2026年版・8-6

変電所の設備と中性点接地方式の一問一答

第一種電気工事士「発電・送電・変電施設」から、変電所の設備と中性点接地方式に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-6

変電所が担う主な役割として、該当しないものは。

  • ①電圧の変成
  • ②使用量の検針
  • ③電力の集中と分配
  • ④無効電力の調整
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正解 ②使用量の検針
解説
詳細解説
変電所の主な役割は、変圧器による電圧の変成、複数の送電線をつないで電力を集めたり分けたりする集中と分配、調相設備による無効電力の調整と電圧の維持、そして遮断器と保護継電器による事故区間の切り離しです。
需要家の電気使用量を計測する検針は、需要家の受電点に設置された取引用の電力量計で行われるものであり、変電所の役割ではありません。
電圧の変成は送電損失を減らすために欠かせない機能で、発電所側では昇圧、需要地側では降圧を行います。
「電圧を変える、電力を振り分ける、無効電力を調整する、事故を切り離す」の四つが変電所の役割だと整理して覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも変電所が実際に担っている役割なので、該当しないものを選ぶこの問いの答えにはなりません。三つはそれぞれ、変圧器、母線と遮断器、調相設備という具体的な設備に対応しており、変電所の中に必ず置かれています。これに対し、使った電気の量を計ることは需要家の受電点に置かれた計器が担う仕事で、変電所の設備とは場所も目的も異なります。
問28-6

変電所に設置する電力用コンデンサ(進相コンデンサ)の役割として、正しいものは。

  • ①地絡電流を制限する働きをする
  • ②軽負荷時の系統の電圧上昇を抑制する
  • ③異常電圧を大地へ放電させる装置
  • ④遅れ無効電力を補償し力率を改善する
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正解 ④遅れ無効電力を補償し力率を改善する
解説
詳細解説
電力用コンデンサは進み無効電力を系統に供給し、電動機や変圧器が消費する遅れ無効電力を打ち消します。これにより力率が改善され、線路電流が減って電圧降下と電力損失が小さくなります。
軽負荷時の電圧上昇を抑えるのは分路リアクトルの役割で、コンデンサとは働きが逆です。誤って軽負荷時にコンデンサを入れたままにすると、かえって電圧が上がります。
地絡電流を制限するのは中性点接地方式で用いる抵抗やリアクトルの働きです。
異常電圧を大地へ放電させるのは避雷器の役割です。
コンデンサは進み、リアクトルは遅れの無効電力を供給する、という対の関係で覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
軽負荷のときの電圧上昇を抑える働きは、この機器とは逆の性質を持つリアクトルが担います。むしろ軽負荷の時間帯にこの機器を入れたままにすると、電圧をいっそう押し上げてしまいます。地絡したときの電流を抑えるのは中性点の接地に用いる抵抗やリアクトルの役目、異常な電圧を大地へ逃がすのは避雷器の役目であり、いずれも無効電力を系統へ供給する働きとは別のものです。
問38-6

変電所に設置する分路リアクトルの役割として、正しいものは。

  • ①軽負荷時の進み電流を補償する
  • ②遅れ無効電力を補償し力率を直す
  • ③地絡事故の電流を小さく抑える
  • ④雷による異常電圧を放電させる
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正解 ①軽負荷時の進み電流を補償する
解説
詳細解説
長距離の送電線やこう長の長いケーブル系統では、軽負荷のときに線路の静電容量による進み電流が流れ、受電端の電圧が送電端より高くなるフェランチ効果が生じます。
分路リアクトルは系統に並列に接続して遅れ無効電力を消費させ、この進み電流を打ち消して電圧上昇を抑えます。
遅れ無効電力を補償して力率を改善するのは電力用コンデンサの役割で、分路リアクトルとは逆の働きです。
地絡電流を抑えるのは中性点接地に用いる抵抗やリアクトルの役目で、分路リアクトルとは設置目的も接続位置も異なります。
雷による異常電圧の放電は避雷器の役割です。
「重負荷にはコンデンサ、軽負荷にはリアクトル」と結び付けて覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
遅れの無効電力を打ち消して力率を改善する働きは、この機器と正反対の性質を持つコンデンサが担うもので、重負荷のときに用います。地絡したときの電流を小さく抑えるのは中性点の接地に用いる機器の役目で、設置する場所も目的も異なります。雷による異常な電圧を大地へ逃がすのは避雷器の役目です。負荷が重いときと軽いときで、必要になる機器が入れ替わる点が要点です。
問48-6

避雷器に関する記述として、正しいものは。

  • ①常時から大地へ電流を流し続ける
  • ②雷が落ちた瞬間に回路を機械的に開放する
  • ③放電後は続流を遮断し原状に復帰する
  • ④過負荷電流を検出して回路を切る
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正解 ③放電後は続流を遮断し原状に復帰する
解説
詳細解説
避雷器は、雷サージや開閉サージによる異常電圧が加わったときだけ導通して電流を大地へ逃がし、機器に加わる電圧を制限電圧以下に抑えます。異常電圧が去った後は、商用周波の電圧によって流れ続けようとする続流を速やかに遮断し、もとの絶縁状態に自動的に戻ります。
常時から電流を流し続けるという記述は誤りで、通常時はきわめて高い抵抗を示します。
回路を機械的に開放するのは遮断器や断路器の動作で、避雷器に可動部はありません。
過負荷電流を検出して回路を切るのは過電流継電器と遮断器の組合せの働きです。
現在は酸化亜鉛素子を用いた形式が主流で、電圧に応じて抵抗が急激に変わる性質を利用しています。

