2026年版・6-7

高圧受電設備の保守と絶縁劣化診断の一問一答

第一種電気工事士「自家用電気工作物の検査方法」から、高圧受電設備の保守と絶縁劣化診断に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-7

架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル)に生じる代表的な絶縁劣化現象で、絶縁体内部に水分が侵入して樹枝状の劣化が進むものは。

  • ①水トリー劣化
  • ②トラッキング
  • ③コロナ放電
  • ④フラッシオーバ
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正解 ①水トリー劣化
解説
詳細解説
水トリー劣化は、CVケーブルの絶縁体(架橋ポリエチレン)に水分が侵入し、電界の作用で樹木の枝のような微小な水の通路が広がっていく現象です。地中の管路や湿気の多い場所に布設されたケーブルで進行し、最終的に絶縁破壊を招きます。
トラッキングは、ほこりと湿気が付着した絶縁物の表面に炭化した導電路ができる現象で、コンセント周りの火災原因として知られます。コロナ放電は高電界部の空気が部分的に絶縁破壊する現象、フラッシオーバは絶縁物の表面を伝わって起きる閃絡です。
水トリーは外観からは分からないため、診断試験による早期発見が重要です。

他の選択肢が不適切な理由
これらはいずれも絶縁物の表面や周囲の空気で起こる現象であり、絶縁体の内部に水分が入り込んで少しずつ広がっていく劣化とは、起きる場所も進み方も異なります。表面に導電性の通路ができる現象は、ほこりと湿気が付着した箇所で進みます。高い電界の部分で空気が部分的に破壊される現象や、表面を伝って一瞬で起きる閃絡は、長い年月をかけて進行する劣化を表す言葉ではありません。
問26-7

高圧ケーブルの絶縁劣化診断のうち、直流の高電圧を加えて流れる漏れ電流の大きさと時間変化から良否を判定する方法は。

  • ①絶縁耐力試験
  • ②直流漏れ電流測定法
  • ③接地抵抗測定
  • ④導通試験
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正解 ②直流漏れ電流測定法
解説
詳細解説
直流漏れ電流測定法は、ケーブルの導体と遮へい層の間に直流高電圧を段階的に加え、そのとき流れる漏れ電流の大きさ、時間による変化、三相間のばらつきを観察して絶縁の良否を判定する方法です。水トリー劣化などの進行を早い段階でつかめます。
絶縁耐力試験は規定電圧に耐えるかどうかの合否を見る試験で、劣化の進み具合までは分かりません。接地抵抗測定は接地極の性能、導通試験は結線の正しさを調べるもので、いずれも絶縁体の劣化診断には使えません。
直流を用いるのは、ケーブルの静電容量を充電する電流が流れ続けず、微小な漏れ電流を捉えやすいためです。

他の選択肢が不適切な理由
規定の電圧に耐えるかどうかを見る試験は、劣化が進んだケーブルにあえて高い電圧を加えることになるため、診断のつもりで行うと逆に絶縁を壊してしまうことがあります。接地極と大地との間の抵抗を測る方法や、結線のつながりを確かめる方法は、そもそも絶縁体そのものを測定の対象にしていません。劣化の程度を段階的につかむには、加える電圧を変えながら電流の推移を観察する手法が必要です。
問36-7

高圧ケーブルの直流漏れ電流測定において、絶縁が良好であると判定できる漏れ電流の変化は。

  • ①漏れ電流が時間とともに増加していけば良好と判定する
  • ②漏れ電流が加圧の直後に急増すれば良好と判定する
  • ③漏れ電流が時間とともに減少していけば良好と判定する
  • ④漏れ電流が三相で大きくばらつくほど良好と判定する
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正解 ③漏れ電流が時間とともに減少していけば良好と判定する
解説
詳細解説
直流電圧を加えた直後は静電容量を充電する電流と吸収電流が流れますが、絶縁が健全であればこれらは時間とともに減衰し、漏れ電流は次第に小さくなって一定値に落ち着きます。
逆に、時間が経っても電流が減らない、あるいは増加していく場合は、絶縁体内部に劣化が進んでいる可能性が高いと判断します。また、三相の測定値に大きな差がある場合も、特定の相に劣化があることを示す不良の兆候です。
加圧直後の急増は、絶縁破壊が始まっている危険な兆候であり良好の根拠にはなりません。
「減っていけば良好、減らない・増える・ばらつくは要注意」と押さえます。

