2026年版・8-2

汽力発電の構造と熱サイクルの一問一答

第一種電気工事士「発電・送電・変電施設」から、汽力発電の構造と熱サイクルに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-2

汽力発電の基本となるランキンサイクルにおいて、水と蒸気が流れる順序として正しいものは。

  • ①ボイラ→給水ポンプ→タービン→復水器
  • ②給水ポンプ→ボイラ→タービン→復水器
  • ③給水ポンプ→タービン→ボイラ→復水器
  • ④ボイラ→タービン→給水ポンプ→復水器
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正解 ②給水ポンプ→ボイラ→タービン→復水器
解説
詳細解説
ランキンサイクルは、給水ポンプで水の圧力を高め、ボイラで加熱して高温高圧の蒸気にし、蒸気タービンで膨張させて仕事を取り出し、復水器で冷やして水に戻す、という循環です。復水器を出た水は再び給水ポンプへ送られ、この四つの過程を繰り返します。
ボイラを先に置く順序は、水を加圧せずに加熱することになり、高圧の蒸気が得られません。
タービンをボイラの前に置く順序は、まだ蒸気になっていない水をタービンへ送ることになり成立しません。
給水ポンプをタービンの後ろに置く順序も、復水器を通る前の蒸気を加圧することになり誤りです。
「加圧→加熱→膨張→冷却」という熱機関の基本の流れとして覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
冷やして水に戻す過程を最後に置かない順序では、気体のままの蒸気をポンプで加圧することになります。気体を圧縮するには液体を押し上げるよりはるかに大きな仕事が必要で、取り出した仕事の多くを圧縮に費やしてしまい、循環として成り立ちません。加熱と膨張の順序を入れ替えた並びも、まだ蒸気になっていない水をタービンへ送ることになり、仕事を取り出せません。
問28-2

汽力発電所の復水器の役割として、正しいものは。

  • ①燃焼用の空気を排ガスで予熱する装置
  • ②給水を蒸発させて蒸気に変える
  • ③飽和蒸気をさらに加熱し過熱する
  • ④蒸気を冷却して水に戻し真空を保つ
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正解 ④蒸気を冷却して水に戻し真空を保つ
解説
詳細解説
復水器は、タービンで仕事を終えた蒸気を海水などの冷却水で冷やして水に戻す熱交換器です。蒸気が水になると体積が急激に縮むため器内は高い真空になり、タービン出口の圧力が下がって取り出せる仕事が増えます。復水した水は不純物が少ないので、そのまま給水として再利用できます。
給水を蒸発させるのはボイラ、飽和蒸気をさらに加熱するのは過熱器、燃焼用空気を排ガスで温めるのは空気予熱器の役割です。
復水器の真空度が下がるとタービン出口の圧力が上がり、熱効率が低下します。冷却水の温度や量、器内への空気の漏れ込みが真空度に影響するため、運転管理上の重要な監視項目になります。

他の選択肢が不適切な理由
水を蒸発させて蒸気にする装置や、できた蒸気をさらに加熱する装置は、いずれも熱を加える側の設備で、熱を奪って水に戻すこの装置とは働きが正反対です。排ガスで燃焼用の空気を温める装置も熱を回収して燃焼側へ戻すもので、蒸気を凝縮させる働きはありません。体積が急に縮むことで器内が真空になるという点が、この装置ならではの効果です。
問38-2

