2026年版・4-3

変圧器の原理・損失と効率の一問一答

第一種電気工事士「電気機器・材料工具・受電設備」から、変圧器の原理・損失と効率に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-3

一次巻線の巻数が1200回、二次巻線の巻数が40回の単相変圧器の一次側に6600Vを加えたとき、二次側の電圧[V]は。

  • ①110
  • ②198
  • ③220
  • ④240
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正解 ③220
解説
詳細解説
変圧器の一次電圧と二次電圧の比は、巻数の比に等しい。
V₂=V₁×(N₂/N₁)=6600×(40÷1200)=6600÷30=220[V]となる。
110Vは二次巻数を20回と読み違えた値(6600×20÷1200)、198Vは二次巻数を36回と読み違えた値(6600×36÷1200)、240Vは一次巻数を1100回と読み違えた値(6600×40÷1100)であり、いずれも巻数比30を取り違えたものである。
変圧器が電圧を変えられるのは、一次巻線に流れる交流電流がつくる交番磁束が二次巻線を貫き、巻数に比例した起電力を誘導するためである。直流では磁束が変化しないので電圧は誘導されない。
高圧受電設備では6600Vを210Vや105Vへ下げる変圧器が使われており、この巻数比の考え方がそのまま当てはまる。

他の選択肢が不適切な理由
巻数比は1200割る40で30であり、二次電圧は一次電圧のちょうど30分の1になる。得た答えに30を掛けて6600Vに戻るかどうかで検算できる。110Vなら3300V、198Vなら5940V、240Vなら7200Vとなり、いずれも与えられた一次電圧に一致しない。巻数比を先に求めてから割る、という順序を守れば取り違えは防げる。
問24-3

巻数比が30の単相変圧器の二次側に100Aの電流が流れているとき、一次側に流れる電流[A]に最も近い値は。ただし、変圧器の損失と励磁電流は無視する。

  • ①3.33
  • ②30
  • ③100
  • ④3000
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正解 ①3.33
解説
詳細解説
理想的な変圧器では一次側の入力と二次側の出力が等しいので、V₁I₁=V₂I₂が成り立つ。電圧が巻数比だけ高くなる側は、電流が同じ比だけ小さくなる。
I₁=I₂÷30=100÷30≒3.33[A]となる。
3000Aは逆に30倍してしまった誤り、30Aは巻数比の数値をそのまま答えた誤り、100Aは電流が変わらないと誤解した値である。
電圧比が巻数に正比例するのに対し、電流比は巻数に反比例する、という向きの違いが要点である。
高圧側の電流が小さいことは、高圧で送るほど電線を細くできる(電力損失を減らせる)という送配電の基本原理にもつながっている。

他の選択肢が不適切な理由
損失を無視すれば一次側と二次側の電力は等しいので、電圧が30倍高い側の電流は30分の1でなければならない。30倍の電流が流れるとすると、一次側は二次側の900倍の電力を扱うことになり、エネルギーの収支が合わない。電流が変わらないという答えでは、電圧だけが上がって電力が増えることになってしまう。巻数比の数値をそのまま答えていないかも確かめたい。
問34-3

変圧器の効率が最大になるのは、どのような条件のときか。

  • ①負荷損が無負荷損の2倍になったとき
  • ②無負荷損と負荷損が等しくなったとき
  • ③全負荷の状態で運転しているとき
  • ④二次側を無負荷にしているとき
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正解 ②無負荷損と負荷損が等しくなったとき
解説
詳細解説
変圧器の損失は、負荷の大小によらずほぼ一定の無負荷損(鉄損)と、負荷電流の2乗に比例する負荷損(銅損)に分けられる。
効率は出力を出力と損失の和で割った値であり、これを負荷率について整理すると、無負荷損と負荷損が等しくなる負荷率で最大になることが導かれる。
全負荷のときが必ず最大効率になるわけではなく、実際の配電用変圧器は一日の平均的な負荷率で最大効率となるよう、鉄損を小さく設計することが多い。
無負荷では出力が零なので効率も零である。
「鉄損=銅損で最大効率」は本試験で繰り返し問われる要点であり、必ず押さえておきたい。

他の選択肢が不適切な理由
負荷損が無負荷損の2倍という条件は、損失の合計が最小になる点を求める計算を途中で誤ると出てくる値である。実際には負荷率について整理すると、二つの損失が釣り合う負荷率で効率が頂点になる。全負荷が常に最適とは限らず、配電用の変圧器は一日の平均的な負荷率で頂点が来るように設計される。二次側を開いた状態では出力が零なので、効率を論じる余地がない。
問44-3