他の選択肢が不適切な理由
時間がたっても電流が減らない、あるいは増えていく場合は、静電容量の充電が終わったあとも流れ続ける成分があることを意味し、絶縁体の中に電流の通り道ができていることを示します。加圧の直後に急に増える変化は、破壊が始まりかけている危険な兆候です。三相のケーブルは同じ構造で同じように布設されているので、本来は測定値もほぼそろうはずであり、大きなばらつきは特定の相の劣化を疑う根拠になります。
問46-7

絶縁体に交流電圧を加えたときの損失の大きさから、絶縁体全体の劣化や吸湿の程度を推定する診断方法は。

  • ①接地抵抗計による測定
  • ②絶縁抵抗計による測定
  • ③検相器による相順確認
  • ④誘電正接(tanδ)測定
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正解 ④誘電正接(tanδ)測定
解説
詳細解説
誘電正接(tanδ)は、絶縁体に交流電圧を加えたときに流れる電流のうち、損失分(抵抗分)が容量分に対してどれだけあるかを表す値です。絶縁体が吸湿したり劣化したりすると損失が増え、tanδの値が大きくなります。
絶縁体全体の平均的な劣化の程度をつかむのに適しており、変圧器のブッシングやケーブルの診断に用いられます。
接地抵抗計は接地極と大地との間の抵抗を測る計器、検相器は三相の順序を調べる計器です。絶縁抵抗計は直流電圧を加えて抵抗値を読み取るもので、交流で加えたときの損失は測れません。
tanδは全体の劣化、部分放電測定は局部の欠陥、と得意分野が分かれています。

他の選択肢が不適切な理由
絶縁抵抗計は直流電圧を加えて抵抗値を読み取る計器なので、交流を加えたときにどれだけ損失が生じるかという、交流に特有の性質を測ることができません。しかも読み取れるのは表面を伝わる漏れも含んだ全体の抵抗であり、絶縁体そのものの吸湿の程度を分けて示すことはできません。接地極と大地との間の抵抗を測る計器や、三相の並び順を調べる計器は、測る対象がまったく別です。
問56-7

絶縁体の内部に生じたボイド(空隙)などの局部的な欠陥から発生する微弱な放電を検出する診断方法は。

  • ①部分放電測定
  • ②接触抵抗測定
  • ③照度測定
  • ④絶縁油の全酸価測定
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正解 ①部分放電測定
解説
詳細解説
部分放電は、絶縁体内部のボイドや異物、電極の突起など電界が集中する箇所で起こる微弱な放電です。放電そのものが絶縁体を少しずつ侵食するため、放置すると最終的に絶縁破壊に至ります。
部分放電測定では、この放電にともなう微小なパルス電流や電磁波、超音波を検出し、局部的な欠陥の有無と程度を判定します。
接触抵抗測定は遮断器や断路器の接点の状態を調べるもの、照度測定は明るさを測るもの、全酸価測定は変圧器の絶縁油の劣化を調べるもので、いずれも絶縁体内部の放電は検出できません。
局部欠陥の早期発見には部分放電測定が有効です。

他の選択肢が不適切な理由
接点の状態を調べる測定は金属どうしの接触の良否を対象としており、絶縁体の内部で起きていることは分かりません。明るさを測る方法は電気設備の絶縁とはまったく別の量を扱います。絶縁油の酸性成分を調べる方法は、油を使った機器にしか適用できず、しかも油全体の化学的な劣化を示すものなので、固体の絶縁体の中にできた小さな空隙で起きる放電を捉えることはできません。
問66-7

