2026年版・3-5

電動力応用(揚水・巻上機の計算)の一問一答

第一種電気工事士「電気応用」から、電動力応用(揚水・巻上機の計算)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全840問) 電気応用の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-5

揚水ポンプ用電動機の所要出力P〔kW〕を求める式として正しいものは。ただし、Qは揚水量〔m³/s〕、Hは全揚程〔m〕、ηはポンプの効率とし、余裕係数は考えないものとする。

  • ①P=9.8QH/(60η)
  • ②P=9.8QHη
  • ③P=60QH/(9.8η)
  • ④P=9.8QH/η
答えと解説を見る
正解 ④P=9.8QH/η
解説
詳細解説
水を持ち上げるのに必要な仕事率は、1秒あたりに持ち上げる水の質量に重力加速度と高さを掛けたものです。水1m³の質量は1000kgなので、Q〔m³/s〕、H〔m〕のとき理論上の動力は 1000×9.8×Q×H〔W〕=9.8QH〔kW〕となります。
実際のポンプには損失があるため、電動機が出すべき出力は理論動力を効率ηで割り、P=9.8QH/η〔kW〕となります。
60で割る形の式は、揚水量が毎分〔m³/min〕で与えられたときに秒に直すためのもので、本問のように毎秒で与えられている場合には不要です。
効率を分子に掛ける式は、損失があるほど出力が小さくてよいことになり不合理です。
係数9.8は重力加速度に由来する数値だと押さえておきます。

他の選択肢が不適切な理由
60で割る形の式は、揚水量が毎分で与えられたときに毎秒へ直すためのもので、本問のように毎秒で与えられている場合には不要です。効率を分子に掛ける式は、損失が大きいほど必要な出力が小さくてよいという不合理を生みます。60を分子に、9.8を分母に置いた式も、重力加速度に由来する係数の位置が逆で、水を持ち上げる仕事の大きさを表せません。
問23-5

揚水量6m³/min、全揚程20mの揚水ポンプがある。ポンプの効率を70%とするとき、このポンプを駆動する電動機の所要出力〔kW〕は。ただし、余裕係数は考えないものとする。

  • ①13.7
  • ②19.6
  • ③28
  • ④39.2
答えと解説を見る
正解 ③28
解説
詳細解説
まず揚水量を毎秒に直します。6m³/min÷60=0.1m³/s です。
理論上の動力は 9.8×Q×H=9.8×0.1×20=19.6kW となります。
これはポンプに損失がない場合の値なので、効率70%で割ると所要出力は 19.6/0.7=28kW です。
19.6kWは効率で割り忘れた値、13.7kWは効率を掛けてしまった場合の値(19.6×0.7)、39.2kWは効率を50%と取り違えた場合の値(19.6/0.5)です。
効率は「入れた動力のうち何割が水の押し上げに使われたか」なので、必要な出力は理論値より必ず大きくなります。答えが理論値より小さくなったら、掛け算と割り算を取り違えたと気づけます。

他の選択肢が不適切な理由
効率が100%を下回る以上、所要出力は損失を考えない19.6kWより必ず大きくなります。この向きだけで19.6kWと13.7kWは除けます。13.7kWは効率で割るところを掛けた値です。39.2kWは効率を50%とした場合の値です。毎分を毎秒へ直す60で割る操作を忘れると答えが大きくずれるので、単位もあわせて確かめたいところです。
問33-5

揚水ポンプの全揚程の意味として、正しいものは。

  • ①実揚程に管路の損失水頭を加えた値
  • ②吸込水面から吐出水面までの高さの差
  • ③ポンプの吐出口における圧力の値
  • ④管路の摩擦損失だけを表した水頭
答えと解説を見る
正解 ①実揚程に管路の損失水頭を加えた値
解説
詳細解説
全揚程は、ポンプが実際に水に与えなければならない高さ相当の量で、実揚程に管路の損失水頭を加えた値です。
実揚程は吸込水面から吐出水面までの高さの差そのもので、これだけでは配管の摩擦や曲がりによる損失が考慮されていません。
吐出口における圧力は運転状態を示す値ではありますが、揚程の定義そのものではありません。
摩擦損失だけを表す量は損失水頭であり、全揚程の一部にすぎません。
電動機出力の計算では必ず全揚程を用います。実揚程で計算すると必要な出力を小さく見積もり、水が上がりきらない設計になってしまいます。配管が長く曲がりが多いほど損失水頭が増える、と実務に結び付けて覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
吸込水面から吐出水面までの高さの差は実揚程で、配管の摩擦や曲がりによる損失が含まれていません。これで計算すると必要な出力を小さく見積もり、水が上がりきらない設計になります。吐出口の圧力は運転状態を示す値ではありますが揚程の定義ではありません。摩擦損失だけを表す量は損失水頭であり、全体の一部にすぎません。
問43-5

