2026年版・5-7

借家契約・定期借家契約の実務の一問一答

FP3級「不動産」から、借家契約・定期借家契約の実務に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-7

定期借家契約を有効に締結するための手続きに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①借主が希望すれば口頭の合意のみで契約を成立させることができ、事前の説明も一切不要である。
  • ②契約書に更新をしない旨を記載していれば足り、貸主が別途その旨を借主へ説明する義務はない。
  • ③貸主は契約書とは別に、更新がなく期間満了で終了する旨を借主に事前説明しなければならない。
  • ④契約は必ず公正証書によらなければならず、私署証書等の他の書面形式は認められていない。
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正解 ③貸主は契約書とは別に、更新がなく期間満了で終了する旨を借主に事前説明しなければならない。
解説
定期借家契約は、公正証書等の書面(賃借人の承諾があれば電磁的方法も可)によって締結するだけでなく、貸主が借主に対し、契約書とは別に、更新がなく期間満了により終了する旨をあらかじめ書面等で交付して説明することが必要です。この事前説明を怠ると、更新がない旨の定めは無効となり、更新のある普通借家契約として扱われます。

他の選択肢が不適切な理由
定期借家契約は口頭のみでは成立せず、書面等による契約と事前説明のいずれも必要です。契約書に更新しない旨を記載するだけでは足りず、それとは別に事前説明を行う義務があります。契約書面は書面であればよく、必ずしも公正証書に限定されません。
問25-7

借家契約の存続期間の定め方に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①普通借家契約で1年未満の期間を定めた場合、その定めは無効となり期間の定めのない契約とみなされる。
  • ②普通借家契約・定期借家契約のいずれも、1年未満の期間を契約で定めることは一切認められない。
  • ③定期借家契約で1年未満の期間を定めた場合、その定めは無効となり期間の定めのない契約とみなされる。
  • ④普通借家契約・定期借家契約のいずれも、存続期間について上限と下限のいずれも定められていない。
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正解 ①普通借家契約で1年未満の期間を定めた場合、その定めは無効となり期間の定めのない契約とみなされる。
解説
普通借家契約で1年未満の期間を定めた場合、借地借家法上その期間の定めは効力を持たず、期間の定めのない賃貸借契約とみなされます。これに対し定期借家契約には期間の下限がなく、1年未満の期間を定めることも有効です。

他の選択肢が不適切な理由
定期借家契約には1年未満の期間の定めも認められているため、一切認められないとする記述は誤りです。定期借家契約で1年未満の期間を定めても無効にはならず、その期間どおり有効な契約となります。普通借家契約には1年未満の期間の定めを無効とする規定があるため、上限・下限が全くないとする記述は誤りです。
問35-7

借家契約における造作買取請求権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①貸主の同意を得て付加した造作は、契約終了時に時価での買取りを請求できるが、特約では排除できない。
  • ②貸主に無断で付加した造作についても、契約終了時に時価での買取りを貸主に請求できる権利である。
  • ③造作買取請求権とは、造作のために支出した費用そのものを、貸主に満額請求できる権利である。
  • ④貸主の同意を得て付加した造作は、契約終了時に時価での買取りを請求できるが、特約で排除できる。
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正解 ④貸主の同意を得て付加した造作は、契約終了時に時価での買取りを請求できるが、特約で排除できる。
解説
造作買取請求権とは、貸主の同意を得て建物に付加した畳・建具等の造作について、契約が期間満了や解約の申入れにより終了するときに、借主が貸主に対しその造作を時価で買い取るよう請求できる権利です。この規定は任意規定であり、契約であらかじめ買取請求権を排除する特約を結ぶことができます。

他の選択肢が不適切な理由
造作買取請求権を定める規定は特約で排除することができ、常に排除できないわけではありません。貸主の同意を得ずに無断で付加した造作は、この請求権の対象にはなりません。請求できるのは支出費用そのものではなく、あくまで造作の時価に相当する額です。
問45-7

