2026年版・3-1

有機溶剤の健康障害の一問一答

第一種衛生管理者試験「労働衛生(有害業務に係るもの)」から、有機溶剤の健康障害に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-1

有機溶剤(トルエン、キシレン等)による急性中毒に共通してみられる健康影響に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①中枢神経系への麻酔作用で、頭痛やめまい、酩酊様症状が現れる。
  • ②皮膚に対する腐食作用により、接触部位に強い化学熱傷を生じる。
  • ③骨髄の造血機能を直接的に破壊し、短期間で重い貧血を引き起こす。
  • ④肺胞を線維化させることで、不可逆的な呼吸機能低下をもたらす。
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正解 ①中枢神経系への麻酔作用で、頭痛やめまい、酩酊様症状が現れる。
解説
トルエンやキシレンなど多くの有機溶剤は油に溶けやすい性質(脂溶性)を持ち、脂肪分に富む脳などの中枢神経系に取り込まれやすいため、急性ばく露では麻酔作用による頭痛・めまい・酩酊様の症状が典型的に現れます。この作用はお酒に酔ったときの状態に近く、高濃度で吸入すると意識障害に至ることもあるため、換気の悪い密閉空間での作業では特に注意が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
皮膚腐食による化学熱傷は強酸・強アルカリ等に特徴的な影響であり、有機溶剤中毒の典型像ではありません。骨髄破壊による急性の貧血や、肺胞線維化による不可逆的な呼吸機能低下は、それぞれベンゼンや粉じんによる健康障害の特徴であり、有機溶剤の急性中毒の一般的な症状ではありません。
問23-1

ノルマルヘキサンによる慢性の健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①骨組織にカルシウムが沈着しにくくなり、骨が変形しやすくなる。
  • ②手足の指先からしびれが広がる、多発性の末梢神経障害が生じる。
  • ③気道粘膜が強く刺激され、喘息に似た発作性の呼吸困難が起こる。
  • ④腎臓の尿細管が障害され、尿に糖やたんぱくが漏れ出しやすくなる。
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正解 ②手足の指先からしびれが広がる、多発性の末梢神経障害が生じる。
解説
ノルマルヘキサンは体内で代謝される過程で神経に対して毒性の強い物質に変化し、手足の末端の神経から徐々に障害を受ける多発性末梢神経障害(多発神経炎)を引き起こすことが知られており、有機溶剤の中でも特に神経毒性が強い物質として注意が必要です。症状は足先や手先のしびれから始まり、進行すると筋力低下を伴うこともあります。

他の選択肢が不適切な理由
骨へのカルシウム沈着不良はカドミウム等による骨軟化症の特徴、気道粘膜への強い刺激や腎尿細管の障害はそれぞれ別の有害物質でみられる影響であり、ノルマルヘキサンに特徴的な慢性影響ではありません。
問33-1

二硫化炭素の慢性ばく露による健康影響に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①視神経が急激に侵され、短期間のうちに失明することが多い。
  • ②関節や骨に沈着し、痛みを伴う変形性の関節障害を起こしやすい。
  • ③動脈硬化性の血管病変を促し、網膜症や精神障害を引き起こす。
  • ④肝臓の細胞が壊死し、黄疸を伴う急性の肝機能障害が急速に進む。
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正解 ③動脈硬化性の血管病変を促し、網膜症や精神障害を引き起こす。
解説
二硫化炭素は慢性的にばく露されると血管壁を傷つけて動脈硬化を促進する作用があり、目の網膜の細い血管に障害が生じる網膜症(糖尿病性網膜症に似た所見を示すことがあります)や、いらいら・幻覚等の精神障害を引き起こすことが知られています。また、多発神経炎などの末梢神経症状を伴うこともある、複数の臓器に影響が及ぶ有機溶剤です。

他の選択肢が不適切な理由
視神経の急激な障害と短期間の失明はメタノール中毒に特徴的な影響であり、関節・骨への沈着による関節障害や急性の肝細胞壊死は二硫化炭素の慢性影響として典型的なものではありません。
問43-1

