2026年版・6-2

基礎-2 消防法を読むための土台用語の一問一答

消防設備士甲種4類「最初に覚える土台知識」から、基礎-2 消防法を読むための土台用語に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-2

消防法にいう「関係者」に含まれる者の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①所有者、管理者、占有者
  • ②管理者、占有者、消防設備士
  • ③所有者、設計者、施工者
  • ④所有者、防火管理者、居住者
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正解 ①所有者、管理者、占有者
解説
消防法第2条第4項は、関係者を「防火対象物又は消防対象物の所有者、管理者又は占有者」と定めています。この3者だけが関係者です。

「関係者」は消防法のあちこちに登場する重要語で、消防用設備等を設置し維持する義務(第17条第1項)も、点検してその結果を報告する義務(第17条の3の3)も、この関係者が負います。工事を請け負った消防設備士や設計者は、法律上の義務を負う関係者ではありません。設備の不備について消防長から命令を受けるのも関係者です。誰が義務を負う立場なのかを最初にはっきりさせておくと、法令の問題が一気に読みやすくなります。
他の選択肢について

・設計者、施工者:建物や設備を作る側であり、条文の定義には含まれていません。
・消防設備士:工事や整備を行う技術者で、関係者としての義務を負う立場ではありません。
・防火管理者:関係者から選任されて防火管理業務を行う人であり、定義上の関係者とは別です。
問26-2

消防設備士に関する「工事」「整備」「点検」という3つの言葉の説明として、正しいものはどれか。

  • ①工事は修理、整備は確認、点検は新設
  • ②工事は新設、整備は修理、点検は確認
  • ③工事は確認、整備は新設、点検は修理
  • ④3つとも同じ意味で区別はない
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正解 ②工事は新設、整備は修理、点検は確認
解説
工事は設備を新たに設置したり構成を変えたりする作業、整備は故障した部分を直して機能を回復させる作業、点検は正常に働くかどうかを確かめる作業です。

この3語の区別が、そのまま資格の区別につながります。工事ができるのは甲種消防設備士だけ(消防法第17条の6)、整備は甲種・乙種のどちらでも行えます。点検は、政令で定める防火対象物では消防設備士免状の交付を受けている者などの有資格者に行わせ、それ以外の防火対象物では関係者が自ら行います(消防法第17条の3の3)。また工事に着手するときは着工届が必要(第17条の14)、工事が完了したときは設置届と検査が必要(第17条の3の2)というように、必要な手続も変わります。用語をあいまいにしたまま進むと法令分野で必ずつまずくので、最初に整理しておきましょう。
他の選択肢について

・工事は確認、整備は新設、点検は修理:それは点検の説明です。3つの語をずらして入れ替えたものです。
・工事は修理、整備は確認、点検は新設:それは整備の説明にあたります。
・3つとも同じ意味で区別はない:法律は3語を明確に使い分け、必要な資格や届出も変えています。
問36-2

消防法において「消防長又は消防署長」が行うものとされている事務について、消防本部を置かない市町村における取扱いとして正しいものはどれか。

  • ①総務大臣
  • ②都道府県知事
  • ③当該市町村の長
  • ④隣接する市町村の消防長
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正解 ③当該市町村の長
解説
消防本部を置かない市町村では、消防長又は消防署長が行うべき事務は、その市町村の長(市町村長)が行います。

消防は市町村が責任を持つ仕組み(市町村消防の原則)になっており、多くの市町村は消防本部と消防署を置いていますが、置いていない市町村もあります。その場合に窓口が無くなってしまわないよう、消防法第3条第1項が「消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長。第六章及び第三十五条の三の二を除き、以下同じ。)」と括弧書きで定め、危険物について定めた第六章などを除いて、この法律に出てくる消防長を市町村長と読み替えることとしています。着工届や設置届の提出先、点検結果の報告先はいずれも「消防長又は消防署長」ですが、この読み替えがあることを知っておくと、問題文の意味を取り違えずに済みます。
他の選択肢について

・都道府県知事:消防設備士免状の交付などは知事の権限ですが、消防長の事務を代行する立場ではありません。
・総務大臣:検定の型式承認などを行う立場で、市町村の消防事務は行いません。
・隣接する市町村の消防長:他の市町村の消防長が代わって行うという定めはありません。
問46-2

消防に関する法令の体系について、名称と定める主体の組合せとして正しいものはどれか。

  • ①消防法は政令、消防法施行令は総務省令、消防法施行規則は法律である
  • ②消防法は総務省令、消防法施行令は法律、消防法施行規則は政令である
  • ③消防法は法律、消防法施行令は総務省令、消防法施行規則は政令である
  • ④消防法は法律、消防法施行令は政令、消防法施行規則は総務省令である
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正解 ④消防法は法律、消防法施行令は政令、消防法施行規則は総務省令である
解説
消防法は国会が定める法律、消防法施行令は内閣が定める政令、消防法施行規則は総務大臣が定める総務省令です。上から下へ具体的になっていく三段構えになっています。

