2026年版・1-1

介護保険制度創設の経緯と目的の一問一答

介護支援専門員試験「介護支援分野①(制度の基礎)」から、介護保険制度創設の経緯と目的に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全720問) 介護支援分野①(制度の基礎)の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-1

介護保険法の公布年と施行年の組み合わせとして正しいものはどれか。

  • ①平成9年に公布され、平成12年4月から施行された
  • ②平成11年に公布され、平成13年4月から施行された
  • ③平成7年に公布され、平成10年4月から施行された
  • ④平成10年に公布され、平成14年4月から施行された
答えと解説を見る
正解 ①平成9年に公布され、平成12年4月から施行された
解説
介護保険法は平成9年(1997年)に公布され、市町村や医療保険者等の準備期間を経て平成12年(2000年)4月1日から施行された。公布から施行までの約3年間で、要介護認定の試行事業や保険料の設定、事業者指定の準備などが進められた。他の年の組み合わせは、老人保健法や介護報酬改定など別の制度・出来事の時期と混同したものである。

他の選択肢が不適切な理由
「平成7年に公布」とする記述は、まだ高齢者介護の新しい仕組みが審議会などで検討されていた時期にあたり、法律が成立した年ではない。「平成11年に公布」「平成10年に公布」とする組み合わせは、いずれも公布の年が実際より後にずれており、施行を平成13年や平成14年とする点も、制度が始まったのが平成12年4月であった事実と合わない。公布から施行まで約3年の準備期間が置かれたという関係を押さえておきたい。
問21-1

介護保険制度創設前における高齢者介護に関する仕組みの説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①介護保険法の前身となる高齢者介護保険法で現金給付中心の介護が行われていた
  • ②老人福祉法の措置制度と老人保健法の老人医療という二つの制度で対応していた
  • ③国民健康保険法に基づく現物給付のみで介護と医療が一体的に給付されていた
  • ④生活保護法の介護扶助を基本に市町村がすべての高齢者介護を提供していた
答えと解説を見る
正解 ②老人福祉法の措置制度と老人保健法の老人医療という二つの制度で対応していた
解説
介護保険制度創設前は、行政がサービス内容や提供機関を決定する「措置制度」である老人福祉法上の仕組みと、医療保険の枠組みで高齢者医療を給付する老人保健法上の仕組みが別個に存在し、介護と医療の窓口が分かれていた。この縦割りを解消し、利用者本位で介護と医療の両面を支える仕組みとして介護保険制度が創設された。「高齢者介護保険法」という法律は存在しない。

他の選択肢が不適切な理由
「高齢者介護保険法」を挙げる記述は、制度創設前の高齢者介護が現金の支給ではなく、施設への入所や訪問による援助といった現物のサービスで行われていた点でも実態と異なる。「国民健康保険法に基づく現物給付のみ」とする記述は、国民健康保険が医療の給付を行う制度であり、介護のサービスを一体で給付する仕組みではないため当たらない。生活保護法の介護扶助を基本とする記述も、介護扶助は介護保険制度の開始に合わせて設けられたものであり、しかも生活に困窮する者を対象とする最後のよりどころであるから、創設前の高齢者介護全体の土台にはなりえない。
問31-1

介護保険制度創設の理念として掲げられた「介護の社会化」の説明として最も適切なものはどれか。

  • ①介護を国が全面的に肩代わりし、家族の関与を制度上禁止する考え方
  • ②介護費用を公費のみでまかない、保険料負担をなくすという考え方
  • ③家族が担ってきた介護の負担を社会全体で支え合う仕組みへ転換する考え方
  • ④介護サービスの提供を民間企業のみに委ね、行政の関与を大きく縮小する考え方
答えと解説を見る
正解 ③家族が担ってきた介護の負担を社会全体で支え合う仕組みへ転換する考え方
解説
「介護の社会化」とは、これまで主に家族(特に女性)が担ってきた介護の負担を、社会保険の仕組みを通じて社会全体で支え合うものへ転換する考え方である。家族介護を禁止するものではなく、また財源を保険料と公費で折半する社会保険方式を採用しており、公費のみで賄う制度でもない。サービス提供主体には民間事業者も参入するが、行政の関与(保険者としての市町村の役割等)がなくなるわけではない。

他の選択肢が不適切な理由
「家族の関与を制度上禁止する」とする記述は、目指されたのが家族だけに介護を背負わせない支え合いであって、家族が介護することを法律で禁じる定めはどこにも置かれていない。「保険料負担をなくす」とする記述は、給付に要する費用のおよそ半分を被保険者の保険料でまかなうという社会保険の骨組みそのものを否定するものである。「民間企業のみに委ねる」とする記述も、社会福祉法人や医療法人なども事業者となりうるうえ、市町村が保険者として認定と給付を担い続けることと噛み合わない。
問41-1

