2026年版・3-5

電磁気と電磁誘導の一問一答

消防設備士甲種4類「電気に関する基礎的知識」から、電磁気と電磁誘導に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-5

磁界の中に置かれた導体に電流を流したとき、その導体が受ける力の向きを求めるために用いる法則として正しいものはどれか。

  • ①フレミングの左手の法則
  • ②フレミングの右手の法則
  • ③レンツの法則
  • ④アンペアの右ねじの法則
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正解 ①フレミングの左手の法則
解説
フレミングの左手の法則は、磁界中の導体に電流を流したときに導体が受ける力(電磁力)の向きを求める法則である。左手の中指を電流の向き、人差し指を磁界の向きに合わせると、親指の向きが力の向きになる。電動機(モータ)が回転する原理はこの法則で説明される。「電・磁・力」の順に中指・人差し指・親指と覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
「レンツの法則」は誘導起電力の向きが磁束の変化を妨げる向きになることを示す法則で、力の向きを求めるものではない。「フレミングの右手の法則」は導体が磁界中を動いたときに生じる誘導起電力の向きを求める法則であり、発電機の原理にあたる。「アンペアの右ねじの法則」は電流がつくる磁界の向きを求める法則であって、力の向きを示すものではない。
問23-5

磁束密度0.5[T]の磁界の中に、磁界と直角に置かれた長さ0.4[m]の直線導体がある。この導体に10[A]の電流を流したとき、導体が受ける力として正しいものはどれか。

  • ①5[N]
  • ②2[N]
  • ③8[N]
  • ④20[N]
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正解 ②2[N]
解説
磁界と直角に置かれた導体が受ける電磁力Fは、磁束密度B、電流I、磁界中にある導体の長さLを用いて
F = B × I × L
で求められる。値を代入すると、
F = 0.5 × 10 × 0.4
= 5 × 0.4 = 2[N]
となる。導体が磁界と斜めに置かれている場合は、磁界に直角な成分だけが力に寄与するため、角度をθとして F = B × I × L × sinθ となる。

他の選択肢が不適切な理由
「5[N]」は導体の長さ0.4[m]を掛け忘れ、0.5 × 10 で止めた場合の値である。「8[N]」は磁束密度を2[T]として計算した場合の値である。「20[N]」は導体の長さを4[m]と読み違えて 0.5 × 10 × 4 と計算した場合の値であり、いずれも F = B × I × L の計算結果と一致しない。
問33-5

巻数100回のコイルを貫く磁束が、0.1秒間に0.02[Wb]だけ変化した。このときコイルに生じる誘導起電力の大きさとして正しいものはどれか。

  • ①0.2[V]
  • ②2[V]
  • ③20[V]
  • ④5[V]
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正解 ③20[V]
解説
電磁誘導によってコイルに生じる誘導起電力の大きさは、コイルの巻数Nと、単位時間あたりの磁束の変化の割合との積で求められる(ファラデーの法則)。
1秒あたりの磁束の変化 = 0.02 ÷ 0.1 = 0.2[Wb/s]
誘導起電力 = 100 × 0.2 = 20[V]
となる。磁束の変化が速いほど、また巻数が多いほど大きな起電力が生じる。なお起電力の向きは、その磁束の変化を妨げる向きになる(レンツの法則)。

他の選択肢が不適切な理由
「0.2[V]」は巻数を掛け忘れ、磁束の変化の割合だけを答えた値である。「2[V]」は磁束の変化を0.002[Wb]とするなど、桁を1つ誤った場合の値である。「5[V]」は時間を0.4秒として計算した場合の値であり、いずれも巻数と磁束の変化率の積という関係を満たしていない。
問43-5

電磁誘導によって生じる誘導起電力の向きに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①誘導起電力は磁束の変化を助ける向きに生じる
  • ②誘導起電力は磁束の向きと同じ向きに生じる
  • ③誘導起電力は磁束の大きさに比例して生じる
  • ④誘導起電力は磁束の変化を妨げる向きに生じる
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正解 ④誘導起電力は磁束の変化を妨げる向きに生じる
解説
レンツの法則は、電磁誘導によって生じる誘導起電力(および誘導電流)は、その原因となった磁束の変化を妨げる向きに生じるという法則である。コイルに磁石を近づけると、コイルは磁石を押し返す向きの磁界をつくり、遠ざけると引き止める向きの磁界をつくる。この性質があるからこそエネルギー保存の法則が成り立つ。

