2026年版・2-8

短絡電流・遮断容量と保護協調の一問一答

第一種電気工事士「配電理論及び配線設計」から、短絡電流・遮断容量と保護協調に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-8

パーセントインピーダンスが5%の変圧器において、二次側端子で三相短絡が生じた場合に流れる短絡電流は、二次側定格電流のおよそ何倍になるか。ただし、電源側のインピーダンスは無視するものとする。

  • ①5倍
  • ②10倍
  • ③20倍
  • ④25倍
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正解 ③20倍
解説
詳細解説
パーセントインピーダンス(%Z)は、定格電流を流したときの内部電圧降下が定格電圧に占める割合を表す。短絡時には電圧がすべてこの内部インピーダンスに加わるため、短絡電流は定格電流の 100÷%Z 倍になる。
100÷5=20〔倍〕である。
5倍は%Zの数値をそのまま倍率にした誤り、25倍は%Zを2乗した値(5²)を倍率と取り違えた誤り、10倍は%Zを10%として計算した場合の値である。
%Zが小さいほど短絡電流は大きくなるという関係がここから読み取れる。この倍率が遮断器の定格遮断電流を選ぶ出発点になるので、100÷%Z という式は確実に使えるようにしておく。

他の選択肢が不適切な理由
倍率は100を%Zで割って求めるので、%Zが小さいほど短絡電流は大きくなる。5倍は%Zの数値をそのまま倍率にしたもの、25倍は%Zを2乗した数値を倍率と取り違えたもの、10倍は%Zを10%として計算した場合の値である。%Zは定格電流を流したときの内部電圧降下の割合なので、その逆数が短絡時の倍率になる、という筋道で確かめたい。
問22-8

変圧器のパーセントインピーダンス(%Z)が表す意味として、正しいものはどれか。

  • ①定格電流時の内部電圧降下が定格電圧に占める割合
  • ②無負荷時の二次電圧の変動分が定格電圧に占める割合
  • ③鉄損と銅損の合計が定格出力容量に占める割合
  • ④励磁電流の大きさが定格電流に占める割合
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正解 ①定格電流時の内部電圧降下が定格電圧に占める割合
解説
詳細解説
パーセントインピーダンスは、変圧器に定格電流を流したときに巻線のインピーダンスによって生じる電圧降下が、定格電圧の何%にあたるかを表した値である。実際の値は、二次側を短絡した状態で一次側に電圧を加え、定格電流が流れたときの電圧を測って求める。
鉄損と銅損の合計が定格容量に占める割合は損失率にあたる指標で、%Zとは無関係である。励磁電流が定格電流に占める割合は励磁電流率と呼ばれる別の値である。無負荷時の二次電圧の変動分に着目した指標は電圧変動率であり、%Zはその要因の一つではあるが定義そのものではない。
%Zを用いると電圧階級の違う設備でも同じ土俵で計算できるため、短絡電流の算出に広く使われる。

他の選択肢が不適切な理由
無負荷時の二次電圧の変動に着目した指標は電圧変動率であり、%Zはその要因の一つではあるが定義そのものではない。鉄損と銅損の合計が定格容量に占める割合は損失率で、効率を論じるための値である。励磁電流が定格電流に占める割合は励磁電流率と呼ばれる別の指標で、無負荷の状態を表す。%Zは短絡試験で測る値であり、負荷電流を流したときの電圧降下に着目している。
問32-8

定格容量100kVA、二次側の定格線間電圧200Vの三相変圧器がある。パーセントインピーダンスが5%のとき、二次側端子で三相短絡が生じたときの短絡電流はおよそいくらか。ただし、電源側のインピーダンスは無視する。