揚水ポンプ用電動機の出力を算定する式に用いる余裕係数Kの意味として、正しいものは。

  • ①ポンプの効率の逆数を表す係数
  • ②水の密度の違いを補正するための係数
  • ③揚程を安全側に減らす係数
  • ④電動機出力に余裕をもたせる係数
答えと解説を見る
正解 ④電動機出力に余裕をもたせる係数
解説
詳細解説
実際の設計では、電動機の所要出力を P=9.8QHK/η のように余裕係数Kを掛けて求めます。Kは1.1〜1.2程度の値で、始動時の負荷増加や運転条件の変動、機器の経年変化に備えて出力に余裕をもたせるためのものです。
効率の逆数を表す係数という記述は、式の中でηが分母に置かれている働きと混同したものです。
水の密度を補正する係数という記述は、係数9.8が水の質量と重力加速度から決まっていることと取り違えたものです。
揚程を安全側に減らすという記述は向きが逆で、余裕係数は必要な出力を増やす向きに働きます。
Kは「安全のための上乗せ」であり、必ず1以上の値になると覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
効率の逆数を表す係数という記述は、式の中で効率が分母に置かれている働きと混同したものです。水の密度を補正する係数という記述は、9.8という係数が水の質量と重力加速度から決まっていることとの取り違えです。揚程を安全側に減らすという記述は向きが逆で、余裕をみるとは必要な出力を増やす側に働くことを意味し、値は必ず1以上になります。
問53-5

質量2000kgの荷物を毎分15mの速さで巻き上げる巻上機がある。巻上機の効率を70%とするとき、電動機の所要出力〔kW〕は。ただし、重力加速度は9.8m/s²とする。

  • ①3.43
  • ②4.9
  • ③7
  • ④9.8
答えと解説を見る
正解 ③7
解説
詳細解説
荷物を持ち上げる力は 質量×重力加速度=2000×9.8=19600N です。
巻上げ速度を毎秒に直すと 15m/min÷60=0.25m/s となります。
損失がない場合の動力は 19600×0.25=4900W=4.9kW です。
巻上機の効率が70%なので、電動機の所要出力は 4.9/0.7=7kW となります。
4.9kWは効率で割り忘れた値、3.43kWは効率を掛けてしまった場合の値(4.9×0.7)、9.8kWは効率を50%と取り違えた場合の値(4.9/0.5)です。
巻上機の計算は「力〔N〕×速度〔m/s〕=動力〔W〕」が骨格で、最後に効率で割る、という順序を固定して覚えると確実です。

他の選択肢が不適切な理由
効率が100%を下回る以上、所要出力は損失を考えない4.9kWより必ず大きくなります。この向きだけで4.9kWと3.43kWは除けます。3.43kWは効率で割るところを掛けた値です。9.8kWは効率を50%とした場合の値で、重力加速度と同じ数値のため見た目に引かれやすいところです。毎分を毎秒へ直す操作もあわせて確かめます。
問63-5

質量1200kgの荷物を毎分30mの速さで巻き上げる巻上機がある。巻上機の効率を70%とするとき、電動機の所要出力〔kW〕は。ただし、重力加速度は9.8m/s²とする。

  • ①5.88
  • ②8.4
  • ③11.8
  • ④16.8
答えと解説を見る
正解 ②8.4
解説
詳細解説
持ち上げる力は 1200×9.8=11760N です。
速度は 30m/min÷60=0.5m/s です。
損失がない場合の動力は 11760×0.5=5880W=5.88kW となります。
効率70%で割ると、電動機の所要出力は 5.88/0.7=8.4kW です。
5.88kWは効率で割り忘れた値、11.8kWは速度を1m/sとしたうえに効率で割り忘れた場合の値、16.8kWは速度を1m/sと取り違えた場合の値(11.76/0.7)です。
前問と質量と速度が異なりますが、手順はまったく同じです。質量を力に直し、速度を毎秒に直し、掛けて動力を出し、最後に効率で割ります。単位換算の60で割る操作を忘れると答えが60倍ずれるので、必ず確認します。

他の選択肢が不適切な理由
5.88kWは損失を考えない場合の動力で、効率で割る最後の一手が残っています。11.8kWと16.8kWは速度を毎秒1mと取り違えた場合の値で、毎分30mを60で割る換算を落としています。単位の換算を忘れると答えは大きくずれるので、力を求める段階と速度を直す段階を分けて書き出したいところです。答えは必ず損失を考えない値より大きくなります。
問73-5

遠心ポンプの回転速度を2倍にしたとき、ポンプの軸動力はおよそ何倍になるか。ただし、管路の条件は変わらないものとする。

  • ①2倍
  • ②4倍
  • ③6倍
  • ④8倍
答えと解説を見る
正解 ④8倍
解説
詳細解説
遠心ポンプには相似則があり、回転速度をn倍にすると、吐出量はn倍、全揚程はn²倍、軸動力はn³倍になります。
軸動力は「吐出量×全揚程」に比例するため、n×n²=n³ となるのが理由です。
本問では回転速度が2倍なので、軸動力は 2³=8倍 になります。
2倍としたのは吐出量の変化、4倍としたのは全揚程の変化で、いずれも軸動力ではありません。
この関係は、インバータによる回転速度制御が大きな省エネルギー効果を生む根拠にもなります。たとえば回転速度を8割に落とすと動力は0.8³=約0.51倍、つまり約半分にまで下がります。空調用のポンプや送風機で流量制御にインバータが使われるのはこのためです。

