2026年版・4-15

電動機の保護と制御機器の一問一答

第一種電気工事士「電気機器・材料工具・受電設備」から、電動機の保護と制御機器に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-15

三相誘導電動機の運転に用いる電磁接触器について、主接点と補助接点の役割を述べたものとして正しいものは。

  • ①主接点も補助接点も電動機の主回路に直列に入り同じ電流が流れる
  • ②主接点は直流専用の接点であり、補助接点は交流専用の接点である
  • ③主接点は電動機の主回路を開閉し、補助接点は操作回路の保持に使う
  • ④主接点は操作回路の信号を伝え、補助接点は電動機の主回路を開閉する
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正解 ③主接点は電動機の主回路を開閉し、補助接点は操作回路の保持に使う
解説
詳細解説
正解は、主接点が電動機の主回路を開閉し、補助接点は操作回路の保持に使うという説明である。
電磁接触器は、操作コイルに電流を流すと鉄心が吸引され、連動する接点が一斉に切り替わる装置である。このうち大きな電流を流せる太い接点が主接点で、電動機へ電気を送る三相の主回路に入る。細い接点が補助接点で、押しボタンから手を離しても運転が続くようにする自己保持回路や、運転表示灯、他の機器との連動(インターロック)に使う。
主接点が操作回路の信号を伝えるという説明は、二つの接点の役割を入れ替えたもので誤りである。両方に同じ電流が流れるという説明も、補助接点は主回路には入らないので誤りである。直流専用・交流専用という区別も存在しない。
「太い接点は電動機へ、細い接点は制御へ」と役割で覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
補助接点は細く作られているので、主回路の大きな電流を流せば発熱して接点が溶着してしまう。押しボタンから手を離しても運転を続けるには、主回路とは別の小さな電流の回路で接点を保ち続ける必要がある。また接点そのものを直流用と交流用に分けるという構成はこの機器にはなく、区別があるのは操作コイルの電源の種類である。
問24-15

電磁開閉器に組み込まれる熱動過負荷継電器(サーマルリレー)が、過負荷を検出する原理として正しいものは。

  • ①主回路の電流が生む熱でバイメタルがそり、接点を動かして働く
  • ②電流が作る磁界で鉄片を強く吸引し、接点を瞬時に動かして働く
  • ③電動機の回転速度を測り、基準からのずれが大きいと働く
  • ④電路の絶縁抵抗の低下を測り、決めた値を下回ると働く
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正解 ①主回路の電流が生む熱でバイメタルがそり、接点を動かして働く
解説
詳細解説
正解は、主回路の電流が生む熱でバイメタルがそり、接点を動かして働くという説明である。
熱動過負荷継電器は、電動機の主回路に入れたヒータ(発熱体)の熱を、膨張のしかたが異なる二枚の金属を貼り合わせたバイメタルに伝える。過負荷で電流が大きくなるほど発熱が増え、バイメタルが大きくそって接点を押し動かす。電流が大きいほど早く動く反限時特性をもつため、短い時間しか流れない始動電流では動かず、そのまま続く過負荷だけを捉えられる。
磁界で鉄片を吸引して瞬時に働くのは、配線用遮断器の電磁引外し(短絡保護)の原理であり、熱動式とは仕組みが違う。絶縁抵抗の低下で働くのは絶縁監視装置、回転速度で働くのは速度検出器であり、いずれも過負荷保護の原理ではない。

他の選択肢が不適切な理由
磁界で鉄片を吸引して瞬時に動く仕組みでは、短時間しか流れない始動電流でも動作してしまい、電動機を起動できない。回転速度を測るには軸に検出器を取り付ける必要があり、主回路に入れるだけの機器では測れない。絶縁抵抗は通電を止めなければ測定できないので、運転を続けながら過負荷を捉える方法にはならない。
問34-15

