2026年版・4-2

三相誘導電動機の始動法と速度制御の一問一答

第一種電気工事士「電気機器・材料工具・受電設備」から、三相誘導電動機の始動法と速度制御に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-2

三相かご形誘導電動機をスターデルタ始動したときの始動電流は、全電圧始動(直入れ始動)の場合と比べて何倍になるか。

  • ①√3分の1
  • ②3分の1
  • ③√3倍
  • ④3倍
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正解 ②3分の1
解説
詳細解説
スターデルタ始動では、始動時に固定子巻線をY(スター)に接続する。このとき各巻線に加わる電圧は線間電圧の1/√3になるため、巻線に流れる電流も1/√3になる。
さらにY結線では線電流と相電流が等しいのに対し、運転時のΔ結線では線電流が相電流の√3倍になる。この二つが重なるので、電源から見た始動電流は 1/√3×1/√3=1/3 となる。
√3分の1は巻線1相分だけを見て途中で計算をやめた値であり、3倍や√3倍は関係が逆である。
始動電流を3分の1に抑えられる一方で始動トルクも3分の1になるため、重い負荷を直接つないだままでは起動できないことがある点に注意する。

他の選択肢が不適切な理由
そもそも始動電流を抑えるための方式であるから、倍率が1より大きくなる答えは方式の目的と矛盾する。3倍や√3倍は、Y結線とΔ結線のどちらを分母に置くかを逆にすると現れる値である。√3分の1は約0.58であり、これでは直入れで生じる約6倍の始動電流を3.5倍程度までしか下げられず、わざわざ切換装置を設ける意味が薄くなってしまう。電圧の低下と結線の違いという二つの効果を掛け合わせたかを、必ず確かめたい。
問24-2

スターデルタ始動において、始動時に電動機の各相の巻線に加わる電圧は、線間電圧の何倍になるか。

  • ①3分の1
  • ②3倍
  • ③√3倍
  • ④√3分の1
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正解 ④√3分の1
解説
詳細解説
Y(スター)結線では、線間電圧が相電圧の√3倍になる。したがって相電圧すなわち各巻線に加わる電圧は、線間電圧の1/√3(約0.58倍)となる。
例えば線間200Vの電源につないだ場合、始動時に1相の巻線へ加わるのは約115Vである。
3分の1は始動電流の比と取り違えた誤り、√3倍や3倍はY結線とΔ結線の関係を逆にした誤りである。
運転に切り換えるとΔ結線となり、巻線には線間電圧がそのまま加わる。始動時は巻線電圧が下がるので発熱も抑えられる。
「電圧が1/√3、電流が1/3、トルクが1/3」という三つの数値を組で覚えておくと、始動法の問題は確実に得点できる。

他の選択肢が不適切な理由
減電圧始動なのであるから、加わる電圧が元より大きくなる倍率は成り立たない。3分の1は約0.33であり、線間200Vなら約67Vしか巻線に加わらないことになる。これでは磁束が不足してトルクがほとんど出ず、始動法として成立しない。実際に測ると始動時の巻線電圧は約115Vであり、この実測値と照らせば取り違えはすぐに分かる。
問34-2

三相かご形誘導電動機を全電圧始動(直入れ始動)したときに流れる始動電流は、全負荷電流のおよそ何倍か。

  • ①約2倍
  • ②約4倍
  • ③約6倍
  • ④約10倍
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正解 ③約6倍
解説
詳細解説
始動の瞬間はすべりが1で、回転子が停止しているため二次側に大きな誘導電流が流れる。この状態の電動機は短絡に近い状態となり、全負荷電流のおよそ6倍から7倍の電流が流れる。
約2倍や約4倍は実際より小さすぎる値で、この程度なら始動対策を考える必要がない。約10倍は変圧器の励磁突入電流に近い値であり、誘導電動機の始動電流としては過大である。
始動電流が大きいと幹線に電圧降下が生じ、同じ系統につながる照明がちらつくなどの影響が出る。
そのため、ある程度以上の容量の電動機ではスターデルタ始動やリアクトル始動などで始動電流を抑える。
なお始動電流は大きいものの継続時間が短いため、電動機の保護には始動電流で誤動作しない特性をもつ遮断器や電動機保護用の器具を用いる。

他の選択肢が不適切な理由
始動電流の倍率は、回転子が止まっている状態の拘束インピーダンスで決まる。標準的なかご形ではこの値が小さいため、倍率は6から7程度に落ち着く。2倍や4倍で済むのであれば幹線の電圧降下も問題にならず、減電圧始動という考え方そのものが生まれていないはずである。10倍という水準は、鉄心の磁気飽和によって生じる変圧器の突入電流や、事故時の短絡電流に近い領域である。
問44-2

