2026年版・6-4

保護継電器試験と遮断器の試験の一問一答

第一種電気工事士「自家用電気工作物の検査方法」から、保護継電器試験と遮断器の試験に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全840問) 自家用電気工作物の検査方法の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-4

高圧受電設備に用いる過電流継電器の限時要素について、動作時間特性試験を行ったときに現れる特性は。

  • ①電流が大きいほど動作時間が長くなる正限時特性を示す
  • ②電流の大きさにかかわらず動作時間が一定の特性を示す
  • ③電流が大きいほど動作時間が短くなる反限時特性を示す
  • ④電流が小さいほど動作時間が短くなる特性を示す
答えと解説を見る
正解 ③電流が大きいほど動作時間が短くなる反限時特性を示す
解説
詳細解説
過電流継電器の限時要素は反限時特性を持ち、整定電流に対する倍数が大きいほど動作時間が短くなります。動作時間特性試験では、整定値の200%・300%・500%・700%などの電流を流し、それぞれの動作時間が特性曲線の範囲に入っているかを確かめます。
この特性は、軽い過負荷では機器の熱的な余裕を活かして待ち、大きな事故電流では素早く切るという保護の考え方に基づいています。
動作時間が一定なのは定限時特性を持つ継電器で、反限時とは別の種類です。電流が大きいほど遅くなる、あるいは小さいほど速くなるという特性は、保護の目的と逆になり存在しません。

他の選択肢が不適切な理由
電流が大きいほど動作時間が長くなる特性では、最も危険な短絡事故のときに最も遅く遮断することになり、保護の役目を果たせません。電流が小さいほど速く動作する特性も、通常の負荷変動で不要動作を招きます。動作時間が一定の特性は定限時形として実在しますが、高圧受電設備の限時要素は配電用変電所の継電器との時間差を電流の大きさに応じて確保する必要があるため、反限時の特性が用いられます。
問26-4

過電流継電器の最小動作電流試験(動作値試験)の目的として、最も適切なものは。

  • ①整定したタップの値で継電器が動作し始めることを確認する
  • ②整定した電流の10倍で継電器が瞬時に動作することを見る
  • ③継電器の接点が遮断器の引外しコイルを動作させるか見る
  • ④継電器の絶縁抵抗が規定値以上あることを数値で確認する
答えと解説を見る
正解 ①整定したタップの値で継電器が動作し始めることを確認する
解説
詳細解説
最小動作電流試験は、電流試験装置から継電器へ流す電流を少しずつ増やしていき、継電器が動作し始める電流が整定したタップの値とほぼ一致することを確認する試験です。一般に整定値の±10%程度の範囲に入っていれば良好と判定します。
整定値の大きな倍数を流して速く動くことを見るのは瞬時要素の試験、接点から遮断器の引外しコイルまでを確かめるのは連動試験(トリップ試験)で、いずれも別の項目です。
絶縁抵抗の確認は継電器の絶縁性能を見るもので、動作値とは無関係です。
「動作値」「動作時間」「連動」の3本立てが継電器試験の柱です。

他の選択肢が不適切な理由
整定値の大きな倍数を流して素早く動くことを見る試験は、判定の基準が電流の大きさではなく時間であり、動作し始める点を読み取る試験とは目的が別です。接点から引外しコイルまでを確かめる試験は、遮断器が実際に開いたかという結果で合否を決めるものです。絶縁抵抗の確認はメガオーム単位の値を読む点検で、継電器がどの電流で動き出すかについては何も分かりません。
問36-4