他の選択肢が不適切な理由
常時から電流を流し続けるという説明は、通常の運転電圧ではきわめて高い抵抗を示すという性質と矛盾します。流れ続けていれば、それ自体が損失であり発熱の原因にもなります。回路を機械的に開放するのは遮断器や断路器の動作で、この機器には動く部分がありません。過負荷の電流を検出して回路を切るのは継電器と遮断器の組合せであり、電流ではなく電圧の異常に応じる点が異なります。
問58-6

金属容器の中に遮断器や断路器などを収め、絶縁性能の高いガスを充てんした閉鎖形の開閉装置は。

  • ①キュービクル式受電設備
  • ②ガス絶縁開閉装置
  • ③真空遮断器
  • ④負荷時タップ切換装置
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正解 ②ガス絶縁開閉装置
解説
詳細解説
ガス絶縁開閉装置(GIS)は、遮断器・断路器・接地開閉器・母線・計器用変成器などを接地された金属容器に収め、絶縁性能の高い六ふっ化硫黄ガスを充てんした装置です。空気に比べて絶縁耐力が高いため各部の間隔を詰められ、変電所を大幅に小型化できます。充電部が外気に触れないので塩害や汚損の影響を受けにくく、保守も容易です。
キュービクル式受電設備は需要家の高圧受電設備を金属箱に収めたもので、絶縁ガスを充てんした装置ではありません。
真空遮断器は消弧に真空を用いる遮断器単体で、開閉装置全体の名称ではありません。
負荷時タップ切換装置は変圧器の電圧調整装置です。

他の選択肢が不適切な理由
需要家の高圧受電設備を金属の箱に納めたものは、内部が空気で絶縁されており、絶縁性能の高いガスを封入した構造ではありません。真空を利用して消弧する遮断器は機器そのものの名称であって、母線や断路器まで含めた装置全体を指すものではありません。変圧器の巻線のタップを切り換えて電圧を調整する装置は、電圧調整のための機構であり、開閉装置の分類には入りません。
問68-6

6.6kV高圧配電系統で採用されている中性点非接地方式の特徴として、正しいものは。

  • ①地絡電流が大きく遮断器の負担が重い
  • ②健全相の対地電圧が上昇しない方式
  • ③通信線への誘導障害が大きくなる
  • ④地絡電流が小さく誘導障害が少ない
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正解 ④地絡電流が小さく誘導障害が少ない
解説
詳細解説
非接地方式は中性点を大地につながない方式で、1線地絡が起きても電流は線路の対地静電容量を通る分だけに限られます。地絡電流が小さいため遮断器の負担が軽く、近接する通信線への電磁誘導障害も小さく抑えられます。
したがって地絡電流が大きいとする記述、誘導障害が大きいとする記述はいずれも誤りです。
一方で、1線地絡時には健全相の対地電圧が線間電圧まで、すなわちおよそ√3倍に上昇するため、上昇しないという記述も誤りです。機器の絶縁はこの上昇を見込んで設計されています。
地絡電流が小さいことは、地絡の検出が難しいという短所でもあり、零相変流器と地絡継電器で検出しています。

他の選択肢が不適切な理由
この方式では地絡したときの電流が小さいことが出発点になっており、そこから遮断器の負担が軽いことも、通信線への影響が小さいことも導かれます。したがって、電流が大きいとする説明と誘導障害が大きいとする説明は、同じ根から見て矛盾します。一方で、1線が地絡すると健全な相の対地電圧が線間の電圧まで上がるので、上昇しないという説明もこの方式の性質と合いません。
問78-6

超高圧の送電系統で採用される中性点直接接地方式の特徴として、正しいものは。

  • ①健全相の電圧上昇が小さく絶縁を軽減できる
  • ②地絡電流が小さく検出が難しくなる
  • ③通信線への誘導障害がほとんどない
  • ④遮断器の遮断容量を小さくできる方式である
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正解 ①健全相の電圧上昇が小さく絶縁を軽減できる
解説
詳細解説
直接接地方式は中性点を導体で直接大地につなぐ方式です。1線地絡が起きても健全相の対地電圧はほとんど上がらないため、機器や線路の絶縁を低く抑える段絶縁が可能になります。絶縁費用が支配的な超高圧系統ほど、この利点が大きくなります。
一方で地絡電流は非常に大きくなるため、検出が難しいという記述は誤りです。むしろ保護継電器が確実に動作するという長所になります。
ただし大電流が流れることで通信線への電磁誘導障害は大きくなり、ほとんどないという記述も誤りです。
地絡電流が大きい分、遮断器には大きな遮断容量が求められるため、遮断容量を小さくできるという記述も逆です。
絶縁費用の比重が大きい187kV以上の系統で広く採用されています。

