2026年版・8-4

架空送電線路の構成と特性の一問一答

第一種電気工事士「発電・送電・変電施設」から、架空送電線路の構成と特性に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-4

架空送電線路に広く用いられ、中心に鋼より線を配し、その周囲に硬アルミ線をより合わせた電線は。

  • ①硬銅より線
  • ②鋼心アルミより線
  • ③銅覆鋼線
  • ④アルミ被覆鉛管
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正解 ②鋼心アルミより線
解説
詳細解説
鋼心アルミより線(ACSR)は、引張強度の大きい鋼より線を中心に置き、その外側を導電率の高い硬アルミ線で覆った構造の電線です。鋼が機械的な張力を、アルミが電流を受け持つため、同じ抵抗の硬銅より線に比べて軽く、外径が大きく、長い径間に張ることができます。
硬銅より線は導電率が高いものの重く、長径間の架空送電には不利です。
銅覆鋼線は鋼線に銅を被覆したもので、引込線や接地線など強度が必要な用途に用いられます。
アルミ被覆の鉛管は地中ケーブルの外装に関わるもので、架空電線ではありません。
外径が大きいことは、コロナ放電が起こりにくいという副次的な利点にもつながっています。

他の選択肢が不適切な理由
硬銅のより線は電気をよく通しますが重いため、長い径間を張ると支持物への負担が大きくなります。銅を被せた鋼線は強度を重視した電線で、引込線や接地線などに用いるものです。鉛の管に被覆を施したものは地中ケーブルの外装に関わる材料で、そもそも架空に張る電線ではありません。張力を受け持つ材と電流を受け持つ材を分けるという考え方が、この電線の特徴です。
問28-4

架空送電線路において、電線1mあたりの荷重が20N/m、径間が200m、電線の水平張力が25000Nであるとき、電線のたるみ(弛度)〔m〕は。

  • ①2
  • ②4
  • ③8
  • ④16
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正解 ②4
解説
詳細解説
架空電線のたるみDは、電線1mあたりの荷重W〔N/m〕、径間S〔m〕、水平張力T〔N〕を用いて D=WS²/(8T) で求めます。
数値を代入すると、分子は 20×200²=20×40000=800000、分母は 8×25000=200000 です。
したがって D=800000/200000=4m となります。
8mは分母の8を4と取り違えた場合、2mは水平張力を2倍の50000Nとした場合、16mは径間を400mとした場合の値です。
この式から、径間が長くなるとたるみは2乗で急に大きくなり、張力を強くするとたるみは小さくなることが読み取れます。ただし張力を強くしすぎると電線や支持物に無理がかかるため、たるみは地上高の確保と機械的強度の兼ね合いで決められます。

他の選択肢が不適切な理由
求めた値を式に戻して確かめると、荷重と径間の2乗を掛けた値が、8と張力とたるみを掛けた値に等しくなります。桁の感覚でも確かめられ、200メートルの径間に対して4メートルのたるみは全体の2パーセント程度で無理のない値です。16メートルは径間の8パーセントにあたり、地上高の確保を考えると現実的ではありません。8メートルは分母の係数を、2メートルは張力を取り違えた場合に現れます。
問38-4

架空送電線路に設ける架空地線の主な役割として、正しいものは。

  • ①電線の振動を抑えて断線を防ぐ
  • ②多導体の素導体の間隔を保持する
  • ③鉄塔の接地抵抗を下げる働きをする
  • ④雷の直撃から電線を遮へいする
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正解 ④雷の直撃から電線を遮へいする
解説
詳細解説
架空地線は、送電線の最上部に鉄塔の頂部どうしを結んで張る接地された線で、雷を自らに受けることで下の電力線への直撃雷を防ぐ遮へい線です。あわせて、誘導雷による過電圧を和らげ、近接する通信線への電磁誘導障害を軽減する効果もあります。
電線の振動を抑えるのはダンパやアーマロッドの役割です。
多導体の素導体の間隔を保つのはスペーサの役割です。
鉄塔の接地抵抗を下げるのは埋設地線(カウンターポイズ)の役割で、架空地線と組み合わせて用いられますが別の設備です。
架空地線が電線を覆う角度を遮へい角といい、この角度が小さいほど遮へいの効果が高くなります。