屋内に施設する電動機について、電気設備技術基準の解釈により過負荷保護装置の施設を省略できる出力の上限は。

  • ①0.2kW以下
  • ②0.4kW以下
  • ③1.0kW以下
  • ④2.0kW以下
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正解 ①0.2kW以下
解説
詳細解説
正解は0.2kW以下である。
電気設備技術基準の解釈第153条は、屋内に施設する電動機には、焼損するおそれのある過電流が生じたときに自動的にこれを阻止するか、または警報する装置を設けることを求めている。ただし四つの例外が示されており、その一つが「電動機の出力が0.2kW以下の場合」である。ごく小さな電動機は、巻線が焼損しても周囲へ及ぶ危険が小さく、電源側の過電流遮断器で足りると考えられているためである。
残る三つの例外は、運転中に常時取扱者が監視できる位置に施設する場合、構造上または負荷の性質上その電動機を焼損する過電流が生じるおそれがない場合、単相であって電源側電路の過電流遮断器の定格電流が15A(配線用遮断器は20A)以下の場合である。0.4kWや2.0kWといった値は条文には現れない。

他の選択肢が不適切な理由
0.4kWや1.0kW、2.0kWという値は解釈が定める例外の条件として現れないので、当てはめる根拠がない。区切りを大きくとれば、焼損したときに周囲へ危険が及ぶ大きさの電動機まで保護なしで施設できることになり、規定の趣旨に反する。省略が認められるのは、ごく小さい容量の場合のほか、常時監視できる場合など限られた場合である。
問44-15

三相誘導電動機の保護に用いる熱動過負荷継電器の整定(設定)に関する記述として、正しいものは。

  • ①電動機の始動電流に合わせ、定格電流の数倍の値に整定する
  • ②電動機の定格電流に合わせて整定し、始動電流では動作させない
  • ③電源側の配線用遮断器の定格電流と同じ値に整定しておく
  • ④電動機の拘束電流に合わせ、短絡電流を瞬時に遮断できる値にする
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正解 ②電動機の定格電流に合わせて整定し、始動電流では動作させない
解説
詳細解説
正解は、電動機の定格電流に合わせて整定し、始動電流では動作させないという説明である。
熱動過負荷継電器は、電動機の巻線が焼損する前に運転を止めるための装置なので、動作の基準となる整定電流は、保護する電動機の銘板に記された定格電流に合わせる。始動時にはその6倍前後の電流が数秒間流れるが、この継電器は電流が大きいほど早く動く反限時特性をもち、短時間の始動電流では動作しないように作られている。
始動電流に合わせて定格の数倍に整定してしまうと、巻線が焼けるまで動作せず保護の役に立たない。電源側の配線用遮断器の定格電流に合わせるのも誤りで、遮断器の定格は電線を守るために決めた値であり、電動機の定格電流とは一致しない。
また熱動過負荷継電器自体には短絡電流を遮断する能力がなく、短絡の保護は配線用遮断器やヒューズが受け持つ。
ヒータの呼びを電動機の定格電流に合わせて選ぶのが実務の基本である。

他の選択肢が不適切な理由
電源側の遮断器の定格は電線を守るために決める値であるから、電動機の巻線を守る基準としては大きすぎることが多い。回転子が止まったときに流れる電流に合わせれば、巻線が焼けるまで動作しない。整定の基準は、守りたい相手である巻線が耐えられる大きさ、すなわち銘板に記された値であると押さえておきたい。
問54-15

三相誘導電動機の電源3線のうち1線が断線(欠相)した状態で運転を続けたときに起こることとして、正しいものは。

  • ①磁界の回転方向が反転し、電動機は逆方向へ回り始めてしまう
  • ②力率が改善されて入力電流が減り、巻線の温度は下がっていく
  • ③残る2線に流れる電流が増え、巻線が過熱して焼損しやすくなる
  • ④3線とも電流が等しく減少し、回転速度だけが少しずつ低下する
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正解 ③残る2線に流れる電流が増え、巻線が過熱して焼損しやすくなる
解説
詳細解説
正解は、残る2線に流れる電流が増え、巻線が過熱して焼損しやすくなるという説明である。
三相誘導電動機は3線から均等に電力を受け取っている。1線が断線すると単相運転の状態になり、同じ機械出力を出そうとして残る2線の電流が増える。定格の1.5倍程度まで上がることもあり、その状態が続くと巻線の温度が絶縁物の耐熱限度を超えて焼損に至る。回転は続いたまま、音や振動が変わるだけのこともあるため気づきにくい。
3線とも電流が減るという説明は実際と逆であり、回転方向が反転することもない。力率が改善されて温度が下がるという説明も誤りである。
この事故を防ぐため、欠相保護をもつ電子式過負荷継電器や、3素子の熱動過負荷継電器を用いる。