他の選択肢が不適切な理由
「誘導起電力は磁束の変化を助ける向きに生じる」とすると、変化がひとりでに増幅されエネルギーが無限に生まれることになり、成り立たない。「誘導起電力は磁束の大きさに比例して生じる」は誤りで、起電力は磁束そのものではなく磁束の変化の速さに比例する。磁束が大きくても一定であれば起電力は生じない。「誘導起電力は磁束の向きと同じ向きに生じる」も誤りで、起電力の向きは磁束の向きではなく変化の向きによって決まる。
問53-5

自己インダクタンス0.5[H]のコイルに流れる電流が、0.2秒間に4[A]変化した。このときコイルに生じる誘導起電力の大きさとして正しいものはどれか。

  • ①10[V]
  • ②2[V]
  • ③0.4[V]
  • ④40[V]
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正解 ①10[V]
解説
コイル自身に流れる電流が変化することで、そのコイルに起電力が生じる現象を自己誘導という。その大きさは自己インダクタンスLと、1秒あたりの電流の変化の割合との積で求められる。
1秒あたりの電流の変化 = 4 ÷ 0.2 = 20[A/s]
誘導起電力 = 0.5 × 20 = 10[V]
となる。自己インダクタンスの単位ヘンリー[H]は、1秒間に1[A]の割合で電流が変化したときに1[V]の起電力を生じる大きさを表している。

他の選択肢が不適切な理由
「0.4[V]」は電流の変化を時間で割らずに、逆に時間を掛けて 0.5 × 4 × 0.2 と計算した場合の値である。「2[V]」は電流の変化の割合を求めずに 0.5 × 4 と計算した値であり、時間で割る手順が抜けている。「40[V]」は自己インダクタンスを2[H]として計算した場合の値であって、設問の条件と一致しない。
問63-5

相互インダクタンス0.2[H]で結合された二つのコイルがある。一次側コイルの電流が0.5秒間に10[A]変化したとき、二次側コイルに生じる誘導起電力の大きさとして正しいものはどれか。

  • ①2[V]
  • ②4[V]
  • ③5[V]
  • ④40[V]
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正解 ②4[V]
解説
二つのコイルが磁気的に結合しているとき、一方のコイルの電流の変化によって他方のコイルに起電力が生じる。これを相互誘導といい、その大きさは相互インダクタンスMと1秒あたりの電流の変化の割合との積で求められる。
1秒あたりの電流の変化 = 10 ÷ 0.5 = 20[A/s]
誘導起電力 = 0.2 × 20 = 4[V]
となる。変圧器はこの相互誘導を利用した機器であり、電流が変化しない直流では働かない。

他の選択肢が不適切な理由
「2[V]」は相互インダクタンスを0.1[H]として計算した場合の値である。「5[V]」は電流の変化10[A]を時間0.5[秒]で割らずに、逆に掛けた 10 × 0.5 の値であり、相互インダクタンスも用いていない。「40[V]」は時間を0.05[秒]として計算した場合の値であり、いずれも M と電流変化率の積という関係を満たしていない。
問73-5

断面積0.003[m2]の鉄心を0.006[Wb]の磁束が一様に貫いている。この鉄心内の磁束密度として正しいものはどれか。

  • ①0.5[T]
  • ②0.2[T]
  • ③2[T]
  • ④20[T]
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正解 ③2[T]
解説
磁束密度Bは、単位面積あたりを貫く磁束の量であり、磁束Φを断面積Sで割って求める。
B = Φ ÷ S
= 0.006 ÷ 0.003 = 2[T]
となる。単位のテスラ[T]は、1平方メートルあたり1ウェーバの磁束が通っている状態を表す。磁束は「磁力線の総本数」、磁束密度は「その混み具合」と考えると、両者の違いを整理しやすい。

