、議決権が制限されることがある。
  • ②劣後株式は、剰余金の配当や残余財産の分配で普通株式より優先して扱われる。
  • ③議決権制限株式は、公開会社では発行済株式総数の全部を占めることもできる。
  • ④取得請求権付株式は、会社の側から一方的に株主の保有株式を取得できる株式だ。
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正解 ①優先株式は普通株式より配当が優先される一方、議決権が制限されることがある。
解説
会社法は、権利の内容が異なる複数の種類の株式を発行することを認めています。
優先株式は、剰余金の配当や残余財産の分配について普通株式より先に扱われる株式です。その代わりに議決権を制限する設計とされることが多く、経営への関与を望まず安定した配当を求める投資者に向いた商品になります。
会社にとっても、議決権を渡さずに自己資本を厚くできるという利点があり、金融機関の資本増強などで用いられてきました。優先と引き換えに何かを譲る、という組み合わせで設計されるのが種類株式の基本です。

他の選択肢が誤りである理由
劣後株式は配当や残余財産の分配が普通株式より後回しになる株式で、優先されるという記述は逆です。
公開会社では議決権制限株式の数が発行済株式総数の二分の一を超えないようにする必要があります。
会社の側から一方的に取得できるのは取得条項付株式で、取得請求権付株式は株主の側から請求するものです。

覚え方のポイント
請求権付は株主が請求、条項付は会社が取得、と主語で覚えると混同を防げます。
問52-1

単元株制度に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①単元未満株式の株主は、その保有分について剰余金の配当を受けられない。
  • ②単元未満株式については、株主総会における議決権が認められていない。
  • ③単元株式数は会社が自由に決められ、上限は法令上設けられていない。
  • ④単元未満株式の株主は、会社に対する買取請求を行うことができない。
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正解 ②単元未満株式については、株主総会における議決権が認められていない。
解説
単元株制度は、一定の株式数をひとまとめにして、その一単元につき一個の議決権を与える仕組みです。
株主総会の運営コストは株主の人数に比例して増えるため、ごく少数の株式しか持たない株主にまで招集通知を送り議決権を与えると、会社の負担が過大になります。そこで単元に満たない株式には議決権を認めないこととしています。
ただし議決権が制限されるだけで、投資者としての経済的な権利まで奪われるわけではありません。単元未満株式の株主にも、剰余金の配当を受ける権利や残余財産の分配を受ける権利は認められています。

他の選択肢が誤りである理由
単元未満であっても、持株数に応じた剰余金の配当を受ける権利は認められています。
単元株式数には上限があり、千株かつ発行済株式総数の二百分の一を超えることはできません。
単元未満株式の株主は、会社に対して自己の保有分を買い取るよう請求できます。

覚え方のポイント
単元未満株は議決権なし、配当あり、買取請求あり、の三点セットで整理します。
問62-1

株式の譲渡に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①株式の譲渡は、会社法上いかなる場合であってもこれを制限することができない。
  • ②定款の定めにより、譲渡による株式の取得に会社の承認を要する旨を定められる。
  • ③上場株式については、定款で譲渡制限を付したうえで上場することができる。
  • ④譲渡制限株式の譲渡承認を会社が拒む場合でも、買取先を示す必要はない。
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正解 ②定款の定めにより、譲渡による株式の取得に会社の承認を要する旨を定められる。
解説
株主は出資した資金を会社から払い戻してもらうことが原則としてできません。そのため投下資本を回収する手段として、株式を自由に譲渡できることが原則とされています。これを株式譲渡自由の原則といいます。
もっともこの原則には例外があり、会社は定款で、譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨を定めることができます。これが譲渡制限株式です。
好ましくない者が株主となることを避けたい中小の同族会社などで広く用いられており、閉鎖的な株主構成を維持する手段になっています。

他の選択肢が誤りである理由
どのような場合でも制限できないという記述は、定款による譲渡制限を認める会社法の定めに反します。
市場で自由に売買できることが上場の前提であるため、譲渡制限株式のままでは上場できません。
会社が承認を拒む場合には、会社自身が買い取るか買取人を指定する必要があり、株主の換金手段を確保しなければなりません。

覚え方のポイント
原則は自由、例外は定款による承認制、そして拒むなら買い手を用意する、という流れで押さえます。
問72-1

東京証券取引所の市場区分に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①グロース市場は、実績のある大企業を対象とした最上位の市場区分である。
  • ②スタンダード市場は、上場後の実績を問わない新興企業向けの市場区分である。
  • ③プライム市場は、高い流動性とガバナンス水準を備える企業向けの区分である。
  • ④三つの市場区分の間では、上場後に区分を変更することが認められていない。
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正解 ③プライム市場は、高い流動性とガバナンス水準を備える企業向けの区分である。
解説
東京証券取引所の市場は、プライム、スタンダード、グロースの三つの区分に整理されています。
プライム市場は、多くの機関投資家の投資対象となる規模の流動性を備え、より高い水準の企業統治を実践し、投資者との建設的な対話を通じて持続的な成長を目指す企業向けの区分です。
スタンダード市場は、公開された市場での投資対象として十分な流動性と基本的な企業統治の水準を備えた企業向けの区分です。
グロース市場は、高い成長可能性を持つ一方で事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの区分と位置付けられています。区分ごとに求める性格を明確にし、投資者が自分の方針に合った銘柄を選びやすくすることが狙いです。

