2026年版・4-1

所得税の仕組みと各種所得の計算の一問一答

FP3級「タックスプランニング」から、所得税の仕組みと各種所得の計算に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-1

所得税の課税方式に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①土地・建物や株式等の譲渡所得も含め、すべての所得を合算して超過累進税率を適用する仕組みである。
  • ②各種の所得を合算し、所得が多いほど段階的に税率が上がる超過累進税率による総合課税が原則である。
  • ③利子所得や退職所得などを除くほとんどの所得は、超過累進税率ではなく比例税率によって課税される。
  • ④各種所得の金額を合算した金額に、所得控除を差し引かずに税率を乗じて税額を計算する仕組みである。
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正解 ②各種の所得を合算し、所得が多いほど段階的に税率が上がる超過累進税率による総合課税が原則である。
解説
所得税は、原則として利子所得や不動産所得、給与所得など各種の所得金額を合算し、そこから所得控除を差し引いた課税所得金額に超過累進税率を適用して税額を計算する総合課税を基本としています。所得金額が大きくなるほど段階的に高い税率が適用される仕組みです。

他の選択肢が不適切な理由
土地・建物や株式等の譲渡所得は、他の所得と合算せず個別に税額を計算する分離課税の対象であり、総合課税には含まれません。給与所得や事業所得など大半の所得は超過累進税率による総合課税の対象であり、比例税率が用いられるのは利子所得など一部の所得に限られます。税額は、所得控除を差し引いた後の課税所得金額に税率を適用して計算するため、控除を差し引かずに税率を乗じるわけではありません。
問24-1

所得税の超過累進税率の仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①課税所得金額の全額に対して、最も高い税率区分の税率を一律に適用して税額を計算する仕組みである。
  • ②課税所得金額を段階に区分し、上位の段階に達した部分にのみその段階の税率を適用する仕組みである。
  • ③課税所得金額にかかわらず、所得の種類を問わず常に同じ税率を適用して計算する比例税率の仕組みである。
  • ④所得の種類の数に応じて段階を区分し、保有する所得の種類が多いほど高い税率が適用される仕組みである。
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正解 ②課税所得金額を段階に区分し、上位の段階に達した部分にのみその段階の税率を適用する仕組みである。
解説
超過累進税率は、課税所得金額を複数の段階(税率区分)に分け、上位の段階に達した部分についてのみその段階の税率を適用する仕組みです。全額に高い税率がかかるわけではないため、控除額を用いた速算表で税額を計算します。

他の選択肢が不適切な理由
課税所得金額の全額に最も高い税率を一律適用する方式は、超過累進税率ではなく単純累進税率と呼ばれる異なる仕組みの説明です。所得税は所得の種類や金額にかかわらず同一の税率が適用される比例税率ではなく、金額の水準に応じて税率が変わる累進税率です。累進税率の区分は所得の種類の数ではなく、課税所得金額そのものの大きさに応じて定められています。
問34-1

預貯金の利子として支払われる利子所得の課税方法に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①利子所得の金額の計算では、金融機関に支払う口座管理手数料等を必要経費として差し引くことができる。
  • ②支払時に源泉徴収された後、確定申告により総合課税を選択して税額を精算し直すことができる。
  • ③原則として支払時に一定の税率で源泉徴収され、それだけで課税が完結する源泉分離課税である。
  • ④NISA(少額投資非課税制度)の口座で管理すれば、預貯金の利子所得も所得税・住民税が非課税となる。
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正解 ③原則として支払時に一定の税率で源泉徴収され、それだけで課税が完結する源泉分離課税である。
解説
預貯金の利子等の利子所得は、原則として支払いを受ける際に一定の税率により源泉徴収が行われ、それだけで納税が完結する源泉分離課税とされているため、確定申告は不要です。

他の選択肢が不適切な理由
利子所得には必要経費という概念がなく、収入金額がそのまま所得金額となるため、口座管理手数料等を差し引くことはできません。源泉分離課税とされる利子所得は、確定申告によって総合課税を選択し直すことはできません(配当所得のように課税方式を選択できる所得とは異なります)。NISA口座で非課税となるのは上場株式や公募株式投資信託等の配当・譲渡益であり、預貯金の利子はNISAの対象外で通常どおり源泉徴収されます。
問44-1