他の選択肢が不適切な理由
電線の振動を抑えて断線を防ぐのは、支持点の近くに取り付けるおもり状の金具の役目です。1相を複数の電線で構成するときにその間隔を保つのは、電線どうしをつなぐ別の金具が担います。鉄塔の接地抵抗を下げるのは、塔の脚部から地中へ埋設する導体の役目で、雷を受け止める線と組にして用いられますが別の設備です。最上部に張るという位置が、遮へいという役割を表しています。
問48-4

送電用鉄塔の脚部から地中に放射状に埋設する埋設地線(カウンターポイズ)の目的として、正しいものは。

  • ①塔脚の接地抵抗を下げて逆閃絡を防ぐ
  • ②電線の表面の電位の傾きを小さくする
  • ③電線と大地の静電容量を大きくする
  • ④がいしの沿面距離を長くして汚損に耐える
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正解 ①塔脚の接地抵抗を下げて逆閃絡を防ぐ
解説
詳細解説
雷が架空地線や鉄塔に落ちると、雷電流が塔脚の接地抵抗を流れて鉄塔の電位が急上昇します。この電位が高くなりすぎると、鉄塔側から電力線へ向かって放電が起こることがあり、これを逆閃絡(逆フラッシオーバ)といいます。
埋設地線は鉄塔の脚部から地中に埋設した導体で、塔脚の接地抵抗を下げることで鉄塔の電位上昇を抑え、逆閃絡を防ぎます。
電線表面の電位の傾きを下げるのは、多導体化や太い電線の採用によるコロナ対策です。
静電容量を大きくすることは目的ではありません。
がいしの沿面距離を長くするのは塩害対策です。
山岳部など大地の抵抗率が高い場所ほど埋設地線の効果が重要になります。

他の選択肢が不適切な理由
電線の表面付近の電界を緩やかにするのは、電線を太くしたり1相を複数の電線で構成したりする方法で対処するもので、地中に埋める導体とは対象が違います。電線と大地との間の静電容量を大きくすることは、そもそも目的として掲げられるものではありません。がいしの表面をたどる経路を長くするのは、塩分やほこりの付着に備えた対策で、雷が落ちたときの鉄塔の電位とは別の話です。
問58-4

懸垂がいし装置の上下に取り付けるアークホーン(アーキングホーン)の役割として、正しいものは。

  • ①電線の共振による振動を吸収する
  • ②アークをがいしから引き離し保護する
  • ③多導体の素導体間の距離を保持する
  • ④支持点付近の電線を補強し断線を防ぐ
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正解 ②アークをがいしから引き離し保護する
解説
詳細解説
アークホーンは、がいし連の両端に向かい合わせに取り付ける金具です。雷サージなどでがいし連にフラッシオーバが生じるとき、放電をホーンの間で起こさせてアークをがいし本体から引き離し、がいしの熱破壊を防ぎます。あわせて、がいし連にかかる電圧の分担を均一化する働きもあります。
電線の振動を吸収するのはダンパの役割です。
多導体の素導体間の距離を保つのはスペーサの役割です。
支持点付近の電線を補強するのはアーマロッドの役割で、電線に巻き付けて断線を防ぎます。
「がいしを守るために、あえてそこで放電させる金具」と役割を押さえておきます。

他の選択肢が不適切な理由
電線の振動を吸収するのは支持点の近くに付けるおもり状の金具、1相を複数の電線で構成するときに間隔を保つのはその間に入れる金具、支持点付近の電線に巻き付けて補強するのは別の部材で、いずれもがいしを守るためのものではありません。この金具は、放電をあえて金具どうしの間で起こさせることによって、熱に弱い本体から炎を遠ざけるという考え方に基づいています。
問68-4