借家契約終了時における原状回復義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①借主は、通常の使用により生じた損耗や経年変化についても、退去時に原状回復する義務を負う。
  • ②借主は、通常の使用による損耗・経年変化を除き、それ以外の損傷について原状回復義務を負う。
  • ③貸主は、借主の帰責事由による損傷であっても、退去時に自らの費用で原状回復する義務を負う。
  • ④原状回復義務は借主の故意・過失の有無を問わず、常に貸主のみが負担する義務である。
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正解 ②借主は、通常の使用による損耗・経年変化を除き、それ以外の損傷について原状回復義務を負う。
解説
民法上、借主は賃借物に生じた損傷について原状回復する義務を負いますが、通常の使用及び収益によって生じた損耗(通常損耗)や経年変化については、この原状回復義務の対象から除かれます。これらは賃料に含まれる形で貸主が負担すべきものと考えられているためです。

他の選択肢が不適切な理由
通常損耗や経年変化は原状回復義務の対象から除かれており、含まれるとする記述は誤りです。原状回復義務を負うのは借主であり、借主の帰責事由による損傷まで貸主が自らの費用で負担するわけではありません。借主の故意・過失による損傷は借主が原状回復義務を負うため、常に貸主のみが負担するとする記述は誤りです。
問55-7

敷金の返還に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①敷金の返還は明渡しより先に行われる関係にはなく、借主は明渡し後でなければ返還を請求できない。
  • ②敷金の返還と賃借物の明渡しは同時履行の関係に立ち、明渡しと引換えでなければ返還する必要はない。
  • ③貸主は、借主が建物を明け渡す前に、借主から請求があれば敷金全額を返還しなければならない。
  • ④敷金から控除できるのは賃料の滞納分に限られ、原状回復費用等その他の金銭債務は控除できない。
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正解 ①敷金の返還は明渡しより先に行われる関係にはなく、借主は明渡し後でなければ返還を請求できない。
解説
民法上、貸主は賃貸借が終了し、かつ賃借物の返還(明渡し)を受けたときに、受け取った敷金から賃貸借に基づいて生じた借主の金銭債務の額を控除した残額を返還する義務を負います。つまり敷金の返還と明渡しは同時履行の関係にはなく、借主の明渡しが先履行となります。

他の選択肢が不適切な理由
敷金の返還と明渡しは同時履行の関係には立たないため、引換えでなければ返還不要とする記述は誤りです。敷金の返還義務は明渡しを受けた後に生じるため、明渡し前に全額を返還しなければならないとする記述は誤りです。敷金からは賃料滞納分だけでなく、原状回復費用など賃貸借に基づく借主の金銭債務も控除の対象となります。
問65-7

普通借家契約における賃料増減額請求権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①一定期間賃料を増額しない旨の特約も、減額しない旨の特約も、いずれも効力が認められない。
  • ②一定期間賃料を増額しない旨の特約も、減額しない旨の特約も、いずれも有効な特約として認められる。
  • ③一定期間賃料を増額しない旨の特約は有効だが、一定期間減額しない旨の特約は効力が認められない。
  • ④賃料増減額請求権は貸主のみに認められており、借主から賃料の減額を請求することはできない。
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正解 ③一定期間賃料を増額しない旨の特約は有効だが、一定期間減額しない旨の特約は効力が認められない。
解説
借地借家法上、租税の増減や経済事情の変動等により賃料が不相当となったときは、貸主・借主双方に賃料増減額請求権が認められています。普通借家契約では、一定期間賃料を増額しない旨の特約(不増額特約)は有効ですが、一定期間減額しない旨の特約(不減額特約)は借主に不利な特約として効力が認められません。

他の選択肢が不適切な理由
不増額特約も不減額特約もいずれも効力が認められないとする記述は誤りで、不増額特約は有効です。不減額特約は普通借家契約では効力が認められないため、いずれも有効とする記述は誤りです。賃料増減額請求権は貸主だけでなく借主にも認められており、借主から減額を請求することもできます。
問75-7

定期借家契約における賃料改定に関する特約の効力について、最も適切なものはどれか。

  • ①定期借家契約では、賃料を減額しない旨の特約を定めても、普通借家契約と同様に効力は認められない。
  • ②定期借家契約で賃料改定の特約を定めた場合、増額しない旨・減額しない旨のいずれも有効となる。
  • ③定期借家契約では賃料増減額請求権の規定が全面的に適用除外され、賃料改定の特約自体を定められない。
  • ④定期借家契約における賃料改定の特約は、貸主に有利な内容に限り無条件で有効と認められている。
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正解 ②定期借家契約で賃料改定の特約を定めた場合、増額しない旨・減額しない旨のいずれも有効となる。
解説
定期借家契約では、賃料の改定に係る特約を定めることにより、賃料増減額請求権に関する規定の適用を排除できます。この結果、普通借家契約とは異なり、増額しない旨の特約だけでなく、減額しない旨の特約についても有効な特約として扱われます。