汽力発電の再熱サイクルの説明として、正しいものは。

  • ①高圧タービンの排気を再び加熱する
  • ②タービンの途中から蒸気を抽出する
  • ③排ガスの余熱で給水を予熱している
  • ④燃焼用空気を排ガスで加熱している
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正解 ①高圧タービンの排気を再び加熱する
解説
詳細解説
再熱サイクルは、高圧タービンで膨張して温度と圧力が下がった蒸気をいったんボイラの再熱器へ戻し、もう一度加熱してから低圧タービンへ送る方式です。低圧タービン内での蒸気の湿り(水滴の発生)を抑えられるため、羽根の壊食を防ぎながら熱効率を高められます。
タービンの途中から蒸気を抽出するのは再生サイクルの説明です。
排ガスの余熱で給水を予熱するのは節炭器、燃焼用空気を加熱するのは空気予熱器の働きで、いずれもサイクルの名称ではありません。
実際の大容量機では再熱と再生を組み合わせた再熱再生サイクルが採用され、熱効率をさらに引き上げています。

他の選択肢が不適切な理由
タービンの途中から蒸気の一部を取り出す方式は、その蒸気で給水を温める別のサイクルの説明です。排ガスの余熱で給水を温める装置や、燃焼用の空気を温める装置は、ボイラの煙道に設ける熱回収の設備の名称であって、サイクルの名前ではありません。取り出した蒸気を何に使うのか、加熱するのは蒸気か給水か空気かという点で、名前の似た方式を区別します。
問48-2

汽力発電の再生サイクルの説明として、正しいものは。

  • ①復水器の冷却水量を増やす方式
  • ②抽気で給水を加熱して効率を高める
  • ③蒸気を再加熱してから低圧側へ送る
  • ④燃料の発熱量を高めて出力を増やす
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正解 ②抽気で給水を加熱して効率を高める
解説
詳細解説
再生サイクルは、蒸気タービンの途中段から蒸気の一部を取り出し(抽気)、給水加熱器でボイラへ送る給水を温める方式です。ボイラで加える熱量が減るうえ、復水器で捨てる熱量も減るため、熱効率が向上します。
復水器の冷却水量を増やすのは真空度の管理に関わる運転上の操作で、サイクルの名称ではありません。
蒸気を再加熱してから低圧側へ送るのは再熱サイクルの説明で、名前が似ているため取り違えやすい点です。
燃料の発熱量を高めるのは燃料の選定の話であり、熱サイクルの工夫ではありません。
「再生=抽気して給水を温める」「再熱=途中でもう一度加熱する」と対で覚えると混同しません。

他の選択肢が不適切な理由
蒸気をもう一度加熱してから低圧側へ送る方式は、名前が似ていますが別のサイクルで、目的は膨張の途中で生じる水滴を減らすことにあります。冷却水の量を増やすことは真空度を保つための運転上の操作であり、サイクルの工夫として名前が付いているものではありません。燃料の発熱量を高めることは燃料そのものを選ぶ話で、同じ熱量からより多くの仕事を取り出す工夫とは性質が異なります。
問58-2

ボイラの煙道に設け、排ガスの余熱を利用してボイラへ送る給水を加熱する装置は。

  • ①空気予熱器
  • ②過熱器
  • ③節炭器
  • ④脱気器
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正解 ③節炭器
解説
詳細解説
節炭器(エコノマイザ)は、ボイラの煙道に設けた熱交換器で、まだ高温の排ガスがもつ熱で給水をあらかじめ温めます。ボイラで加えるべき熱量が減るので燃料の節約になり、名称もここに由来します。
空気予熱器も同じく排ガスの余熱を使いますが、温める対象は給水ではなく燃焼用の空気です。
過熱器はボイラで発生した飽和蒸気をさらに加熱して過熱蒸気にする装置で、給水を扱いません。
脱気器は給水に溶け込んだ酸素などの気体を取り除き、配管や機器の腐食を防ぐ装置です。
煙道の熱回収装置は「給水を温めるのが節炭器、空気を温めるのが空気予熱器」と、対象で区別します。

他の選択肢が不適切な理由
同じ煙道に置かれる装置でも、燃焼用の空気を温めるものは対象が空気であり、給水を温めるこの装置とは行き先が異なります。ボイラで発生した蒸気をさらに加熱する装置は、扱うのが給水ではなく蒸気です。給水に溶け込んだ気体を取り除く装置は、腐食を防ぐためのもので熱を回収する設備ではありません。何を温めるのかという対象で見分けるのが確実です。
問68-2

