2026年版・7-1

高圧受電設備の単線結線図の読み取りの一問一答

第一種電気工事士「配線図」から、高圧受電設備の単線結線図の読み取りに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問17-1

高圧受電設備の単線結線図において、責任分界点に設けた区分開閉器(PAS)の内部に組み込まれ、地絡事故時に流れる零相電流を検出する機器はどれか。

  • ①零相変流器(ZCT)
  • ②変流器(CT)
  • ③計器用変圧器(VT)
  • ④計器用変圧変流器(VCT)
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正解 ①零相変流器(ZCT)
解説
詳細解説
区分開閉器(PAS)の内部には零相変流器(ZCT)が組み込まれ、三相の電流のベクトル和(零相電流)を検出します。健全時は三相の電流の和がゼロになりますが、地絡が起きると電流の一部が大地へ逃げるため和がゼロにならず、そのズレをZCTが拾って地絡継電器を動作させ、PASを開放します。
変流器(CT)は各相の大きな電流を5Aなどの扱いやすい値に変換する機器で、過電流継電器と組み合わせて短絡・過負荷保護に使います。計器用変圧器(VT)は高電圧を110Vに下げて計器に送る機器です。計器用変圧変流器(VCT)は電力会社の取引用電力量計に電圧と電流を同時に送る機器で、いずれも地絡検出はしません。
「零相=三相の和のズレ=地絡」と結び付けて覚えると混同しません。

他の選択肢が不適切な理由
変流器は各相の電流を一相ずつ取り出して変換する機器なので、三相を合わせた和がずれたかどうかという情報そのものを取り出すことができません。計器用変圧器は電圧を下げて計器へ送る機器で、電流を検出する働きを持ちません。計器用変圧変流器は取引用の電力量を計るために電圧と電流を同時に取り出す機器であり、事故を検出して保護装置を動かすことを目的とした機器ではありません。
問27-1

高圧受電設備の単線結線図に描かれる断路器(DS)の取り扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①定格の負荷電流であれば通電中でも開閉できる
  • ②短絡電流を遮断する能力を備えた遮断器である
  • ③負荷電流が流れていないことを確認して開閉する
  • ④地絡電流を検出して自動的に開路する装置である
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正解 ③負荷電流が流れていないことを確認して開閉する
解説
詳細解説
断路器(DS)は、電路を目に見える形で切り離して点検作業の安全を確保するための機器であり、電流を遮断する消弧装置(アークを消す仕組み)を持ちません。そのため必ず無負荷、すなわち電流が流れていない状態を確認してから操作します。実務では、先に遮断器を開いて電流を止め、その後にDSを開く「遮断器→断路器」の順序が鉄則です。投入時はこの逆順になります。
通電中でも開閉できるのは高圧交流負荷開閉器(LBS)で、こちらは負荷電流の開閉能力を持ちます。短絡電流まで遮断できるのは真空遮断器(VCB)などの遮断器です。地絡電流を検出して自動で開くのは地絡継電装置付きの開閉器であり、DS自体に検出機能はありません。
単線結線図では、DSは主遮断装置の電源側に置かれます。

他の選択肢が不適切な理由
断路器は接点が空気中で開くだけの構造で、アークを消す仕組みを持たないため、定格の範囲内の負荷電流であっても通電したまま開けば接点を傷めます。遮断器と呼べるのは短絡電流を切る能力が確かめられた機器に限られ、断路器はその区分に入りません。事故を検出して自動で開くには検出部と操作の機構が必要ですが、断路器は人が操作することを前提とした機器であり、そうした機能を備えていません。
問37-1

主遮断装置として高圧限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)を用いる高圧受電設備で、一般に適用できる受電設備容量の上限はどれか。

  • ①150 kV·A
  • ②300 kV·A
  • ③500 kV·A
  • ④1000 kV·A
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正解 ②300 kV·A
解説
詳細解説
高圧受電設備の主遮断装置には、遮断器を用いるCB形と、高圧限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器を組み合わせたPF・S形があります。PF・S形は構成が簡素で安価ですが、短絡電流の遮断をヒューズの溶断に頼るため、適用できる規模が限られ、受電設備容量300 kV·A以下が目安とされています。これを超える設備では、過電流継電器(OCR)と真空遮断器(VCB)を組み合わせたCB形を用います。
150 kV·A、500 kV·A、1000 kV·Aは、いずれも主遮断装置の形式を分ける基準として定められた値ではありません。PF・S形とCB形を分ける境目は300 kV·Aの一点だけです。
「PF・S形は300 kV·Aまでの小規模用」と数値ごと覚えておくと確実です。