介護保険法第1条に定める制度の目的に含まれる要素として、最も適切なものはどれか。

  • ①医療費の抑制のみを最優先の目的とし、介護サービスの利用を大きく制限すること
  • ②高齢者の資産をすべて保全しつつ、家族の扶養義務を法律上明確に規定すること
  • ③介護サービス事業者の経営の安定のみを目的とし、給付水準を一律に固定すること
  • ④要介護状態となった者が尊厳を保持し自立した日常生活を営めるよう給付すること
答えと解説を見る
正解 ④要介護状態となった者が尊厳を保持し自立した日常生活を営めるよう給付すること
解説
介護保険法第1条は、加齢に伴う疾病等により要介護状態となった者等が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスを、国民の共同連帯の理念に基づき保険給付として行うことを目的としている。医療費抑制や事業者経営の安定そのものを直接の目的とする条文ではなく、扶養義務を法定化する規定でもない。

他の選択肢が不適切な理由
「医療費の抑制のみを最優先」とする記述は、医療と介護の役割分担が背景にあったとしても、条文が掲げるのは尊厳の保持と自立した生活の支援であり、利用を制限すること自体を目的とはしていない。「家族の扶養義務を法律上明確に規定」とする記述は、扶養義務を定めるのは民法であって、この制度はむしろ家族への依存を和らげる方向にある。「事業者の経営の安定のみを目的とし給付水準を一律に固定」とする記述も、給付は要介護状態の区分に応じて段階的に定まる仕組みであり、条文の趣旨とも合わない。
問51-1

介護保険制度導入によるサービス利用の仕組みの変化として、最も適切なものはどれか。

  • ①行政が決定する措置制度から、利用者が事業者と契約しサービスを選ぶ仕組みへ転換した
  • ②利用者がサービスを選ぶ契約制度から、行政がすべて決定する措置制度へ転換した
  • ③サービス提供の仕組みは変わらず、財源の負担方法だけが公費から保険料へ変更された
  • ④措置制度と契約制度が完全に併存し、利用者はどちらか一方を毎年選択する仕組みになった
答えと解説を見る
正解 ①行政が決定する措置制度から、利用者が事業者と契約しサービスを選ぶ仕組みへ転換した
解説
介護保険制度の導入により、行政がサービスの種類や提供機関を一方的に決定する「措置制度」から、利用者が自らサービスを選び、事業者と対等な立場で契約を結んで利用する「契約制度」へと転換した。これにより利用者の選択権が拡大し、事業者間の競争を通じたサービスの質の向上も期待された。財源だけでなく利用の仕組み自体が大きく変わった点が重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「行政がすべて決定する措置制度へ転換した」とする記述は、変化の向きが逆であり、措置は制度創設前の仕組みである。「財源の負担方法だけが変更された」とする記述は、利用者が自ら事業者を選んで契約するという、利用のしかたそのものが変わった点を落としている。「措置制度と契約制度が完全に併存し毎年選択する」とする記述も、老人福祉法上の措置は虐待などやむを得ない事由がある場合に限って残されているにすぎず、利用者が毎年どちらかを選ぶ仕組みではない。
問61-1

介護保険制度が税方式ではなく社会保険方式を採用した理由の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①全額を公費でまかなうことで財源を安定させる必要があったため
  • ②保険料拠出と給付の関係を明確にし、受給しやすい給付とするため
  • ③市町村の事務負担を完全になくし、国が一元的に給付を行うため
  • ④利用者負担をなくし、サービスを無償で提供できるようにするため
答えと解説を見る
正解 ②保険料拠出と給付の関係を明確にし、受給しやすい給付とするため
解説
社会保険方式は、被保険者が保険料を拠出することで給付を受ける権利(受給権)の性格が明確になり、税方式に比べて「保険料を払っているのだから当然に給付を受けられる」という心理的抵抗の少ない仕組みとして選択された。財源は保険料と公費の両方で構成され、全額公費でも全額無償でもなく、市町村も保険者として重要な事務を担う。

他の選択肢が不適切な理由
「全額を公費でまかなう」とする記述は税方式そのものの説明であり、社会保険方式を選んだ理由の説明にはならない。「国が一元的に給付を行う」とする記述は、住民に身近な市町村を保険者とし、地域の実情に応じて事業計画や保険料を定める仕組みと正反対である。「利用者負担をなくし無償で提供する」とする記述も、利用の際に一定割合の自己負担を求めることでサービスの適正な利用を促すという設計と合わない。
問71-1

介護保険制度創設の社会的背景として最も適切なものはどれか。

  • ①高齢者人口の減少と若年層の急増により、介護サービスの供給が過剰になっていたこと
  • ②医療技術の進歩により要介護高齢者そのものがほとんどいなくなっていたこと
  • ③少子高齢化や核家族化の進行により家族介護が困難になり長期化・重度化が進んでいた
  • ④介護サービス事業者の数が過剰となり、既存制度で十分対応できていたこと
答えと解説を見る
正解 ③少子高齢化や核家族化の進行により家族介護が困難になり長期化・重度化が進んでいた
解説
介護保険制度創設の背景には、少子高齢化と核家族化の進行により、従来家族(特に女性)が担ってきた介護が困難になったこと、平均寿命の伸長により介護が長期化・重度化する傾向にあったこと、また高齢者の介護のために家族が離職する「介護離職」が社会問題化していたことなどがある。高齢者人口の減少やサービス供給過剰という状況ではなかった。