他の選択肢が不適切な理由
この方式は地絡したときに大きな電流が流れることが特徴なので、検出が難しくなるという説明は逆で、むしろ継電器が確実に動作するという長所になります。大きな電流が流れる以上、近くの通信線が受ける影響もほとんどないどころか大きくなります。遮断器にはその大電流を切る能力が求められるため、遮断容量を小さくできるという説明も成り立ちません。
問88-6

中性点接地方式のうち、消弧リアクトル接地方式の説明として、正しいものは。

  • ①中性点を金属導体で直接大地に接続する
  • ②対地静電容量と共振させ地絡電流を消す
  • ③中性点に高抵抗を入れて電流を抑える
  • ④中性点をどこにも接続しない方式である
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正解 ②対地静電容量と共振させ地絡電流を消す
解説
詳細解説
消弧リアクトル接地方式は、中性点と大地の間にリアクトルを入れ、そのインダクタンスを線路の対地静電容量と並列共振する値に調整する方式です。地絡点では、静電容量を通る進み電流とリアクトルを通る遅れ電流が互いに打ち消し合うため、地絡電流がきわめて小さくなり、アークが自然に消えて事故が自復することが期待できます。
中性点を導体で直接つなぐのは直接接地方式、高抵抗を入れるのは抵抗接地方式、どこにもつながないのは非接地方式の説明です。
共振の条件は系統の構成によって変わるため、線路の切り替えに応じてリアクトルのタップを調整する必要がある点が実務上の課題になります。

他の選択肢が不適切な理由
中性点を導体でそのまま大地につなぐ方式、抵抗を入れて電流を抑える方式、どこにもつながない方式は、いずれも別の接地方式の説明です。この方式が他と違うのは、線路が持つ対地静電容量の大きさに合わせてインダクタンスを選び、進みの電流と遅れの電流を打ち消し合わせる点にあります。系統の構成が変われば静電容量も変わるため、調整が必要になるのはそのためです。
問98-6

電力系統で変圧器の中性点を接地する主な目的として、正しいものは。

  • ①負荷の力率を改善して損失を減らすこと
  • ②変圧器の効率を高めて損失を減らすこと
  • ③異常電圧の抑制と地絡保護の確実な動作
  • ④通信線への誘導障害を完全になくすこと
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正解 ③異常電圧の抑制と地絡保護の確実な動作
解説
詳細解説
中性点接地の目的は二つあります。一つは、1線地絡や間欠アーク地絡が起きたときの健全相の電圧上昇や異常電圧を抑え、機器の絶縁を守ることです。もう一つは、地絡電流の通り道を確保して地絡継電器を確実に動作させ、事故区間を速やかに切り離すことです。
力率の改善は調相設備の役割で、中性点接地とは関係がありません。
変圧器の効率を高めるのは鉄心や巻線の設計の問題です。
接地すると地絡電流が流れるため、通信線への誘導障害はむしろ増える方向に働きます。完全になくすという記述は誤りで、接地方式の選定はこの障害と保護の確実さの兼ね合いで決められます。

他の選択肢が不適切な理由
力率を改善するのはコンデンサやリアクトルなどの調相設備の役目で、中性点をどう扱うかとは関係がありません。変圧器の効率は鉄心や巻線の設計で決まるもので、接地によって変わるものではありません。むしろ接地すると地絡したときに電流の通り道ができるため、近くの通信線が受ける影響は増える方向に働きます。完全になくすという説明は、この方式の性質と正反対です。
問108-6

変電所に設置する負荷時タップ切換変圧器の特徴として、正しいものは。

  • ①地絡電流を制限するための変圧器
  • ②無効電力を供給するための変圧器
  • ③波形のひずみを取り除く変圧器
  • ④停電せずに二次電圧を調整できる
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正解 ④停電せずに二次電圧を調整できる
解説
詳細解説
負荷時タップ切換変圧器は、負荷に電気を送ったまま巻線のタップを切り換えられる機構をもつ変圧器です。負荷の変動によって二次側の電圧が変わっても、停電させずにタップを動かして電圧を適正な範囲に保てるため、配電用変電所で広く用いられています。
地絡電流を制限するのは中性点接地に用いる抵抗やリアクトルの働きです。
無効電力を供給するのは電力用コンデンサや分路リアクトルなどの調相設備の役割です。
波形のひずみを取り除くのは高調波フィルタの役割です。
タップの切換中に電流が途切れないよう、限流抵抗などを介して切り換える機構が組み込まれている点が構造上の特徴です。

他の選択肢が不適切な理由
地絡したときの電流を制限するのは中性点の接地に用いる抵抗やリアクトルの働きで、変圧器そのものの機能ではありません。無効電力を系統へ供給するのはコンデンサやリアクトルといった調相設備の役目です。波形のひずみを取り除くのは、特定の周波数の成分を取り除くために設けるフィルタの役目です。電気を送りながら電圧を変えられるかどうかが、この変圧器を特徴づけています。

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