他の選択肢が不適切な理由
150という値は、この二つの形式を分ける境目として定められたものではありません。500や1000といった規模になると、ヒューズの溶断だけに短絡保護を頼ることが難しくなり、継電器と遮断器を組み合わせた形式が必要になります。ヒューズは一度動作すれば取り替えなければ復旧できず、三相のうち一相だけが溶断すると欠相のまま運転が続くおそれもあるため、適用できる規模に上限が設けられています。
問47-1

運転中の高圧受電設備において、変流器(CT)の二次側端子を絶対に開放してはならない理由として正しいものはどれか。

  • ①一次側の電圧が上昇し鉄心が飽和してしまうため
  • ②二次側が短絡状態となり大電流が流れて焼損するため
  • ③二次側に高電圧が発生し絶縁破壊のおそれがあるため
  • ④一次側の電流が急増して過電流継電器が誤動作するため
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正解 ③二次側に高電圧が発生し絶縁破壊のおそれがあるため
解説
詳細解説
変流器(CT)は一次側の電流の大きさが負荷側の事情で決まってしまう機器です。二次側を開放すると二次電流が流れなくなり、一次電流のすべてが鉄心を磁化する励磁電流として働きます。その結果、鉄心が強く磁化されて二次巻線に非常に高い電圧が誘起され、絶縁破壊や作業者の感電につながります。したがって、二次側の計器を外すときは必ず二次端子を短絡してから作業します。
二次側を短絡しても大電流にはならず、これはCTの正常な使い方です。一次側の電流はあくまで負荷で決まるため急増しませんし、一次電圧が上がることもありません。
「CTは二次を開放しない、VTは二次を短絡しない」と対にして覚えると混同を防げます。

他の選択肢が不適切な理由
二次側を短絡することは変流器の正常な取扱いであり、これによって大電流が流れて焼損するという説明は逆になっています。一次側の電流は接続された負荷によって決まるため、二次側を開けたことで急に増えることはなく、一次側の電圧が上がることもありません。むしろ二次側が開放されている間は電流が流れないので、過電流継電器は誤動作するどころか、事故が起きても動作できない状態になります。
問57-1

高圧受電設備の単線結線図において、計器用変圧器(VT)の一次側に設けることとされている保護装置はどれか。

  • ①限流ヒューズ
  • ②避雷器
  • ③直列リアクトル
  • ④接地形計器用変圧器
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正解 ①限流ヒューズ
解説
詳細解説
計器用変圧器(VT)は高圧を110Vに下げて電圧計や保護継電器に送る機器で、巻線が細く、内部で短絡故障を起こすことがあります。そのまま高圧回路につながっていると事故が上位へ波及するため、VTの一次側には限流ヒューズを設け、故障したVTだけを速やかに切り離します。単線結線図でもVTの一次側に必ずヒューズの記号が描かれます。
避雷器(LA)は雷などの過電圧を大地へ逃がす機器で、受電点付近に設けます。直列リアクトル(SR)は高圧進相コンデンサと直列に入れて突入電流と高調波を抑える機器です。接地形計器用変圧器(EVT・GPT)は零相電圧を取り出すための別の機器で、保護装置ではありません。
「VTの一次にはヒューズ」とセットで覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
避雷器は雷などによる過電圧を大地へ逃がす機器で、受電点の付近に設けるものであり、機器の内部で起きた短絡を電路から切り離す働きは持ちません。直列リアクトルは進相コンデンサと組にして用いる機器で、電圧を測る回路とは関係がありません。接地形計器用変圧器は零相電圧を取り出すための測定用の機器であって、それ自体も保護される側であり、保護装置として置かれるものではありません。
問67-1