他の選択肢が不適切な理由
「高齢者人口の減少と若年層の急増」とする記述は、実際に進んでいたのが高齢者の増加と出生数の減少であるから、事実の向きが逆である。「要介護高齢者そのものがほとんどいなくなっていた」とする記述は、医療の進歩によってむしろ長く生き、介護を必要とする期間が延びたという流れに反する。「事業者の数が過剰となり既存制度で十分対応できていた」とする記述も、当時は特別養護老人ホームの入所待ちや、介護を理由に病院に長く入院するいわゆる社会的入院が問題視されており、供給の不足こそが課題であった。
問81-1

介護保険制度創設前の措置制度の問題点として指摘されていた事項として、最も適切なものはどれか。

  • ①利用者負担が応益負担であったため、低所得者ほど利用をためらう傾向があったこと
  • ②サービスの種類が保険給付として法定化され、市町村の裁量が過大であったこと
  • ③事業者の指定基準が全国一律に統一され、地域独自の運用が認められなかったこと
  • ④行政がサービス内容を一方的に決定し、利用者が事業者を自由に選べなかったこと
答えと解説を見る
正解 ④行政がサービス内容を一方的に決定し、利用者が事業者を自由に選べなかったこと
解説
措置制度の下では、市町村がサービスの要否や内容を職権的に決定する仕組みであったため、利用者は自らサービスの種類や提供事業者を選択することができなかった。また、費用負担は所得に応じた応能負担であり、中高所得層には心理的な負担感(スティグマ)を感じさせる面があったことも問題点として指摘されていた。応益負担であったという記述は誤りである。

他の選択肢が不適切な理由
費用負担を「応益負担」とする記述は向きが逆で、当時は所得に応じて費用を求める仕組みであり、利用をためらわせていたのはむしろ行政の世話を受けるという受け止め方であった。「保険給付として法定化され」とする記述は、給付として権利の性格を持たせたのが介護保険制度そのものであり、措置の時代の特徴ではない。「指定基準が全国一律に統一され地域独自の運用が認められなかった」とする記述も、事業者を指定するという仕組み自体が介護保険制度とともに整えられたものであって、措置制度の問題点として挙げられる内容ではない。
問91-1

介護保険制度の基本理念として一般に挙げられる組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

  • ①自立支援、利用者本位、社会保険方式
  • ②措置制度、応能負担、行政主導
  • ③医療優先、施設中心主義、現金給付原則
  • ④民間委託原則、現物給付廃止、応益負担禁止
答えと解説を見る
正解 ①自立支援、利用者本位、社会保険方式
解説
介護保険制度は、要介護者ができる限り自立した生活を送れるよう支援する「自立支援」、利用者が自らサービスを選択できる「利用者本位」、保険料拠出と給付を結びつける「社会保険方式」を基本理念としている。措置制度や行政主導、施設中心主義はむしろ制度創設前の仕組みの特徴であり、現行制度の理念とは異なる。

他の選択肢が不適切な理由
「措置制度、応能負担、行政主導」を挙げる記述は、行政が要否と内容を決めていた創設前の仕組みの特徴そのものであり、現行制度の理念ではない。「医療優先、施設中心主義、現金給付原則」とする記述は、住み慣れた地域での生活の継続を重んじ、原則として現物のサービスを給付するという考え方と反対を向いている。「民間委託原則、現物給付廃止、応益負担禁止」とする記述も、給付の中心が現物のサービスであり、利用者に一定割合の負担を求める設計とも噛み合わない。
問101-1

介護保険法第1条にある「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう」という文言が意味する考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①要介護者に残された能力の活用を否定し、全面的な介護を提供することを重視する考え方
  • ②利用者に残された心身の能力をできる限り活用し、自立を支援するという考え方
  • ③能力の高い高齢者のみを給付対象とし、能力の低い高齢者を給付対象から除外する考え方
  • ④介護サービスの提供量を能力に応じて機械的に一律に削減するという考え方
答えと解説を見る
正解 ②利用者に残された心身の能力をできる限り活用し、自立を支援するという考え方
解説
この文言は、要介護者本人に残されている身体的・精神的な能力(残存能力)をできる限り活かし、過剰な介護によって依存を強めるのではなく、自立した生活の実現を支援するという考え方を表している。給付対象を能力の高い者に限定する趣旨ではなく、能力に応じて一律に給付量を削減する規定でもない。

他の選択肢が不適切な理由
「全面的な介護を提供することを重視する」とする記述は、必要以上に手を出すことがかえってできることを奪ってしまうという自立支援の考え方と正面から対立する。「能力の高い高齢者のみを給付対象とする」とする記述は、給付の対象を決めるのが要介護状態にあるかどうかであり、支援を要する度合いが高い者ほど手厚い給付につながる仕組みと逆である。「機械的に一律に削減する」とする記述も、この文言は給付量の減らし方を定めたものではなく、本人の力を活かす支援のあり方を示したものである。

介護支援専門員試験の対策問題(全720問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。