2026年版・6-1

基礎-1 運送事業のしくみと許可の一問一答

運行管理者試験(貨物)「最初に覚える土台知識」から、基礎-1 運送事業のしくみと許可に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-1

トラック運送の「事業」の運営そのもののルールを定めている法律はどれか。

  • ①貨物自動車運送事業法
  • ②道路運送車両法
  • ③道路交通法
  • ④労働基準法
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正解 ①貨物自動車運送事業法
解説
貨物自動車運送事業法は、事業の許可、事業計画、運行管理者の選任、輸送の安全の確保など「事業をどう運営するか」を定めた法律です。運行管理者の仕事は、この法律とその下の省令を土台にしています。

試験で学ぶ法令は、役割がきれいに分かれています。車という物そのものの安全は道路運送車両法、道路上での走り方は道路交通法、働く時間や賃金は労働基準法が受け持ちます。この分担を最初に覚えておくと、問題文を読んだ瞬間に「これはどの科目の話か」が見分けられるようになり、条文を探す時間もぐんと短くなります。
他の選択肢について

・道路運送車両法:登録・検査・点検整備など、自動車そのものの安全性の確保と公害の防止を対象とする法律です。
・道路交通法:速度、通行方法、運転免許など、道路上の交通の安全と円滑を対象とする法律です。
・労働基準法:労働時間や休日、賃金といった労働条件の最低基準を定める法律で、事業の許可の制度は扱っていません。
問26-1

貨物自動車運送事業法上の一般貨物自動車運送事業に当たるものはどれか。

  • ①軽自動車だけで運賃を得て運ぶ。
  • ②不特定の荷主から運賃を得て運ぶ。
  • ③自社の製品を自社のトラックで運ぶ。
  • ④知人に頼まれ無償で荷物を運ぶ。
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正解 ②不特定の荷主から運賃を得て運ぶ。
解説
一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、軽自動車・二輪車以外の自動車を使って貨物を運送する事業のうち、特定貨物自動車運送事業に当たらないものをいいます(同法2条2項)。

ここでいう「他人の需要に応じ」とは、自分の荷物ではなく他人の荷物を頼まれて運ぶという意味です。「有償で」とは運賃など何らかの対価を受け取ることをいいます。不特定の荷主から依頼を受け、運賃をもらってトラックで運ぶ行為は、この要件をすべて満たします。判断のこつは、誰の荷物か、お金をもらうか、どんな車かの順に確かめることです。この順で見ていけば、どの区分に当たるかは機械的に決まります。
他の選択肢について

・自社の製品を自社の車で運ぶ:他人の需要に応じたものではないため、運送事業に当たりません。
・無償で知人の荷物を運ぶ:有償という要件を欠くため、運送事業に当たりません。
・軽自動車だけで運ぶ:他の要件は満たしますが、車の種類により貨物軽自動車運送事業になります。
問36-1

A社は、B社1社とだけ契約し、運賃を得てB社の製品だけを運んでいる。A社の事業の区分はどれか。

  • ①1社としか契約せず事業に当たらない。
  • ②運賃を得るので一般貨物に当たる。
  • ③特定の者の需要に応じ特定貨物。
  • ④相手が1社なので貨物軽自動車。
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正解 ③特定の者の需要に応じ特定貨物。
解説
特定貨物自動車運送事業とは、特定の者の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業です(同法2条3項)。荷主がB社1社に限られているA社は、これに当たります。

一般貨物との分かれ目は、荷主が不特定か、特定の者に限られるかという一点です。誰からの依頼でも受ける形なら一般貨物、あらかじめ決まった相手の荷物だけを運ぶ形なら特定貨物になります。実務では、大手メーカーの製品輸送だけを専属で請け負う運送会社が典型例です。なお、特定貨物自動車運送事業も一般貨物と同じく国土交通大臣の許可が必要で、届出で足りるわけではありません。
他の選択肢について

・運賃を得るので一般貨物:有償であることは一般貨物にも特定貨物にも共通しており、区分の決め手にはなりません。
・事業に当たらない:荷主が1社でも、他人の荷物を有償で運ぶ以上、運送事業に当たります。
・貨物軽自動車:この区分は、使う車が軽自動車・二輪車である場合に限られます。
問46-1

軽自動車1台を使い、依頼を受けて運賃を得て他人の荷物を運ぶ場合の区分はどれか。

  • ①車が1台だけなので事業でない。
  • ②一般貨物に当たり車種は関係ない。
  • ③無償のときと同じで事業でない。
  • ④貨物軽自動車運送事業に当たる。
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正解 ④貨物軽自動車運送事業に当たる。
解説
他人の需要に応じ、有償で、三輪以上の軽自動車または二輪の自動車を使用して貨物を運送する事業は、貨物軽自動車運送事業に当たります(同法2条4項)。