高圧受電設備の地絡継電器の動作試験を行う方法として、最も適切なものは。

  • ①零相変流器の二次側に定格電圧を加えて動作を見る
  • ②零相変流器の一次側に模擬地絡電流を流して動作を見る
  • ③変流器の一次側に定格電流の3倍を流して動作を見る
  • ④計器用変圧器の二次側を短絡して動作の有無を確かめる
答えと解説を見る
正解 ②零相変流器の一次側に模擬地絡電流を流して動作を見る
解説
詳細解説
地絡継電器は、零相変流器(ZCT)が検出した零相電流によって動作します。試験では、ZCTの貫通部に試験用の電線を通して一次側に模擬的な地絡電流を流し、整定値(一般に0.2A程度)で動作すること、および動作時間が整定どおりであることを確認します。
零相変流器の二次側に電圧を加える方法では、実際の検出経路を通した確認になりません。変流器に定格電流の倍数を流すのは過電流継電器の試験です。計器用変圧器の二次側短絡は、変圧器を焼損させる危険な誤った操作です。
零相変流器は3線を一括して貫通させ、その和がゼロでなくなること(=地絡)を検出しています。

他の選択肢が不適切な理由
零相変流器の二次側に電圧を加える方法では、貫通させた導体から鉄心を経て二次巻線に至るという実際の検出経路を通らないため、貫通のしかたの誤りや結線の間違いを見逃します。変流器に定格電流の倍数を流す方法は過電流継電器の試験であり、地絡の整定値が0.2A程度という桁と大きくかけ離れています。計器用変圧器の二次側を短絡する操作は、大電流が流れて機器を焼損させる危険な取扱いです。
問46-4

地絡方向継電器(DGR)の動作試験において、地絡継電器(GR)の試験に加えて必要となる確認事項は。

  • ①零相電流だけを加え、その大きさの大小で判定する
  • ②線間電圧と線電流を加え、両者の位相関係で判定する
  • ③零相電圧だけを加え、その大きさが規定値かで判定する
  • ④零相電圧と零相電流を加え、両者の位相関係で判定する
答えと解説を見る
正解 ④零相電圧と零相電流を加え、両者の位相関係で判定する
解説
詳細解説
地絡方向継電器は、零相変流器で検出した零相電流と、零相電圧検出装置(ZPD・ZVT)で検出した零相電圧の位相関係から、地絡が自分の需要家内で起きたのか配電線側で起きたのかを判別します。
そのため試験では、零相電圧と零相電流の両方を加え、位相を変化させて動作する範囲(動作位相特性)が規定どおりであることを確認します。
大きさだけで判定する方向性のない地絡継電器では、他の需要家の事故でも動作してしまう「もらい事故」による不要動作が起こり得ます。方向性を持たせるのはこれを防ぐためです。
線間電圧・線電流は地絡の検出には用いません。

他の選択肢が不適切な理由
零相電流だけ、あるいは零相電圧だけを加えて大きさで判定する方法では、事故が構内側にあるのか配電線側にあるのかという向きの情報が得られず、方向性のない継電器の試験と変わらなくなります。線間電圧と線電流は健全な運転状態でも常に大きな値を示し、地絡が起きても大きくは変化しないため、地絡の検出にも方向の判別にも使うことができません。
問56-4

保護継電器と遮断器の連動試験(トリップ試験)で確認する内容として、最も適切なものは。

  • ①継電器の絶縁抵抗と遮断器の接触抵抗が規定内にあるか
  • ②遮断器の開閉回数が耐用回数の範囲内に収まっているか
  • ③継電器の動作から遮断器の開放までが確実に行われるか
  • ④変流器の変流比が銘板の値と一致しているかどうか
答えと解説を見る
正解 ③継電器の動作から遮断器の開放までが確実に行われるか
解説
詳細解説
連動試験は、継電器に模擬的な事故電流を加えて動作させ、その接点から制御回路を経て遮断器の引外し(トリップ)コイルまで信号が伝わり、遮断器が実際に開放されることを一連で確認する試験です。
継電器単体が正常でも、制御回路の配線の誤り、端子のゆるみ、制御電源の不良があると遮断器は動作しません。保護装置が「本当に事故を切れるか」を最終的に保証する重要な試験です。
絶縁抵抗・接触抵抗の測定、開閉回数の確認、変流比の確認は、いずれも個々の機器を対象とした別の点検項目で、継電器から遮断器までの一連の動作を確かめるものではありません。