高圧受電設備に施設する避雷器(LA)の接地線に施す接地工事の種類はどれか。

  • ①C種接地工事
  • ②D種接地工事
  • ③B種接地工事
  • ④A種接地工事
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正解 ④A種接地工事
解説
詳細解説
高圧または特別高圧の機器の金属製外箱や避雷器の接地には、A種接地工事を施します。A種は接地抵抗値が10Ω以下と最も厳しく、雷サージのような大きな電流を確実に大地へ逃がす必要がある避雷器にはこの厳しさが求められます。避雷器の接地抵抗が高いと、放電したときに接地線の電位が上がり、かえって機器に高い電圧がかかってしまいます。
B種接地工事は変圧器の高圧巻線と低圧巻線が混触したときに低圧側の電位上昇を抑えるもので、変圧器の低圧側中性点などに施します。C種は300Vを超える低圧機器の外箱、D種は300V以下の低圧機器の外箱に施す接地工事です。
「高圧の機器=A種」と押さえておくと迷いません。

他の選択肢が不適切な理由
C種とD種は、いずれも低圧の機器の金属製外箱などを対象とした接地工事で、使用電圧が300Vを超えるかどうかで使い分けます。高圧の機器に施す接地工事ではないため、対象そのものが異なります。B種は変圧器の高圧側と低圧側が混触したときに低圧側の電位が上がりすぎないようにするための接地で、施す場所も目的も別です。どの接地工事かは、まず対象が高圧側か低圧側かで見分けます。
問77-1

高圧進相コンデンサ(SC)と直列に接続する直列リアクトル(SR)について、第5調波を含む一般的な高圧受電設備で標準的に用いられる容量は、コンデンサ容量のおよそ何パーセントか。

  • ①3パーセント
  • ②6パーセント
  • ③13パーセント
  • ④20パーセント
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正解 ②6パーセント
解説
詳細解説
高圧進相コンデンサに直列リアクトルを入れる目的は二つあります。一つは投入時の突入電流を抑えること、もう一つは第5調波(電源周波数の5倍の成分)に対して回路全体を誘導性に保ち、高調波が拡大するのを防ぐことです。第5調波を誘導性にするには、コンデンサ容量に対しておよそ4パーセントを超えるリアクタンスが必要で、余裕をみた標準値として6パーセントが用いられます。
13パーセントは、第3調波の影響が大きい設備で例外的に採用される値です。3パーセントでは第5調波に対して容量性のままとなり、高調波を拡大させてしまうため使えません。20パーセントという値は標準化されていません。
「標準は6パーセント、第3調波対策で13パーセント」と対で覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
第5調波では、コンデンサのリアクタンスは基本波の5分の1に下がり、リアクトルのリアクタンスは5倍に上がります。この関係から、基本波での比がおよそ4パーセントを超えれば回路全体が誘導性になると分かるので、3パーセントでは境目に届かず容量性のままとなります。13パーセントは第3調波が問題になる設備で用いる値です。20パーセントではコンデンサの端子に加わる電圧が過大になり、機器の負担が大きくなります。
問87-1

高圧受電設備の単線結線図において、電力会社の取引用電力量計(WH)につながる計器用変圧変流器(VCT)が設けられる位置として正しいものはどれか。

  • ①主遮断装置の負荷側で変圧器の電源側
  • ②変圧器の負荷側で低圧主幹開閉器の電源側
  • ③進相コンデンサの電源側で変圧器の負荷側
  • ④区分開閉器の負荷側で主遮断装置の電源側
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正解 ④区分開閉器の負荷側で主遮断装置の電源側
解説
詳細解説
取引用の電力量計は、その需要家が受け取った電力量をもれなく計量する必要があります。したがって計器用変圧変流器(VCT)は、責任分界点の区分開閉器を通ったすぐ後、主遮断装置よりも電源側に設けます。単線結線図では、ケーブルヘッドと断路器の付近に、電力量計へつながる記号として描かれます。
主遮断装置より負荷側に置くと、主遮断装置が開いている間の計量ができず、また受電設備内で消費した分の一部が計量から漏れる可能性があります。変圧器の負荷側や進相コンデンサ付近は低圧側や無効電力補償の領域であり、取引用計量の位置としては誤りです。
「取引用は入口すぐ」と覚えると位置を間違えません。