他の選択肢が不適切な理由
「0.5[T]」は断面積を磁束で割った 0.003 ÷ 0.006 の値であり、割る順序が逆である。「0.2[T]」は磁束を0.0006[Wb]と小数点の位置を1桁読み誤った場合の値である。「20[T]」は断面積を0.0003[m2]と読み誤った場合の値であり、いずれも 0.006 ÷ 0.003 の計算結果と一致しない。なお磁束密度が同じでも断面積が広ければ磁束は大きくなる。鉄心は空気より磁束を通しやすい性質を持つため、変圧器やコイルの磁路として用いられている。
問83-5

直線状の導体に電流を流したときに、その周囲にできる磁界の向きを求めるために用いる法則として正しいものはどれか。

  • ①フレミングの左手の法則
  • ②フレミングの右手の法則
  • ③レンツの法則
  • ④アンペアの右ねじの法則
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正解 ④アンペアの右ねじの法則
解説
アンペアの右ねじの法則は、電流の向きを右ねじの進む向きに合わせると、ねじを回す向きが電流のつくる磁界の向きになるという法則である。直線導体の周囲には、導体を中心とする同心円状の磁界ができる。この磁界の強さHは、電流をI、導体からの距離をrとすると H = I ÷(2 × 円周率 × r)で表され、距離が2倍になれば磁界は2分の1になる。

他の選択肢が不適切な理由
「フレミングの左手の法則」は磁界中の導体が受ける力の向きを求める法則で、電動機の原理にあたる。「フレミングの右手の法則」は磁界中を動く導体に生じる誘導起電力の向きを求める法則で、発電機の原理にあたる。「レンツの法則」は誘導起電力が磁束の変化を妨げる向きに生じることを示す法則であり、いずれも電流がつくる磁界の向きを求めるものではない。
問93-5

長さ0.5[m]、巻数200回の十分に長いソレノイドコイルに2[A]の電流を流したとき、コイル内部の磁界の強さとして正しいものはどれか。

  • ①800[A/m]
  • ②400[A/m]
  • ③200[A/m]
  • ④1600[A/m]
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正解 ①800[A/m]
解説
十分に長いソレノイドコイルの内部にできる磁界の強さHは、巻数N、電流I、コイルの長さLを用いて
H = N × I ÷ L
で求められる。値を代入すると、
H = 200 × 2 ÷ 0.5
= 400 ÷ 0.5 = 800[A/m]
となる。1メートルあたりの巻数が多いほど、また電流が大きいほど内部の磁界は強くなる。内部の磁界はほぼ一様で、向きは右ねじの法則で決まる。

他の選択肢が不適切な理由
「200[A/m]」は巻数と電流の積400を、コイルの長さ0.5[m]で割らずに逆に掛けた 400 × 0.5 の値である。「400[A/m]」は 200 × 2 で止めており、コイルの長さで割る手順が抜けている。「1600[A/m]」はコイルの長さを0.25[m]として計算した場合の値であり、設問の条件と一致しない。
問103-5

一つのコイルに流れる電流が変化したとき、その変化を妨げる向きの起電力がそのコイル自身に生じる現象の名称として正しいものはどれか。

  • ①静電誘導
  • ②相互誘導
  • ③自己誘導
  • ④過渡現象
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正解 ③自己誘導
解説
自己誘導とは、コイルに流れる電流が変化すると、そのコイルを貫く磁束も変化し、その変化を妨げる向きの起電力が同じコイル自身に生じる現象である。この働きの大きさを表す量が自己インダクタンスで、単位はヘンリー[H]である。コイルは電流の急な変化を嫌う性質を持ち、スイッチを切った瞬間に高い電圧が生じて火花が飛ぶのもこの現象による。

他の選択肢が不適切な理由
「相互誘導」は一方のコイルの電流変化によって別のコイルに起電力が生じる現象であり、変圧器の原理にあたる。同じコイル自身に生じる現象ではない。「静電誘導」は帯電体を近づけたとき導体内の電荷が移動して偏る現象であり、磁気ではなく静電気に関する現象である。「過渡現象」は回路の状態が変化してから安定するまでの一時的な変化全般を指す語であり、特定の誘導現象の名称ではない。

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