宅配便の配達を委託されて軽貨物車を1台で走らせている個人事業主が、その典型例です。「他人の荷物を、お金をもらって運ぶ」という点は一般貨物とまったく同じで、違うのは使う車の種類だけです。一般貨物の定義からは軽自動車と二輪車が明文で除かれているため、その分がこの区分に振り分けられる、という関係になっています。手続の面でも、一般貨物が許可制であるのに対し、貨物軽自動車は届出制という違いがあります。
他の選択肢について

・一般貨物に当たる:一般貨物の定義からは軽自動車と二輪車が明文で除かれています。
・無償のときと同じ:運賃を受け取っている以上、有償という要件を満たします。
・車が1台だけ:使用する車両の数は、事業の区分とは関係がありません。
問56-1

一般貨物自動車運送事業を始めようとする者が受けるべき手続はどれか。

  • ①国土交通大臣の許可を受ける。
  • ②都道府県知事の登録を受ける。
  • ③開業後30日以内に届け出る。
  • ④運行管理者を選任すれば足りる。
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正解 ①国土交通大臣の許可を受ける。
解説
一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければなりません(同法3条)。

許可制とは、事業を始める前に国が中身を審査し、よいと認めた場合にだけ営業を認める仕組みです。トラック運送は、一つの事故が多くの人の生命に関わる仕事であるため、車両や車庫、休憩施設、運行管理の体制、資金計画などが整っているかを事前に確かめます。届出制とは、この事前審査があるかどうかが決定的に違います。許可を受けずに営業すれば無許可営業となり、罰則の対象になります。なお、特定貨物自動車運送事業も同じく許可制です。
他の選択肢について

・都道府県知事の登録:この事業に登録という手続はなく、権限をもつのも都道府県知事ではありません。
・開業後30日以内の届出:事後の届出では足りず、開業前の許可が必要です。
・運行管理者の選任だけ:運行管理者の選任は、許可を受けた後に行う別の義務です。
問66-1

貨物自動車運送事業法が事業者に求めている「輸送の安全」の中身はどれか。

  • ①運賃を安くして荷主を増やすこと。
  • ②運転者の確保と過労運転の防止。
  • ③積載量を増やして効率を上げること。
  • ④同業者との過当競争の制限。
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正解 ②運転者の確保と過労運転の防止。
解説
同法15条1項は、一般貨物自動車運送事業者が守るべき基準の柱として2つを挙げています。1つは、必要な員数の運転者の確保、休憩や睡眠に使える施設の整備と管理、適切な勤務時間と乗務時間の設定など、過労運転を防止するために必要な事項です。もう1つは、事業用自動車の定期的な点検及び整備など、車の安全性を確保するために必要な事項です。

つまり法律は、輸送の安全を「人の状態」と「車の状態」の両面からとらえています。点呼で運転者の体調と日常点検を確かめるのも、この考え方の延長線上にあります。

なお同条2項は、疾病により安全な運転ができないおそれを防ぐ医学的知見に基づく措置も求めています。
他の選択肢について

・運賃を安くすること:運賃の水準は、輸送の安全として求められている内容ではありません。
・積載量を増やすこと:過積載は同条3項で明確に禁じられています。
・競争を制限すること:同業者の競争を抑えることは、この法律の求めるところではありません。
問76-1

貨物自動車運送事業法1条が掲げるこの法律の目的はどれか。

  • ①新規参入を制限し既存事業者を守ること。
  • ②運賃の競争を促し運賃を引き下げること。
  • ③輸送の安全の確保と、事業の健全な発達。
  • ④運行管理者という資格制度の創設。
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正解 ③輸送の安全の確保と、事業の健全な発達。
解説
同法1条は、事業の運営を適正かつ合理的なものとするとともに、法令の遵守等を図るための民間団体等による自主的な活動を促進することにより、輸送の安全を確保し、事業の健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的としています。

この法律の柱は、何より安全です。許可制も、運行管理者の選任も、点呼の義務も、すべては安全を確保するための手段として置かれています。個々の規定がなぜあるのか分からなくなったときは、この1条に立ち返り、「これは安全のためにどう役立つ規定か」と考えると理解しやすくなります。1条は法律全体の入口であり、条文を読む順番としても最初に押さえるべき場所です。
他の選択肢について