給与所得の金額の計算方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①給与所得の金額は、実際に支出した経費の実額を差し引く方法によってのみ計算することができる。
  • ②給与等の収入金額に、あらかじめ定められた所得税の税率を直接乗じて給与所得の金額を計算する。
  • ③給与等の収入金額から、収入金額に応じて定められた給与所得控除額を差し引いて計算する所得である。
  • ④給与等の収入金額が660万円未満の場合に限り、給与所得控除額を差し引かず収入金額を所得金額とする。
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正解 ③給与等の収入金額から、収入金額に応じて定められた給与所得控除額を差し引いて計算する所得である。
解説
給与所得の金額は「給与等の収入金額-給与所得控除額」で計算します。給与所得控除額は給与所得者の必要経費に相当するものとして収入金額に応じて定められており、令和7年分以後は最低保障額が65万円に引き上げられています。

他の選択肢が不適切な理由
実額の経費を差し引く特定支出控除という例外的な制度もありますが、通常は法定の給与所得控除額を用いる方法が原則であり、実額控除のみで計算するわけではありません。所得金額の計算は収入金額から控除額を差し引く方法によるものであり、税率を乗じて求めるのは所得金額ではなく税額の計算段階です。収入金額が660万円未満であっても、金額に応じた給与所得控除額を差し引いて所得金額を計算する点に変わりはありません。
問54-1

退職所得の金額の計算方法として、最も適切なものはどれか(勤続年数に応じた退職所得控除額を適用する場合とする)。

  • ①退職所得の金額は、退職所得控除額を差し引いた残額をそのまま所得金額とし、2分の1を乗じる調整は行わない。
  • ②退職所得の金額は、原則として、(収入金額-退職所得控除額)×2分の1という算式で計算するとされている。
  • ③退職所得控除額は、勤続年数が20年を境に一律40万円から一律70万円に切り替わる定額の控除額である。
  • ④退職所得は、給与所得や事業所得など他の所得と合算されたうえで超過累進税率が適用される総合課税の対象となる。
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正解 ②退職所得の金額は、原則として、(収入金額-退職所得控除額)×2分の1という算式で計算するとされている。
解説
退職所得の金額は、原則として「(退職金の収入金額-退職所得控除額)×2分の1」で計算します。退職所得控除額は勤続年数に応じて金額が定められ、長期勤続者ほど有利になる仕組みです。退職金は老後生活の原資という性格が強いため税負担が軽減されています。

他の選択肢が不適切な理由
退職所得控除額を差し引いた残額は、さらに2分の1を乗じた金額が退職所得の金額となり、残額をそのまま所得金額とするわけではありません。退職所得控除額は「40万円×勤続年数」(20年以下の部分)と「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」(20年超の部分)という計算式に基づく金額であり、勤続20年を境に一律40万円・一律70万円に切り替わる定額の控除ではありません。退職所得は原則として他の所得と合算せず、分離して課税される分離課税の対象です。
問64-1

不動産所得に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①不動産所得の金額の計算上、建物の減価償却費は必要経費として計上することができない所得である。
  • ②不動産所得とは、所有する土地や建物を売却したことで生じる譲渡益を対象とする所得のことをいう。
  • ③アパートやマンションなどの貸付けによる賃貸収入から、必要経費を差し引いて計算する所得である。
  • ④5棟10室基準を満たす事業的規模で不動産を貸し付ける場合、所得は不動産所得ではなく事業所得に区分される。
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正解 ③アパートやマンションなどの貸付けによる賃貸収入から、必要経費を差し引いて計算する所得である。
解説
不動産所得は、アパートやマンション、土地等の貸付けによる賃貸収入から、固定資産税や減価償却費、修繕費等の必要経費を差し引いて計算する所得です。

他の選択肢が不適切な理由
建物の減価償却費は不動産所得の必要経費として計上することができます。不動産の売却による譲渡益は不動産所得ではなく譲渡所得に区分されます。5棟10室基準等により事業的規模と判定される場合でも、不動産の貸付けによる所得は不動産所得に区分されたままであり、事業所得に変わるわけではありません(事業的規模かどうかは、青色申告特別控除の適用等に影響します)。
問74-1

一時所得に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①生命保険の満期保険金など、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時的な所得をいう。
  • ②一時所得は、給与所得と同様に、給与所得控除額を差し引いて所得金額を計算する所得である。
  • ③一時所得の金額は、支出金額や特別控除額を差し引かず、収入金額の全額が総所得金額に算入される。
  • ④一時所得の特別控除額(最高50万円)は、他の所得控除と合計所得金額に応じて段階的に減少する。
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正解 ①生命保険の満期保険金など、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時的な所得をいう。
解説
一時所得は、生命保険の満期保険金や懸賞金等、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時的な性質を持つ所得で、「収入金額-支出金額-特別控除額(最高50万円)」で計算し、総所得金額に算入する際はその2分の1の金額を算入します。