他の選択肢が不適切な理由
絶縁抵抗や接触抵抗の測定、開閉回数の確認、変流比の確認は、いずれも個々の機器が単体で健全かどうかを見る点検です。これらがすべて良好でも、制御回路の配線の取り違えや端子のゆるみ、制御電源の喪失があれば遮断器は動きません。つまり、部品ごとの点検では、機器と機器の間がつながっていないという種類の欠陥を見つけられないところに、連動して確かめる試験の意味があります。
問66-4

真空遮断器(VCB)の真空バルブについて、真空度が保たれていることを確認するために行う試験は。

  • ①接触抵抗測定
  • ②絶縁抵抗測定
  • ③商用周波耐電圧試験
  • ④動作時間測定
答えと解説を見る
正解 ③商用周波耐電圧試験
解説
詳細解説
真空遮断器は、真空バルブ内の高い真空度によって接点間の絶縁と消弧を行っています。真空度が低下すると接点間の絶縁耐力が下がるため、遮断器を開いた状態で同じ相の極間に商用周波の規定電圧を加え、耐えられるかどうかで真空度の良否を判定します。
接触抵抗測定は接点の消耗や接触不良を調べるもの、絶縁抵抗測定は充電部と大地の間などの絶縁を調べるもので、いずれも極間の真空度そのものを判定できません。動作時間測定は開閉の速さを見る試験です。
真空度の低下は外観からは分からないため、この耐電圧試験による確認が欠かせません。

他の選択肢が不適切な理由
真空度の低下は開いた接点の間の絶縁だけを弱らせるもので、充電部と大地との間の絶縁や接点の接触状態には現れません。そのため絶縁抵抗の測定では、加わる電圧が低いうえ測る箇所も違うので判定できません。接触抵抗の測定は閉じた状態の接点の消耗や汚れを調べるものです。動作時間の測定は操作機構やばねの状態を表す量で、真空バルブの内部の状態とは結びつきません。
問76-4

変流器と組み合わせて使用する過電流継電器のタップ整定値は、何の電流を基準として設定するか。

  • ①変流器の二次側に流れる電流の値で整定する
  • ②変流器の一次側に流れる電流の値で整定する
  • ③遮断器の定格遮断電流の値で整定する
  • ④変圧器の一次側の定格電流の値で整定する
答えと解説を見る
正解 ①変流器の二次側に流れる電流の値で整定する
解説
詳細解説
過電流継電器は変流器の二次側に接続され、二次電流によって動作します。したがってタップは二次側の電流値(3A・4A・5A・6Aなど、定格5Aを基準とした値)で整定します。
実際の一次側の動作電流は、タップ値に変流比を掛けて求めます。例えば変流比100/5Aの変流器にタップ4Aを整定すると、一次側では4×(100÷5)=80Aで動作します。
一次側の電流そのものをタップに設定するわけではない点に注意が必要です。遮断器の定格遮断電流は遮断能力を表す値、変圧器の一次側定格電流は整定を決める際の参考値であって、タップの目盛そのものではありません。

他の選択肢が不適切な理由
タップの目盛が3Aから6Aといった小さな数字で刻まれていること自体が、二次側の電流を基準にしている証拠です。もし一次側の電流で整定するのであれば、変流比の異なる設備ごとに目盛の違う継電器を用意しなければならなくなります。遮断器の定格遮断電流は数キロアンペア単位で桁がまったく異なる値です。変圧器の一次側の定格電流は整定値を決めるときの検討材料であって、目盛そのものではありません。
問86-4

過電流継電器の瞬時要素が受け持つ役割として、最も適切なものは。

  • ①過負荷のような小さめの電流を長い時間をかけて遮断する
  • ②地絡事故で生じる零相電流を検出して警報を発生させる
  • ③電圧が低下したときに電動機を保護して回路を開放する
  • ④短絡事故のような大きな電流を限時要素より速く遮断する
答えと解説を見る
正解 ④短絡事故のような大きな電流を限時要素より速く遮断する
解説
詳細解説
過電流継電器は限時要素と瞬時要素を併せ持ちます。瞬時要素は、短絡事故のように極めて大きな電流が流れたときに、限時要素の動作を待たず短時間で遮断器を引き外し、機器の損傷や事故の波及を防ぎます。試験では整定した瞬時要素の電流値で瞬時に動作することを確認します。
比較的小さな過負荷電流を時間をかけて遮断するのは限時要素の役割で、両者は役割分担しています。
零相電流を検出するのは地絡継電器、電圧低下で動作するのは不足電圧継電器で、いずれも別の継電器です。
「限時=過負荷、瞬時=短絡」と対応づけて覚えましょう。