ボイラの煙道に設け、排ガスの余熱で燃焼用の空気を加熱して燃焼効率を高める装置は。

  • ①節炭器
  • ②復水器
  • ③再熱器
  • ④空気予熱器
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正解 ④空気予熱器
解説
詳細解説
空気予熱器は、煙道を通る排ガスの熱で燃焼用の空気を温めてから火炉へ送る装置です。あらかじめ温めた空気を送ることで火炉内の温度が上がって燃焼が安定し、排ガスとして捨てる熱も減るため、ボイラ全体の効率が向上します。
節炭器も排ガスの余熱を回収する装置ですが、温めるのは給水です。
復水器はタービンの排気を冷やして水に戻す装置で、熱を回収するのではなく捨てる側の設備です。
再熱器は高圧タービンの排気を再加熱する装置で、対象は空気ではなく蒸気です。
煙道の下流側ほど排ガス温度が低いので、上流に節炭器、下流に空気予熱器を置くのが一般的な配置です。

他の選択肢が不適切な理由
同じく排ガスの熱を回収する装置でも、温める対象が給水であるものは行き先が異なります。タービンの排気を冷やして水に戻す装置は、熱を回収するのではなく捨てる側の設備なので、燃焼を助ける働きは持ちません。高圧タービンの排気をもう一度加熱する装置は、対象が空気ではなく蒸気です。煙道に置かれるかどうかと、温める対象が何かを組にして覚えます。
問78-2

ボイラに設ける過熱器の役割として、正しいものは。

  • ①飽和蒸気を加熱し過熱蒸気にする
  • ②給水中の溶存酸素を取り除く装置
  • ③蒸気を冷やして復水に戻す装置
  • ④排ガスで燃焼用空気を温める装置
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正解 ①飽和蒸気を加熱し過熱蒸気にする
解説
詳細解説
過熱器は、ボイラの蒸発部で発生した飽和蒸気をさらに加熱し、同じ圧力のまま温度を高めた過熱蒸気にする装置です。過熱蒸気は水滴を含まないため、タービン内で羽根を傷める湿り損失を減らせるうえ、温度が高い分だけ取り出せる仕事も増えます。
給水中の溶存酸素を取り除くのは脱気器の役割です。
蒸気を冷やして水に戻すのは復水器で、過熱器とは働きが正反対です。
排ガスで燃焼用空気を温めるのは空気予熱器です。
飽和蒸気は少しでも温度が下がると水滴が生じます。過熱によってその余裕をもたせることが、タービンの長寿命化と効率向上の両方につながります。

他の選択肢が不適切な理由
給水に溶け込んだ気体を取り除く装置は、配管や機器の腐食を防ぐためのもので、蒸気の温度を上げる働きはありません。蒸気を冷やして水に戻す装置は熱を奪う側なので、働きがちょうど正反対になります。排ガスで燃焼用の空気を温める装置は、扱う対象が蒸気ではなく空気です。圧力を変えずに温度だけを上げ、水滴を含まない状態にするという点がこの装置の役割です。
問88-2

発電機出力10000kWの汽力発電所が、発熱量45000kJ/kgの燃料を毎時2000kg消費している。この発電所の発電端熱効率〔%〕にもっとも近い値は。ただし1kWh=3600kJとする。

  • ①20
  • ②30
  • ③40
  • ④45
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正解 ③40
解説
詳細解説
熱効率は「取り出した電気エネルギー÷投入した燃料の熱量」で求めます。単位をそろえるため、両方を1時間あたりの熱量〔kJ〕に直します。
発電した電力量は1時間で10000kWh なので、熱量に直すと 10000×3600=36000000kJ です。
投入した燃料の熱量は 2000×45000=90000000kJ です。
したがって熱効率は 36000000/90000000=0.4、すなわち40%となります。
45%は燃料の発熱量を40000kJ/kgと読み違えた場合、30%は60000kJ/kgとした場合、20%は発電機出力を5000kWと読み違えた場合に出る値です。
汽力発電の熱効率は40%前後で、残りの多くは復水器の冷却水として海へ捨てられます。この数値の感覚をもっておくと検算に役立ちます。