他の選択肢が不適切な理由
回転の向きは三相の相順で決まるものであり、1線が失われたからといって残る磁界の向きが逆になることはない。同じ機械出力を出そうとすれば入力の電流はむしろ増えるので、電流が減って温度が下がるという説明は電力の収支と合わない。3線とも等しく減るという記述も、1線が切れて電流が流れない事実と矛盾する。
問64-15

三相誘導電動機の保護に、熱動過負荷継電器ではなく電子式過負荷継電器を用いる利点として、最も適切なものは。

  • ①電流を検出せずに電動機の温度だけで動作するため確実である
  • ②定格電流の設定が不要で、どの容量の電動機にも共通で使える
  • ③過電流の遮断そのものを行うので、電磁接触器を省略できる
  • ④動作特性のばらつきが小さく、周囲温度の影響を受けにくい
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正解 ④動作特性のばらつきが小さく、周囲温度の影響を受けにくい
解説
詳細解説
正解は、動作特性のばらつきが小さく、周囲温度の影響を受けにくいという説明である。
熱動過負荷継電器はバイメタルの熱による変形を利用するため、盤の中の温度が高いと早めに動き、低いと遅れて動く。電子式過負荷継電器は変流器で電流の大きさを測り、電子回路が時間を計算して動作するので、周囲温度に左右されにくく、個体ごとの差も小さい。欠相や逆相の検出、動作値の細かい設定を組み込みやすいことも利点である。
電動機の温度だけで動作するのは、巻線に埋め込んだサーミスタなどを使う別の方式である。実際に電流を切るのは電磁接触器や遮断器の役目なので、電磁接触器を省略することはできない。定格電流に合わせた設定も機種ごとに必要である。

他の選択肢が不適切な理由
巻線の温度そのものを見る方式は、あらかじめ巻線に検出素子を埋め込んだ電動機でなければ使えず、外付けの継電器の説明にはならない。守る相手の定格は機種ごとに違うのであるから、設定を共通にできるはずがない。実際に電流を切るのは接点をもつ機器の役目であり、検出する側がその働きまで兼ねることはできない。
問74-15

電動機の分岐回路に用いる電動機保護用配線用遮断器(モータブレーカ)の特徴として、正しいものは。

  • ①始動電流では動作せず、過負荷と短絡の両方から電動機を守る
  • ②始動電流で必ず動作するため、始動のたびに手動で復帰させる
  • ③漏電のみを検出する遮断器で、過負荷や短絡の保護はできない
  • ④電動機の回転数を検出して、設定を超えたときだけ回路を切る
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正解 ①始動電流では動作せず、過負荷と短絡の両方から電動機を守る
解説
詳細解説
正解は、始動電流では動作せず、過負荷と短絡の両方から電動機を守るという説明である。
電動機保護用配線用遮断器は、かご形誘導電動機の始動電流が定格の6〜8倍程度流れることを前提に、その領域では動作しないよう時間の遅れを長めにとってある。そのうえで、続く過負荷には熱的な引外し要素で、短絡には電磁的な瞬時引外し要素で応じるため、1台で二つの保護を兼ねられる。
始動のたびに動作するのでは電動機を運転できないので誤りである。漏電だけを検出するのは漏電遮断器の働きであり、別の機器である。回転数を検出して回路を切る機能はもっていない。
電磁開閉器と組み合わせる場合は、頻繁な入切は電磁接触器に、保護は遮断器に分担させるのが一般的である。

他の選択肢が不適切な理由
始動のたびに動作するのでは電動機を運転できず、保護装置として成り立たない。漏電を検出するには行きと帰りの電流の差を見る仕組みが必要であり、電流の大きさそのものを見る引外しの要素とは別物である。回転数を知るには軸に検出器を取り付けなければならず、分岐回路に入れる遮断器がその情報を得ることはできない。
問84-15