架空送電線路のコロナ放電に関する記述として、正しいものは。

  • ①電線を細くするほど発生しにくい
  • ②電線の表面に水滴が付くと起こりにくい
  • ③発生しても電力損失は生じない
  • ④電線が太いほど発生しにくくなる
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正解 ④電線が太いほど発生しにくくなる
解説
詳細解説
コロナ放電は、電線の表面付近の電位の傾き(電界の強さ)が空気の絶縁耐力を超えたときに、局所的に空気が絶縁破壊を起こす現象です。電線が太いほど表面の電界は緩やかになるため、コロナは発生しにくくなります。多導体方式が採用されるのも同じ理由です。
電線を細くすれば表面の電界は強くなるので、発生しにくいという記述は逆です。
電線表面に水滴が付くと、水滴の先端に電界が集中してかえって発生しやすくなります。雨天時にコロナが増えるのはこのためです。
コロナが発生すると、コロナ損という電力損失に加えて、可聴騒音やラジオ・テレビの受信障害の原因にもなります。

他の選択肢が不適切な理由
電線を細くすると表面付近の電界はかえって強くなるため、発生しにくくなるという説明は向きが逆です。表面に付いた水滴はその先端に電界を集める突起のように働くので、雨や霧の日はむしろ起こりやすくなります。放電はそれ自体が電気のエネルギーを消費し、音や電波を出す現象ですから、発生しても損失が生じないという説明も成り立ちません。
問78-4

架空送電線路で1相あたり複数の電線を用いる多導体方式の効果として、正しいものは。

  • ①線路のインダクタンスが小さくなる
  • ②線路の静電容量が小さくなり損失も減る
  • ③コロナ放電が発生しやすくなる
  • ④送電できる電力が小さくなる
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正解 ①線路のインダクタンスが小さくなる
解説
詳細解説
多導体方式は、1相あたり2本以上の電線をスペーサで一定の間隔に保って使う方式です。見かけの電線の太さが増すのと同じ効果があり、線路のインダクタンスが小さく、静電容量が大きくなります。インダクタンスが減るとリアクタンスが下がるため、送電できる電力を増やすことができます。
静電容量は小さくなるのではなく大きくなるため、その記述は誤りです。
電線表面の電界が緩やかになるので、コロナ放電はむしろ発生しにくくなります。
送電容量も増えるので、小さくなるという記述も誤りです。
超高圧の送電線で多導体が標準になっているのは、コロナ対策と送電容量の増大という二つの利点を同時に得られるためです。

他の選択肢が不適切な理由
この方式は見かけの電線が太くなったのと同じ効果を持つ、という一点から、残る三つの向きがすべて逆だと分かります。太い電線と同じですから、電線と大地との間の静電容量は小さくなるのではなく大きくなり、表面の電界は緩やかになるので放電は起こりにくくなります。線路の抵抗成分やリアクタンスが下がる分、送れる電力も小さくなるのではなく増えます。
問88-4

三相架空送電線路で行うねん架(電線の位置を区間ごとに入れ替えること)の目的として、正しいものは。

  • ①電線のたるみを径間ごとに均等にする
  • ②三相各相の線路定数を平衡させる
  • ③鉄塔の接地抵抗を低い値に保つ
  • ④電線の微風振動を抑えて断線を防ぐ
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正解 ②三相各相の線路定数を平衡させる
解説
詳細解説
三相の電線を鉄塔上に並べると、各相の位置関係が異なるためインダクタンスや静電容量に差が生じ、線路定数が不平衡になります。ねん架は、送電線をいくつかの区間に分けて各相の位置を順番に入れ替えることで、区間全体としてこの不平衡をならす方法です。
その結果、受電端の三相電圧の不平衡や、中性点に現れる残留電圧が小さくなり、近接する通信線への誘導障害も軽減されます。
たるみを均等にするのは架線工事の施工管理の話で、ねん架の目的ではありません。
接地抵抗を下げるのは埋設地線、振動を抑えるのはダンパの役割です。
「位置を入れ替えて三相の条件をそろえる」という点が本質です。