定格出力で運転している単相変圧器がある。出力が50kW、鉄損が0.5kW、全負荷における銅損が1.0kWであるとき、この変圧器の効率[%]に最も近い値は。

  • ①94.0
  • ②95.1
  • ③96.1
  • ④97.1
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正解 ④97.1
解説
詳細解説
効率は、出力を「出力+全損失」で割って求める。
全損失=鉄損+銅損=0.5+1.0=1.5[kW]。
効率=50÷(50+1.5)×100=50÷51.5×100≒97.1[%]となる。
96.1%や95.1%は損失を2倍に数えたり入力と出力を取り違えたりした場合に近い値である。
注意点は、分母を「出力+損失」とすることである。損失を出力から引いてしまうと入力を出力で割る形になり、正しい効率にならない。
実際の高圧受電設備用変圧器の効率は97〜99%程度であり、計算結果がこの範囲から大きく外れた場合は式の立て方を見直すとよい。

他の選択肢が不適切な理由
求めた効率で出力を割り戻すと入力が出るので、そこから損失を逆算して1.5kWに戻るかを確かめるとよい。94.0%なら損失は約3.2kW、95.1%なら約2.6kW、96.1%なら約2.0kWとなり、いずれも与えられた鉄損と銅損の合計に合わない。高圧受電設備用の変圧器は97%前後の効率が普通であり、94%台という値は明らかに低すぎる。
問54-3

変圧器の鉄心に生じる渦電流損を小さくするための方法として正しいものは。

  • ①薄いけい素鋼板を絶縁して積み重ねる
  • ②鉄心に太い銅導体を埋め込んでおく
  • ③鉄心を一つの厚い鋳鉄の塊で作る
  • ④巻線の断面積を大きくして抵抗を下げる
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正解 ①薄いけい素鋼板を絶縁して積み重ねる
解説
詳細解説
鉄心の中で磁束が変化すると、鉄心自身にも渦を巻くように電流が流れ、抵抗によって熱となって失われる。これが渦電流損である。
鉄心を薄い板に分けて互いを絶縁し、それを積み重ねた成層鉄心にすると、渦電流の通り道が細かく分断されて損失が大幅に減る。板を薄くするほど効果が大きい。
厚い塊の鉄心では渦電流の通り道が広くなり損失が増える。銅導体を埋め込むのはむしろ逆効果である。
巻線の断面積を大きくすると減るのは銅損であって、鉄損ではない。
けい素を加えるのは鉄心の電気抵抗を高めるとともに、ヒステリシス損も減らすためである。鉄損はヒステリシス損と渦電流損の合計であると整理して覚えておきたい。

他の選択肢が不適切な理由
渦電流損は磁束が変わる面の広さと板の厚さに強く左右され、厚い塊で作れば渦の通り道が広がって損失は増える。銅は鉄よりはるかに電気を通しやすいので、鉄心に埋め込めば渦電流の通り道をわざわざ用意することになり、逆効果である。巻線を太くして抵抗を下げる工夫が減らせるのは巻線側の損失であって、鉄心の中で起きている現象には効かない。
問64-3

変圧器の無負荷試験(開放試験)によって主に求められる損失は。

  • ①銅損(負荷損)
  • ②機械損
  • ③鉄損(無負荷損)
  • ④漂遊負荷損
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正解 ③鉄損(無負荷損)
解説
詳細解説
無負荷試験では、二次側を開放したまま一次側に定格電圧を加える。このとき流れるのは励磁電流だけで巻線の電流はごくわずかであるため、測定される電力はほぼ鉄損に等しくなる。
一方、銅損を求めるには短絡試験を行う。二次側を短絡し、一次側に定格電流が流れる程度の低い電圧(インピーダンス電圧)を加えると、鉄心の磁束が小さいため鉄損はほとんど生じず、測定される電力はほぼ銅損になる。
機械損は回転機に生じる摩擦や風損であり、回転部分のない変圧器には存在しない。
「電圧を定格にすると鉄損、電流を定格にすると銅損」と対にして覚えると、二つの試験を取り違えることがなくなる。

他の選択肢が不適切な理由
二次側を開いたままでは巻線にほとんど電流が流れないので、電流の2乗で効いてくる損失は測定値にほとんど含まれない。漏れ磁束が金属部分に生じさせる損失も、負荷電流があってはじめて現れるため、この試験ではとらえられない。回転する部分をもたない変圧器には、摩擦や風による損失そのものが存在しない。
問74-3

全負荷における銅損が1.00kWの変圧器を、負荷率50%で運転したときの銅損[kW]は。

  • ①0.13
  • ②0.25
  • ③0.50
  • ④1.00
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正解 ②0.25
解説
詳細解説
銅損は巻線の抵抗による損失であり、電流の2乗に比例する。負荷率が50%になると電流も50%になるので、銅損は(0.5)の2乗すなわち0.25倍になる。
1.00×0.25=0.25[kW]である。
0.50kWは負荷率に正比例すると誤解した値、0.13kWは0.5の3乗としてしまった値である。
これに対し鉄損は加える電圧で決まるため、負荷が変わってもほぼ一定である。
この違いがあるため、軽負荷の時間帯が長い変圧器では鉄損の影響が大きくなる。一日を通した効率(全日効率)を高めるには、鉄損の小さい変圧器を選ぶことが有効である。

