2026年版・8-5

地中送電線路とケーブルの特性の一問一答

第一種電気工事士「発電・送電・変電施設」から、地中送電線路とケーブルの特性に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-5

架空電線路と比べたときの地中電線路の特徴として、正しいものは。

  • ①同じ太さの導体で許容電流が大きい
  • ②建設費が架空電線路より安価である
  • ③事故点の発見と復旧に時間がかかる
  • ④風雨や雷の影響を受けやすくなる
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正解 ③事故点の発見と復旧に時間がかかる
解説
詳細解説
地中電線路は電線が地中に隠れているため、事故が起きても目視で場所を特定できません。マーレーループ法やパルスレーダ法などの測定を行い、掘削してから復旧するため、架空電線路に比べて時間と費用がかかります。
ケーブルは土中に埋まっていて熱が逃げにくいため、同じ導体太さで比べた許容電流は架空電線より小さくなります。
掘削や管路の築造が必要なので建設費は架空電線路より高くなります。
地中にあることで風雨や雷、飛来物の影響を受けにくく、供給の信頼度が高いことと都市の景観を損なわないことが最大の長所です。
「信頼度と景観に優れ、費用と復旧性で劣る」と整理します。

他の選択肢が不適切な理由
三つとも、この方式の長所と短所を逆に述べたものです。ケーブルは土の中にあって熱が逃げにくいため、同じ太さの導体で比べれば流せる電流は架空の電線より小さくなります。掘削や管路の築造が必要なので建設にかかる費用も高くなります。風雨や雷、飛来物の影響を受けにくいことはむしろ長所であり、供給の信頼度が高いことがこの方式を選ぶ理由の一つになっています。
問28-5

地中電線路の布設方式のうち、あらかじめ地中に埋設した管の中へケーブルを引き入れる方式は。

  • ①管路式
  • ②暗きょ式
  • ③直接埋設式
  • ④ちょう架式
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正解 ①管路式
解説
詳細解説
管路式は、鋼管や合成樹脂管をあらかじめ地中に埋設し、要所にマンホールを設けて、そこからケーブルを引き入れる方式です。ケーブルの引き替えや増設が比較的容易で、都市部の配電線路に広く用いられます。
暗きょ式は、人が入れる大きさの共同溝やトンネルの中にケーブルを布設する方式で、多条数のケーブルを収容でき保守もしやすい反面、建設費がもっとも高くなります。
直接埋設式は、掘削した溝にケーブルを直接埋める方式で、費用は安いものの、後からの引き替えが困難です。
ちょう架式はメッセンジャワイヤにケーブルをつり下げる架空の方式で、地中電線路の布設方式ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
人が入れる大きさの通路にケーブルを納める方式は、多くの条数を収容でき保守もしやすい反面、建設にかかる費用が最も高くなります。掘った溝にケーブルを直接埋める方式は費用が安い代わりに、後から引き替えたり増設したりすることが難しくなります。ワイヤにつり下げる方式は、そもそも地中ではなく架空に施設する方法なので、地中電線路の布設の分類には入りません。
問38-5

架橋ポリエチレンを絶縁体に、ビニルを外装(シース)に用いた高圧ケーブルの略称は。

  • ①OFケーブル
  • ②VVFケーブル
  • ③EMケーブル
  • ④CVケーブル
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正解 ④CVケーブル
解説
詳細解説
CVケーブルは、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの略称です。Cは架橋ポリエチレン絶縁、Vはビニルシースを表します。耐熱性と絶縁性能に優れ、許容温度が高いため、高圧受電設備の引込みや構内配線で標準的に用いられています。3本を丸くより合わせたものはCVTケーブルと呼ばれます。
OFケーブルは絶縁紙に絶縁油を含ませ、給油設備で圧力を保つ方式のケーブルで、超高圧の長距離送電に用いられてきました。
VVFケーブルは低圧の屋内配線に使うビニル絶縁ビニルシースの平形ケーブルです。
EMケーブルはポリエチレンなどを用いた環境配慮形(エコケーブル)の総称で、絶縁体の名称ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
絶縁紙に油を含ませ、給油の設備で圧力を保つ方式のケーブルは、絶縁体の材料が架橋ポリエチレンではありません。低圧の屋内配線に使う平形のケーブルは、絶縁も外装もビニルを用いており、名称の頭の文字が示す材料が異なります。環境に配慮した材料を用いたケーブルを表す呼び名は、材料の種類を大きくくくった総称であって、この構造を特定して指すものではありません。
問48-5