他の選択肢が不適切な理由
たるみを径間ごとにそろえることは架線するときの施工の管理に属する話で、相ごとの電気的な条件をそろえることとは目的が違います。接地抵抗を低く保つのは鉄塔の脚部から地中へ埋設する導体の役目、緩やかな風による振動を抑えるのは支持点近くの金具の役目です。この工夫の狙いは、鉄塔上での位置の違いから生まれる相ごとの差をならすことにあります。
問98-4

架空送電線に微風が当たり続けることで生じる微風振動を抑制し、支持点付近の断線を防ぐために取り付けるものは。

  • ①アークホーン
  • ②スペーサ
  • ③ダンパ
  • ④架空地線
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正解 ③ダンパ
解説
詳細解説
微風振動は、毎秒数メートル程度の緩やかな風が電線に当たったときに電線の背後に渦ができ、その周期が電線の固有振動と合うことで長時間続く上下方向の細かい振動です。振動が続くと支持点付近の電線に繰り返し応力がかかり、素線切れや断線につながります。
ダンパは電線の支持点近くに取り付けるおもり状の金具で、振動のエネルギーを吸収して振幅を抑えます。
アークホーンはがいしを放電から守る金具、スペーサは多導体の素導体間隔を保つ金具、架空地線は雷から電線を遮へいする線で、いずれも振動対策の部材ではありません。
支持点の電線に巻き付けて補強するアーマロッドも、あわせて用いられます。

他の選択肢が不適切な理由
がいし連の両端に取り付ける金具は放電の道すじを本体から遠ざけるためのもの、1相を複数の電線で構成するときに用いる金具はその間隔を保つためのもの、最上部に張る線は雷の直撃を受け止めるためのもので、いずれも振動を抑える働きは持ちません。この振動は緩やかな風によって長時間続き、支持点付近に繰り返し力が加わることで素線を切るため、揺れそのものを吸収する部材が必要になります。
問108-4

海岸に近い地域の架空送電線路で、がいしの塩害を防ぐための対策として、正しいものは。

  • ①がいしの連結個数を減らして軽くする
  • ②表面を導電性の塗料で覆って流す
  • ③アークホーンの間隔を極端に狭める
  • ④沿面距離の長いがいしを採用する
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正解 ④沿面距離の長いがいしを採用する
解説
詳細解説
海からの風で運ばれた塩分ががいしの表面に付着すると、そこに湿気が加わって表面が導電性を帯び、沿面(表面をたどる経路)で放電が起こりやすくなります。対策としては、ひだを深くして沿面距離を長くしたスモッグがいしを用いる、がいしの連結個数を増やして絶縁を強める、はっ水性物質を塗る、活線のまま水で洗浄する、といった方法がとられます。
連結個数を減らすのは絶縁を弱める方向で、対策として逆です。
導電性の塗料で覆えば表面がさらに導通しやすくなり、かえって放電を招きます。
アークホーンの間隔を狭めると、わずかな過電圧でも放電してしまいます。
「沿面距離を長く、絶縁を強く」が塩害対策の基本です。

他の選択肢が不適切な理由
この害は表面を電流が伝うことで進むので、対策は表面をたどる経路を長くするか、付着したものを取り除くか、水をはじくかのいずれかになります。連結する個数を減らす方法は絶縁を弱める方向で、対策としては逆です。導電性の塗料で覆えば表面はいっそう電流を通しやすくなります。放電させる金具の間隔を極端に狭めると、わずかな過電圧でも放電してしまい、かえって事故を招きます。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。