試験問題は「消防法令上」という言い方でこの3つをまとめて扱いますが、条文の役割は違います。たとえば自動火災報知設備については、法第17条が「政令で定める技術上の基準に従って設置・維持せよ」と大枠を示し、令第21条が設置すべき防火対象物と警戒区域の面積600平方メートルという数値を定め、規則第23条以下が感知器の取付け方などの細目を定めます。数字の多くは令と規則にあるため、問題文にどの法令の名前が出ているかを見る癖をつけると、答えの見当がつけやすくなります。
他の選択肢について

・消防法は政令:消防法は国会が制定する法律です。
・施行令が総務省令:「令」は政令、「規則」が総務省令です。名前と種類が入れ替わっています。
・消防法が総務省令:法律・政令・省令の順序がすべて入れ替わっています。
問56-2

法令で用いられる「以上」「以下」「超える」「未満」の読み方として、正しいものはどれか。

  • ①以上・以下は含み、超える・未満は含まない
  • ②以上・以下は含まず、超える・未満は含む
  • ③以上・未満は含み、以下・超えるは含まない
  • ④4つの語はいずれも基準の数を含む
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正解 ①以上・以下は含み、超える・未満は含まない
解説
「以上」と「以下」は基準となる数そのものを含み、「超える」と「未満」は含みません。

この読み分けは、消防設備の設置基準を正しく判断するうえで欠かせません。たとえば消防法施行令第21条第2項第2号は、一の警戒区域の面積を「600平方メートル以下」としているので、ちょうど600平方メートルなら1つの警戒区域で足ります。一方、同条第1項第11号は、自動火災報知設備が必要になる階を「地階、無窓階又は3階以上の階で、床面積が300平方メートル以上のもの」としており、ちょうど300平方メートルなら設置が必要です。ちょうどの値をどちらに入れるかで答えが変わる問題が実際に出題されるため、条文の末尾の言葉を必ず確認しましょう。
他の選択肢について

・以上・以下は含まず、超える・未満は含む:意味が正反対です。「以」の付く語がその数を含みます。
・以上・未満は含み、以下・超えるは含まない:「未満」はその数に達していないことを表すため、含みません。
・4つの語はいずれも基準の数を含む:4つの語を使い分ける意味がなくなってしまいます。
問66-2

消防法で、消防用設備等を設ける対象となる建物などを何と呼ぶか。

  • ①消防対象物
  • ②防火対象物
  • ③特定建築物
  • ④指定可燃物
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正解 ②防火対象物
解説
消防用設備等を設ける対象となる建物などを、消防法では防火対象物と呼びます。消防法第2条第2項が、山林や舟車、ふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物、又はこれらに属する物を防火対象物と定めています。

そのうえで第17条第1項が、政令で定める防火対象物の関係者に、消防用設備等を設置し維持する義務を課しています。よく似た言葉に消防対象物があり、こちらは同条第3項で、建築物その他の工作物又は物件と定められています。末尾が「これらに属する物」ではなく「物件」となっているぶん範囲が広く、消火活動や立入検査の対象を示すときに使われます。設備を置く義務の話なら防火対象物、消防の活動の対象なら消防対象物、と場面で区別すると覚えやすくなります。
他の選択肢について

・消防対象物:消火活動などの対象を示す言葉で、消防用設備等の設置義務がかかる相手ではありません。
・特定建築物:建築物における衛生的環境の確保に関する法律で使われる言葉で、消防法の用語ではありません。
・指定可燃物:綿花類や木毛など、火災が拡大しやすい物品として政令で定められた物の呼び名です。
問76-2

特定防火対象物に当たるものとして正しいものはどれか。

  • ①共同住宅
  • ②事務所
  • ③飲食店
  • ④倉庫
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正解 ③飲食店
解説
特定防火対象物とは、不特定多数の人が出入りしたり、避難に配慮が必要な人が利用したりする用途の防火対象物のことで、飲食店はこれに当たります。

消防法施行令別表第一に掲げられた用途のうち、劇場・映画館・キャバレー・飲食店・物品販売店舗・旅館・病院・老人福祉施設などが特定用途です。そこにいる人が建物の構造や避難経路を知らないため、火災のときの被害が大きくなりやすく、そのぶん規制が厳しく設定されています。具体的には、法令が改正されたときに既存の建物にも新しい基準を適用する(消防法第17条の2の5)、点検結果の報告を一年に一回行う(消防法施行規則第31条の6)、といった違いが出ます。事務所・共同住宅・工場・倉庫などは特定防火対象物ではなく、報告が三年に一回でよいなど、扱いが緩やかです。
他の選択肢について