メタノールによる中毒の健康影響に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①末梢の関節が変形し、慢性的な激しい関節痛が生じる。
  • ②皮膚の色素が抜け落ち、白斑が全身に広がっていく。
  • ③聴神経が障害され、両耳の感音性難聴が急速に進行する。
  • ④視神経が障害され、視力低下や失明に至るおそれがある。
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正解 ④視神経が障害され、視力低下や失明に至るおそれがある。
解説
メタノールは体内で分解される際に生じるギ酸などの代謝産物が視神経に強い毒性を示すため、中毒により視野狭窄や視力低下、重症例では失明に至ることが知られている代表的な有機溶剤です。エタノール(飲用アルコール)とは異なる強い毒性を持つ点に注意が必要で、誤飲事故でも同様の中毒が生じます。

他の選択肢が不適切な理由
末梢関節の変形や皮膚の色素脱失、聴神経障害による急速な難聴は、いずれもメタノール中毒に特徴的な影響として知られているものではなく、視神経障害という典型像とは異なります。
問53-1

有機溶剤中毒予防規則における有機溶剤等の区分の表示に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①第一種は赤、第二種は黄、第三種は青の色分けで表示する。
  • ②第一種は青、第二種は赤、第三種は黄の色分けで表示する。
  • ③すべての種別を区別せず、単一の警告色のみで表示すればよい。
  • ④毒性の強さに関係なく、事業者が任意に色を選んで表示する。
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正解 ①第一種は赤、第二種は黄、第三種は青の色分けで表示する。
解説
有機溶剤中毒予防規則では、労働者が作業中の有機溶剤等の区分を容易に知ることができるよう、第一種有機溶剤等は赤、第二種有機溶剤等は黄、第三種有機溶剤等は青の色分けにより、見やすい場所へ表示することが定められています。色の順序は毒性の強さの順(第一種が最も有害)と対応しているため、色と種別をセットで覚えておくと実務でも役立ちます。

他の選択肢が不適切な理由
色の組み合わせを入れ替えた記述や、区分を一切設けない記述、事業者が任意に色を選べるとする記述はいずれも規則の定める色分けの内容と一致しません。
問63-1

有機溶剤の人体への侵入経路に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①呼吸器からの吸収はほとんどなく、主に皮膚から吸収される。
  • ②呼吸器からの吸入が主だが、皮膚から吸収されるものもある。
  • ③消化管からの経口摂取のみが、唯一の主要な侵入経路である。
  • ④吸い込んだ蒸気は主に食道を経て、消化管から吸収される。
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正解 ②呼吸器からの吸入が主だが、皮膚から吸収されるものもある。
解説
有機溶剤は蒸気を呼吸器(肺の肺胞)から吸入することが主な侵入経路で、肺胞の薄い膜を通じて直接血液中に取り込まれます。加えて脂溶性が高い性質を持つため、皮膚に直接触れることによっても体内に吸収されるものがあり、保護手袋等による経皮ばく露対策も重要とされています。

他の選択肢が不適切な理由
呼吸器からの吸収がほとんどないとする記述、経口摂取のみを唯一の経路とする記述は、いずれも有機溶剤の主要な侵入経路の実態と異なります。吸い込んだ蒸気が食道を経て消化管から吸収されるとする記述も、実際には肺胞から直接血液中に取り込まれる経路が中心であり、正確ではありません。
問73-1

N,N-ジメチルホルムアミドによる健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①骨髄に蓄積し、白血球が急激に減少する再生不良性貧血を招く。
  • ②網膜の血管を傷つけ、視野が徐々に狭くなる視覚障害を招く。
  • ③肝臓に取り込まれて代謝され、肝機能障害を引き起こしやすい。
  • ④内耳の有毛細胞を破壊し、高音域から始まる難聴を引き起こす。
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正解 ③肝臓に取り込まれて代謝され、肝機能障害を引き起こしやすい。
解説
N,N-ジメチルホルムアミドは皮膚からも吸収されやすい有機溶剤で、体内に入ると肝臓で代謝される過程で肝細胞に負荷がかかりやすく、ばく露により肝機能障害(肝酵素の上昇や肝細胞の変性等)を生じることが知られています。飲酒(アルコール摂取)と重なるとより症状が出やすいとの報告もあり、作業中・作業後の飲酒には注意が必要とされています。