・運賃の引き下げ:運賃を安くすること自体は、目的として掲げられていません。
・既存事業者の保護:特定の事業者の利益を守ることは、目的ではありません。
・資格制度を設けること:運行管理者の制度は、目的を達するための手段の一つです。
問86-1

一般貨物自動車運送事業者が事業計画を変更しようとするときの原則の手続はどれか。

  • ①社内で決定すればよく手続は要らない。
  • ②変更から1年以内に報告書を提出する。
  • ③運行管理者の同意を得て掲示すれば足りる。
  • ④あらかじめ国土交通大臣の認可を受ける。
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正解 ④あらかじめ国土交通大臣の認可を受ける。
解説
一般貨物自動車運送事業者が事業計画の変更をしようとするときは、原則として国土交通大臣の認可を受けなければなりません(同法9条1項)。

事業計画とは、営業所の名称と位置、車庫の位置と収容能力、休憩・睡眠施設、事業用自動車の数などを定めたもので、輸送の安全を支える土台にあたります。ここが勝手に変えられると、許可のときに国が確かめた安全の体制が崩れてしまいます。そこで、変更にも事前のチェックを受けさせる仕組みになっています。ただし例外があり、事業用自動車の数の変更など省令で定める事項はあらかじめ届出、軽微な事項は変更後に遅滞なく届出で足ります(同条3項)。
他の選択肢について

・1年以内の報告書:事後に報告すればよいという制度にはなっていません。
・社内の決定で足りる:事業者が自由に変更してよいわけではありません。
・掲示すれば足りる:営業所への掲示は、運賃・料金や運送約款に関する別の義務です。
問96-1

貨物自動車運送事業法が定める過積載の防止について、正しいものはどれか。

  • ①最大積載量を超える運送を引き受けない。
  • ②荷主に強く求められた場合は超えてよい。
  • ③超えるかどうかは運転者だけの責任となる。
  • ④1割を超えない範囲なら超えてもよい。
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正解 ①最大積載量を超える運送を引き受けない。
解説
事業者は、最大積載量を超える積載となる運送の引受け、その運送を前提とした運行計画の作成、および運転者等に対する指示のいずれもしてはなりません(同法15条3項)。

過積載とは、車ごとに決められた積める重さの上限を超えて荷物を積むことです。重くなればブレーキが効きにくくなって止まるまでの距離が伸び、カーブでは横転しやすくなり、タイヤの破裂や車軸の折損といった故障も起こりやすくなります。道路や橋の傷みも早まります。そこで法律は、積み終わった車を道路で取り締まるだけでなく、運送を引き受ける段階から事業者に禁止をかけています。運転者だけの問題にせず、仕事を受ける側に責任を負わせた点が、この規定の要点です。
他の選択肢について

・荷主に求められた場合:荷主の要求は、過積載を正当化する理由になりません。
・運転者だけの責任:法律は、事業者自身の行為をはっきりと禁止しています。
・1割までは超過してよい:このような許容範囲を認める規定は存在しません。
問106-1

事業用自動車が転覆し、負傷者が出た。事業者がしなければならないことはどれか。

  • ①警察に届け出れば国への報告は要らない。
  • ②国土交通大臣へ自動車事故報告書を出す。
  • ③運転者本人が報告書を作って提出する。
  • ④営業所に記録を残しておけば足りる。
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正解 ②国土交通大臣へ自動車事故報告書を出す。
解説
自動車事故報告規則2条は、転覆・転落・火災、死者や重傷者が生じたものなど、報告しなければならない事故を具体的に挙げています。

これにあたる事故が起きたときは、同規則3条により、事故があった日から30日以内に自動車事故報告書を作り、運輸監理部長または運輸支局長を経由して国土交通大臣へ提出しなければなりません。提出する義務を負うのは運転者ではなく事業者です。

さらに、2人以上の死者が生じた事故、5人以上の重傷者が生じた事故、10人以上の負傷者が生じた事故、酒気帯び運転があった事故などについては、同規則4条により、電話その他の方法で24時間以内にできる限り速やかに運輸監理部長または運輸支局長へ速報しなければなりません。トラックでは死者が1人の事故は速報の対象ではなく、30日以内の報告書の提出で足ります(1人でも速報が必要なのは旅客の事業者です)。報告を集めるのは事業者を罰するためではなく、同じ事故を繰り返さないために原因を分析し、対策を全国に広めるためです。
他の選択肢について

・警察への届出で足りる:道路交通法上の警察への報告とは別に、事業を所管する国への報告が必要です。
・運転者本人が提出する:報告書の提出義務を負うのは事業者です。
・営業所に記録を残せば足りる:社内に記録を残すだけでは、報告の義務を果たしたことになりません。

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