油入変圧器の絶縁油が劣化したときに低下する特性値は。

  • ①全酸価
  • ②絶縁破壊電圧
  • ③水分量
  • ④色相の濃さ
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正解 ②絶縁破壊電圧
解説
詳細解説
絶縁油は、変圧器内部の絶縁と冷却を担っています。使用にともない酸化が進み、水分やスラッジ(沈殿物)が混入すると、油としての絶縁性能が落ちて絶縁破壊電圧が低下します。
一方、劣化が進むと全酸価(油に含まれる酸性成分の量)は増加し、水分量も増加し、色相は薄い黄色から濃い茶色へと濃くなっていきます。つまり劣化で下がるのは絶縁破壊電圧だけで、他は上がる(濃くなる)方向です。
定期点検では絶縁破壊電圧試験と全酸価試験を行い、基準を外れた場合は絶縁油の再生処理または取替えを行います。
「良い性能だけが下がる」と覚えると判断できます。

他の選択肢が不適切な理由
酸化が進むと油の中に酸性の成分が生じるため、酸の量を表す値はむしろ増加します。分解や吸湿によって水分も増え、酸化によってできた生成物のために色は薄い黄色から濃い茶色へと濃くなっていきます。つまりこれらはいずれも劣化とともに大きくなる量であり、低下する特性値を問うこの問いには当てはまりません。劣化によって下がるのは、油が本来もっている絶縁の能力を表す値だけです。
問76-7

油入変圧器の絶縁油に対して行う油中ガス分析によって推定できる内容は。

  • ①変圧器の一次巻線と二次巻線の巻数比の正しさ
  • ②変圧器の外箱に施した接地工事の抵抗値
  • ③変圧器内部の過熱や部分放電などの異常の有無
  • ④変圧器に接続された負荷の力率の大きさ
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正解 ③変圧器内部の過熱や部分放電などの異常の有無
解説
詳細解説
変圧器の内部で局部的な過熱や部分放電が起きると、絶縁油や絶縁紙が分解して水素・メタン・エチレン・アセチレンなどのガスが発生し、油に溶け込みます。油中ガス分析では、これらのガスの種類と量の組合せから、内部でどのような異常が起きているかを推定します。
変圧器を分解せず、運転を止めることなく内部の状態を知ることができる点が大きな利点です。
巻数比は電圧比の測定、接地抵抗は接地抵抗計、力率は電力計と電流計・電圧計から求めるもので、いずれも油の分析では分かりません。
「油の中のガスが内部異常の証拠になる」と理解しておきましょう。

他の選択肢が不適切な理由
巻線の比は電圧を加えて一次と二次の値を比べれば分かる量、外箱の接地の良否は接地抵抗計で測る量であり、いずれも油に溶け込んだ成分とは因果関係がありません。負荷の力率は、変圧器につながっている機器の性質によって決まるもので、変圧器の内部の状態を映すものではありません。油の分析から読み取れるのは、あくまで内部で絶縁物が熱や放電によって分解したかどうかという情報です。
問86-7

屋外の高圧受電設備において、がいしやブッシングの表面に塩分やほこりが付着して汚損が進んだ場合に起こりやすい現象は。

  • ①導体の抵抗が増え、電圧降下が大きくなって発熱しやすい
  • ②鉄心の磁束が飽和し、励磁電流が大きくなって過熱しやすい
  • ③接地抵抗が上昇し、地絡電流が流れにくくなって危険になる
  • ④沿面の絶縁が低下し、閃絡(フラッシオーバ)が起きやすい
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正解 ④沿面の絶縁が低下し、閃絡(フラッシオーバ)が起きやすい
解説
詳細解説
がいしやブッシングの表面に塩分やほこりが付着し、そこへ霧や小雨で湿気が加わると、表面に導電性の膜ができます。これにより表面を伝わる漏れ電流が増え、部分的な放電を経て、最終的に表面を伝わる閃絡(フラッシオーバ)が発生します。海岸に近い塩害地区では特に注意が必要です。
対策として、定期的な清掃、シリコーンはっ水材の塗布、沿面距離の長い耐塩用がいしの採用などが行われます。
汚損は絶縁物の表面の問題であり、導体の抵抗や鉄心の磁束、接地抵抗が変化するわけではありません。
年次点検での清掃は、この汚損対策として重要な作業です。

