2026年版・3-6

交流回路の基礎(正弦波・実効値・位相)の一問一答

消防設備士甲種4類「電気に関する基礎的知識」から、交流回路の基礎(正弦波・実効値・位相)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-6

実効値100[V]の正弦波交流電圧の最大値として、最も近いものはどれか。

  • ①141.4[V]
  • ②70.7[V]
  • ③63.7[V]
  • ④200[V]
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正解 ①141.4[V]
解説
正弦波交流では、最大値と実効値の間に次の関係がある。
実効値 = 最大値 ÷ 2の平方根
したがって最大値は実効値に2の平方根(約1.414)を掛けて求める。
最大値 = 100 × 1.414 = 141.4[V]
となる。一般の家庭に供給されている交流100[V]も実効値であり、瞬間的には約141[V]まで達している。絶縁物の耐圧を考えるときは、この最大値を基準にする必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
「63.7[V]」は最大値100[V]の正弦波の平均値にあたる値であり、求める向きが逆である。「70.7[V]」は最大値100[V]の正弦波の実効値にあたる値で、これも計算の向きが逆になっている。「200[V]」は実効値を単純に2倍した値であり、2の平方根倍という正しい関係と一致しない。
問23-6

最大値157[V]の正弦波交流電圧の平均値として、最も近いものはどれか。

  • ①78.5[V]
  • ②100[V]
  • ③111[V]
  • ④222[V]
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正解 ②100[V]
解説
正弦波交流の平均値は、半周期分について平均をとった値であり、最大値との間に次の関係がある。
平均値 = 最大値 × 2 ÷ 円周率 = 最大値 × 約0.637
値を代入すると、
平均値 = 157 × 0.637 = 100.0[V]
となる。なお同じ波形の実効値は 157 ÷ 1.414 で約111[V]となり、平均値より大きい。整流形計器はこの平均値に反応するため、目盛は実効値に換算して刻まれている。

他の選択肢が不適切な理由
「78.5[V]」は最大値を単純に2で割った値であり、平均値の関係式とは一致しない。「111[V]」はこの波形の実効値であって、平均値ではない。「222[V]」は実効値を2倍した値であり、平均値は最大値より必ず小さくなるという性質にも反している。
問33-6

周波数50[Hz]の正弦波交流の周期として正しいものはどれか。

  • ①0.002[s]
  • ②0.0167[s]
  • ③0.02[s]
  • ④0.05[s]
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正解 ③0.02[s]
解説
周波数fは1秒間に繰り返す波の数を表し、周期Tは1回の波に要する時間を表す。両者は互いに逆数の関係にある。
T = 1 ÷ f = 1 ÷ 50 = 0.02[s]
となる。すなわち1回の波に0.02秒、20ミリ秒かかっている。日本では東日本が50[Hz]、西日本が60[Hz]で電力が供給されており、60[Hz]の場合の周期は 1 ÷ 60 で約0.0167秒となる。

他の選択肢が不適切な理由
「0.002[s]」は周波数を500[Hz]として計算した場合の値であり、桁が1つ違う。「0.0167[s]」は周波数60[Hz]の場合の周期であって、50[Hz]の値ではない。「0.05[s]」は周波数を20[Hz]として計算した場合の値である。周期と周波数は逆数の関係であることを確実に押さえておく。
問43-6

周波数60[Hz]の正弦波交流の角周波数として、最も近いものはどれか。

  • ①約60[rad/s]
  • ②約314[rad/s]
  • ③約120[rad/s]
  • ④約377[rad/s]
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正解 ④約377[rad/s]
解説
角周波数ωは、1秒間に進む位相の角度をラジアンで表した量で、周波数fを用いて
ω = 2 × 円周率 × f
で求められる。値を代入すると、
ω = 2 × 3.14 × 60 = 376.8
となり、およそ377[rad/s]である。交流の瞬時値は v = 最大値 × sin(ω × t)の形で表され、コイルやコンデンサのリアクタンスの計算にもこの角周波数が用いられる。