他の選択肢が不適切な理由
比較的小さな電流を時間をかけて遮断する働きは限時要素が受け持ちます。瞬時要素をその領域まで下げて整定すると、電動機の始動電流のような一時的で正常な大電流でも遮断してしまいます。地絡で流れる零相電流は数百ミリアンペアという桁で、過電流継電器が扱う電流とは大きさが違いすぎて検出できません。電圧の低下で動作するのは電圧を入力とする継電器であり、電流を入力とするこの継電器では原理的に扱えません。
問96-4

過電流継電器の動作値試験及び動作時間特性試験に使用する試験装置は。

  • ①電流試験装置(大電流発生器)
  • ②絶縁抵抗計(メガー)
  • ③接地抵抗計(アーステスタ)
  • ④検相器(相回転計)
答えと解説を見る
正解 ①電流試験装置(大電流発生器)
解説
詳細解説
過電流継電器の試験では、継電器へ整定値の数倍にあたる電流を実際に流す必要があるため、可変の大電流を発生させる電流試験装置(継電器試験装置)とサイクルカウンタなどの時間測定器を用います。
絶縁抵抗計は電路や機器の絶縁抵抗を測る計器、接地抵抗計は接地極と大地との間の抵抗を測る計器で、いずれも電流を流して継電器を動作させることはできません。検相器は三相の相順を確認する計器です。
継電器試験では、電流の大きさと動作するまでの時間を同時に測る必要があるため、電流源と時間計測が一体になった専用装置が使われます。

他の選択肢が不適切な理由
継電器を動作させるには、数アンペアから数十アンペアの電流を大きさを変えながら流す必要があります。絶縁抵抗計と接地抵抗計は測定のための小さな電流しか出せない計器で、継電器を動かすだけの電流源になりません。しかも測っているのは抵抗であって、動作するまでの時間を計る機能もありません。検相器は三相の並び順を表示するだけの計器で、電流を発生させる働きを持ちません。
問106-4

高圧受電設備の保護継電器の整定において、保護協調の考え方として最も適切なものは。

  • ①事故点から最も遠い遮断装置が最初に動作するよう整定する
  • ②事故点に最も近い遮断装置が最初に動作するように整定する
  • ③すべての遮断装置が同時に動作するように時間を合わせる
  • ④電源側の遮断装置ほど動作時間を短く整定して先に切る
答えと解説を見る
正解 ②事故点に最も近い遮断装置が最初に動作するように整定する
解説
詳細解説
保護協調とは、事故が起きたときに事故点に最も近い遮断装置だけが動作し、停電の範囲を最小限にとどめる整定の考え方です。負荷側ほど動作時間を短く、電源側ほど長く整定します。
需要家の主遮断装置が配電用変電所の継電器より先に動作しないと、事故が配電線全体へ波及し、周辺の多数の需要家を停電させる「波及事故」となります。これを防ぐことが自家用電気工作物の保護協調の最大の目的です。
すべて同時に動作させる、あるいは電源側を先に切るという整定では、停電範囲が不必要に広がります。
「事故点に近い側から順に切る」が保護協調の原則です。

他の選択肢が不適切な理由
電源側の遮断装置を先に動作させる整定では、事故と関係のない下流の回路まで巻き込んで停電させながら、事故点そのものは切り離せないという最も避けたい結果になります。事故点から最も遠い装置を先に動作させる考え方も同じ理由で成り立ちません。すべてを同時に動作させる整定は、実際には動作時間のばらつきによって電源側が先に切れることがあり、段階的な時間差を確保するという協調の考え方が崩れます。

第一種電気工事士の対策問題(全840問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。