  • ①2.9kA
  • ②5.8kA
  • ③11.6kA
  • ④10kA
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正解 ②5.8kA
解説
詳細解説
まず二次側の定格電流を求める。三相なので I=容量÷(√3×線間電圧)=100000÷(1.732×200)=100000÷346.4≒289〔A〕である。
次に短絡電流=定格電流×100÷%Z=289×100÷5=289×20=5780〔A〕≒5.8〔kA〕となる。
2.9kAは%Zを10%として計算した場合の値、11.6kAは%Zを2.5%とした場合の値である。10kAは√3を掛けずに単相として定格電流を500Aと求めた誤りである。
実際の設備では電源側(配電線や上位変圧器)のインピーダンスも加わるため、短絡電流はこの値より小さくなる。安全側の見積もりとして電源側を無視した計算がよく用いられる。

他の選択肢が不適切な理由
短絡電流は%Zに反比例するので、%Zを2倍の10%と見積もれば2.9kA、半分の2.5%と見積もれば11.6kAとなる。10kAは三相の√3を掛けずに定格電流を500Aと求めた場合の値である。実際の設備では電源側のインピーダンスも加わって短絡電流はこの値より小さくなるため、電源側を無視した計算は安全側の見積もりになる。
問42-8

高圧受電設備に設置する遮断器の定格遮断電流を選定する際の考え方として、正しいものはどれか。

  • ①その地点の短絡電流以下のものを選ぶ
  • ②負荷の定格電流と等しいものを選ぶ
  • ③変圧器の励磁突入電流に合わせて選ぶ
  • ④その地点の短絡電流以上のものを選ぶ
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正解 ④その地点の短絡電流以上のものを選ぶ
解説
詳細解説
定格遮断電流とは、遮断器が安全に切ることのできる電流の最大値である。設置地点で起こりうる短絡電流がこれを超えると、遮断器がアークを切りきれず破損し、事故が拡大する。したがって定格遮断電流は、その地点の短絡電流以上でなければならない。
短絡電流以下のものを選ぶという考え方は、最も重大な事故のときに機能しない遮断器を選ぶことになり誤りである。負荷の定格電流は連続して流せる電流(定格電流)を決める目安であって、遮断能力とは別の項目である。励磁突入電流は変圧器投入時に短時間流れる電流で、これも遮断能力の基準にはならない。
「定格電流は通常運転、定格遮断電流は事故時」と役割を分けて理解しておくとよい。

他の選択肢が不適切な理由
短絡電流以下のものを選ぶという考え方では、最も重大な事故のときに遮断器が電流を切りきれず、アークによって機器が破損して事故が広がる。負荷の定格電流は連続して流せる電流を決める目安であり、事故時に切る能力とは別の項目である。励磁突入電流は変圧器を投入した瞬間に短時間だけ流れる電流で、遮断能力ではなく不要な動作を避ける整定の際に考える量である。
問52-8

高圧受電設備における保護協調の基本的な考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①事故点に最も近い遮断器が先に動作するようにする
  • ②受電点の主遮断装置が最も早く動作するようにする
  • ③すべての遮断器が同時に動作するようにする
  • ④電力会社側の遮断器が先に動作するようにする
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正解 ①事故点に最も近い遮断器が先に動作するようにする
解説
詳細解説
保護協調とは、事故が起きたときに停電の範囲をできるだけ狭くするために、複数の保護装置の動作の順番を計画することをいう。事故点に最も近い遮断器が先に動作して事故部分だけを切り離せば、他の回路は運転を続けられる。この考え方を選択遮断という。
受電点の主遮断装置が先に動作すると構内全体が停電してしまう。電力会社側の遮断器が先に動作すると、その配電線につながる他の需要家まで巻き込む波及事故になる。すべてが同時に動作すれば、やはり停電範囲が最大になる。
実際には、電源に近い保護装置ほど動作時間を長く整定することで、この順番を実現している。

他の選択肢が不適切な理由
受電点の主遮断装置が先に動作すると、事故と関係のない回路まで含めて構内全体が停電する。電力会社側の遮断器が先に動作すれば、同じ配電線につながる他の需要家まで巻き込む波及事故となり、最も避けなければならない事態である。すべてが同時に動作する場合も停電の範囲は最大になる。電源に近い装置ほど動作時間を長く整定するのは、この順番を確実にするためである。
問62-8