他の選択肢が不適切な理由
2倍は吐出量の変化、4倍は全揚程の変化にあたる倍率で、いずれも軸動力の変化ではありません。軸動力は吐出量と全揚程の積に比例するため、二つの倍率を掛け合わせた値になります。6倍は二つの倍率を掛けずに足した場合に近い値です。回転速度を少し落とすだけで動力が大きく下がるという関係は、送風機やポンプの流量制御が省エネルギーになる根拠でもあります。
問83-5

出力11kW、回転速度1500min⁻¹の三相誘導電動機の軸トルク〔N・m〕にもっとも近い値は。

  • ①70
  • ②105
  • ③140
  • ④175
答えと解説を見る
正解 ①70
解説
詳細解説
回転する軸の出力とトルクの間には P=2πNT/60 の関係があり、これをトルクについて解くと T=9550×P〔kW〕/N〔min⁻¹〕 という実用式になります。9550は 60×1000/(2π) をまとめた数値です。
本問では T=9550×11/1500=105050/1500≒70N・m となります。
105N・mは回転速度を1000min⁻¹とした場合、140N・mは出力を22kWとした場合、175N・mは回転速度を600min⁻¹とした場合に出る値です。
同じ出力でも回転速度が低いほどトルクは大きくなります。減速機を介して低速で大きな力を得る巻上機やコンベヤの設計は、この関係にもとづいています。

他の選択肢が不適切な理由
トルクは出力に比例し回転速度に反比例するので、どちらを読み違えてもそのまま答えが変わります。105N・mは回転速度を1000、175N・mは600とした場合、140N・mは出力を22kWとした場合の値です。同じ出力なら回転速度が低いほどトルクは大きくなるという向きを押さえておけば、回転速度を小さく読み違えて出た大きな値には気づけます。
問93-5

エレベータに設ける釣合いおもりの主な役割として、正しいものは。

  • ①かごの速度を機械的に制限する装置
  • ②停電時にかごを固定する非常装置
  • ③電動機に必要な出力を小さくする
  • ④かごの内部の照明用の電源になる
答えと解説を見る
正解 ③電動機に必要な出力を小さくする
解説
詳細解説
釣合いおもりは、かごの反対側にロープでつり下げられたおもりで、かごの質量と積載質量の一部を打ち消します。巻上機が受け持つのは差し引きの質量だけになるため、電動機に必要な出力を小さく抑えられます。
かごの速度を機械的に制限するのは調速機(ガバナ)と非常止め装置の役割です。
停電時にかごを固定するのは電磁ブレーキの働きで、釣合いおもりとは別の機構です。
かご内の照明は別系統の電源から供給されます。
釣合いおもりの質量は、かごの質量に定格積載質量のおよそ半分を加えた値とするのが一般的です。上りと下りのどちらでも所要動力が偏らないようにするための考え方です。

他の選択肢が不適切な理由
かごの速度を機械的に制限するのは調速機と非常止め装置の役割で、ロープでつり下げたおもりが担うものではありません。停電時にかごを保持するのは電磁ブレーキの働きです。かご内の照明は別系統の電源から供給されており、おもりが電源になることはありません。おもりの役目は、巻上機が受け持つ質量を差し引きで小さくすることにあります。
問103-5

出力27kWの電動機を、電動機の効率90%で3時間連続運転したとき、この電動機が消費する電力量〔kWh〕は。

  • ①81
  • ②90
  • ③100
  • ④72.9
答えと解説を見る
正解 ②90
解説
詳細解説
電動機の効率は「軸から取り出せる出力÷電源から取り込む入力」なので、入力は出力を効率で割って求めます。
入力電力は 27/0.9=30kW です。
これを3時間運転するので、電力量は 30×3=90kWh となります。
81kWhは効率を考えず軸出力に時間を掛けた値(27×3)、72.9kWhは効率で割らずに掛けてしまった場合の値(27×0.9×3)、100kWhは効率を0.81としてしまった場合の値(27/0.81×3)です。
電力量〔kWh〕は入力電力に時間を掛けた値であり、軸出力ではなく電源から取り込む電力で計算します。電気料金の算定や幹線の設計では、必ず効率で割ってから求めることを忘れないようにします。

他の選択肢が不適切な理由
効率が100%を下回る以上、電源から取り込む電力は軸出力より大きくなり、電力量も81kWhを上回ります。この向きだけで81kWhと72.9kWhは除けます。72.9kWhは効率で割るところを掛けた値です。100kWhは効率を0.81として計算した場合の値です。電力量は軸出力ではなく入力電力に時間を掛けて求める、という点が要点です。

第一種電気工事士の対策問題(全840問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。