地中送電用ケーブルに生じる損失として、該当しないものは。

  • ①コロナ損
  • ②抵抗損
  • ③誘電体損
  • ④シース損
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正解 ①コロナ損
解説
詳細解説
コロナ損は、架空送電線の表面付近で空気が局所的に絶縁破壊を起こすことで生じる損失です。ケーブルは導体が絶縁体で密に覆われており、周囲に空気の層がないためコロナ放電は問題になりません。
抵抗損は導体の抵抗と負荷電流によって生じるジュール熱の損失で、ケーブルの損失の中でもっとも大きな割合を占めます。
誘電体損は、交流電圧が加わることで絶縁体の中に生じる損失で、負荷電流が流れていなくても電圧が加わっていれば発生します。
シース損は、金属シースに誘導される渦電流や循環電流による損失です。
ケーブルの三つの損失は「抵抗損・誘電体損・シース損」とまとめて覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれもケーブルに実際に生じる損失なので、該当しないものを選ぶこの問いの答えにはなりません。三つは生じる場所で整理でき、導体そのもの、導体を包む絶縁体、その外側の金属の外装という、ケーブルの構造にそのまま対応しています。つまり構造上どれも避けられない損失であり、周囲に空気の層がないために起こらない現象と対比して覚えるとよく整理できます。
問58-5

ケーブルの誘電体損(誘電損)に関する記述として、正しいものは。

  • ①導体の抵抗と電流で決まる損失である
  • ②金属シースに流れる電流による損失
  • ③周波数と誘電正接に比例して増える
  • ④負荷電流が流れないときは生じない
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正解 ③周波数と誘電正接に比例して増える
解説
詳細解説
誘電体損は W=2πfCV²tanδ で表され、周波数f、静電容量C、電圧Vの2乗、および誘電正接tanδに比例します。したがって周波数が高いほど、また絶縁体が劣化してtanδが大きくなるほど損失は増えます。
導体の抵抗と電流で決まるのは抵抗損(導体損)です。
金属シースに流れる電流によるのはシース損です。
誘電体損は電圧が加わっていれば発生するので、負荷電流が流れていない無負荷状態でも生じます。この点が抵抗損との決定的な違いです。
tanδは絶縁体の健全性を示す指標でもあり、誘電正接試験(tanδ測定)はケーブルの絶縁劣化診断に用いられます。

他の選択肢が不適切な理由
導体の抵抗と流れる電流で決まる損失は、電流の2乗に比例して増えるもので、条件そのものが異なります。金属の外装に流れる電流によって生じる損失も、発生する場所が絶縁体ではありません。この損失は電圧が加わっているだけで生じるため、負荷に電流が流れていない待機の状態でも発生し続けます。無負荷でも生じるという点が、電流によって決まる損失との決定的な違いです。
問68-5

6600V三相3線式の地中電線路で、1相あたりのケーブルの静電容量が0.5μF、周波数が50Hzであるとき、1相に流れる充電電流〔A〕にもっとも近い値は。

  • ①0.3
  • ②0.6
  • ③1.0
  • ④1.8
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正解 ②0.6
解説
詳細解説
充電電流は、対地電圧(相電圧)が静電容量に加わることで流れる電流で、Ic=2πfCE で求めます。Eは相電圧です。
まず相電圧を求めると、E=6600/√3≒3810V です。
次に 2πfC=2×3.14×50×0.5×10⁻⁶≒1.57×10⁻⁴ となります。
したがって Ic≒1.57×10⁻⁴×3810≒0.6A です。
1.0Aは線間電圧6600Vをそのまま用いた場合の値で、相電圧に直し忘れるとおよそ√3倍の誤りになります。1.8Aは3相分を合計してしまった場合(0.6×3)、0.3Aは周波数を25Hzとした場合の値です。
ケーブルは架空線より静電容量が大きいため、こう長が伸びると充電電流が無視できなくなり、地絡保護の整定や無負荷時の電圧上昇を検討する必要が生じます。

他の選択肢が不適切な理由
1.0という値は正しい答えのおよそ1.7倍にあたり、線間電圧をそのまま式に入れた場合に現れます。相電圧に直したかどうかは、答えを√3倍して線間電圧を用いた値と一致するかで見分けられます。1.8は正しい値のちょうど3倍で、3相分を合計してしまった場合の値です。問われているのは1相あたりなので3を掛ける必要はありません。0.3はちょうど半分で、周波数を半分に取った場合に出ます。
問78-5

CVケーブルの絶縁体に生じる水トリー劣化に関する記述として、正しいものは。

  • ①水分と電界で樹枝状の劣化が進む
  • ②熱で導体が伸びて断線に至る現象
  • ③外傷により外装だけが破れる現象
  • ④凍結によって導体が縮む現象である
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正解 ①水分と電界で樹枝状の劣化が進む
解説
詳細解説
水トリー劣化は、架橋ポリエチレン絶縁体の中に侵入した水分と、加わっている交流電界の作用によって、木の枝のような微細な劣化の跡が少しずつ伸びていく現象です。長い年月をかけて進行し、やがて絶縁破壊に至るため、地中ケーブルの主要な劣化要因とされています。
熱による導体の伸びや外装の外傷、凍結による収縮は、いずれも水トリー劣化の定義とは異なる別の事象です。
診断には直流漏れ電流の測定や誘電正接の測定、部分放電の測定が用いられます。
対策としては、遮水層をもつケーブルを採用し、接続部からの浸水を防ぐ施工を確実に行うことが基本になります。

