2026年版・8-3

原子力発電と新エネルギー発電の一問一答

第一種電気工事士「発電・送電・変電施設」から、原子力発電と新エネルギー発電に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-3

軽水炉による原子力発電の熱効率が、同規模の汽力発電より低くなる主な理由は。

  • ①燃料の発熱量がきわめて小さいため
  • ②発電機の効率が著しく低いため
  • ③蒸気の温度と圧力が低いため
  • ④復水器を用いない方式のため
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正解 ③蒸気の温度と圧力が低いため
解説
詳細解説
熱機関の効率は、作動流体の高温側と低温側の温度差が大きいほど高くなります。軽水炉では原子炉の材料や安全上の制約から蒸気の温度と圧力を高くできず、汽力発電のような過熱蒸気ではなく飽和蒸気に近い状態でタービンを回します。この温度差の小ささが、熱効率が3割程度にとどまる主な理由です。
燃料の発熱量が小さいという記述は誤りで、核燃料の単位質量あたりのエネルギーは化石燃料よりはるかに大きい値です。
発電機自体の効率は汽力発電と変わらず、きわめて高い値です。
原子力発電でも復水器は用いており、方式が違うわけではありません。
効率の差は熱源の温度で決まる、という熱力学の原則から理解します。

他の選択肢が不適切な理由
燃料の発熱量は、同じ熱量を与えたときに何割が電気になるかという効率の話とは別の量です。発熱量が小さくても燃料を多く使えば同じ出力は得られるので、効率の高低には結びつきません。発電機や復水器は蒸気の温度そのものに関わらない部分なので、そこに原因を求めても説明がつきません。効率を決めているのは、熱を受け取る側と捨てる側の温度の差であるという点が出発点になります。
問28-3

沸騰水型原子炉(BWR)の特徴として、正しいものは。

  • ①原子炉内で直接蒸気を発生させる
  • ②蒸気発生器で二次系に蒸気を作る
  • ③一次冷却水を加圧して沸騰を防ぐ
  • ④冷却材に重水だけを用いる方式である
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正解 ①原子炉内で直接蒸気を発生させる
解説
詳細解説
沸騰水型原子炉(BWR)は、原子炉圧力容器の中で冷却材である軽水を直接沸騰させ、そこで発生した蒸気をそのままタービンへ送る方式です。蒸気発生器が不要で構成が簡素になる一方、タービン側にも放射性物質を含む蒸気が回るため、保守時の管理範囲が広くなります。
蒸気発生器で二次系に蒸気を作る方式、一次冷却水を加圧して沸騰させない方式は、いずれも加圧水型原子炉(PWR)の特徴です。
軽水炉は名称のとおり冷却材と減速材に軽水(普通の水)を用いており、重水だけを用いるという記述は別の炉型の説明です。
「BWRは直接、PWRは蒸気発生器を介する」と対で覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
蒸気を作る器を別に設ける方式や、水を加圧して沸騰させない方式は、いずれも原子炉の中では蒸気を作らないことを前提としており、炉内で直接沸騰させるという説明と両立しません。この方式では系統が一次側と二次側に分かれるため、タービン側に放射性物質が回らないという違いも生じます。軽水炉という呼び名そのものが、普通の水を用いていることを表しています。
問38-3

原子炉に用いる制御棒の役割として、正しいものは。

  • ①中性子の速度を落として減速させる
  • ②炉心で発生した熱を外へ運び出す
  • ③放射線が外部に漏れるのを遮る
  • ④中性子を吸収して出力を調整する
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正解 ④中性子を吸収して出力を調整する
解説
詳細解説
制御棒は、中性子をよく吸収するホウ素やカドミウムなどを含む棒で、炉心への出し入れによって核分裂の連鎖反応の度合いを変え、原子炉の出力を調整します。緊急時には一斉に挿入して反応を素早く止める役割も担います。
中性子の速度を落とすのは減速材の働きで、軽水炉では冷却材でもある軽水がこれを兼ねています。
炉心の熱を外へ運び出すのは冷却材の役割です。
放射線が外部へ漏れるのを防ぐのは、圧力容器や格納容器、遮へい壁などの構造物の役割です。
「吸収するのが制御棒、遅くするのが減速材、運ぶのが冷却材」と、三つの役割を区別して覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
出力を上げ下げできるのは、炉心へ出し入れして量を加減できるからです。中性子の速さを落とす材や熱を運ぶ材は炉内を常に満たしているもので、出し入れによって反応の度合いを細かく調整することができません。放射線が外へ漏れるのを防ぐのは圧力容器や格納容器といった動かせない構造物の役目であり、運転中に出力を変える手段にはなりません。
問48-3