・事務所:そこで働く人が中心の用途であり、別表第一で特定用途として扱われていません。
・共同住宅:住んでいる人が構造や避難経路を知っているため、特定防火対象物には含まれません。
・倉庫:不特定多数の人が出入りする用途ではなく、特定防火対象物には当たりません。
問86-2

自動火災報知設備が果たす役割に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①消防隊へ消火用の水を送る設備
  • ②火災を感知して自動で水を放つ設備
  • ③停電時に避難経路を照らす設備
  • ④火災を感知して音で知らせる設備
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正解 ④火災を感知して音で知らせる設備
解説
自動火災報知設備は、火災による熱や煙などを感知して受信機に火災信号を送り、地区音響装置を鳴らして建物内の人に知らせる設備です。火を消す機能は持っていません。

消防法施行令第7条第3項は、自動火災報知設備を「火災の発生を報知する機械器具又は設備」である警報設備の一つとして掲げています。同じ条文で、消火設備・警報設備・避難設備がそれぞれ別に定められており、消火はスプリンクラー設備などの消火設備、避難の誘導は誘導灯などの避難設備が担当します。甲種第4類が扱うのは、この「知らせる」役割の設備だと最初にはっきりさせておくと、設備の分類問題で迷わなくなります。
他の選択肢について

・火災を感知して自動で水を放つ設備:それはスプリンクラー設備などの消火設備の働きです。
・停電時に避難経路を照らす設備:それは誘導灯や非常照明の働きで、避難設備等に分類されます。
・消防隊へ消火用の水を送る設備:それは連結送水管など消火活動上必要な施設の働きです。
問96-2

消防の用に供する設備を分けた3つの区分として正しいものはどれか。

  • ①消火設備・警報設備・避難設備
  • ②消火設備・通報設備・排煙設備
  • ③警報設備・避難設備・防煙設備
  • ④消火設備・警報設備・消防用水
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正解 ①消火設備・警報設備・避難設備
解説
消防の用に供する設備は、消火設備・警報設備・避難設備の三つに分かれます。

消防法施行令第7条第1項が、消防用設備等を、消防の用に供する設備・消防用水・消火活動上必要な施設の三つで構成すると定め、続く第2項から第4項が、消防の用に供する設備の内訳としてこの三区分を掲げています。消火設備は消火器や屋内消火栓設備、スプリンクラー設備など火を消すもの、警報設備は自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備、非常警報設備など知らせるもの、避難設備は避難はしごや救助袋、誘導灯など逃げるためのものです。甲種第4類が扱うのは警報設備の仲間になります。いちばん大きな枠が消防用設備等、その一部が消防の用に供する設備、さらにその一部が警報設備、という三つの層で覚えましょう。
他の選択肢について

・消火設備・通報設備・排煙設備:通報設備という区分はなく、排煙設備は消火活動上必要な施設に含まれます。
・警報設備・避難設備・防煙設備:防煙設備という区分は置かれておらず、消火設備も抜けています。
・消火設備・警報設備・消防用水:消防用水は、消防の用に供する設備とは別に置かれた区分です。
問106-2

消防用設備等の設置基準を判断するときに用いる「延べ面積」と「床面積」の関係として、正しいものはどれか。

  • ①延べ面積は最も広い階の床面積
  • ②延べ面積は各階の床面積の合計
  • ③延べ面積は地階を除く床面積の合計
  • ④延べ面積は敷地の面積を引いた残り
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正解 ②延べ面積は各階の床面積の合計
解説
床面積とはその階の面積のことで、延べ面積は建物のすべての階の床面積を合計したものです。

消防用設備等の設置基準は、この2つを使い分けて書かれています。たとえば自動火災報知設備は、飲食店などの特定用途では「延べ面積300平方メートル以上」で設置が必要になる一方、用途にかかわらず「地階、無窓階又は3階以上の階で床面積300平方メートル以上」の階にも必要とされます。前者は建物全体で判断し、後者は階ごとに判断します。問題文が「延べ面積」と書いているのか「床面積」と書いているのかを読み分けられないと、正しい判断ができません。
他の選択肢について

・延べ面積は最も広い階の床面積:それは建築面積に近い考え方で、延べ面積ではありません。
・延べ面積は地階を除く床面積の合計:延べ面積には地階の床面積も含めて合計します。
・延べ面積は敷地の面積を引いた残り:敷地の広さは延べ面積の計算に関係しません。

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