他の選択肢が不適切な理由
「約314[rad/s]」は周波数50[Hz]の場合の角周波数であり、設問の60[Hz]の値ではない。「約120[rad/s]」は円周率を掛けずに 2 × 60 を計算した値であって、2πを掛ける手順が抜けている。「約60[rad/s]」は周波数の数値をそのまま答えたもので、単位も意味も異なる別の量である。
問53-6

正弦波交流において、実効値を平均値で割った値を表す用語として正しいものはどれか。

  • ①波形率
  • ②波高率
  • ③ひずみ率
  • ④力率
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正解 ①波形率
解説
波形率は、交流波形の実効値を平均値で割った値であり、波形のなだらかさを表す指標である。正弦波の場合、実効値は最大値の約0.707倍、平均値は最大値の約0.637倍であるから、波形率は 0.707 ÷ 0.637 でおよそ1.11となる。

他の選択肢が不適切な理由
「波高率」は最大値を実効値で割った値であり、正弦波では約1.41となる。とがった波形ほど大きくなる指標で、本問の定義とは分子と分母が異なる。「ひずみ率」は波形が正弦波からどれだけ崩れているかを表す指標で、基本波に対する高調波成分の割合を示すものである。「力率」は皮相電力に対する有効電力の割合を表す量であり、波形そのものの形状を表す指標ではない。なお波形率と波高率はいずれも波形の形だけで決まる値であり、電圧や電流の大きさそのものには関係しない点も押さえておくとよい。
問63-6

周波数の等しい二つの正弦波交流の間にある、時間的なずれを角度で表したものの名称として正しいものはどれか。

  • ①周波数
  • ②位相差
  • ③実効値
  • ④角周波数
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正解 ②位相差
解説
位相とは、正弦波が1周期のうちのどの時点にあるかを角度で表したものであり、二つの波の位相の差を位相差という。交流回路では、コイルを含むと電流が電圧より遅れ、コンデンサを含むと電流が電圧より進むといったように、電圧と電流の間に位相差が生じる。この位相差の余弦(コサイン)が力率であり、有効電力の大きさを左右する。

他の選択肢が不適切な理由
「周波数」は1秒間に繰り返す波の数を表す量であり、単位はヘルツ[Hz]で、波どうしのずれを表す量ではない。「角周波数」は1秒間に進む位相の角度を表す量で、単位はラジアン毎秒である。「実効値」は交流の大きさを直流に換算して表した値であり、いずれも二つの波の時間的なずれを示す語ではない。なお位相差は角度で表すのが一般的で、4分のπラジアンであれば45度の差があることを意味する。ベクトル図では二つの矢印のなす角として表される。
問73-6

交流電流の瞬時値が i = 10×(2の平方根)×sin(100×円周率×t)[A]で表されるとき、この電流の実効値と周波数の組合せとして正しいものはどれか。

  • ①実効値10[A]、周波数100[Hz]
  • ②実効値14.1[A]、周波数50[Hz]
  • ③実効値10[A]、周波数50[Hz]
  • ④実効値14.1[A]、周波数100[Hz]
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正解 ③実効値10[A]、周波数50[Hz]
解説
正弦波の瞬時値は「最大値 × sin(ω × t)」の形で表される。
最大値は 10×(2の平方根)= 約14.1[A]であり、実効値は最大値を2の平方根で割るので
実効値 = 10×(2の平方根)÷(2の平方根)= 10[A]
となる。次に角周波数はカッコの中のtに掛かっている値であるから ω = 100 × 円周率 である。ω = 2 × 円周率 × f より、
f = 100 × 円周率 ÷(2 × 円周率)= 50[Hz]
となる。