全電圧始動時の始動トルクが定格トルクの150%である三相かご形誘導電動機を、スターデルタ始動した場合の始動トルクは定格トルクの何%になるか。

  • ①50
  • ②75
  • ③100
  • ④150
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正解 ①50
解説
詳細解説
誘導電動機のトルクは端子電圧の2乗に比例する。スターデルタ始動では巻線電圧が1/√3になるので、トルクは(1/√3)の2乗すなわち1/3になる。
150×1/3=50[%]である。
75%や100%は電圧比をそのまま掛けたり2乗を忘れたりした誤り、150%は全電圧始動のままの値である。
始動トルクが定格トルクの50%しかないということは、負荷トルクがそれより大きいと電動機が回り出せないことを意味する。
そのためスターデルタ始動は、ポンプや送風機のように始動時の負荷トルクが小さい機械に適している。コンベヤや圧縮機のように始動から重い負荷がかかる用途では、別の始動法を検討する必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
トルクが電圧の2乗に比例する以上、倍率は必ず3分の1になり、150の3分の1である値以外にはならない。75%は電圧比を2乗せずに半分と見た場合、100%は3分の2を掛けた場合に現れる。150%のままでは、電圧を下げているのにトルクが変わらないことになり、減電圧始動を行った意味が消えてしまう。電流とトルクがともに3分の1になるという対で確かめたい。
問54-2

三相かご形誘導電動機の始動補償器始動(コンドルファ始動)の説明として正しいものは。

  • ①回転子へ直流を流して始動する方法
  • ②電源周波数を下げて徐々に始動する方法
  • ③単巻変圧器で電圧を下げて始動する方法
  • ④一次側に直列抵抗を入れて始動する方法
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正解 ③単巻変圧器で電圧を下げて始動する方法
解説
詳細解説
始動補償器始動は、三相単巻変圧器(タップを持つ変圧器)を電動機の一次側に入れ、始動時だけ電圧を下げて加える方法である。加速したのちタップを切り換え、最後に全電圧に接続する。
電圧を下げる割合をタップで選べるため、始動電流と始動トルクの兼ね合いを負荷に合わせて調整できる点が長所である。
一次側に直列抵抗やリアクトルを入れる方法はそれぞれ抵抗始動・リアクトル始動と呼ばれる別の方式、回転子へ直流を送るのは同期電動機の界磁の話、周波数を下げるのはインバータ始動である。
電圧を1/k倍にすると始動電流も1/k倍、始動トルクは1/k²倍になるという関係は、どの減電圧始動法にも共通する。

他の選択肢が不適切な理由
一次側に抵抗やリアクトルを直列に入れる方式は、電圧を落とした分がそのまま熱や無効電力になり、変圧器を使う方式ほど効率よく始動トルクを確保できない。かご形の回転子は導体を短絡した構造で界磁巻線をもたないため、そこへ直流を送ることはできない。周波数を変えるには半導体の変換装置が必要であり、始動器と呼ばれる機器の範囲を超える。
問64-2

巻線形三相誘導電動機で二次抵抗始動を行ったときの効果として正しいものは。

  • ①始動電流を抑えながら始動トルクを増せる
  • ②始動電流と始動トルクをともに小さくできる
  • ③始動電流を増やして始動時間を短縮できる
  • ④始動時の電源周波数を自動的に下げられる
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正解 ①始動電流を抑えながら始動トルクを増せる
解説
詳細解説
巻線形誘導電動機はスリップリングを通して回転子巻線に外部抵抗を接続できる。二次抵抗を大きくすると、最大トルクの大きさは変わらないまま、最大トルクを生じるすべりが1に近い側へ移動する。これを比例推移という。
その結果、すべりが1である始動の瞬間に大きなトルクを得ながら、同時に電流を抑えることができる。減電圧始動と違って始動トルクが犠牲にならない点が大きな利点である。
始動電流と始動トルクがともに小さくなるのはスターデルタ始動などの減電圧始動の特徴である。周波数を下げるのはインバータ始動の説明である。
加速に伴って抵抗を段階的に短絡していき、最終的に二次側を短絡した状態で運転する。

他の選択肢が不適切な理由
始動電流を増やすという記述は、幹線の電圧降下を大きくするだけで、始動法としてわざわざ採る意味がない。電流とトルクをともに小さくするのは電圧を下げる方式の性質であり、外部抵抗を回転子側に入れる方式とは働きが違う。周波数は電源側で決まるものであるから、回転子につないだ抵抗器で変えることはできない。
問74-2

汎用インバータで三相誘導電動機の速度を変える際、周波数の変化に応じて出力電圧も比例して変化させる制御(V/f一定制御)を行う主な理由は。

  • ①電源の力率を1に保つため
  • ②電動機の騒音を下げるため
  • ③回転子の温度上昇を防ぐため
  • ④鉄心の磁束を一定に保つため
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正解 ④鉄心の磁束を一定に保つため
解説
詳細解説
電動機の鉄心を通る磁束は、加える電圧に比例し周波数に反比例する。したがって電圧を一定のまま周波数だけ下げると磁束が過大になり、鉄心が磁気飽和して励磁電流が急増し、過熱や焼損を招く。
これを避けるため、周波数を下げるときは電圧も同じ割合で下げ、電圧と周波数の比を一定に保つ。こうすると磁束が一定に保たれ、発生トルクも回転速度によらずほぼ一定になる。
力率を1にすることや騒音の低減は、V/f一定制御の目的ではない。回転子の温度上昇を直接の目的として電圧を変えているわけでもない。
インバータ制御は連続的に速度を変えられるため、ポンプや送風機の風量・流量調整に用いると大きな省エネルギー効果が得られる。