高圧限流ヒューズの特徴として、正しいものはどれか。

  • ①過負荷電流を繰り返し遮断して復帰する
  • ②短絡電流が最大値に達する前に遮断する
  • ③地絡電流を検出して回路を遮断する
  • ④遮断後にそのまま再使用できる
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正解 ②短絡電流が最大値に達する前に遮断する
解説
詳細解説
高圧限流ヒューズは、大きな短絡電流が流れると極めて短い時間でエレメントが溶断し、電流が波形の最大値に達する前に遮断してしまう。この働きを限流効果といい、機器や電路が受ける電磁力と熱の影響を大幅に小さくできる。
ヒューズは溶断すると導体そのものが失われるため、遮断後に再使用することはできず、必ず交換する。繰り返し遮断して復帰できるのは遮断器の特徴である。地絡電流の検出は零相変流器と地絡継電器の役割で、限流ヒューズが受け持つものではない。
小規模な高圧受電設備では、高圧交流負荷開閉器と限流ヒューズを組み合わせた方式が主遮断装置として広く用いられている。

他の選択肢が不適切な理由
ヒューズは電流を切る際にエレメントそのものが溶けてなくなるため、遮断後に再び使うことはできず必ず交換する。繰り返し開閉して復帰できるのは遮断器の特徴である。また限流ヒューズは短絡のような大電流を切ることを役割としており、小さな過負荷電流を確実に切る用途には向かない。地絡電流の検出は零相変流器と地絡継電器が受け持ち、ヒューズ自身に検出のしくみはない。
問72-8

変圧器のパーセントインピーダンス(%Z)と、その二次側短絡電流との関係として正しいものはどれか。

  • ①%Zが小さいほど短絡電流は小さくなる
  • ②%Zの大小は短絡電流に影響しない
  • ③%Zが小さいほど短絡電流は大きくなる
  • ④%Zが大きいほど電圧変動率も小さくなる
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正解 ③%Zが小さいほど短絡電流は大きくなる
解説
詳細解説
短絡電流は定格電流の 100÷%Z 倍で表されるため、%Zが分母にあることから、%Zが小さいほど短絡電流は大きくなる。%Zが小さい変圧器は内部インピーダンスが小さく、短絡時に電流を制限する働きが弱いためである。
%Zが小さいほど短絡電流も小さくなるという記述は関係が逆である。%Zは短絡電流を決める最大の要因なので、影響しないという記述も誤りである。%Zが大きいほど負荷変動による電圧の変化は大きくなるので、電圧変動率が小さくなるという記述も誤りである。
%Zが小さいと電圧変動が少なく運転しやすい反面、短絡電流が大きくなって遮断器の負担が増す。両者は相反する関係にあり、設計上のつり合いが必要になる。

他の選択肢が不適切な理由
短絡電流は定格電流に100÷%Zを掛けた値なので、%Zは分母に位置する。小さいほど短絡電流も小さくなるという記述は、この分母と分子の関係を逆に読んだものである。影響しないという記述は、%Zが短絡電流を決める最大の要因であることと合わない。%Zが大きいほど電圧変動率も小さくなるという記述も、内部の電圧降下が大きいほど負荷による電圧の変化は大きくなるため向きが逆である。
問82-8

高圧受電設備の過電流継電器と、電力会社の配電用変電所の過電流継電器との保護協調を図るうえで正しいものはどれか。

  • ①需要家側の継電器が先に動作するよう整定する
  • ②変電所側の継電器が先に動作するよう整定する
  • ③両者が同時に動作するよう整定する
  • ④動作時間は整定せず電流値だけを合わせる
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正解 ①需要家側の継電器が先に動作するよう整定する
解説
詳細解説
需要家の構内で短絡事故が起きたとき、変電所側の遮断器が先に動作すると、同じ配電線につながる他の需要家まで停電する波及事故になる。これを避けるため、需要家側の過電流継電器の動作時間を変電所側より短く整定し、自分の設備の事故は自分の遮断器で切り離すようにする。
変電所側が先に動作する整定や、両者が同時に動作する整定では、いずれも波及事故を防げない。電流値だけを合わせて動作時間を整定しないと、どちらが先に動作するか定まらず協調が成立しない。
この時間差を確保することは、高圧で受電する需要家に課された基本的な責務であり、竣工時と定期点検時に継電器試験で必ず確認する。