他の選択肢が不適切な理由
汚損は絶縁物の表面に付着物がたまることで起きる現象なので、金属導体そのものの抵抗値や、鉄心の磁気的な性質が変わるわけではありません。接地抵抗が上がるのは接地極の腐食や土壌の乾燥によるもので、がいしの表面の汚れとは別の問題です。表面が汚れて湿ることで電流が流れやすくなるのですから、電流が流れにくくなるという説明は現象の向きとしても逆になります。
問96-7

低圧電路を停電させずに絶縁状態を監視する方式のうち、対地静電容量に流れる電流分を除き、絶縁抵抗の低下に対応する電流だけを取り出す方式は。

  • ①Igr方式(抵抗分検出方式)
  • ②Io方式(零相電流検出方式)
  • ③接地抵抗計による測定方式
  • ④絶縁耐力試験による確認方式
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正解 ①Igr方式(抵抗分検出方式)
解説
詳細解説
電路から大地へ流れる漏えい電流には、絶縁抵抗の低下による抵抗分と、電線の対地静電容量による容量分が含まれます。Io方式は両者を合わせた零相電流の大きさで判定するため、静電容量の大きい設備では絶縁が健全でも値が大きく出てしまいます。
Igr方式は、電源電圧との位相関係を利用して容量分を取り除き、絶縁劣化に直結する抵抗分だけを取り出します。そのため誤警報が少なく、劣化の進行を正しく捉えられます。
接地抵抗計は接地極の性能を測る計器、絶縁耐力試験は停電させて行う試験で、いずれも常時監視には用いられません。

他の選択肢が不適切な理由
零相電流の大きさだけで判定する方式は、こう長の長い設備や機器の多い設備では対地静電容量による電流が大きく、絶縁が健全でも高い値を示します。そのためしきい値を高く設定せざるを得ず、かえって劣化を見逃すことになります。接地極と大地との間の抵抗を測る方法は補助の接地棒を打つ必要があり、常時の監視には向きません。規定電圧に耐えるかを見る試験は停電させて行うものです。
問106-7

高圧進相コンデンサの点検において、外箱が膨らんでいるのを発見した。この状態が示す内容として最も適切なものは。

  • ①内部の絶縁油が冷えて収縮しており、補油すれば使用できる
  • ②夏季の油の熱膨張によるもので、温度が下がれば元に戻る
  • ③直列リアクトルの容量が過大で、配線を替えれば解消できる
  • ④内部素子の劣化でガスが発生しており、取替えが必要である
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正解 ④内部素子の劣化でガスが発生しており、取替えが必要である
解説
詳細解説
高圧進相コンデンサの外箱の膨れは、内部のコンデンサ素子が部分的に絶縁破壊を起こし、分解によって発生したガスで内圧が上昇していることを示します。放置すると破裂や噴油、火災に至るおそれがあるため、直ちに使用を中止して取り替えます。
膨れのほかにも、油漏れ、異常な音や振動、端子部の変色は劣化の兆候であり、年次点検の重要な確認項目です。
油が冷えて収縮すれば外箱は膨らまず、へこむ方向になります。油の熱膨張で外箱がわずかに変形することはあっても、目に見えるほどの膨れが温度だけで生じ、冷えて元に戻ることはありません。直列リアクトルは高調波の抑制と突入電流の軽減のために接続するもので、外箱の膨れの原因ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
油が冷えて収縮するのであれば外箱は膨らまず、へこむ方向に変形するはずですから、説明の向きが逆です。温度による油の膨張は設計であらかじめ見込まれており、目で見て分かるほど外箱が変形することはなく、冷えれば元に戻るという判断は危険な見落としにつながります。直列リアクトルは高調波を抑えるために接続する機器で、いったん内部で破壊が進んだ素子は配線を替えても元には戻りません。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。