他の選択肢が不適切な理由
力率は入力側の変換部と負荷の性質で決まるものであり、出力側の電圧と周波数の比を保つだけでは1にならない。運転音の大きさは主にスイッチングの搬送周波数で決まるので、電圧の与え方とは別の話である。回転子の温度上昇はすべりと負荷電流の結果として現れるもので、この制御が直接守っているのは固定子側の鉄心である。
問84-2

周波数60Hzの電源で運転する極数変換形の三相誘導電動機について、極数を4から8へ切り換えたときの同期速度[min⁻¹]は。

  • ①450
  • ②900
  • ③1200
  • ④3600
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正解 ②900
解説
詳細解説
同期速度は Ns=120f/p で求まる。
極数8のとき Ns=120×60÷8=900[min⁻¹]である。ちなみに切換前の4極では1800min⁻¹であるから、極数を倍にすると速度は半分になる。
450は極数を16とした場合、1200は極数6の場合、3600は極数2の場合の値である。
極数変換は、固定子巻線の接続を切り換えて極数を変える方式で、段階的にしか速度を変えられないが構造が簡単で効率がよい。
連続的に速度を変えたい場合はインバータによる周波数制御を用いる。極数変換は速度が飛び飛びになる、という点が試験でよく問われる。

他の選択肢が不適切な理由
回転速度と極数の積は必ず120f、すなわち7200になる。450なら積は3600、1200なら9600、3600なら28800となり、いずれもこの関係を満たさない。また極数を4から8へ倍にしたのであるから、答えは切換前の値のちょうど半分になるはずであり、その点からも確かめられる。極数は磁極の対で数えるため必ず偶数になる点も手掛かりになる。
問94-2

巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御によって速度を下げて運転した場合の欠点として正しいものは。

  • ①回転磁界の速度そのものが変化する
  • ②電源の周波数が負荷に応じて変わる
  • ③抵抗での損失が増えて効率が下がる
  • ④最大トルクの大きさが小さくなる
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正解 ③抵抗での損失が増えて効率が下がる
解説
詳細解説
二次抵抗制御は、外部抵抗を大きくしてすべりを増やすことで回転速度を下げる方法である。二次入力のうちすべりの割合にあたる電力は二次側の抵抗で熱になるため、速度を下げるほど失われる電力が増え、効率が悪くなる。
同期速度は電源周波数と極数だけで決まるので、二次抵抗を変えても回転磁界の速度は変わらない。電源周波数も当然変化しない。
また比例推移の性質により、二次抵抗を変えても最大トルクの大きさそのものは変わらず、最大トルクが生じるすべりの位置が動くだけである。
構造が簡単で始動と速度制御を兼ねられる反面、効率が低いため、現在ではインバータ制御に置き換えられることが多い。

他の選択肢が不適切な理由
同期速度を決める式には電源周波数と極数しか現れず、回転子側につないだ抵抗はどの項にも入ってこない。したがって回転磁界の速さは変わりようがない。電源周波数は系統側で決まる量であり、負荷の都合で動くものではない。最大トルクの大きさは電源電圧と漏れリアクタンスで決まるため、比例推移によって生じるのは最大トルクの位置の移動だけである。
問104-2

サイリスタの位相制御によって電動機に加わる電圧を徐々に上昇させ、始動電流と機械的な衝撃を抑えながら滑らかに起動させる装置の名称は。

  • ①スターデルタ始動器
  • ②始動補償器
  • ③サイクロコンバータ
  • ④ソフトスタータ
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正解 ④ソフトスタータ
解説
詳細解説
ソフトスタータは、逆並列に接続したサイリスタの点弧位相を制御して、電動機に加わる実効電圧を零から定格まで連続的に上げていく装置である。始動電流を抑えつつ、ベルトやカップリングにかかる衝撃も小さくできる。
スターデルタ始動器は接続を切り換える方式で、切換の瞬間に電流の跳ね上がりが生じる。始動補償器は単巻変圧器のタップで段階的に電圧を変える方式である。サイクロコンバータは交流を直接別の周波数の交流へ変換する装置で、始動専用の機器ではない。
ソフトスタータは速度を連続的に変えられるわけではなく、あくまで始動と停止を滑らかにする装置である。運転中の速度制御まで行いたい場合はインバータを用いる。

他の選択肢が不適切な理由
接続を切り換える方式やタップを選ぶ方式は、電圧が段階的にしか変わらず、切り換えた瞬間に電流と機械的な衝撃が生じるため、滑らかに起動させるという条件を満たさない。交流を別の周波数の交流へ直接変える装置は、低速で大きなトルクを得る用途に使われるもので、電圧を連続的に上げていくという仕組みとは組み立てが異なる。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。