他の選択肢が不適切な理由
負荷が半分になっても損失が変わらないという答えでは、電圧で決まる損失と電流で決まる損失の区別がつかなくなる。0.50kWは負荷率にそのまま比例すると考えた値、0.13kWは負荷率を3乗した値であるが、巻線で熱になるのは電流の2乗に比例する分である。求めた値を負荷率100%へ戻したときに4倍の1.00kWになるかで検算できる。
問84-3

パーセントインピーダンスが4%の変圧器において、二次側端子で三相短絡が生じたときに流れる短絡電流は、定格電流のおよそ何倍か。

  • ①4倍
  • ②16倍
  • ③20倍
  • ④25倍
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正解 ④25倍
解説
詳細解説
パーセントインピーダンス%Zは、定格電流を流したときにインピーダンスで生じる電圧降下が定格電圧の何%にあたるかを表す値である。
短絡時には定格電圧の全部がインピーダンスにかかるので、短絡電流は定格電流の 100/%Z 倍になる。
100÷4=25[倍]である。
4倍は%Zの値をそのまま答えた誤り、16倍は4の2乗を求めた誤り、20倍は%Zを5%として計算した値である。
%Zが小さい変圧器ほど電圧変動が少なく良質な電源になる一方、短絡電流が大きくなるため、遮断器には大きな遮断容量が必要になる。
受電設備の保護協調を検討するうえで、%Zから短絡電流を求める計算は基本となる。

他の選択肢が不適切な理由
短絡電流の倍率とパーセントインピーダンスの積は必ず100になる。16倍なら6.25%、20倍なら5%の変圧器ということになり、与えられた4%と一致しない。4倍は与えられた数値をそのまま答えたもので、単位も意味も異なる。この値が小さい変圧器ほど短絡電流は大きくなるという向きを押さえておけば、値の大小の見当も付けやすい。
問94-3

ある単相変圧器の二次側の電圧は、無負荷のとき105V、全負荷のとき100Vであった。この変圧器の電圧変動率[%]は。

  • ①0.5
  • ②2.4
  • ③4.8
  • ④5.0
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正解 ④5.0
解説
詳細解説
電圧変動率は、無負荷時の二次電圧V₂₀と全負荷時の二次電圧V₂ₙを用いて、ε=(V₂₀-V₂ₙ)/V₂ₙ×100 で表す。分母が全負荷時の電圧である点が要点である。
ε=(105-100)÷100×100=5.0[%]となる。
4.8%は分母を無負荷時の105Vとしてしまった誤りで、試験でよく用意される紛らわしい選択肢である。
電圧変動率が大きいと、負荷の増減に応じて末端の電圧が変動し、照明のちらつきや電動機のトルク低下を招く。
電圧変動率は変圧器のパーセントインピーダンスと負荷力率で決まり、%Zが小さいほど、また力率が良いほど小さくなる。

他の選択肢が不適切な理由
0.5%は百分率に直すときに桁を一つ落とした値、2.4%は分母を二つの電圧の和としてしまった値、4.8%は分母を無負荷時の電圧とした値である。分母は必ず全負荷時の電圧であることを押さえたい。検算としては、全負荷時の100Vの5%が5Vであり、これが二つの電圧の差にちょうど一致することを確かめればよい。
問104-3

変圧器の定格容量が[W]ではなく[kV・A]で表される理由として、最も適切なものは。

  • ①損失が負荷の力率に左右されないため
  • ②二次側の電圧が力率で変化しないため
  • ③一次側の周波数が常に一定であるため
  • ④鉄心の磁束が電流だけで決まるため
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正解 ①損失が負荷の力率に左右されないため
解説
詳細解説
変圧器の使用限界を決めるのは巻線と鉄心の温度上昇であり、その原因である損失は電圧と電流で決まる。鉄損は加える電圧の大きさで、銅損は流れる電流の大きさで決まり、いずれも負荷の力率とは関係がない。
そのため、電圧と電流の積である皮相電力[kV・A]で容量を表すのが合理的である。有効電力[kW]で表すと、同じ電流でも力率によって値が変わり、機器の限界を正しく示せない。
周波数が一定であることや、二次電圧の変化の有無は、容量の単位を決める理由ではない。
電動機は軸から取り出す機械的出力[kW]で表すのに対し、変圧器や発電機は[kV・A]で表す、という対比で覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
二次側の電圧は負荷の力率によって実際に変動するため、変化しないとする記述はそもそも事実に反する。周波数が一定であることは定格として別に決められている事項であり、容量をどの単位で表すかとは関係がない。鉄心を通る磁束は加える電圧と周波数で決まるものであって、電流だけで決まるわけではない。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。