他の選択肢が誤りである理由
実績のある大企業を対象とする最上位の区分はプライム市場であり、グロース市場ではありません。
新興企業向けの性格を持つのはグロース市場です。
上場会社は所定の手続を経て他の市場区分へ変更することができます。

覚え方のポイント
プライムは流動性とガバナンス、スタンダードは基本水準、グロースは成長可能性、と一語で結び付けます。
問82-1

株主平等の原則に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①株主平等の原則は、株主を一人ひとり頭数で平等に扱うことを求める原則だ。
  • ②株主平等の原則があるため、会社は内容の異なる種類株式を発行できなくなる。
  • ③この原則に反する株主総会決議であっても、決議である以上つねに有効である。
  • ④株主は、その有する株式の内容および数に応じて平等に取り扱う必要がある。
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正解 ④株主は、その有する株式の内容および数に応じて平等に取り扱う必要がある。
解説
会社法は、株式会社が株主をその有する株式の内容および数に応じて平等に取り扱わなければならないと定めています。これが株主平等の原則です。
ここでいう平等は、株主一人ひとりを頭数で同じに扱うという意味ではありません。持株数に比例して扱うという意味の平等であり、百株の株主は一株の株主の百倍の配当と議決権を得ます。
この原則があるからこそ、投資者は持株数に応じた取扱いを受けられると信頼して出資でき、多数決による会社支配の濫用に一定の歯止めがかかります。

他の選択肢が誤りである理由
頭数で平等に扱うという記述は誤りで、比例的な平等が原則の内容です。
株式の内容が異なれば取扱いが異なるのは当然なので、種類株式の発行はこの原則と矛盾しません。
この原則に反する決議や取扱いは、原則として無効と解されています。

覚え方のポイント
平等の物差しは人ではなく株数、と押さえます。
同じ種類の株式どうしで差を付けてはいけない、という形で問われることが多い論点です。
問92-1

単独株主権と少数株主権に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①議決権を行使する権利は、一定割合以上の持株が必要な少数株主権に当たる。
  • ②少数株主権の行使に必要な議決権の割合は、いずれも三分の一以上である。
  • ③株主代表訴訟を提起する権利は、総株主の議決権の過半数を必要とする。
  • ④株主総会の招集請求権は、一定の議決権割合を要する少数株主権に当たる。
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正解 ④株主総会の招集請求権は、一定の議決権割合を要する少数株主権に当たる。
解説
共益権は、行使に必要な持株数の違いから単独株主権と少数株主権に分けられます。
単独株主権は一株でも保有していれば行使できる権利で、議決権や株主代表訴訟提起権などがこれに当たります。
少数株主権は、一定割合以上の議決権や株式数を持つ株主にだけ認められる権利で、株主総会の招集請求権や会計帳簿の閲覧請求権などが該当します。
影響力の大きい権利を一株の株主にまで認めると、権利の濫用によって会社の運営が妨げられかねません。そこで会社への影響が大きい権利ほど、行使のための持株要件が重く設定されています。

他の選択肢が誤りである理由
議決権は一株でも行使できるため単独株主権であり、少数株主権ではありません。
少数株主権に必要な議決権の割合は権利ごとに異なり、株主総会の招集請求権は総株主の議決権の百分の三以上、議案の提案権は百分の一以上などとされていて、いずれも三分の一以上ではありません。
株主代表訴訟提起権も単独株主権であり、過半数の議決権は必要ありません。

覚え方のポイント
会社への影響が大きい権利ほど要件が重い、という発想で分類すると覚えやすくなります。
問102-1

株式分割および自己株式に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①株式分割を行うと、会社の純資産の額が分割の比率に応じて増加していく。
  • ②会社が取得した自己株式については、株主総会における議決権が認められる。
  • ③株式分割により発行済株式総数は増えるが、株主の持分割合は変わらない。
  • ④会社が保有する自己株式には、保有株数に応じた剰余金の配当が行われる。
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正解 ③株式分割により発行済株式総数は増えるが、株主の持分割合は変わらない。
解説
株式分割は、既存の株式を細かく分けて発行済株式総数を増やす手続です。
すべての株主の持株数が同じ比率で増えるため、一人ひとりの持分割合は変わりません。会社の純資産が増えるわけでもなく、一株当たりの価値が分割の比率に応じて薄まるだけです。
それでも分割が行われるのは、一株当たりの株価が下がって最低投資金額が小さくなり、個人投資者が買いやすくなることで流動性の向上が期待できるためです。
自己株式は、会社が自ら取得して保有する自社の株式です。会社が自分自身の意思決定に加わるのは不自然なので、議決権は認められず、剰余金の配当も受けられません。

他の選択肢が誤りである理由
株式分割は株式を細分化するだけなので、純資産の額は増えません。
自己株式には議決権がなく、株主総会の議決権の総数からも除かれます。
剰余金の配当は自己株式を除いて行われるため、自己株式に配当が行われるという記述は誤りです。

覚え方のポイント
分割は中身が変わらずケーキの切り方が細かくなるだけ、と考えると理解しやすくなります。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。