他の選択肢が不適切な理由
定期借家契約では減額しない旨の特約も有効となる点で、普通借家契約と扱いが異なります。適用除外となるのは特約を定めた場合の扱いであり、賃料改定の特約自体を定められないわけではありません。特約の内容は貸主に有利なものに限定されておらず、増額しない旨の借主に有利な特約も同様に有効です。
問85-7

借家契約の更新拒絶・解約申入れにおける正当事由制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①正当事由制度は定期借家契約に適用され、普通借家契約の更新拒絶には適用されない。
  • ②正当事由制度は普通借家契約・定期借家契約のいずれにも等しく適用される制度である。
  • ③正当事由の有無は貸主が建物の使用を必要とする事情のみで判断され、他の事情は考慮されない。
  • ④正当事由制度は普通借家契約に適用され、定期借家契約の期間満了による終了には適用されない。
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正解 ④正当事由制度は普通借家契約に適用され、定期借家契約の期間満了による終了には適用されない。
解説
正当事由制度は普通借家契約に適用される制度で、貸主が更新拒絶や解約の申入れをするには、建物の使用を必要とする事情のほか、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況、立退料の提供等を考慮した正当な事由が必要です。これに対し定期借家契約は、正当事由の有無にかかわらず期間満了により確定的に終了します。

他の選択肢が不適切な理由
正当事由制度が適用されるのは普通借家契約であり、定期借家契約の更新拒絶には適用されません(そもそも更新という制度がありません)。正当事由制度は定期借家契約には適用されません。正当事由の判断には貸主の事情だけでなく、従前の経過や立退料の提供等も考慮されます。
問95-7

定期借家契約における借主からの中途解約の特例に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①床面積にかかわらず、借主はどんな理由でも自由に定期借家契約を中途解約できる。
  • ②事業用建物の定期借家契約でも、床面積が200平方メートル未満なら同じ特例が適用される。
  • ③床面積200平方メートル未満の居住用建物で、やむを得ない事情があれば借主は解約できる。
  • ④この中途解約の特例は任意規定であり、特約で借主のこの解約申入れ権を排除できる。
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正解 ③床面積200平方メートル未満の居住用建物で、やむを得ない事情があれば借主は解約できる。
解説
床面積200平方メートル未満の居住用建物の定期借家契約では、転勤・療養・親族の介護その他のやむを得ない事情により、借主が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、借主から解約を申し入れることができ、申入れの日から1か月を経過することで契約は終了します。

他の選択肢が不適切な理由
この特例が使えるのは、やむを得ない事情がある場合に限られ、どんな理由でも自由に解約できるわけではありません。この特例は居住用建物に限定されており、事業用建物には適用されません。この規定は借主保護のための強行規定であり、特約によって借主のこの権利を排除することはできません。
問105-7

期間の定めのない普通借家契約の解約申入れに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①貸主が解約を申し入れる場合、正当事由は不要で、申入れの日から3か月を経過すれば契約は終了する。
  • ②貸主が解約を申し入れる場合は正当事由が必要で、申入れの日から6か月を経過して契約は終了する。
  • ③借主が解約を申し入れる場合も貸主と同様に正当事由が必要で、申入れから6か月を経過して終了する。
  • ④貸主・借主のいずれが解約を申し入れる場合も、申入れの日から1年を経過しなければ終了しない。
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正解 ②貸主が解約を申し入れる場合は正当事由が必要で、申入れの日から6か月を経過して契約は終了する。
解説
期間の定めのない普通借家契約について、貸主から解約を申し入れる場合は正当事由が必要で、申入れの日から6か月を経過することによって契約は終了します。これに対し借主から解約を申し入れる場合は借地借家法にこの規定がなく、民法の原則により申入れの日から3か月を経過することで終了します。

他の選択肢が不適切な理由
貸主からの解約申入れには正当事由が必要であり、不要とする記述は誤りです。借主からの解約申入れには正当事由は不要で、期間も3か月です。貸主・借主いずれについても1年の経過を要するという規定はありません。

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