他の選択肢が不適切な理由
燃料1キログラムあたりで確かめると検算になります。45000キロジュールの4割が電気になるとすれば18000キロジュール、これは5キロワット時にあたり、毎時2000キログラムを消費すれば1万キロワット時となって出力と一致します。45パーセントや30パーセントは、この計算で燃料の発熱量を読み違えた場合に現れる値です。20パーセントは出力を半分に見て計算した場合の値で、いずれも与えられた数値と合いません。
問98-2

コンバインドサイクル発電の特徴として、正しいものは。

  • ①起動から全負荷までに一日を要する
  • ②排熱で蒸気を作り二段階で発電する
  • ③同出力の汽力より熱効率が低くなる
  • ④冷却水を汽力発電より多く必要とする
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正解 ②排熱で蒸気を作り二段階で発電する
解説
詳細解説
コンバインドサイクル発電は、まずガスタービンで発電し、その高温の排ガスを排熱回収ボイラへ導いて蒸気を作り、蒸気タービンでもう一度発電する方式です。二つの熱サイクルを重ねることで、従来の汽力発電を上回る高い熱効率が得られます。
したがって熱効率が低くなるという記述は誤りです。
ガスタービンは起動が速く、数十分程度で全負荷に達するため、一日を要するという記述も誤りです。
蒸気タービンの受け持つ出力が相対的に小さいので復水器で捨てる熱も減り、冷却水は汽力発電より少なくて済みます。
起動が速く部分負荷でも効率が落ちにくいことから、需要変動への対応力にも優れます。

他の選択肢が不適切な理由
同じ燃料から二段階で仕事を取り出す方式なのですから、熱効率が従来の方式より低くなるという説明は、この方式の狙いそのものと矛盾します。ガスタービンは回転する部分が比較的小さく、温度変化による無理がかかりにくいため、起動に丸一日を要することもありません。蒸気タービンが受け持つ分が小さい分だけ、冷やして捨てる熱も減るので、冷却水はむしろ少なくて済みます。
問108-2

汽力発電所において、供給した熱量のうちもっとも多くの熱が失われる箇所は。

  • ①ボイラの煙道から出る排ガス
  • ②発電機で生じる銅損と鉄損
  • ③蒸気タービンの機械的な損失
  • ④復水器で持ち去られる冷却水
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正解 ④復水器で持ち去られる冷却水
解説
詳細解説
汽力発電では、燃料が持っていた熱量のうち電気になるのは4割程度で、残りの大部分は復水器で蒸気を凝縮させるときに冷却水へ移り、海や河川へ放出されます。この復水器損失が全損失の中で圧倒的に大きく、およそ半分を占めます。
煙道から出る排ガスによる損失もありますが、節炭器と空気予熱器で熱を回収しているため復水器ほど大きくありません。
発電機の銅損と鉄損、タービンの機械損はいずれも全体から見れば小さな割合です。
復水器で捨てる熱を減らすには、タービン出口の圧力をできるだけ下げる必要があり、真空度の維持が熱効率に直結します。

他の選択肢が不適切な理由
煙道から出る排ガスが持ち去る熱も損失ではありますが、給水や燃焼用空気を温める装置で回収しているため、割合としては小さく抑えられています。発電機の巻線や鉄心で生じる損失、タービンの軸受などで生じる機械的な損失は、全体から見れば数パーセントの範囲にとどまります。電気になるのが4割程度である以上、残る大半がどこへ行くのかという視点で考えると答えが定まります。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。