原子炉に用いる減速材の役割として、正しいものは。

  • ①核分裂で生じた中性子を減速する
  • ②核分裂の連鎖反応を完全に止める
  • ③炉心から熱を取り出して運搬する
  • ④使用済み燃料を安全に保管する材料
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正解 ①核分裂で生じた中性子を減速する
解説
詳細解説
核分裂で飛び出す中性子は速度が非常に速く、そのままではウランに吸収されにくいため連鎖反応が続きません。減速材は、この高速の中性子を衝突によって減速し、核分裂を起こしやすい熱中性子に変える役割を担います。軽水炉では軽水がこの役目を果たします。
連鎖反応を止めるのは制御棒の役割で、減速材はむしろ反応を続けやすくする方向に働きます。
炉心の熱を取り出して運ぶのは冷却材の役割です。軽水炉では減速材と冷却材が同じ水ですが、果たす役割は別のものとして区別します。
使用済み燃料の保管材とは無関係です。
「速い中性子は使いにくいので遅くする」という点が減速材の本質です。

他の選択肢が不適切な理由
連鎖反応を止める働きと、反応を続きやすくする働きは正反対なので、同じ材が兼ねることはできません。熱を取り出して運ぶ働きは、炉心で生じた熱を外へ持ち出す機能であって、中性子の速さを変えることとは関係がありません。軽水炉では同じ水が二つの役目を兼ねていますが、果たしている働きは別のものとして分けて理解する必要があります。使用済み燃料の保管とは無関係です。
問58-3

太陽電池による発電の特徴として、正しいものは。

  • ①光を熱に変えて蒸気を作り発電する
  • ②交流をそのまま系統へ送り出せる
  • ③半導体のpn接合で直流を発生する
  • ④日射量が変わっても出力は一定である
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正解 ③半導体のpn接合で直流を発生する
解説
詳細解説
太陽電池は、半導体のpn接合に光が当たると電子と正孔が生じ、接合部の電界によって分離されることで起電力が生まれる仕組みです。発生するのは直流であり、回転する機械部分をもたないため騒音や振動がありません。
光を熱に変えて蒸気を作るのは太陽熱発電の方式で、太陽電池とは原理が異なります。
発電されるのは直流なので、そのまま系統へ送ることはできず、パワーコンディショナで交流に変換する必要があります。
出力は日射量にほぼ比例して変わり、さらにセルの温度が上がると電圧が下がって出力も低下します。出力が一定という記述は誤りです。
「直流で発生し、日射で変動する」が要点です。

他の選択肢が不適切な理由
光をいったん熱に変えて蒸気を作る方式は、鏡で日光を集めて熱機関を回す別の発電で、原理がまったく異なります。回転する機械を持たない以上、交流をつくる仕組みがそもそもないので、そのまま系統へ送り出せるという説明も成り立ちません。出力は日射の強さにほぼ比例するうえ、素子の温度が上がると電圧が下がるため、一定に保たれることはありません。
問68-3

太陽光発電設備に用いるパワーコンディショナの主な機能として、正しいものは。

  • ①直流を昇圧して蓄電池へ充電する
  • ②直流を交流に変換し系統へ連系する
  • ③交流を直流に変えて負荷へ供給する
  • ④太陽電池の日射量を計測して記録する
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正解 ②直流を交流に変換し系統へ連系する
解説
詳細解説
パワーコンディショナは、太陽電池が発生した直流をインバータで商用周波数の交流に変換し、電圧と位相を系統に合わせて連系させる装置です。あわせて、日射条件に応じて出力が最大になる動作点を追従する制御や、系統事故時に運転を停止する保護機能ももちます。
蓄電池への充電は蓄電システムを併設した場合の機能で、パワーコンディショナ本来の役割ではありません。
交流を直流に変えるのはコンバータの働きで、変換の向きが逆です。
日射量の計測は計測装置の役割であり、電力変換とは別の機能です。
「直流を交流に変えて系統につなぐ心臓部」と押さえておきます。

他の選択肢が不適切な理由
系統につなぐには、電圧の大きさだけでなく周波数と位相まで合わせる必要があるため、直流を単に電圧の高さだけ変えて蓄電池へ送る働きでは連系できません。交流を直流に変える働きは変換の向きが逆で、太陽電池からの電力を系統へ送るという流れに合いません。日射の強さを測って記録する働きは、発電の状況を把握するための別の装置が担うものです。
問78-3

風力発電機が風から取り出せる理論上の電力は、風速のおよそ何乗に比例するか。

  • ①1乗
  • ②2乗
  • ③2.5乗
  • ④3乗
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正解 ④3乗
解説
詳細解説
風がもつ運動エネルギーは風速の2乗に比例し、単位時間に風車を通過する空気の質量は風速に比例します。両者を掛け合わせるため、風から取り出せる電力は風速の3乗に比例します。
したがって風速が2倍になれば得られる電力はおよそ8倍、風速が半分になれば約8分の1にまで落ちます。
1乗や2乗としたのは、通過質量だけ、あるいは運動エネルギーだけを考えた場合の誤りです。
この関係から、風力発電は年間の平均風速が少し違うだけで発電量が大きく変わり、立地の選定が決定的に重要になります。
なお、風のエネルギーをすべて取り出せるわけではなく、理論上の上限は約59%であることも知られています。