他の選択肢が不適切な理由
「実効値10[A]、周波数100[Hz]」は角周波数の値100πをそのまま周波数とみなした誤りである。「実効値14.1[A]、周波数50[Hz]」は最大値を実効値と取り違えている。「実効値14.1[A]、周波数100[Hz]」は実効値と周波数の両方を誤っており、いずれも式の読み取りが正しくない。
問83-6

交流の実効値の意味に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①1周期の間の瞬時値の合計を表した値である
  • ②1周期の間の瞬時値を平均してとった値である
  • ③1周期の間の瞬時値の最大値そのものである
  • ④同じ抵抗に同じ熱量を生じる直流の値に等しい
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正解 ④同じ抵抗に同じ熱量を生じる直流の値に等しい
解説
実効値は、同じ抵抗に流したときに交流と同じ熱量を発生させる直流の値として定義される。交流は瞬時値が刻々と変化するため、大きさを一つの値で表す基準としてこの定義が用いられている。正弦波の場合、実効値は最大値を2の平方根で割った値、すなわち最大値の約0.707倍となる。交流電圧計・電流計が指示する値は原則としてこの実効値である。

他の選択肢が不適切な理由
「1周期の間の瞬時値を平均してとった値である」は誤りで、正弦波の1周期を通した平均は正と負が打ち消し合って零になってしまう。平均値という場合は半周期分について求めた値を指す。「1周期の間の瞬時値の最大値そのものである」のは最大値(波高値)の定義であり、実効値より大きい。「1周期の間の瞬時値の合計を表した値である」も誤りで、実効値は瞬時値の2乗の平均の平方根として求められる量である。
問93-6

電圧が v = 100×(2の平方根)×sin(ω×t)[V]、電流が i = 10×(2の平方根)×sin(ω×t - 6分のπ)[A]で表される回路がある。電圧と電流の位相の関係として正しいものはどれか。

  • ①電流は電圧より30度遅れている
  • ②電流は電圧より60度進んでいる
  • ③電流は電圧より60度遅れている
  • ④電流は電圧より30度進んでいる
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正解 ①電流は電圧より30度遅れている
解説
正弦波の式のカッコの中にある角度の部分を位相という。電圧は sin(ω×t)であるのに対し、電流は sin(ω×t - 6分のπ)となっており、位相が6分のπだけ小さい。ラジアンを度に直すと
6分のπ = 180 ÷ 6 = 30度
である。位相が小さいということは波形の変化が遅れて現れることを意味するので、電流は電圧より30度遅れている。このような遅れは、回路にコイル(誘導性リアクタンス)が含まれるときに生じる。

他の選択肢が不適切な理由
「電流は電圧より30度進んでいる」は、式の中の符号がマイナスであることを見落として進みと判断した誤りである。「電流は電圧より60度進んでいる」「電流は電圧より60度遅れている」は、いずれも6分のπを60度と換算した誤りであり、正しくは3分のπが60度にあたる。
問103-6

正弦波交流の瞬時値について、1周期を通して平均をとった場合の値に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①1周期を通して平均すると値は最大になる
  • ②1周期を通して平均すると値は実効値になる
  • ③1周期を通して平均すると値は零になる
  • ④1周期を通して平均すると値は増える
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正解 ③1周期を通して平均すると値は零になる
解説
正弦波交流は、1周期のうち前半が正の値、後半が負の値をとり、その形は上下対称である。したがって1周期を通して平均をとると正の部分と負の部分が完全に打ち消し合い、平均値は零になる。このままでは交流の大きさを表せないため、実務では半周期分について求めた値を平均値と呼び、また熱作用に基づく実効値を用いて大きさを表している。

他の選択肢が不適切な理由
「1周期を通して平均すると値は最大になる」は誤りで、最大値は瞬間的にとる最も大きい値であって平均とは別の量である。「1周期を通して平均すると値は実効値になる」も誤りで、実効値は瞬時値の2乗の平均の平方根として求められる別の量である。「1周期を通して平均すると値は増える」も誤りで、平均の操作によって値が増えることはない。

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