他の選択肢が不適切な理由
熱による導体の伸びや、外から傷が付いて外装が破れることは、いずれも機械的あるいは熱的な事象であって、絶縁体の内部が長い年月をかけて少しずつ侵されていく劣化とは性質が異なります。凍結による収縮も同様です。外装の傷は目で見て気づけますが、この劣化は絶縁体の内部で進むため外観からは分からず、診断のための測定を行わなければ発見できない点も大きな違いです。
問88-5

地中送電用ケーブルの金属シースにクロスボンド接地を採用する目的として、正しいものは。

  • ①ケーブルの誘電体損を小さく抑えるために行う
  • ②導体に生じる抵抗損をなくすために行う
  • ③シースの循環電流を打ち消して損失を減らす
  • ④充電電流を大きくして力率を改善する
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正解 ③シースの循環電流を打ち消して損失を減らす
解説
詳細解説
三相のケーブルの金属シースを両端で接地すると、導体電流によって誘導される電圧でシースに循環電流が流れ、シース損が増えて許容電流が下がります。
クロスボンド接地は、こう長を三つの区間に分け、各区間でシースの接続を相互に入れ替えることで、誘導される電圧を三相で打ち消し合わせる方式です。これにより循環電流をほぼ零にでき、シース損を大幅に減らせます。
誘電体損は絶縁体の性質と電圧で決まる損失で、シースの接地方式では変わりません。
導体の抵抗損も接地方式では変えられません。
充電電流を大きくするのは目的ではなく、力率改善とも無関係です。

他の選択肢が不適切な理由
絶縁体の中で生じる損失は、絶縁体の性質と加わる電圧と周波数で決まるものなので、外装の接地のしかたを変えても増減しません。導体の抵抗によって生じる損失も、導体の太さと流れる電流で決まる量であり、接地の方式では変えられません。充電電流は静電容量と電圧で決まるもので、これを大きくすることは目的ではなく、力率の改善とも結びつきません。
問98-5

地中電線路の地絡事故点を、ホイートストンブリッジの原理を応用し、事故相と健全相の抵抗の比から求める方法は。

  • ①パルスレーダ法
  • ②静電容量測定法
  • ③絶縁抵抗測定法
  • ④マーレーループ法
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正解 ④マーレーループ法
解説
詳細解説
マーレーループ法は、事故を起こした相と健全な相の導体を遠端で短絡し、ブリッジ回路を組んで抵抗の比を測ることで、測定端から事故点までの距離を求める方法です。導体がつながっていることが前提なので、断線事故には使えません。
パルスレーダ法は、ケーブルにパルスを送り、事故点で反射して戻るまでの時間から距離を求める方法で、断線事故にも適用できます。
静電容量測定法は、断線した導体の静電容量が長さに比例することを利用する方法です。
絶縁抵抗測定法は絶縁の良否を判定する試験で、事故点の位置は分かりません。
「地絡はマーレーループ、断線はパルスレーダか静電容量」と対応で覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
パルスを送って戻ってくるまでの時間から距離を求める方法や、断線した導体の静電容量が長さに比例することを利用する方法は、導体が途中で切れている場合に用いる手法で、原理が異なります。絶縁の良否を数値で読み取る測定は、劣化しているかどうかを判定するもので、どこで起きているかという位置の情報は得られません。導体がつながっているかどうかで手法を選び分けます。
問108-5

電気設備の技術基準の解釈において、地中電線路を直接埋設式により施設する場合、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所での埋設深さは、原則として何m以上とされているか。

  • ①0.6
  • ②1.2
  • ③1.5
  • ④1.8
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正解 ②1.2
解説
詳細解説
電気設備の技術基準の解釈では、地中電線路を直接埋設式で施設する場合、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所では1.2m以上、それ以外の場所では0.6m以上の土冠(埋設深さ)を確保することとされています。
0.6mは重量物の圧力を受けるおそれがない場所の値で、道路下などに適用すると規定に適合しません。
1.5mや1.8mは規定より深く、必要以上の掘削になります。
あわせて、地中電線を堅ろうなトラフその他の防護物に収めることも求められています(一定の条件を満たす場合の例外はあります)。
「重量物あり1.2m、なし0.6m」という二つの数値は、地中電線路の施工で必ず問われる基本の値です。

他の選択肢が不適切な理由
0.6メートルは、重量物の圧力を受けるおそれがない場所に適用される値です。道路の下のように車両が通る場所でこの値を用いると規定に適合しません。1.5メートルや1.8メートルは規定が求める深さより深く、掘削の量が無用に増えます。深さの区分は上を通る荷重の有無で決まるので、数値だけを覚えて場所の条件を読み取らないと選び違えることになります。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。