2026年版・4-4

変圧器の結線方式とV結線の一問一答

第一種電気工事士「電気機器・材料工具・受電設備」から、変圧器の結線方式とV結線に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-4

定格容量10kV・Aの単相変圧器2台をV結線して三相負荷に供給するとき、取り出せる三相電力の最大値[kV・A]に最も近い値は。

  • ①10.0
  • ②17.3
  • ③20.0
  • ④30.0
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正解 ②17.3
解説
詳細解説
V結線の三相出力は、単相変圧器1台の定格容量Pを用いて √3×P で表される。
√3×10=1.732×10≒17.3[kV・A]となる。
20.0kV・Aは2台の容量を単純に足した値であるが、V結線では2台の変圧器の電流に位相差があるため、そのまま合計した容量は取り出せない。30.0kV・Aは3台をΔ結線した場合の値である。
V結線は、単相変圧器2台だけで三相を送れる点が長所で、需要の少ない地域の配電や、Δ結線の1台が故障したときの応急運転に用いられる。
「V結線の三相出力は1台分の√3倍」という関係は、この分野の計算の出発点となるので確実に覚えておきたい。

他の選択肢が不適切な理由
10.0kV・Aは1台分の容量そのままで、2台を組み合わせた意味がなくなる。20.0kV・Aは単純な足し算であるが、2台の電流には位相差があるため合計どおりには取り出せない。30.0kV・Aは3台をΔ結線した場合の値である。求めた値を1台の容量で割って約1.73になるかを確かめれば、答えの妥当性はその場で判断できる。
問24-4

V結線した単相変圧器2台の利用率[%]に最も近い値は。

  • ①57.7
  • ②66.7
  • ③86.6
  • ④100
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正解 ③86.6
解説
詳細解説
利用率とは、設置した変圧器の容量の合計に対して、実際に取り出せる三相出力がどれだけの割合になるかを表す値である。
利用率=√3P/(2P)=√3/2≒0.866、すなわち約86.6[%]となる。
57.7%はΔ結線からV結線にしたときの出力比(1/√3)と取り違えた値であり、この二つは非常に紛らわしいので区別が必要である。
利用率が100%にならないのは、2台の変圧器の電圧に30度の位相差があり、それぞれが最大能力を同時に出せないためである。
「利用率は√3/2で約86.6%、出力比は1/√3で約57.7%」と、二つの数値を対にして覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
66.7%は3台のうち2台という台数の割合を持ち込んだ値であるが、利用率は設置した容量に対する取り出せる容量の比であり、台数の比ではない。100%は2台が同時に最大能力を出せる場合の値で、電圧に位相差がある以上ありえない。57.7%はΔ結線から切り換えたときの出力の比であって、こちらとは別の量である。
問34-4

単相変圧器3台をΔ結線して三相負荷へ供給していたが、1台が故障したため残る2台をV結線に切り換えた。切換後に供給できる三相電力は、故障前のおよそ何%になるか。

  • ①57.7
  • ②66.7
  • ③75.0
  • ④86.6
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正解 ①57.7
解説
詳細解説
1台の容量をPとすると、Δ結線の三相出力は3P、V結線の三相出力は√3Pである。
出力比=√3P/3P=1/√3≒0.577、すなわち約57.7[%]となる。
66.7%は3台のうち2台が残ったことから単純に3分の2と考えた誤り、86.6%はV結線の利用率と取り違えた誤りである。
2台残っても供給できるのは6割弱にとどまるため、応急運転の際は負荷を減らして運用する必要がある。
この「1台故障してもV結線で送電を続けられる」という性質は、Δ-Δ結線が高圧配電で長く用いられてきた理由の一つである。

他の選択肢が不適切な理由
75.0%は4分の3という根拠のない比で、Δ結線とV結線のどちらの出力の式からも導けない。66.7%は残った台数の割合をそのまま答えたもの、86.6%は設置容量に対する利用の割合であって故障前との比較ではない。三相出力の式に1台分の容量を当てはめ、3台のときと2台のときの値を並べて割れば確実に区別できる。
問44-4

三相変圧器をΔ-Y結線としたとき、一次側の線間電圧と二次側の線間電圧との間に生じる位相差は。

  • ①0°
  • ②30°
  • ③60°
  • ④90°
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正解 ②30°
解説
詳細解説
Δ結線では線間電圧と相電圧が同相であるのに対し、Y結線では線間電圧が相電圧より30度進む。この違いにより、Δ-Y結線やY-Δ結線では一次側と二次側の線間電圧に30度の位相差が生じる。
これに対し、Δ-Δ結線やY-Y結線では両側の関係が同じであるため位相差は生じない。
60度や90度は三相の相順や単相との関係を混同したときに選びやすい誤りである。
この位相差は、変圧器を並行運転するときに重要になる。位相差の異なる結線どうしを並行運転すると、二次側に大きな循環電流が流れて巻線が焼損するため、結線の組合せをそろえなければならない。