他の選択肢が不適切な理由
主遮断装置より負荷側に置くと、その手前の機器やケーブルで消費された分が計量から漏れ、主遮断装置を開いている間の計量もできなくなります。変圧器の負荷側は低圧側にあたり、変圧器が複数あればその数だけ計器が必要になるうえ、変圧器自身の損失が計量から外れてしまいます。進相コンデンサの付近は無効電力を補うために分岐した枝であり、受電した電力の全量が通る場所ではありません。
問97-1

地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)が備えるSOG動作のうち、過電流ロック機能の説明として正しいものはどれか。

  • ①短絡電流を検知すると開放せず無電圧になってから開く
  • ②地絡電流を検知するとただちに開閉器を開いて切り離す
  • ③過負荷電流を検知して電流を制限しつつ通電を続ける
  • ④落雷による過電圧を検知して大地へ放電し機器を守る
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正解 ①短絡電流を検知すると開放せず無電圧になってから開く
解説
詳細解説
PASは負荷開閉器であり、短絡電流のような大電流を遮断する能力を持ちません。そこで過電流ロック機能では、設定値を超える電流を検知した瞬間には開放せず、内部にその情報を記憶して待機します。配電用変電所の遮断器が動作して線路が無電圧になった時点で初めてPASを開放し、事故を起こした需要家を切り離します。その後に変電所側が再閉路すれば、健全な他の需要家は停電を免れます。
地絡を検知してただちに開くのは地絡動作、いわゆるG動作であり、過電流ロックとは別の機能です。電流を制限しながら通電を続ける機能はPASにはなく、限流ヒューズの働きと混同したものです。過電圧を大地へ逃がすのは避雷器の役割です。
過電流のときはすぐに切らずに無電圧を待ち、地絡のときはただちに切る、という二段構えの動作だと押さえておきます。

他の選択肢が不適切な理由
この開閉器が大電流を検知した瞬間に開こうとすれば、遮断できる能力を超えて開閉器自身が損傷します。だからこそ開かずに記憶して待つという動作になっています。地絡を検知してただちに開く動作は、地絡電流が小さく開閉器の能力の範囲に収まるからこそ成り立つもので、別の機能です。電流を制限しながら通電を続ける働きは限流ヒューズが持つものであり、過電圧を大地へ逃がすのは避雷器の役割です。
問107-1

高圧需要家が区分開閉器に地絡方向継電器(DGR)を用いる主な目的はどれか。

  • ①自設備で短絡が発生したときの遮断時間を大幅に短縮する
  • ②変圧器の励磁突入電流による不要な遮断を防止する
  • ③配電線や他需要家の地絡で自設備が開放されるのを防ぐ
  • ④高調波電流を検出して進相コンデンサの焼損を防ぐ
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正解 ③配電線や他需要家の地絡で自設備が開放されるのを防ぐ
解説
詳細解説
需要家の高圧引込ケーブルは対地静電容量を持つため、配電線側や他の需要家で地絡が起きたときにも、自分の設備のZCTに零相電流が流れ込みます。零相電流の大きさだけで判定する地絡継電器では、この電流を自分の事故と誤認して開放してしまうことがあり、これを「もらい事故」と呼びます。
地絡方向継電器(DGR)は、ZCTが検出した零相電流に加え、接地形計器用変圧器などから零相電圧を取り込み、両者の位相関係から事故点が自設備側か線路側かを判別します。これにより自設備側の地絡だけで動作し、もらい事故による不要な停電を防げます。
短絡保護は過電流継電器、突入電流対策は直列リアクトル、高調波対策も直列リアクトルの役目であり、いずれもDGRの目的ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
短絡は電流の大きさだけで判定できるため方向の情報を必要とせず、過電流継電器と主遮断装置の組合せが受け持ちます。変圧器を投入した瞬間に流れる励磁突入電流への対応は、継電器の整定値や動作時間の取り方で行うものです。高調波によって進相コンデンサに過大な電流が流れるのを防ぐのは直列リアクトルの役目で、いずれも零相の電圧と電流から事故の向きを判別する働きとは無関係です。

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