低圧進相コンデンサに放電装置(放電抵抗)を設ける目的として、最も適切なものは。

  • ①電源を切った後の余った電力を蓄え、次の運転に再び利用する
  • ②電源を切った後に残る電荷を放電させ、感電や再投入の危険を防ぐ
  • ③電源を切った後の残留磁気を消して、次の始動電流を小さく抑える
  • ④運転中の高調波電流を吸収し、電流の波形のひずみを小さくする
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正解 ②電源を切った後に残る電荷を放電させ、感電や再投入の危険を防ぐ
解説
詳細解説
正解は、電源を切った後に残る電荷を放電させ、感電や再投入の危険を防ぐという説明である。
コンデンサは電源から切り離しても電荷を蓄えたままで、端子の間に電圧が残る。この状態で端子に触れれば感電し、また電荷が残ったまま再び電源を入れると、大きな突入電流や過電圧が生じて機器を傷めることがある。そこで放電抵抗などの放電装置を並列に入れ、開放後の短い時間で電圧が下がるようにしている。
残留磁気を消すという説明は電動機や変圧器の鉄心についての話であり、コンデンサには当てはまらない。高調波を抑えるのは直列リアクトルの役割である。蓄えた電力を次の運転に使うために設けるものでもない。
点検の前は、放電装置があっても放電を確かめてから触れることが原則である。

他の選択肢が不適切な理由
電源を切ったあとに残る電荷はごくわずかで、次の運転をまかなえる量ではない。残留磁気は鉄心をもつ機器についての話であり、鉄心のないコンデンサには当てはまらない。高調波については、コンデンサは周波数が高いほど電流を通しやすいのでむしろ吸い込む側であり、抑えるには直列にリアクトルを入れる必要がある。
問94-15

汎用インバータで三相誘導電動機の速度を変える場合の、主回路の構成として正しいものは。

  • ①交流の周波数を機械的な回転で変え、電圧は一定のまま送り出す
  • ②交流を整流して直流にし、その直流をそのまま電動機の巻線へ送る
  • ③交流の電圧だけを変圧器で調整し、周波数はそのままで電動機へ送る
  • ④交流を整流して直流にし、平滑した後に必要な周波数の交流をつくる
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正解 ④交流を整流して直流にし、平滑した後に必要な周波数の交流をつくる
解説
詳細解説
正解は、交流を整流して直流にし、平滑した後に必要な周波数の交流をつくるという説明である。
汎用インバータは、入力された交流をダイオードなどのコンバータ部で直流に変え、平滑コンデンサで脈動をならしたうえで、スイッチング素子を並べたインバータ部がパルス幅変調(PWM)によって任意の周波数と電圧の交流を出力する。三相誘導電動機の同期速度は電源周波数に比例するので、周波数を変えれば回転速度を連続して変えられる。送風機やポンプでは、必要な風量や流量まで速度を下げることで消費電力を大きく減らせる。
変圧器で電圧だけを変える方式では周波数が変わらず、速度は変えられない。直流をそのまま巻線へ送っても回転磁界はできない。機械的な回転で周波数を変えるのは電動発電機による古い方式である。

他の選択肢が不適切な理由
直流をそのまま巻線へ送っても回転磁界ができないので、電動機は回り出さない。電圧だけを変えても同期速度は周波数で決まるため速度は変わらず、電圧を下げればトルクが落ちるだけである。機械の回転によって周波数を変える方式も実在したが、装置が大きく効率も低いため、半導体による方式に置き換わっている。
問104-15

工作機械や搬送装置で、物体に接触することなくその接近を検出して制御回路に信号を送る機器は。

  • ①リミットスイッチ
  • ②タイムスイッチ
  • ③近接スイッチ
  • ④フロートレススイッチ
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正解 ③近接スイッチ
解説
詳細解説
正解は近接スイッチである。
近接スイッチは、高周波の磁界や静電容量の変化を利用して、検出面に近づいた金属や物体を、触れることなく検出する機器である。可動部がないため摩耗せず、応答が速く、粉じんや水のかかる場所でも使いやすいので、工作機械や搬送装置の位置検出に広く用いられる。
リミットスイッチは、機械の可動部がレバーやローラを実際に押すことで接点を切り替える接触式の機器で、物体に触れる点が異なる。フロートレススイッチは、水槽に入れた電極棒で水位を検出する液面制御用の機器である。タイムスイッチは、設定した時刻や時間の経過で接点を開閉するもので、物体の検出はしない。
接触するかどうかで、近接スイッチとリミットスイッチを区別すると覚えやすい。

他の選択肢が不適切な理由
レバーやローラを押して接点を切り替える機器は物体に触れる必要があるので、接触せずに検出するという条件を満たさない。時刻や経過時間で接点を動かす機器は、物体があるかどうかを判断していない。水位を見る機器は電極が液体に浸かることを前提とした構造であり、工作機械や搬送装置の位置検出には使えない。

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