他の選択肢が不適切な理由
変電所側が先に動作すると、同じ配電線につながる他の需要家まで停電する波及事故になり、原因をつくった側の責任が問われる。両者が同時に動作する整定でも同じ結果を招く。電流値だけをそろえて動作時間を整定しないと、どちらが先に切れるかが定まらず、協調そのものが成り立たない。時間差を設けて、自分の設備の事故は自分の遮断器で切り離すことが要点である。
問92-8

基準容量を10MVAとしたとき、電源から受電点までの合成パーセントインピーダンスが8%であった。この受電点における三相短絡容量〔MVA〕はいくらか。

  • ①80MVA
  • ②100MVA
  • ③12.5MVA
  • ④125MVA
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正解 ④125MVA
解説
詳細解説
短絡容量は、基準容量に100÷%Zを掛けて求める。
10×100÷8=10×12.5=125〔MVA〕である。
80MVAは基準容量に%Zの数値をそのまま掛けた誤り、100MVAは%Zを10%として計算した場合の値、12.5MVAは100÷%Zの倍率をそのまま答えて基準容量10MVAを掛け忘れた誤りである。
短絡容量は、その地点で短絡が起きたときにどれだけの電力が流れ込むかを表す指標で、遮断器の遮断容量を選定する際の基準となる。%Zが小さいほど、また基準容量が大きいほど短絡容量は大きくなる。
電源から受電点までの機器のインピーダンスは、すべて同じ基準容量に換算したうえで足し合わせる必要がある点にも注意する。

他の選択肢が不適切な理由
短絡容量は基準容量に100÷%Zを掛けた値なので、%Zが小さいほど大きくなる。80MVAは%Zの数値をそのまま掛けた形で、割り算と掛け算が入れ替わっている。100MVAは%Zを10%として計算した場合の値である。12.5MVAは倍率だけを求めて基準容量を掛け忘れた値で、これは容量ではなく倍率にすぎない。機器のインピーダンスは同じ基準容量に換算してから足し合わせる点にも注意したい。
問102-8

受電設備で発生する短絡電流を小さく抑えるための方法として、最も適切なものはどれか。

  • ①進相コンデンサを電路に並列に接続する
  • ②限流リアクトルを電路に直列に挿入する
  • ③変圧器の%Zの小さいものに取り替える
  • ④接地抵抗を小さくして接地工事を行う
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正解 ②限流リアクトルを電路に直列に挿入する
解説
詳細解説
短絡電流の大きさは、電源から事故点までの合成インピーダンスで決まる。限流リアクトルを電路に直列に入れるとインピーダンスが増えるため、短絡電流を小さく抑えられ、遮断器に求められる遮断容量を下げられる。
進相コンデンサは並列に接続して無効電力を補償する機器で、短絡電流を減らす働きはない。%Zの小さい変圧器に取り替えると短絡電流はかえって大きくなる。接地工事は地絡事故時の電位上昇を抑えるためのもので、短絡電流とは対象とする事故が異なる。
ただし限流リアクトルは常時の電圧降下と損失を増やすため、必要な範囲にとどめて用いるのが原則である。

他の選択肢が不適切な理由
進相コンデンサは並列に入れて無効電力を補うための機器で、事故時の合成インピーダンスを増やす働きはない。%Zの小さい変圧器に取り替えると、短絡時に電流を抑える力が弱まってかえって短絡電流が大きくなる。接地工事は地絡が起きたときの電位上昇を抑えるためのもので、対象とする事故の種類が異なる。短絡電流は電源から事故点までの合成インピーダンスで決まる、という点から判断したい。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。