他の選択肢が不適切な理由
両側が同じ結線であるΔ-ΔやY-Yでは位相差が生じないので、0度はこの組合せに当てはまる値である。標準的な三相変圧器の位相差は30度の倍数で表され、60度や90度になる結線の組合せは実用されていない。位相差の有無は、並行運転する変圧器どうしを組み合わせられるかどうかを決める条件になる。
問54-4

三相変圧器のY-Y結線が、単独ではあまり用いられない主な理由は。

  • ①中性点を接地することができなくなる
  • ②一次側の巻数を二次側より多くできない
  • ③一次と二次の間に30度の位相差が生じる
  • ④第3調波電流の通り道がなく波形がひずむ
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正解 ④第3調波電流の通り道がなく波形がひずむ
解説
詳細解説
変圧器の鉄心は磁気飽和のため、励磁電流に第3調波(基本波の3倍の周波数の成分)を含む。三相の第3調波は各相が同相になるので、Δ結線があればその中を環流して外へ出ない。
ところがY-Y結線では中性点が孤立していると環流路がなく、第3調波電流が流れられないため、代わりに電圧の波形がひずみ、中性点の電位も変動する。通信線への誘導障害の原因にもなる。
そこで実際には、第3の巻線としてΔ結線を加えたY-Y-Δ結線(三次巻線付き)が用いられる。
Y-Y結線は中性点を接地でき、一次と二次に位相差が生じないという特徴があるので、それらを理由とする選択肢は誤りである。

他の選択肢が不適切な理由
Y結線はむしろ中性点を取り出せる結線であり、接地できないのは中性点そのものをもたないΔ結線のほうである。一次と二次の巻数は結線の種類とは関係なく自由に決められるので、巻数を理由にすることはできない。位相差が生まれるのはΔとYを組み合わせたときで、両側が同じ結線であればその心配はない。
問64-4

三相変圧器のΔ-Δ結線がもつ特徴として正しいものは。

  • ①1台故障してもV結線で送電を続けられる
  • ②一次と二次の間に30度の位相差が生じる
  • ③中性点を直接接地して地絡を検出できる
  • ④巻線の絶縁を高圧側だけ強化すればよい
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正解 ①1台故障してもV結線で送電を続けられる
解説
詳細解説
Δ-Δ結線は単相変圧器3台で構成でき、1台が故障しても残り2台をV結線にすれば、容量は約57.7%に下がるものの三相の送電を続けられる。この応急性の高さが大きな特徴である。
またΔ結線が第3調波電流の環流路になるため、電圧波形のひずみが生じにくい利点もある。
一方でΔ-Δ結線には中性点がないので、中性点を直接接地して地絡を検出する方式は採れない。位相差が生じるのはΔ-Y結線やY-Δ結線であり、絶縁を片側だけ弱くできるのは中性点接地したY結線の特徴である。
高圧配電用の変圧器では、この結線と中性点接地の有無が、地絡保護の方式を選ぶ前提条件になる。

他の選択肢が不適切な理由
この結線には中性点がないので、そこを接地して地絡電流を取り出す保護方式は成り立たない。位相差が生じるのはΔとYを組み合わせた場合である。また巻線の各相には常に線間電圧がかかるため、部分的に絶縁を弱めることができない。絶縁を段階的に軽くできるのは、中性点を接地したY結線の中性点に近い部分である。
問74-4

電灯負荷と動力負荷の両方に供給するために用いられる、いわゆる異容量V結線(灯動共用)の説明として正しいものは。

  • ①単相負荷と三相負荷を別々の回線で供給する
  • ②単相負荷だけを3台の変圧器で分担して供給する
  • ③単相負荷と三相負荷を2台の変圧器で供給する
  • ④三相負荷だけを2台の変圧器で交互に供給する
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正解 ③単相負荷と三相負荷を2台の変圧器で供給する
解説
詳細解説
異容量V結線は、容量の異なる2台の単相変圧器をV結線し、一方に電灯用の単相3線式の負荷を、両方を使って動力用の三相3線式の負荷を供給する方式である。電灯側を受け持つ変圧器を「共用変圧器」または「主座変圧器」と呼び、容量を大きくする。
変圧器2台で電灯と動力の両方をまかなえるため、設備を小さくでき、小規模な店舗や工場で広く使われている。
単相負荷を3台で分担する方式や、三相負荷を交互に切り換える方式は存在しない。回線を完全に分ける方式は異容量V結線とは呼ばない。
共用変圧器には単相負荷の電流と三相負荷の電流が重なって流れるため、容量選定では両者を合わせて検討する必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
単相と三相を別々の回線で供給する方式では変圧器が3台以上必要になり、2台で兼ねるというこの方式の趣旨から外れる。単相の負荷を3台で分担するという構成は、動力側への供給が説明できていない。三相を交互に切り換える方式では供給が途切れてしまい、電動機を連続して回すことができない。
問84-4