他の選択肢が不適切な理由
骨髄障害による再生不良性貧血はベンゼンに特徴的な影響、網膜血管の障害や内耳有毛細胞の破壊による難聴は、それぞれ別の有害要因による典型的な影響であり、N,N-ジメチルホルムアミドの特徴的な健康障害ではありません。
問83-1

トリクロロエチレンによる健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①皮膚が黒く変色する色素沈着と、著しい脱毛が同時に起こる。
  • ②甲状腺の機能が異常に高まり、動悸や体重減少が急激に進む。
  • ③膵臓の機能が低下し、糖尿病に類似した症状が持続的に現れる。
  • ④脂肪肝や腎障害に加え、中枢神経系への麻酔作用がみられる。
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正解 ④脂肪肝や腎障害に加え、中枢神経系への麻酔作用がみられる。
解説
トリクロロエチレンはかつて麻酔薬としても用いられた経緯があるほど中枢神経抑制作用が強く、金属の脱脂洗浄等の作業でばく露すると、麻酔様症状に加えて肝臓や腎臓への負荷による障害を生じるおそれがあります。近年は発がん性(腎臓がん等との関連)も指摘されており、有機溶剤中毒予防規則よりも規制の厳しい特定化学物質障害予防規則の対象に位置づけられています。

他の選択肢が不適切な理由
皮膚の黒色変化と脱毛、甲状腺機能亢進、膵機能低下による糖尿病様症状は、いずれもトリクロロエチレンのばく露で特徴的に生じるとされる健康影響ではありません。
問93-1

有機溶剤に長期間ばく露された場合の慢性影響に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①頭重感や不眠、記憶力低下などの精神・神経症状がみられる。
  • ②皮膚が硬化し、指先の関節が動かせなくなる強皮症様の症状が出る。
  • ③血圧が急激に上昇し、脳出血を起こす危険性が著しく高まる。
  • ④骨密度が急速に低下し、骨折を繰り返しやすい状態になる。
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正解 ①頭重感や不眠、記憶力低下などの精神・神経症状がみられる。
解説
有機溶剤に長期間ばく露されると、手足のしびれなどの多発神経炎に加え、頭重感・不眠・いらいら・記憶力低下といった精神・神経症状が慢性的にみられることがあり、これらは「有機溶剤中毒性精神障害」などと呼ばれ、有機溶剤中毒の代表的な慢性影響として知られています。症状は徐々に進行するため、本人が気づかないうちに悪化していることもあります。

他の選択肢が不適切な理由
皮膚硬化を伴う強皮症様の症状、脳出血の危険性の著しい上昇、骨密度の急速な低下は、いずれも有機溶剤の慢性ばく露に特徴的な影響として知られているものではありません。
問103-1

有機溶剤中毒予防規則における有機溶剤等の種別と毒性の強さの関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①毒性は第三種が最も強く、第二種、第一種の順に弱くなる。
  • ②毒性は第一種が最も強く、第二種、第三種の順に弱くなる。
  • ③毒性の強さと種別の区分には、直接の対応関係は存在しない。
  • ④全ての種別は、人体に対しほぼ同程度の毒性を持つ。
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正解 ②毒性は第一種が最も強く、第二種、第三種の順に弱くなる。
解説
有機溶剤中毒予防規則における第一種・第二種・第三種の区分は、対象物質の人体への有害性の程度に応じたものであり、毒性は第一種が最も強く、第二種、第三種の順に弱くなる関係にあります。この区分は前述の色分け表示(赤・黄・青)とも対応しているため、あわせて理解しておくと整理しやすくなります。

他の選択肢が不適切な理由
毒性の強弱を逆順とする記述や、種別と毒性に対応関係がないとする記述、全種別の毒性がほぼ同程度とする記述は、いずれも規則が有害性の程度に応じて種別を区分している趣旨と一致しません。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。