他の選択肢が不適切な理由
1乗としたものは風車を通る空気の量だけを、2乗としたものは空気1キログラムあたりのエネルギーだけを見た場合の値で、どちらか一方しか考えていません。両方を掛け合わせなければ1秒あたりのエネルギーになりません。2.5乗という値は理論の式から導かれません。3乗であることは、風速が2倍になると得られる電力がおよそ8倍にもなるという大きな差として現れます。
問88-3

燃料電池による発電の原理として、正しいものは。

  • ①水素と酸素の化学反応で発電する
  • ②燃料を燃やして蒸気を作り発電する
  • ③内燃機関で発電機を回して発電する
  • ④電池に蓄えた電気を放電するだけ
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正解 ①水素と酸素の化学反応で発電する
解説
詳細解説
燃料電池は、水素と空気中の酸素を電解質を挟んで反応させ、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置です。生成物は水であり、燃焼をともなわないため窒素酸化物などの排出がほとんどありません。発生するのは直流なので、系統へつなぐ場合はインバータで交流に変換します。
燃料を燃やして蒸気を作るのは汽力発電、内燃機関で発電機を回すのはディーゼル発電やガスエンジン発電の方式です。
蓄えた電気を放電するだけという記述は二次電池(蓄電池)の説明で、燃料電池は燃料を供給し続ける限り発電を続けます。
反応にともなう熱も給湯などに利用でき、家庭用コージェネレーション設備として実用化されています。

他の選択肢が不適切な理由
燃料を燃やして蒸気を作る方式や、内燃機関で発電機を回す方式は、いずれも熱を経由してから機械の回転に変え、さらに電気にするという道すじをとります。この装置は燃焼を経ないので、その道すじとは根本的に異なります。蓄えた電気を放電するだけという説明は充電して繰り返し使う電池のもので、この装置は燃料を送り続けるかぎり発電を続ける点が決定的に違います。
問98-3

地下から取り出した蒸気で直接タービンを回して発電する方式は。

  • ①バイオマス発電
  • ②太陽熱発電
  • ③地熱発電
  • ④潮汐発電
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正解 ③地熱発電
解説
詳細解説
地熱発電は、火山地帯の地下深くにある高温の熱水や蒸気を生産井から取り出し、汽水分離器で蒸気だけを分けてタービンへ送る方式です。使い終えた熱水は還元井から地下へ戻します。燃料を必要とせず、天候にも左右されないため、設備利用率が高いことが特徴です。
バイオマス発電は木質燃料などを燃やしてボイラで蒸気を作る方式で、熱源が地下ではありません。
太陽熱発電は鏡で日光を集めて蒸気を作る方式です。
潮汐発電は潮の干満による水位差を利用して水車を回す方式です。
日本は火山国で資源量が多い一方、有望地の多くが国立公園や温泉地と重なるため、開発には調整が必要とされています。

他の選択肢が不適切な理由
木質の燃料などを燃やして蒸気を作る方式は、熱の源が地下ではなく燃料の燃焼にあります。鏡で日光を集めて蒸気を作る方式は天候に左右され、夜間は発電できません。潮の満ち引きを利用する方式は水位の差で水車を回すもので、蒸気を用いません。地下から取り出したものをそのままタービンへ導けるかどうかが、この方式を他と分ける点になります。
問108-3

太陽光発電設備を電力系統に連系する場合、系統が停電したときに単独運転を防止しなければならない主な理由は。

  • ①発電した電力の売電量が減るため
  • ②停電した線路が充電され危険なため
  • ③太陽電池の温度が上がりすぎるため
  • ④パワーコンディショナが過熱するため
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正解 ②停電した線路が充電され危険なため
解説
詳細解説
単独運転とは、系統側が停電しているのに、連系している発電設備だけが運転を続けて周囲の線路に電気を送り続けてしまう状態です。停止しているはずの線路が充電されるため、復旧作業を行う作業者が感電する危険があり、また系統が復電したときに位相の合わない状態で接続されて機器を傷めるおそれもあります。
売電量の減少は経済上の話であり、保安上の理由ではありません。
太陽電池の温度上昇やパワーコンディショナの過熱は、単独運転の防止とは直接関係しません。
このためパワーコンディショナには単独運転検出機能が備えられ、系統の停電を検出すると自動的に運転を停止し、系統から解列します。

他の選択肢が不適切な理由
売電できる量が減ることは事業者にとっての損得の問題であって、人の命に関わる保安上の理由とは性質が違います。太陽電池の温度が上がることや、変換装置が熱を持つことは、系統が停電しているかどうかとは関係なく日射や負荷によって決まる事柄です。この保護が求められる理由は、止まっているはずの線路に電気が送られ続け、復旧に当たる人が感電する危険がある点にあります。

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