他の選択肢が不適切な理由
給与所得控除額ではなく、収入を得るために支出した金額と特別控除額を差し引いて計算します。支出金額や特別控除額を差し引いた金額の、さらに2分の1のみが総所得金額に算入されるのであり、収入金額の全額が算入されるわけではありません。一時所得の特別控除額は最高50万円までの定額の控除であり、基礎控除のように合計所得金額に応じて段階的に減少する仕組みではありません。
問84-1

雑所得に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①雑所得は、必要経費を差し引くことができず、収入金額の全額がそのまま所得金額となる所得である。
  • ②副業として得た所得が20万円以下の場合、雑所得ではなく非課税所得として扱われる。
  • ③公的年金等の所得や、他の9種類の所得のいずれにも該当しない所得を区分する所得である。
  • ④公的年金等に係る雑所得は、年齢や収入額にかかわらず一律15万円の公的年金等控除が適用される。
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正解 ③公的年金等の所得や、他の9種類の所得のいずれにも該当しない所得を区分する所得である。
解説
雑所得は、公的年金等に係る所得や、副業の原稿料・仮想通貨の売却益など、他の9種類の所得のいずれにも該当しない所得を包括的に区分する所得です。

他の選択肢が不適切な理由
公的年金等以外の雑所得(業務に係る雑所得等)では、収入金額から必要経費を差し引いて所得金額を計算するため、必要経費が一切認められないわけではありません。給与所得者の副業所得が20万円以下の場合に免除されるのは所得税の確定申告義務であり、所得そのものが非課税になるわけではありません(住民税の申告は別途必要です)。公的年金等控除の金額は、受給者の年齢や公的年金等の収入金額に応じて段階的に定められており、一律15万円という定額ではありません。
問94-1

譲渡所得の課税方法に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①土地・建物の譲渡所得は、所有期間の長短にかかわらず、常に同一の税率が適用される分離課税である。
  • ②譲渡所得の金額の計算では、取得費や譲渡費用を差し引かず、譲渡による収入金額をそのまま所得金額とする。
  • ③土地・建物や株式等の譲渡は分離課税となり、それ以外の資産の譲渡は総合課税として扱われる所得である。
  • ④株式等の譲渡による所得は総合課税、それ以外の資産の譲渡による所得はすべて分離課税として扱われる。
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正解 ③土地・建物や株式等の譲渡は分離課税となり、それ以外の資産の譲渡は総合課税として扱われる所得である。
解説
譲渡所得は、土地・建物や株式等の譲渡による所得は他の所得と分離して課税する分離課税、それ以外の資産(金地金・書画骨董等)の譲渡による所得は総合課税として扱われます。

他の選択肢が不適切な理由
土地・建物の譲渡所得は、所有期間が5年を超える長期譲渡所得と5年以下の短期譲渡所得とで税率が異なり、常に同一の税率が適用されるわけではありません。譲渡所得の金額は「譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)」で計算され、取得費・譲渡費用を差し引くことができます。株式等の譲渡による所得は総合課税ではなく申告分離課税の対象であり、逆に金地金や書画骨董等の譲渡による所得は分離課税ではなく総合課税の対象となるため、選択肢の説明は正しい組み合わせが逆になっています。
問104-1

事業所得の金額の計算方法として、最も適切なものはどれか。

  • ①事業所得の金額は、一般に、総収入金額から必要経費を差し引いて計算する所得である。
  • ②事業所得の金額は、必要経費を考慮せず総収入金額をそのまま所得金額として扱う所得である。
  • ③事業所得の計算では、家事関連費であっても、その全額を無条件に必要経費として計上できる。
  • ④事業所得の金額は、給与所得と同じく給与所得控除額を差し引いて計算する所得である。
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正解 ①事業所得の金額は、一般に、総収入金額から必要経費を差し引いて計算する所得である。
解説
事業所得の金額は、原則として「総収入金額-必要経費」で計算します。青色申告者の場合は、要件を満たすことで最高65万円の青色申告特別控除をさらに差し引くことができます。

他の選択肢が不適切な理由
総収入金額から必要経費を差し引いた金額が所得金額であり、総収入金額そのものが所得金額になるわけではありません。家事関連費(家事上と業務上の両方にまたがる支出)は、業務の遂行上直接必要であったことが明らかな部分に限り必要経費に算入でき、無条件に全額を計上できるわけではありません。給与所得控除額ではなく、実額の必要経費を差し引いて計算するのが事業所得の原則です。

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