2台の単相変圧器を並行運転するために必要な条件として、正しいものは。

  • ①各変圧器の定格容量が等しいこと
  • ②各変圧器の鉄心の材質が同じであること
  • ③各変圧器の据付場所が同じ室内であること
  • ④各変圧器の極性が一致していること
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正解 ④各変圧器の極性が一致していること
解説
詳細解説
単相変圧器を並行運転するには、極性が一致していること、一次と二次の定格電圧(巻数比)が等しいこと、パーセントインピーダンスが等しく、内部抵抗とリアクタンスの比も等しいことが必要である。
なかでも極性が逆のまま接続すると、二次巻線どうしで電圧が打ち消し合わず大きな短絡電流が流れ、巻線を焼損する。
定格容量は必ずしも等しくなくてもよく、パーセントインピーダンスが等しければ容量に比例して負荷が分担される。鉄心の材質や据付場所は並行運転の条件ではない。
三相の場合はこれに加えて、相回転の向きと結線による位相差が一致していることが条件に加わる。

他の選択肢が不適切な理由
並行運転の条件は、二次側に電位差を生じさせないための条件だと整理すると分かりやすい。定格容量が違っても、パーセントインピーダンスがそろっていれば容量に比例して負荷を分け合えるので条件には当たらない。鉄心の材質や据付場所は損失や冷却に関わるだけで、二次側に循環電流を生むかどうかとは無関係である。
問94-4

日本国内の配電用変圧器で標準として採用されている極性は。

  • ①加極性
  • ②無極性
  • ③減極性
  • ④両極性
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正解 ③減極性
解説
詳細解説
変圧器の極性とは、一次巻線と二次巻線に誘導される電圧の向きの関係を示すもので、端子の並びによって加極性と減極性がある。国内の変圧器はJISにより減極性が標準とされている。
減極性では、一次と二次の同じ側の端子どうしが同じ極性になるよう配置されており、並行運転や三相結線を行うときの結線作業が分かりやすい。
無極性や両極性という区分は存在しない。
極性を確かめるには、一次と二次の端子を1か所つないで一次に電圧を加え、残る端子間の電圧を測る方法がある。測った電圧が一次と二次の電圧の差になれば減極性、和になれば加極性である。
極性を誤って並行運転すると大きな短絡電流が流れるため、施工前の確認が欠かせない。

他の選択肢が不適切な理由
加極性は端子の並びが逆になる方式で、国内の配電用変圧器の標準としては採用されていない。無極性や両極性という区分は変圧器の規格に存在せず、用語そのものが成り立たない。一次と二次の巻線に生じる電圧には必ず向きの関係があるため、極性がないという状態は原理的にありえない。
問104-4

三相変圧器のY結線において、中性点を接地することによって得られる効果として正しいものは。

  • ①線間電圧を相電圧と等しくできる
  • ②変圧器の鉄損を大きく減らせる
  • ③負荷の力率を自動的に改善できる
  • ④地絡事故時の異常電圧を抑制する
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正解 ④地絡事故時の異常電圧を抑制する
解説
詳細解説
中性点を接地すると、地絡事故が起きたときに健全な相の対地電圧が過度に上昇するのを防ぎ、機器の絶縁にかかる負担を抑えられる。また地絡電流が確実に流れるため、保護継電器で事故を検出しやすくなる。
線間電圧が相電圧の√3倍になるのはY結線そのものの性質であり、接地の有無とは関係がない。鉄損は加える電圧と鉄心の性質で決まり、力率は負荷側の性質で決まるので、いずれも中性点接地では変わらない。
一方で、中性点を直接接地すると地絡電流が大きくなり、通信線への誘導障害が生じやすくなる。そのため配電系統では、抵抗接地や非接地といった方式が目的に応じて使い分けられている。

他の選択肢が不適切な理由
線間電圧と相電圧の比はY結線という構造そのものが決めるもので、中性点をどう扱っても変わらない。鉄心の損失は磁束の大きさで決まり、常時ほとんど電流の流れない接地線が影響することはない。力率は負荷の性質で決まるため、改善するには無効電力を供給する機器が別に必要であり、接地しただけで変わるものではない。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。